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日本国憲法第九条に自衛隊の存在についての条項を加憲することの意味に関する質問主意書

衆議院 第193回 第308号承知していない ×1

提出者
民進党・無所属クラブ
提出日
2017年5月15日
内閣転送 2017年5月17日
答弁書受領日
2017年5月23日
提出から8日
答弁の項目数
3
質問 1,168字/答弁 1,084字

質問本文

日本国憲法第九条の改正議論について、自民党の安倍総裁の、平成二十九年五月三日に開催された第十九回公開憲法フォーラムへのメッセージや同日に報じられた読売新聞のインタビューの内容が一石を投じている。安倍晋三氏は、「少なくとも私たちの世代のうちに、自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置付け、「自衛隊が違憲かもしれない」などの議論が生まれる余地をなくすべきであると考えます」と表明している。このように日本国憲法第九条の現行の規定を維持しつつ、新たに同条第三項を加憲することは一つの見識ではあるものの、その意味が判然としない。

このような事実を踏まえ、現在の政府の憲法解釈を確認したいので、以下質問する。

一 自衛権に関する政府の定義を示されたい。

二 現行の日本国憲法第九条の条文を維持したまま、同条に自衛隊の存在を明示することのみの条文を加えた場合、同条第一項及び第二項で規定されるところの政府の自衛権に関する解釈は変更されず、維持されるという理解でよいか。

三 「防衛法制における「ポジリスト」、「ネガリスト」に関する質問主意書」に対する答弁書(内閣参質一八六第一〇五号)では、「自衛隊法は、自衛隊の行動及び権限を個別に規定しており、いわゆる「ポジティブリスト」である」、「任務の的確な遂行に必要な自衛隊の行動及び権限が明確な形で規定されていることが重要である」と示されているが、日本国憲法第九条第一項及び第二項が変更されず、維持されている限り、この政府の見解は変わらないという理解でよいか。

四 現行の日本国憲法第九条の条文を維持したまま、同条に自衛隊の存在を明示する条文を加えた場合でも、「任務の的確な遂行に必要な自衛隊の行動及び権限が明確な形で規定されていることが重要である」、すなわち立法化に拠らない限り、自衛隊が新たな任務や権限を持ち得ないという理解でよいか。

五 平成十五年五月十六日の衆議院安全保障委員会で石破防衛庁長官は、「私どもの自衛隊法の書き方というのはポジリストになっておりますから、あれもできる、これもできるという、できることが列挙してある。しかし、基本的に軍隊の法制というのはネガリストであって、やってはいけないことが書いてあって、それ以外はやってもいい」と答弁しているが、この政府の見解は現時点でも変更はないという理解でよいか。

六 現在の「任務の的確な遂行に必要な自衛隊の行動及び権限」に関する法令は、ポジリスト形式であるという理解でよいか。

七 五及び六に関連して、現行の日本国憲法第九条の条文を維持したまま、同条に自衛隊の存在を明示する条文を加えた場合でも、自衛隊の運用等に関する法令はポジリスト形式であり、実際の自衛隊の運用や自衛権に関する見解に変更が生じるわけではないという理解でよいか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

個別的自衛権及び集団的自衛権は国際法上の概念であるところ、国際連合憲章(昭和三十一年条約第二十六号)第五十一条は、「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない」と規定しており、ここにいう個別的自衛権とは、一般に、自国に対する武力攻撃を実力をもって阻止することが正当化される権利をいい、集団的自衛権とは、一般に、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利をいうと解されている。我が国が国際法上、個別的自衛権及び集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上は当然である。

他方、憲法上、我が国の自衛権についての明文の規定はなく、憲法第九条の文言は、我が国として国際関係において「武力の行使」を行うことを一切禁じているように見えるが、憲法前文で確認している日本国民の平和的生存権や憲法第十三条が生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利を国政上尊重すべきこととしている趣旨を踏まえて考えると、憲法第九条が、我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置を採ることを禁じているとは到底解されない。同条の下においても、「武力の行使」の三要件、すなわち、�@我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること、�Aこれを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと、�B必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、という三要件に該当する場合の自衛の措置としての「武力の行使」は許容されると解している。

二から四まで及び七について

お尋ねは、憲法改正を前提とするものであると考えられるところ、憲法改正については、国会が発議し、国民投票により決せられるものであること等を踏まえ、お答えすることは差し控えたい。

五及び六について

自衛隊の行動及び権限に係る法令の規定ぶりに関し、いわゆる「ポジティブリスト」及び「ネガティブリスト」についての確立した定義があるとは承知していないが、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)は、自衛隊の行動及び権限を個別に規定していることから、いわゆる「ポジティブリスト」であると認識している。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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