ことばで探す › 衆議院 第196回
ウルグアイ・ラウンド合意における豚肉の扱いに関する質問主意書
衆議院 第196回 第248号お答えすることは困難 ×1
質問本文
ウルグアイ・ラウンド合意における豚肉の扱いについて、次の通り質問する。
一 複数の農林水産省の資料、平成十一年「農産物貿易レポート(要旨)」(農林水産省)、平成十二年「WTO農業交渉の課題と論点」(農林水産省)、「平成六年度版食料白書、ガット農業合意と食料・農業問題」(永村武美農水省元畜産部長記述)などにおいて、豚肉の輸入については「UR(ウルグアイ・ラウンド)において関税化した」との記述がある。
(一) 「関税化」とは、WTO(世界貿易機関)農業協定第四条二における「通常の関税に転換することが要求された措置その他これに類するいかなる措置」から「通常の関税」への転換を意味すると理解して差し支えないか。
(二) WTO協定締結により、ウルグアイ・ラウンド合意以前の豚肉の差額関税制度は「関税化」された事を確認ありたい。
(三) WTO農業協定第四条二によって、関税化された品目をすべて列挙ありたい。
(四) ウルグアイ・ラウンド合意以前の豚肉の差額関税制度は、WTO農業協定第四条二における「通常の関税に転換することが要求された措置その他これに類するいかなる措置」か。その場合、WTO農業協定第四条二(注)で列挙される何に該当していたのか。
(五) 現在の関税暫定措置法によって定められる豚肉の差額関税制度は、WTO農業協定第四条二における「通常の関税」か。
(六) ウルグアイ・ラウンド合意以前の豚肉の差額関税制度と現行の豚肉の差額関税制度は何処が違うのか。
二 平成五年二月二十三日衆議院農林水産委員会において次のような答弁がある。
〇赤保谷政府委員 豚肉の差額関税制度は、低価格の豚肉の輸入を抑制する一方で、一定価格以上の豚肉については低関税で輸入を行うことによりまして、国内養豚の保護とあわせて円滑な輸入の確保、そういう役割を果たしているわけですが、ガットのウルグアイ・ラウンドにおきましては、一部の国から、この制度は最低輸入価格を設けた輸入制限的な制度であるということで、その変更を求められております。(以下略)
(一) ガット・ウルグアイ・ラウンドにおいて、一部の国から、当時の差額関税制度は最低輸入価格を設けた輸入制限的な制度であるとの指摘があり、変更を求められた事は事実か。
(二) 「最低輸入価格を設けた輸入制限的な制度」との指摘を受け、「変更」をしたのか。
(三) ウルグアイ・ラウンド合意後の差額関税制度が「最低輸入価格を設けた輸入制限的な制度」でない理由は何か。
三 ガット・ウルグアイ・ラウンド時に農林水産省食肉鶏卵課長であった小畑勝裕氏(講演時は農政課長)が鹿児島で「ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉結果等の説明」という題で講演した内容が、食肉研究会編「自由化後の牛肉流通(千九百九十四年)」の付録として収められている。
(一) 小畑氏の講演内容は、農林水産省の立場を述べたとの理解で差し支えないか。
(二) 同講演の中で小畑氏は「ただ関税化の建前がありますので、これを関税の形にしなくてはならない。」と発言している。政府として、「関税化」は「建前」と考えているのか。違うのであれば、理由を提示ありたい。
(三) 同講演の中で小畑氏は「ただ差額関税というのは今でも脱税が多いとよく言われるのですが、これをこのように山を立ててしまいますと益々脱税がおこると言いますか、四百六十円を一円でも下がるとこんなに多い税金がかかって、上がったとたんにこんな安くなると、これは変だということがあります。だから、この山の部分を日本国のサービスとして切ることにしました。」と発言している。政府として、山の部分を切ったのは「日本国のサービス」だと考えているのか。違うのであれば、理由を提示ありたい。
(四) 同講演の中で小畑氏は「そうするとちょっと端っこが切れてます。これは残念ながら関税のかたちをとるために仕方ないということで我慢してもらわなければならないところでありますが、四十円とか五十円とかいう豚肉ですから、そんな豚肉はいくらアメリカでもありえない、仮にあったとしても四百円の税金がかかるわけですから、しょうがないだろうということでここは斜めに残りますけれど、その山の中で横線を張れば差額関税はやれるではないかということになっております。」と述べている。政府は現在、このような認識に立っているか。
右質問する。
政府答弁書
一の(一)について
お尋ねのとおりである。
一の(二)について
御指摘の「ウルグアイ・ラウンド合意以前の豚肉の差額関税制度」(以下「旧制度」という。)については、ガット・ウルグァイ・ラウンド交渉の結果を踏まえ、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(平成六年条約第十五号)附属書一Aの農業に関する協定(以下単に「協定」という。)第四条2に規定する通常の関税(以下「通常の関税」という。)に転換したものである。
一の(三)について
ガット・ウルグァイ・ラウンド交渉の結果を踏まえ、従来採られていた輸入制限措置等を通常の関税に転換した品目は、小麦、大麦、乳製品の一部、でん粉、雑豆、落花生、こんにゃくいも、繭・生糸及び豚肉である。
一の(四)から(六)までについて
旧制度は、当時の畜産物の価格安定等に関する法律(昭和三十六年法律第百八十三号)第三条第一項の規定に基づき毎会計年度定められる安定基準価格及び安定上位価格を基に定められる基準輸入価格を用いて、関税の率が定められるものであったため、当該関税の率は年度ごとに変わり得るものであり、協定第四条2の注に規定する「その他これらに類する通常の関税以外の国境措置」に当たると考えられたものである。
他方、御指摘の「現在の関税暫定措置法によって定められる豚肉の差額関税制度」(以下「現行制度」という。)は、一定の基準輸入価格を基に定められる分岐点価格を境に、分岐点価格を超える豚肉にあっては従価税を課し、分岐点価格以下の豚肉にあっては従量税を課すとともに、分岐点価格の前後で課税後の価格が逆転しないよう関税の率を定めているものであり、通常の関税に当たるものである。
二の(一)及び(二)について
ガット・ウルグァイ・ラウンドにおいて、一部の国から、旧制度が最低輸入価格を設けた輸入制限的な制度である旨の指摘があり、その変更を求められたのは事実であるが、旧制度の変更については、ガット・ウルグァイ・ラウンドにおいて当該国を含めた関係国と交渉の上、協定に整合的になるよう見直しを行ったものである。
二の(三)について
現行制度においては、旧制度から引き続き、高価格の部位の豚肉と低価格の部位の豚肉とを組み合わせ、これらの豚肉を一括して一キログラム当たりの課税価格を算出して輸入することにより、基準輸入価格未満の価格の豚肉を輸入することも可能であることから、御指摘の「最低輸入価格を設けた輸入制限的な制度」には当たらないと考えている。
三について
お尋ねについては、御指摘の「講演」に係る事実関係の詳細を確認できないことから、お答えすることは困難であるが、旧制度の変更については、二の(一)及び(二)についてで述べたとおり、ガット・ウルグァイ・ラウンドにおいて関係国と交渉の上、協定に整合的になるよう見直しを行ったものである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。