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第百九十二回臨時国会における安倍総理の所信表明演説での「世界一の大会にする」との発言に関する質問主意書
衆議院 第192回 第40号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1
質問本文
平成二十八年九月二十六日、衆議院本会議で行われた所信表明演説において、安倍総理は、「四年後の東京オリンピック・パラリンピックは、必ずや、世界一の大会にする。何としても、成功させなければなりません」と表明した。
平成二十七年二月、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、「東京二〇二〇大会開催基本計画」を策定し、「大会ビジョンの下で」「組織横断的な体制を構築し、具体的な計画を策定していく」「五本の柱を立て」、「東京二〇二〇組織委員会を中心に、政府や東京都、JOC、JPCその他のスポーツ団体、民間企業や個人も巻き込み、横断的に検討する体制を構築していく」と表明している。
しかしながら、平成二十八年九月三十日、衆議院予算委員会で、丸川珠代東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣は、「東京オリンピックの主催者は東京都でございまして、IOCと協議をされるのは、東京都がおつくりになった組織委員会です」、「国はIOCとの契約の当事者ではございません」、さらには「担当大臣の仕事は、主催者たる東京都と組織委員会がオリンピックを進める上において、特にセキュリティー面、また運輸面、運送面においてしっかりバックアップをする、こういう立場でございます」とも答弁し、安倍総理の「必ずや、世界一の大会にする。何としても、成功させなければなりません」との発言との整合性に欠ける。さらには、「東京二〇二〇大会開催基本計画」との関係も不透明であると言わざるを得ない。
このような観点から、以下質問する。
一 「東京オリンピック・パラリンピックは、必ずや、世界一の大会にする」との発言の主語、あるいは世界一を実現する主体は、安倍総理自身なのか、政府なのか、あるいはそれ以外の誰かなのか。政府の見解を示されたい。
二 安倍総理の考える「世界一」のオリンピック・パラリンピックとはどのようなものか。具体的に示されたい。
三 「東京二〇二〇大会開催基本計画」では、「世界は多様であり、均質ではない。人類も多様であり、均質ではない」「人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的及びその他の考え方、国籍、社会的起源、資産、家系、障がいの有無など、あらゆる面で異なる人類は、これらの違いを肯定し、自然に受け入れ、互いに認め合うことで、平和を維持し、更なる発展を遂げる。それを目指すのがオリンピック・パラリンピックの精神であり、それを可能とするのがスポーツの力である」と明記されている。オリンピック・パラリンピックには、それぞれの開催国などの歴史や現状に違いがあり一概に「世界一」と言い切ることはできないし、そうした評価を下すことは適切なものとは思われない。安倍総理の東京オリンピック・パラリンピックを「必ずや、世界一の大会にする」という発言は、「オリンピック・パラリンピックの精神」や「それを可能とするのがスポーツの力」、ひいてはそれぞれの開催国などの歴史や現状の違いを否定するものではないか。政府の見解を示されたい。
四 現時点で、東京オリンピック・パラリンピックの開催に要する経費は、どの程度であると政府は見積もっているのか。その収支見通しもあわせて、政府の見解を具体的に示されたい。
五 現時点の東京オリンピック・パラリンピックの開催に要すると政府が見積もる経費は、誰がどの程度負担すべきものと考えているのか。その法的根拠とあわせて、政府の見解を具体的に示されたい。
六 国と自治体、あるいはその他経費を負担すべき団体等は、何を財源として、東京オリンピック・パラリンピックの開催に要する経費を負担するのか。政府の見解を具体的に示されたい。
七 東京オリンピック・パラリンピックの主催者は誰か。政府の見解を示されたい。
八 東京オリンピック・パラリンピック開催経費の最終決定権者は誰か。政府の見解を示されたい。
九 東京オリンピック・パラリンピックの開催経費の収支見通し達成の責任主体は誰であると考えているのか。政府の見解を示されたい。
十 東京オリンピック・パラリンピックにおける、総理大臣、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣、さらに政府の役割は具体的にどのようなものか。国会における安倍総理、丸川大臣らの発言には整合性がなく、国民には理解しがたい。それぞれの役割、またその法的根拠はどのようなものであるか。政府の見解を具体的に示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかでなく、お答えすることは困難であるが、第百九十二回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説は、政府として閣議決定したものである。
二及び三について
御指摘の安倍内閣総理大臣の発言は、「二〇二〇年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会の準備及び運営に関する施策の推進を図るための基本方針」(平成二十七年十一月二十七日閣議決定。以下「基本方針」という。)において、二〇二〇年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会(以下「大会」という。)について「世界中の多くの人々が夢と希望を分かち合える歴史に残る大会にする」とされており、また、東京パラリンピック競技大会については「参加国・地域数についても、オリンピック競技大会との差が縮まるよう、過去最多となることを目指し、大会を世界中の障害者をはじめ全ての人々に夢を与える大会としなければならない」とされていることを踏まえたものであり、御指摘のように「「オリンピック・パラリンピックの精神」や「それを可能とするのがスポーツの力」、ひいてはそれぞれの開催国などの歴史や現状の違いを否定する」ものではないと考えている。
四から六まで、八及び九について
お尋ねの「東京オリンピック・パラリンピックの開催に要する経費」、「東京オリンピック・パラリンピックの開催に要すると政府が見積もる経費」、「東京オリンピック・パラリンピック開催経費」及び「東京オリンピック・パラリンピックの開催経費」の具体的な範囲が必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難である。
七及び十について
国際オリンピック委員会が定めるオリンピック憲章(二千十五年八月二日から有効)において、「オリンピック競技大会を開催する栄誉と責任は、オリンピック競技大会の開催都市に選定された一つの都市に対し、IOCにより委ねられる」とされ、「IOCは開催都市およびその国のNOCと書面による合意を交わす」とされている。また、基本方針においては、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、「大会の運営主体として、大会の計画、運営及び実行に責任を持ち、東京都が、開催都市として、大会組織委員会の行う大会準備を全面的にバックアップするとともに、外国人受入れ体制の整備、開催機運の醸成等に取り組む」とされ、「国は、大会の円滑な準備及び運営の実現に向けて、各府省に分掌されている関連施策を一体として確実に実行するとともに、大会組織委員会、東京都及び競技会場が所在する地方公共団体と密接な連携を図り、オールジャパンでの取組を推進するため、必要な措置を講ずる」とされているところである。
政府としては、平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法(平成二十七年法律第三十三号)に基づき、大会の円滑な準備及び運営に関する施策を総合的かつ集中的に推進するため、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部(以下「推進本部」という。)を設置しているところであり、同法第五条第一項の規定により、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部長(以下「本部長」という。)は、内閣総理大臣をもって充てることとされている。また、同法第六条の規定により、内閣総理大臣の命を受けて大会の円滑な準備及び運営に関する施策の総合的かつ集中的な推進に関し内閣総理大臣を助けることをその職務とする東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣は、推進本部の副本部長として、本部長の職務を助けることとされている。
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