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第百九十二回臨時国会の安倍総理の所信表明演説における財政健全化目標に関する質問主意書
衆議院 第192回 第23号
質問本文
平成二十八年九月二十六日の衆議院本会議で安倍総理が行った所信表明演説で、「消費増税が延期された中にあっても、二〇二〇年度の財政健全化目標を堅持します。アベノミクスの果実も活かし、優先順位を付けながら社会保障を充実していきます」との発言に関して疑義があるので、以下質問する。
一 「アベノミクス」の定義について、政府の見解を示されたい。
二 「二〇二〇年度の財政健全化目標」とは、具体的にどのような目標なのか。政府の見解を示されたい。
三 当該目標を「堅持」するとは、当該目標を達成するという意味で用いているのか。政府の見解を示されたい。
四 「アベノミクスの果実」とは、具体的に何のことか。政府の見解を示されたい。
五 「アベノミクスの果実」を、安定的かつ恒久的な財源であると位置づけているのか、あるいは臨時的な財源と位置づけているのか。政府の見解を示されたい。
六 平成二十八年六月一日、安倍総理は記者会見の中で、「国民の皆様から大きな力をいただいて、アベノミクスを加速することができました」「まだまだ道半ばではありますが」と述べている。「道半ば」であるアベノミクスにどのような「果実」があり、「消費増税が延期された中にあっても、二〇二〇年度の財政健全化目標を堅持」できるのか。両者の主張には整合性がないのではないか。政府の見解を示されたい。
七 平成二十八年八月三十日、フォーブス誌に掲載された金融政策の研究者のコメントに、「当初は異次元金融緩和が円安誘導に成功し、一時は回復を期待させたアベノミクスですが、その後はといえば、第三の矢が機能していないということを隠すために金融緩和が政権に応える形で実施されています」との指摘がある。このほか、市場経済や金融政策に通じた有識者には、現在、アベノミクスは十分機能していないという認識を持つものが多い。このような認識が大勢であるにもかかわらず、政府は「アベノミクスの果実」なるものがなお存在すると考えているのか。当該の研究者のコメントに対する評価とともに、政府は「アベノミクスの果実」なるものがなお存在すると考えているのか、見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「アベノミクス」については、基本的に、長引くデフレからの早期脱却と日本経済の再生のための安倍内閣の経済財政政策を指すものとして用いている。
二及び三について
お尋ねの「二〇二〇年度の財政健全化目標」とは、「当面の財政健全化に向けた取組等について−中期財政計画−」(平成二十五年八月八日閣議了解)に示された、国・地方を合わせた基礎的財政収支について、二千二十年度までに黒字化、その後の債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すことであり、当該目標を「堅持」するとは、政府として、消費税率の十パーセントへの引上げ時期を平成三十一年十月一日に変更することとした中にあっても、当該目標を守ることを示したものである。
四、六及び七について
お尋ねの「アベノミクスの果実」とは、安倍内閣における経済財政政策の成果である。これまでの取組により、もはやデフレ状況ではなくなり、雇用や賃金、企業収益の改善など経済再生は着実に進展し、歳入面では税収が大幅に増加してきた。また、歳出面でも、現役世代の生活保護世帯数や失業給付の支出額の減少、被用者保険の被保険者数の増加、歳出改革の取組等により成果が生まれてきており、財政健全化も進展してきている。このようにアベノミクスは大きな果実を生み出してきていると認識している。
消費税率の十パーセントへの引上げ時期を平成三十一年十月一日に変更することとした中にあっても、日本への国際的な信認を確保し、社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすため、財政健全化目標は堅持する方針である。そのためにも、強い経済の実現を目指した取組を進めるとともに、引き続き、「経済財政運営と改革の基本方針二〇一五」(平成二十七年六月三十日閣議決定)に盛り込まれた「経済・財政再生計画」の枠組みの下、「経済・財政再生計画改革工程表」(平成二十七年十二月二十四日経済財政諮問会議提出)に基づき、安倍内閣のこれまでの歳出改革の取組を強化してまいりたい。
五について
お尋ねの点については、「アベノミクスの果実」のうち、財源となり得るものについて、その内容に応じ、予算編成過程において検討していくこととなる。
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