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沖縄県名護市安部の沿岸部で発生した米軍オスプレイの墜落事故の位置づけとオスプレイの構造的な欠陥に関する質問主意書

衆議院 第193回 第1号お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×3承知していない ×1

提出者
無所属
提出日
2017年1月20日
内閣転送 2017年1月30日
答弁書受領日
2017年2月3日
提出から14日
答弁の項目数
11
質問 3,357字/答弁 2,322字

質問本文

去る平成二十八年十二月十三日午後九時五十分頃、米軍のオスプレイが沖縄県名護市安部のキャンプ・シュワブ沿岸部の浅瀬に墜落し大破するという重大な事故が発生した。

事故現場は、岸から約八十メートル離れた浅瀬であり、さらに安部の住宅地域から僅か八百メートルしか離れていなかったため、一歩間違えば地域住民の生命や財産、安全が損なわれるという甚大な事態に繋がりかねないことから、住民や県民は強い不安におののき、憤りを覚えている。

また、墜落機と同様に航行し、その後、墜落機の捜索に当たっていた別のオスプレイが燃料不足のため普天間飛行場に帰還する際に着陸装置に不具合が生じたため、胴体着陸するという重大な事故を起こしており、改めてオスプレイの安全性に疑問と不安が生じている。さらに、日米両政府は墜落事故発生後六日しか経過していない十二月十九日に墜落事故原因の究明や公表、県民への説明を行わないまま一方的に飛行や空中給油訓練を再開した。

そこでお尋ねする。

一 稲田朋美防衛大臣は墜落事故当初に「コントロールを失った状況ではなく、自発的に着水したと聞いている。墜落ではない」と言い切った。確たる証拠や情報がない中でなぜ「墜落ではない」と断言できたのか、その理由と背景について政府の認識と見解を答えられたい。

二 事故現場の写真を見ると、機体が真二つに折れて大破し、プロペラも飛び散るなどおよそ原形を留めず、また広範囲に部品が飛び散っているのが確認できた。これは事故機が制御不能のまま、機体を破壊するのに十分な力で水面にぶつかったことによる損傷に他ならない。それでも政府は「コントロールを失った状態での墜落ではない」と断定しているが、現場の状況からしてなぜそのような断定ができるのか、政府の認識と見解を答えられたい。

三 政府は「自発的に着水した」とか「コントロールして海面に着水した」とかするが、そうであるならば、事故機はコントロールできていたことから、機体の損傷を引き起こさずに水面に着陸できていたことになるし、あれほど大破することはあり得ないはずである。政府の認識と見解を答えられたい。

四 「コントロールを持ったままの墜落」というのはあり得るのか、政府の認識と見解を答えられたい。

五 「墜落」と「不時着」、「着水」及び「不時着水」の違いについて政府の認識と見解を答えられたい。

六 今回の事故について十二月十三日、米軍の準機関紙「星条旗」は「crashed off」とし、米海兵隊の専門誌「マリンコータイムズ」も「crashed」と報道している。この「crashed off」及び「crashed」の意味するところや、適合する日本語について政府の認識と見解を答えられたい。

七 米海軍安全センターは、十二月十五日までに今回の事故の規模を最も重大な「クラスA」に分類し、「機体は大破した」と評価しているとのことである。また、米国の主要メディアのAP通信、英ロイター通信、保守系FOXニュースは十二月十三日にいずれも事故を「墜落」と報道している。さらに前述の質問六で指摘したように、米軍関係の二紙も「クラッシュ」と報道している。これらからすれば、やはり今回の事故は「墜落事故」に他ならないが、政府の認識と見解を答えられたい。

八 質問七に関連して、米軍は自らの組織や広報誌では「墜落」と明確に認めておきながら、沖縄県への説明や県内マスコミへの記者会見等では「不時着」と言い続けている。米軍や米国政府のこのような二枚舌と言わざるを得ない対応について政府の認識と見解を答えられたい。

九 質問八に関連して、米軍や米国政府の対応は、余りにも虚言に満ちた対応であり、墜落事故を起こして県民を恐怖に陥れたことに対する謝罪の気持ちが微塵もないことの証左である。また、「良き隣人」として位置付け得ることは最早できないものである。本職のこのような考えについて政府の認識と見解を答えられたい。

十 質問七から九までに関連して、なぜ政府は米軍や米国政府の説明を鵜呑みにして、しかもおうむ返しに「着水」とか「不時着」とか「不時着水」とか言い切れるのか、なぜ自ら情報収集をして検証しようとしないのか、などについて政府の認識と見解を答えられたい。

十一 米軍は、事故原因について「MC百三十空中給油機からの空中給油訓練中に切れた給油ホースがオスプレイの右のプロペラに予期せぬ接触を行い、ブレード(羽)を損傷した」と説明した。また、「夜間の空中給油を行うために許容される条件であった」ともしている。そうであるならば、「許容される条件」であったのにもかかわらず、なぜ「予期せぬ事態が生じた」のか、そして「墜落事故」という最悪の事態に至ったのか、まことに辻褄の合わない説明である。政府の認識と見解を答えられたい。

十二 質問十一に関連して、米軍は「給油ホースが予期せぬ接触を行い、ブレード(羽)を損傷した」とあたかも「勝手に損傷したが如く」言い繕っているが、それでは「予期せぬ接触」とは具体的にどのような事態なのかについて政府の認識と見解を答えられたい。

十三 質問十二に関連して、切断された給油ホースがなぜいとも簡単にブレード(羽)を損傷できるのか、ブレードはそのように脆いものなのか、ブレードは鳥や空中浮遊物等との接触や衝突等を想定していないのか、ブレードが損傷したぐらいで簡単にオスプレイは墜落に至るのか、などについて政府の認識と見解を答えられたい。

十四 「夜間の空中給油訓練はどの航空機でも常に困難だ」との常識に反して、なぜ夜間の空中給油訓練を敢えて行う必要があるのかについて政府の認識と見解を答えられたい。

十五 事故機は、給油訓練時にはヘリモードだったのか、それとも固定翼モードであったのかについて政府の承知するところを明らかにした上で、「そもそもオスプレイはヘリモードで補給するということが出来ない」という識者の指摘について政府の見解を答えられたい。

十六 オスプレイは、ヘリモードで給油する場合には回転翼が垂直になるが、その場合には空中給油機の給油ホースに非常に近くなるため、給油ホースの切断事故を起こしやすくなることや、乱気流が発生し易いためコントロールすることが難しくなることなどは、予期されなかった欠陥であり、新たな構造的欠陥になると識者は指摘しているが、政府の認識と見解を答えられたい。

十七 質問十六に関連して、識者は「オスプレイのこのような構造的欠陥により、空中給油を行えば同じような墜落事故が発生する」としているが、政府の認識と見解を答えられたい。

十八 事故機が固定翼モード中に給油ホースを切ったのであれば、その原因として考えられるのは、パイロットによる誤操作か、それとも乱気流発生か、はたまた設計時点では全く想定できない事由によるのか、いずれかであると思われるが、政府の認識と見解を答えられたい。

十九 乱気流による給油ホースとブレードの接触が墜落事故の原因であるとするならば、そもそも気象条件は「許容される範囲内であった」のであるから、オスプレイが固定翼モードで空中給油を行っている時には、給油管(プローブ)付近で常にオスプレイの大きなプロペラによる乱気流が発生しているのではないか、政府の認識と見解を答えられたい。

二十 プロペラを有する固定翼機や固定翼モードのオスプレイによる給油訓練中の墜落事故の件数と発生内容について政府の承知するところを明らかにした上で、オスプレイは、給油中のモードがヘリモードであれ、固定翼モードであれ、いずれにしてもオスプレイ特有の大きな回転翼が乱気流を発生させて給油ホースを切るという構造的欠陥を持った欠陥機であると本職は考えるが、政府の認識と見解を答えられたい。

二十一 オスプレイの空中給油のモードは、設計時点ではヘリモードであったのか、それとも固定翼モードであったのか、実戦配備後の運用ではどうかについて政府の承知するところを明らかにした上で、今回の墜落事故がヘリモード又は固定翼モードのいずれのモードでの給油訓練中の事故であったのかについて政府の見解を答えられたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一、二及び四について

お尋ねの「コントロールを持ったままの墜落」の意味するところが明らかではないが、政府としては、平成二十八年十二月十三日に沖縄県名護市の沖合で発生した垂直離着陸機MV二二オスプレイ(以下「MV二二」という。)の不時着水事故(以下「本件事故」という。)について、米側から、同月十四日に、事故機の機体は、最低限姿勢を制御できる状態にあり、パイロットが意図した地点である浅瀬に着水したとの説明を受けたところであり、これを踏まえ、稲田防衛大臣は、御指摘の旨の説明を行ったところである。

三について

政府としては、本件事故について、米側から、事故機が着水するまで、プロペラのブレード以外に機体の損傷はなかったが、着水時の衝撃及びプロペラのブレードの水面との接触により、機体にかなりの損傷が生じたとの説明を受けているところである。

五について

本件事故に係る説明において、「着水」は空中から水面に着いた旨を、「墜落」はコントロールを失った状態で着水した旨を、「不時着水」及び「不時着」はコントロールを失わずにパイロットの意思で着水した旨を意味するものとして、それぞれ用いているものである。

六及び七について

政府としては、米国政府による本件事故の「クラスA」の評価について、一定の被害総額又は米国防省に所属する航空機の損壊若しくは乗員の死亡等を引き起こしたことを意味し、当該評価が「墜落事故」を意味するとは考えておらず、また、御指摘の個々の報道の内容に関し、政府としてお答えすることは差し控えたい。

八及び九について

お尋ねの「米軍は自らの組織や広報誌では「墜落」と明確に認め」、「沖縄県への説明や県内マスコミへの記者会見等では「不時着」と言い続け」及び「本職のこのような考え」の意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

なお、平成二十八年十二月十四日、ニコルソン在日米軍沖縄地域調整官は、記者会見において、本件事故について謝罪する旨述べたと承知している。

十について

本件事故の状況については、一、二及び四についてでお答えしたとおりであり、また、引き続き米側において調査しているところであるが、今後とも引き続き、米側の説明について防衛省・自衛隊の専門的知見及び経験に照らし確認を行い、その把握に努めてまいりたい。

十一、十三及び十八について

御指摘の「墜落事故」の意味するところが必ずしも明らかではなく、現時点において、本件事故については、引き続き米側において調査しているところであるが、当時の天候は、夜間の空中給油を行うために許容される条件の範囲内であったと承知している。政府としては、空中給油訓練の際にMC一三〇の給油ホースが事故機のプロペラに接触した原因としては、夜間の空中給油という搭乗員の高い技能を要するオペレーションが強風、乱気流といった気象条件下で行われていたという環境要因のほか、人的要因も複合的に重なって発生した可能性が挙げられるところである。なお、この分析については、米側とも見解が一致したところである。

お尋ねの鳥との「接触や衝突」については、MV二二に限らず、全ての航空機に起こり得るものである。また、お尋ねの「空中浮遊物」の具体的に意味するものが明らかではないため、お尋ねの「空中浮遊物」との「接触や衝突」についてお答えすることは困難であり、お尋ねの「ブレードが損傷したぐらいで簡単にオスプレイは墜落に至るのか」については、損壊の程度により、様々な状況が考えられることから、一概にお答えすることは困難である。

十二について

本件事故については、御指摘の「予期せぬ接触」を含め、引き続き米側において調査しているところである。

十四について

MV二二は、民間人の救出活動、強襲上陸及び陽動作戦、災害救援及び人道支援活動等において重要な役割を果たし得るものであり、また、空中給油によりその行動半径が拡大することなどから、MV二二に係る空中給油訓練は、夜間におけるものを含め、その活動を支えるために欠くことのできないものであると承知している。

十五から十七まで及び二十一について

政府としては、MV二二が空中給油を受ける際のモードについて、開発時点での検討の詳細は承知していないが、MV二二が空中給油を受ける際は、通常、固定翼モードで行うものと認識している。また、本件事故に係る空中給油訓練の際に事故機が垂直離着陸モード又は固定翼モードのいずれのモードであったかについては、米側に確認中であり、お答えすることは困難である。

なお、政府としては、MV二二について、識者から様々な意見等があることは承知しているが、その一々について、お答えすることは差し控えたい。

十九について

お尋ねの「墜落」の意味するところが必ずしも明らかではないが、MV二二が固定翼モードで空中給油訓練を行う際、通常、給油管は安定した状態にあり、「常にオスプレイの大きなプロペラによる乱気流が発生」との御指摘は当たらないものと考えている。

二十について

本件事故に係る空中給油訓練の際に事故機が垂直離着陸モード又は固定翼モードのいずれのモードであったかについては、米側に確認中であるが、我が国及びその周辺において、プロペラを有する固定翼機及びMV二二が給油を受ける空中給油訓練中の事故は、本件事故を除き、なかったものと承知している。

MV二二の空中給油について、通常、「オスプレイ特有の大きな回転翼が乱気流を発生させて給油ホースを切る」ことは想定されておらず、「欠陥機である」との御指摘は当たらないと考えている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×3承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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