ことばで探す › 参議院 第193回
垂直離着陸輸送機オスプレイに関する質問主意書
参議院 第193回 第18号趣旨が明らかではない ×2
質問本文
一 二〇一六年十二月十三日夜、米海兵隊普天間基地所属の垂直離着陸輸送機MV-22オスプレイが沖縄県名護市東海岸の約一キロメートルの沖合に墜落、大破した。政府はこの事故を「不時着水」と表現しているが、報道写真等を確認すると、オスプレイは通常の着陸態勢では上向きになるはずのプロペラが前方を向いており、機体は大破している。さらに、搭乗員二名が負傷したことを考えれば、機体は制御不能な状態にあったことがうかがわれ、当該事故は明らかに「墜落」であったと考えられる。政府は当該事故をなぜ「不時着水」としたのか、「不時着水」と「墜落」の定義をそれぞれ示したうえで、明らかにされたい。
二 仮に、当該機体が制御可能な状態であったとするならば、同機は所属する普天間基地まで戻れたはずである。少なくとも機体の一部が制御不能な状態であったため、墜落に至ったのではないか。政府が考えるところの機体制御が可能な状態とはどのような状態か。また、本件において機体制御はどの程度可能だったと認識しているのか、説明されたい。
三 墜落後、米軍は原因究明のためにどのような調査を行ったか、政府の知るところを明らかにされたい。また、政府は、同調査内容及び結果の報告をいつ、だれが、どのような形で受け、その上で日米双方はいつ、どの職位等にある者が、どのような協議を行ったのか明らかにされたい。
四 稲田防衛相は昨年十二月十四日未明、安全性が確認されるまでは飛行停止するよう米軍に申し入れた旨述べたにもかかわらず、事故からわずか六日後の十二月十九日には、オスプレイは飛行を再開し、政府はそれに理解を示した。オスプレイの安全性を確認したうえで、政府として国民の生命を守ることができると判断し、飛行再開に理解を示したのか。また、政府はオスプレイの安全性をどのように確認したのか、詳細を明らかにされたい。
五 本年一月五日に防衛省が公表した「MV-22オスプレイへの空中給油再開について」では、「米側においては、現在、最終的な事故調査を行っている」としたうえで、「このような人的及び環境要因に、夜間の空中給油の複雑さが重なり、給油ホースとプロペラの接触を引き起こした可能性があるが、詳細な要因については、最終的な事故調査によって確認される」と述べられている。政府が、詳細な要因が確認されないまま事故調査の完了を待たずにオスプレイへの空中給油再開に理解を示した理由を説明されたい。
六 また、前記「MV-22オスプレイへの空中給油再開について」では、「米側においては、接触を引き起こした可能性のある各種要因に有効であると思われる対策を幅広くとっており、昼夜ともに、空中給油の再開に当たっては、慎重かつ段階的なアプローチがとられ、搭乗員だけでなく整備員に対しても幅広い教育を行った上、シミュレーターによる空中給油訓練をしっかりと行ったことから、安全に空中給油を再開する準備は整ったものと考えられる」とされている。昨年十二月十三日の墜落から防衛省が「MV-22オスプレイへの空中給油再開について」を公表した本年一月五日まで、一か月も経過していない期間で、政府は、なぜ、米軍が幅広い教育を行い、シミュレーターによる空中給油訓練をしっかり行ったと判断したのか、その理由を示されたい。
七 空中給油の際、オスプレイは大きなプロペラが給油ホースのすぐ近くで回る構造であり、訓練には大きな危険が伴う。このような危険な訓練を日本国内で再開するにあたり、政府として独自に安全確認を行ったか、明らかにされたい。また、プロペラと給油ホースが風、乱気流等の環境要因等によって再び予期せぬ接触を起こさない確証を政府は得ているのか、得ている場合、その内容を説明されたい。
八 沖縄県内において、オスプレイの低空飛行、夜間飛行の常態化や、オスプレイによる吊り下げ訓練等が問題視されている。これらについて政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
お尋ねの「当該事故は明らかに「墜落」」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、平成二十八年十二月十三日に沖縄県名護市の沖合で発生した垂直離着陸機MV二二オスプレイ(以下「MV二二」という。)の不時着水事故(以下「本件事故」という。)に係る説明において、「不時着水」はコントロールを失わずにパイロットの意思で着水した旨を、「墜落」はコントロールを失った状態で着水した旨を意味するものとして、それぞれ用いている。本件事故については、同月十四日に米側から、事故機の機体は、最低限姿勢を制御できる状態にあり、パイロットが意図した地点である浅瀬に着水したとの説明を受けたところであり、これを踏まえ、不時着水であった旨、説明しているものである。
三について
政府としては、本件事故の発生以降、本件事故の原因、対策等について米側との間で集中的かつ緊密に協議を行ってきたところであるが、日米間のやり取りの詳細について明らかにすることは、米国との関係もあり、差し控えたい。
四から七までについて
お尋ねの「空中給油の際、オスプレイは大きなプロペラが給油ホースのすぐ近くで回る構造」及び「プロペラと給油ホースが風、乱気流等の環境要因等によって再び予期せぬ接触を起こさない確証」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、本件事故の発生以降、本件事故の原因、対策等について米側との間で集中的かつ緊密に協議を行ってきたところである。
平成二十八年十二月十九日のMV二二の空中給油を除く飛行の再開については、米側から、本件事故は、空中給油の際にMC一三〇の給油ホースが事故機のプロペラに接触したことによるものであり、集合教育、手順の確認及び地上におけるシミュレーターを用いた空中給油のシミュレーション等が完了した後に空中給油を実施すること、日本におけるMV二二の飛行を一時停止し、普天間飛行場に配備されているMV二二全機の機体構造、電気系統、エンジン、油圧機構等の飛行安全上の重要箇所全てについて点検し、問題がないことを確認していること等の説明を受けたところである。政府としては、この米側の説明につき、本件事故当時の気象状況、MV二二の機体構造、プロペラ損傷時に安全に着陸するための対応要領等についての防衛省・自衛隊の専門的知見に照らして確認し、当該説明について合理性が認められると判断したところである。
平成二十九年一月六日のMV二二の空中給油の再開については、現時点において、本件事故については、引き続き米側において調査しているところであるが、当時の天候は、夜間の空中給油を行うために許容される条件の範囲内であったと承知している。政府としては、空中給油訓練の際にMC一三〇の給油ホースが事故機のプロペラに接触した原因としては、夜間の空中給油という搭乗員の高い技能を要するオペレーションが強風、乱気流といった気象条件下で行われていたという環境要因のほか、人的要因も複合的に重なって発生した可能性が挙げられるところである。なお、この分析については、米側とも見解が一致したところである。
さらに、政府としては、米側から、空中給油訓練は、今後とも、陸地から離れた海域の上空でしか実施せず、陸地の上空では実施しないことも確認したところである。
その上で、政府としては、米側から得た情報等を踏まえ、当該接触を引き起こした要因についてあらゆる可能性を分析した上で、当該要因について、これまで米軍が空中給油の再開に向けてとってきた安全対策が適切なものとなっているかについて評価を行った結果、本件事故の原因となり得る人的要因及び環境要因を幅広く網羅する再発防止策が全て実施されたことを確認し、これらの対策は、防衛省・自衛隊の専門的知見及び経験に照らしても妥当であることから、安全に空中給油を再開する準備は整ったものと考えたところである。
いずれにせよ、政府としては、MV二二を含め、米軍機の飛行に際しては、安全の確保が大前提であると考えており、米側に対し、引き続き事故の再発防止を強く求めてまいりたい。また、本件事故については、引き続き米側において調査しているところであり、政府としては、米側から情報が得られ次第、関係地方公共団体等に対して丁寧に説明してまいりたい。
八について
米軍機の運用に当たっては、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払ってその運用が行われるべきものであることはいうまでもなく、政府としては、米軍に対して累次にわたりその旨申し入れており、米軍もこの点には十分留意して、安全面の配慮を払うとともに、周辺住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めていると承知している。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。