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今国会における所信表明や代表質問等での政府答弁に関する質問主意書

衆議院 第192回 第119号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

提出者
無所属
提出日
2016年11月7日
内閣転送 2016年11月9日
答弁書受領日
2016年11月15日
提出から8日
答弁の項目数
11
質問 2,341字/答弁 3,094字

質問本文

安倍総理大臣は今国会の所信表明や代表質問への答弁としておよそ実態とはかけ離れた内容や説明を繰り返し、自らの失政や破綻を認めようとしない。

そこでお尋ねする。

一 国民の消費意欲が依然として低い水準にあり回復の兆しが見えないのは、国民が我が国の景気の動向や経済・物価情勢の展望に明るい期待感や展望感を抱かず、政府の言うことを全く信用していないことの証左ではないか。

二 安倍総理は「アベノミクスは道半ばだ」と強弁する。しかし、アベノミクスが効果を発揮しているならば、政府自身が消費税増税の二度の先送りをしたり、日銀が物価上昇目標の達成時期を五回も先送りするなどの必要はないのではないか。政府はアベノミクスの失敗を道半ばと取り繕っているだけではないか。

三 日銀は、二年で二%としていた物価上昇目標を五度も変更したが、これは政府・日銀のデフレ脱却への実質上の敗北宣言であり、他ならぬアベノミクスの「第一の矢」の手詰まりと失政ではないか。

四 国民の個人消費や企業の設備投資が伸びないということは、政府が景気は上向いていると言っても国民や企業がそれを信用せず、政府の経済政策の失敗を見透かしているということではないか。

五 政府は「有効求人倍率が全ての都道府県で一倍を超えており、実質賃金もプラスに転じている」とするが、正社員の有効求人倍率が一倍を超えたのは八都県だけであり、正社員に限れば〇.八七倍でしかない。沖縄県を見ると〇.三五倍でしかない。実質賃金に至っては二〇一〇年度を百とすれば二〇一二年の九十九.二から二〇一五年が九十四.六へと低下している。一方、全国の就業者数は確かに増えたが、これとてその内容を見ると正規従業員は減少し、非正規従業員が増えているだけで、雇用の質が明らかに低下している。これらのことを鑑みると、とても政府が言うように雇用が改善したとは言えないのではないか。

六 日銀の国債保有残高は黒田東彦総裁になって以降、毎年八十兆円ずつ増加しており、このままでは二〇一八年に残高が国内総生産(GDP)の約五百兆円を上回ると見込まれている。そうなると我が国の経済は借金漬けとなり、対外的な信用を大きく損なうのではないか。政府の見解を求める。

七 政府は十月二十一日の経済財政諮問会議でGDP等の統計手法の見直し論議を本格化させたが、統計をいじって名目GDP六百兆円を達成しようとする思惑が透けて見えるだけであり、アベノミクスが全く成果を挙げていないという実態は何ら変わらないのではないか。

八 政府は「地方創生」を掲げて景気回復を全国に波及させると強調してきた。しかし、地方では人口流出に歯止めがかからず、人手不足と消費低迷に喘いでおり、いわば足踏み状態に落ち込んで脱却できないのが実態で、東京との格差は広がる一方である。政府は地方の厳しい実態を全く認識していないのではないか。

九 安倍総理は「憲法改正について正々堂々と公約に掲げてきており、総理自身の言葉で問いかけることがないとの指摘は当たらない」と発言した。翻って自民党の改憲の動きを見ると、自民党は改憲を党是とし二〇一二年に発表した「自民党改憲草案」では前文や第一条(天皇)、第九条(戦争放棄)、第十三条(個人)、第二十条(信教)、第二十一条(表現)、第九十六条(憲法改正の発議、国民投票及び公布)の改憲と、「公益と公の秩序」及び「国民の義務」の加憲を提案している。しかし、自民党の参議院選のマニフェストでは、僅かに最後の項目で「現行憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三つの基本原理は堅持」しつつ、「国民の合意形成に努め、憲法改正を目指す」と述べているだけであり、これまで選挙においては具体的な改憲への提案や内容に一切触れていない。特に七月の参議院選挙では具体的な改憲項目への言及を避ける戦略で終始臨んでおり、いわば改憲が議論になることを避けていた。さらに自民党憲法改正推進本部では改憲草案を国会に提出しない方針を打ち出している。このようなことからすれば、安倍総理の「正々堂々と公約に掲げてきた」との発言は「全く実態に当たらない」のではないか。

十 安倍総理は「憲法はどうあるべきか、その案を国民に提示するのは私たち国会議員の責任だ。与野党の立場を超え、憲法審査会での議論を深めていこう」と発言した。しかし、現行憲法は去る大戦の教訓を基に「二度と再び戦争を起こさない」という世界に誇れる平和憲法である。それをなぜ改正する必要があるのか、そして現在の憲法にどのような問題があるのか、ということをまず説明すべきではないか。

十一 質問十に関連して、安倍総理の手法は、改憲の必要性や理由の説明が全くないままに「さあー改正しよう、建設的な議論を深めようではないか」と言うばかりであり、その手順や方法が全く間違っているのではないか。

十二 安倍総理が領土や領海、領空の警備に当たる海上保安庁や警察、自衛隊を称え、総理に促された自民党の議員達が一斉に起立して拍手を行った。しかし、このような行為は自らの指揮下にある公務員を褒めたたえることになることや、一部の公務員の仕事を他の公務員より優位にみることがおかしいこと、など多くの問題点があるのではないか。

十三 質問十二に関連して、沖縄県では名護市辺野古新基地建設問題や東村高江のヘリパッド建設問題に関する政府の強権的で過剰な警備やなりふり構わない進め方を率先して担ってきた海上保安庁や警察、自衛隊に対する信頼や称賛の気持ちは最早地に落ちており、回復の兆しすら感じられない事態である。政府はこのような沖縄県民の思いをどのように理解し、評価しているのか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び四について

御指摘の政府の経済政策に対する国民や企業の見方は様々であると考えられ、一概にお答えすることは困難であるが、好調な企業収益を、投資の増加や賃上げ・雇用環境の更なる改善等につなげ、経済の好循環の更なる拡大を実現することが重要であると認識している。

二及び三について

平成二十九年四月に予定されていた消費税率の十パーセントへの引上げについては、世界経済が様々なリスクに直面し、内需が腰折れしかねない状況の中で、あらゆる政策を総動員し、経済再生・デフレ脱却に向けた取組に万全を期すべきであることから、構造改革の加速など、総合的かつ大胆な経済対策を講ずることと併せて、二年半延期することとしたものである。

また、二パーセントの「物価安定の目標」の実現を阻害した要因については、日本銀行は、「「量的・質的金融緩和」導入以降の経済・物価動向と政策効果についての総括的な検証」(平成二十八年九月二十一日日本銀行政策委員会・金融政策決定会合決定)の中において、原油価格の下落、消費税率引上げ後の需要の弱さ、新興国経済の減速とその下での国際金融市場の不安定な動きといった外的要因によって、実際の物価上昇率が低下し、これが予想物価上昇率の下押しに作用したためと説明していると承知している。

この検証結果を踏まえて、同行は、金融緩和強化のための新しい枠組みとして、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」(平成二十八年九月二十一日日本銀行政策委員会・金融政策決定会合決定)の導入を決定したところであり、これは二パーセントの「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するためのものであると理解している。

安倍内閣の経済財政政策により、デフレではないという状況となり、雇用・所得環境も確実に改善していると考えている。政府としては、平成二十五年一月二十二日に政府及び同行が共同で公表した「内閣府、財務省、日本銀行「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」」(以下「共同声明」という。)にもあるように、デフレからの早期脱却と物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向け、政府及び同行の政策連携を強化し、一体となって取り組んでまいりたい。

五について

有効求人倍率は上昇傾向、完全失業率は低下傾向にある中で、平成二十八年九月においては、有効求人倍率は一・三八倍と二十五年一か月ぶりの高水準、完全失業率は三・〇パーセントと約二十一年ぶりの低水準で推移していることなどから、雇用情勢は、着実に改善が進んでいると認識している。

また、正社員の有効求人倍率は同月においては、〇・八八倍と、平成十六年の調査開始以降、過去最高水準で推移している。さらに、実質賃金は、対前年同月比で八か月連続で上昇し、正規雇用労働者数は、平成二十七年に八年ぶりに対前年比で増加に転じていることなどから、御指摘のように「雇用の質が明らかに低下している」とは考えていない。

六について

日本銀行は、平成二十八年九月二十一日に開催された日本銀行政策委員会・金融政策決定会合における対外公表文の中で、長期国債の買入れ等により、「あと一年強で、マネタリーベースの対名目GDP比率は百%(約五百兆円)を超える見込みである」と説明していると承知している。これは、共同声明を踏まえて、二パーセントの「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するために必要な施策として、同行が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入し、マネタリーベースの拡大方針を継続することとしたことによるものであると理解している。

我が国の財政状況については、国・地方の債務残高がGDPの二倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれるなど、極めて厳しい状況にある。政府としては、引き続き、デフレ脱却・経済再生を図りつつ、適切な財政運営を行っていくべく、「経済財政運営と改革の基本方針二〇一五」(平成二十七年六月三十日閣議決定)第三章に定めた「経済・財政再生計画」に沿って、「デフレ脱却・経済再生」、「歳出改革」、「歳入改革」を三本柱として、「経済・財政一体改革」に取り組んでまいりたい。

七について

平成二十八年十月二十一日の経済財政諮問会議では、統計の精度や新分野の統計の充実といった課題が指摘される中、より正確で、使い勝手の良い統計システムを構築することにより、統計への信頼を盤石なものにしていくことが重要との観点から、GDP統計を軸とした経済統計の改善について議論が行われたものであり、「統計をいじって名目GDP六百兆円を達成しようとする」といった御指摘は当たらない。

八について

住民基本台帳人口移動報告(平成二十七年結果)によると、平成二十七年の東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県をいう。以下同じ。)への日本人の転入超過数は十一万九千三百五十七人と、前年に比べ九千九百四十九人増加し、転入超過の傾向が続いている。

また、有効求人倍率(就業地別)が全都道府県において一倍を超えるなど、雇用・所得環境の指標は、全国的に改善傾向が続いている一方、消費については、総じて底堅い動きとなっているが、少子高齢化や人口減少といった構造変化もあり、地方によっては経済環境に厳しいところも見られる。

政府としては、こうした東京圏への人口集中の傾向や地方における現状を踏まえて、引き続き地方創生に取り組んでいく考えである。

九について

お尋ねは、政党の代表者としての発言に関するものであり、政府としてお答えする立場にない。

十について

御指摘の発言は、各議院に設けられた憲法審査会において、憲法改正についての議論が国民の前で進んでいくことを期待する趣旨で述べたものである。

十一について

御指摘の「安倍総理の手法」、「「さあー改正しよう、建設的な議論を深めようではないか」と言うばかり」及び「その手順や方法」の意味するところが必ずしも明らかではないが、安倍内閣総理大臣の発言は、各議院に設けられた憲法審査会において、憲法改正についての議論が国民の前で進んでいくことを期待する趣旨で述べたものである。

十二について

第百九十二回国会における所信表明演説については、安倍内閣総理大臣は領土、領海、領空を守る任務に当たる海上保安庁、警察及び自衛隊の職員等に対して心からの敬意を表そうと呼び掛けを行ったものであり、御指摘は当たらない。

十三について

お尋ねの「このような沖縄県民の思い」が、具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、戦後七十一年を経て、なお在日米軍の施設及び区域が沖縄県内に集中している現状は沖縄の大きな負担となっているものであり、このような現状は是認できるものではなく、その負担の軽減を図ることは政府の大きな責任であり、政府としては、一つ一つ、確実に改善していく考えである。御指摘の「名護市辺野古新基地建設」及び「東村高江のヘリパッド建設」に係る工事も、このような沖縄の負担の軽減を図ることを目的に進めているところであり、後者に当たって、自衛隊は、安全かつ円滑に工事を実施するため、ヘリコプターによる資機材の運搬を実施したところである。また、海上保安庁は、海上の安全及び治安を確保するための業務を適切に行っているものと考えており、沖縄県警察においては、抗議活動の状況等を踏まえ、現場における混乱及び交通の危険の防止等のために必要な警備活動を適切に行っているものと承知している。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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