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政府職員の通報が公益通報保護制度の対象になるか否かの基準に関する質問主意書
衆議院 第193回 第409号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1
質問本文
六月十三日、義家文部科学副大臣は参議院農林水産委員会で「文部科学省の現職職員が公益通報保護制度の対象となるためには、その通報の内容として、国民の生命、身体、財産そのほかの利益の保護に関わる特定の法律に規定する刑罰規定違反に関する事実が含まれていること」「職務内の法令違反行為の事実が含まれていることが求められる」と述べた上で、「当該告発の内容が法令違反に該当しない場合、非公知の行政運営上のプロセスを上司の許可なく外部に流出されることは国家公務員法」違反になるとの認識を示している。
公益通報者保護法第一条では、「公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することを目的」と明示し、同法第七条で「第三条各号に定める公益通報をしたことを理由とする一般職の国家公務員」等に「対する免職その他不利益な取扱いの禁止については、第三条から第五条までの規定にかかわらず、国家公務員法、国会職員法、自衛隊法及び地方公務員法の定めるところによる。この場合において、一般職の国家公務員等の任命権者その他の第二条第一項第一号に掲げる事業者は、第三条各号に定める公益通報をしたことを理由として一般職の国家公務員等に対して免職その他不利益な取扱いがされることのないよう、これらの法律の規定を適用しなければならない」と規定している。
この発言に関連して、政府職員が公益通報保護制度の対象になるか否かの基準が必ずしも明確ではないため、以下質問する。
一 国家公務員法第百条では、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする」と規定されているものの、それが法令に基づく公益通報保護制度の対象になる場合、違法性が阻却されるという認識でよいか。
二 公益通報者保護法でいう国家公務員が公益通報保護制度の対象になる場合、国家公務員法上の守秘義務違反を免責される事例の具体的な指針は存在するのか。見解を示されたい。
三 国家公務員法第百条でいう「職務上知ることのできた秘密」とは、具体的にはどこまでの範囲が含まれるのか。あらゆるものが含まれるのか、それとも、「非公知の行政運営上のプロセス」であるもののうち、枢要なものに限られるのか。政府の見解を示されたい。
四 国家公務員法第百条でいう「職務上知ることのできた秘密」が「非公知の行政運営上のプロセス」であるとすれば、元上司などが当該情報を報道機関等に提供し、それが報道で広く国民の知るところとなり、既に「非公知の行政運営上のプロセス」ではなくなったものであるならば、その違法性は阻却されるのではないか。政府の見解を示されたい。
五 国家公務員法第百条でいう「職務上知ることのできた秘密」を漏らすことの違法性が阻却される事由となるものは、「その通報の内容として、国民の生命、身体、財産そのほかの利益の保護に関わる特定の法律に規定する刑罰規定違反に関する事実が含まれていること」「職務内の法令違反行為の事実が含まれていること」のみであるのか。政府の見解を示されたい。
六 五に関連して、国家公務員法上の守秘義務違反が免責される事由に、日本国憲法第二十一条で保障される国民の知る権利に資することや報道機関等に公益性の高い情報を提供する行為であることは含まれるのか。政府の見解を示されたい。
七 行政運営上のプロセスを透明化するため、明確な違法性を持つに至らないとしても、日本国憲法第十五条第二項でいう「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」との規定を踏まえれば、政府職員が自律的に職務倫理上必要とされる限度において、「非公知の行政運営上のプロセス」を報道機関等に提供し、国民の知る権利に資することは容認されるべきだと思われるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
公益通報者保護法(平成十六年法律第百二十二号)は、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百条第一項の規定により課される守秘義務を解除するものではないが、公益通報者保護法第二条第三項に規定する通報対象事実(以下「通報対象事実」という。)は、犯罪行為などの反社会性が明白な行為の事実であり、国家公務員法第百条第一項に規定する「秘密」として保護するに値しないと考えられるため、そもそも、通報対象事実について、国家公務員法第二条に規定する一般職に属する職員(以下「職員」という。)が公益通報者保護法第三条各号に定める公益通報をしたとしても、国家公務員法第百条第一項の規定に違反するものではないと考えられる。
二について
一についてでお答えしたとおり、通報対象事実について、職員が公益通報者保護法第三条各号に定める公益通報をしたとしても、国家公務員法第百条第一項の規定に違反するものではないと考えられるところであり、御指摘の「国家公務員法上の守秘義務違反を免責される事例の具体的な指針」に当たるものは存在していない。
三及び四について
国家公務員法第百条第一項に規定する「秘密」とは、一般に知られていない事実であって、他に知られないことについて相当の利益を有するもの、すなわち、非公知性及び秘匿の必要性の二つの要素を具備している事実をいうところ、具体的な事実が当該「秘密」に該当するかどうかは、事案に即して個別具体的に判断すべきものであるため、一概にお答えすることは困難である。
五について
三及び四についてでお答えしたとおり、具体的な事実が国家公務員法第百条第一項に規定する「秘密」に該当するかどうかは、事案に即して個別具体的に判断すべきものであるが、当該事実が当該「秘密」に該当する場合であっても、これを漏らす行為が刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十五条から第三十七条までのいずれかに該当する場合は、違法性が阻却されると考えられる。
六及び七について
御指摘の「国民の知る権利に資すること」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一についてでお答えしたとおり、通報対象事実について、職員が公益通報者保護法第三条各号に定める公益通報をしたとしても、国家公務員法第百条第一項の規定に違反するものではないと考えられる。
なお、国家公務員法第百条第一項に規定する「秘密」に該当する事実であっても、他の法益との権衡上、これを公表しなければならない場合があることから、同条第二項において、職員又は退職者が法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表するには、所轄庁の長(退職者については、その退職した官職又はこれに相当する官職の所轄庁の長)の許可を要する旨を定め、守秘義務を解除し得ることとされているところである。
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