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立野ダムに関する質問主意書
衆議院 第196回 第388号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1
質問本文
熊本県の白川上流に建設がすすめられている立野ダムは、安全性、自然と景観の破壊など様々な問題点が指摘され、南阿蘇村をはじめ流域住民、少なからぬ熊本県民が建設中止を求めている。
二〇一四年に日本共産党熊本市議会議員団が熊本市民を対象に行ったアンケ−トでは、七割が「立野ダム中止」との回答を寄せ、二〇一六年の熊本地震、その後の大雨・洪水により、ダム建設予定地周辺の大規模な崩落、亀裂が発生し、テレビや新聞等で報じられる中で、その流れは一段と広がっている。
国土交通省と白川流域首長の意見交換会では、熊本市の大西一史市長が、「ダムの安全性について、国交省は説明を」と発言し、他の首長からも同調の声が上がったとの報道がなされている。
南阿蘇、熊本市中央区、熊本市北区など白川流域では「白川の安全と立野ダム」についての学習会が開かれ、「立野ダムの工事は一旦中止し、流域住民・県民に説明を」との決議がされ、国土交通省九州地方整備局立野ダム工事事務所、熊本県、熊本市をはじめとする流域自治体へ要請されている。その動きはさらに広がり、熊本市江南・江原・籐園、渡鹿、北区、菊陽、大津、南阿蘇とつながり、「白川の安全と立野ダムを考える流域住民連絡会」結成に至っている。「流域住民連絡会」には、町内自治会の会長、元会長など、広い層の住民が参加し、地域ぐるみの運動に発展しつつある。
こうした中で、国土交通省九州地方整備局が、立野ダム建設(一期)工事を強行することは許しがたい行為である。
従って、次の事項について質問する。
一 白川(熊本市街地)の流下能力について
白川の現況河道流下能力算定表によると、二〇〇八年二月時点では基準地点(代継橋)付近(一二・二キロ地点、以下同じ)では二三六三m3/秒(右岸、以下同じ)、一三キロ地点(大甲橋)では、一五五四m3/秒である。二〇一五年三月時点では、基準地点付近では二六九一m3/秒、一三キロ地点は二六八三m3/秒である。
二〇一二年の「九州北部豪雨」後の白川の河川改修により、熊本市街地の流下能力が大きく増大したことが明らかになっている。
ところが、二〇一七年二月時点では、基準地点付近で二三六〇m3/秒、一三キロ地点で二五〇六m3/秒となっている。
こうした流下能力の減少は、熊本地震とその後の洪水、阿蘇山の噴火等による土砂の流下による堆積によるものと推察されるがいかがか。
二〇一七年二月の現況河道流下能力算定表にみられる流下能力の減少は、基準地点付近、一三キロ地点にとどまらず、全体として顕著であり、この状態を放置すれば、これまでの河川改修の成果を減退・消失させることになりかねない。
新世安橋周辺、蓮台寺橋周辺をはじめ熊本市の市街地の堆積土砂の撤去について、流域住民の生命と財産を守るうえで、抜本的な対策が必要だと考える。そのための具体的な計画と予算措置はいかがか。
二 事業費について
「立野ダム事業検討報告書」によると、「平成二十四年三月末において、約四百二十一億円が実施済みであり、平成二十四年度末における実施見込額は約四百二十六億円である」と記している。
総事業費約九百十七億円に対して、現時点での実施済み額はいかほどか。
工事開始以降、年度ごとに予算額、実施済み額、工事ごとの額、国の負担(その際の立野ダム事業、災害復旧、ほかの分類で)、熊本県の負担等について明らかにされたい。今後の出費額の推計を示されたい。
熊本地震とその直後の豪雨、今年の洪水等によって、工事事務所、工事用道路、仮排水路、周辺山腹、護岸等の被害が著しい。これらの再建、修復等に、現時点まで費やした費用は、いかほどか。
総事業費は見直すことになるのではないかと考えるが、どうか。
右質問する。
政府答弁書
一について
熊本県の白川の国土交通大臣直轄管理区間におけるお尋ねの「流下能力の減少」については、熊本地震及びその後の洪水により発生した土砂が堆積したことが要因の一つと推定している。
河道掘削については、平成十四年七月に策定された白川水系河川整備計画に基づき、必要な予算を確保の上、国土交通大臣直轄管理区間において実施しているところである。
二について
立野ダム建設事業は、平成二十三年四月一日に改定された「国土交通省所管公共事業の再評価実施要領」に基づき平成二十七年度に実施した再評価において、総事業費を約九百十七億円と見込んでおり、決算額が確定している平成二十八年度までの決算額は約五百六十九億二千万円である。
昭和五十四年度の事業着手以降の当初予算額はそれぞれ、昭和五十四年度が一億五千万円、昭和五十五年度が三億円、昭和五十六年度が三億円、昭和五十七年度が三億五千万円、昭和五十八年度が三億六千万円、昭和五十九年度が四億円、昭和六十年度が九億円、昭和六十一年度が十六億二千万円、昭和六十二年度が十六億円、昭和六十三年度が二十億円、平成元年度が十七億円、平成二年度が十五億円、平成三年度が十五億円、平成四年度が十三億円、平成五年度が十四億五千万円、平成六年度が十四億五千万円、平成七年度が十二億円、平成八年度が約九億三百万円、平成九年度が六億円、平成十年度が九億円、平成十一年度が九億円、平成十二年度が十億円、平成十三年度が十一億円、平成十四年度が約十三億八千万円、平成十五年度が約八億百万円、平成十六年度が七億五千万円、平成十七年度が七億五千万円、平成十八年度が六億七千万円、平成十九年度が六億円、平成二十年度が五億七千万円、平成二十一年度が約五億五千三百万円、平成二十二年度が約四億千八百万円、平成二十三年度が約三億七千百万円、平成二十四年度が約四億七千八百万円、平成二十五年度が約二十八億三千二百万円、平成二十六年度が約三十四億五千万円、平成二十七年度が約三十五億五千四百万円、平成二十八年度が約四十一億九千八百万円、平成二十九年度が約四十八億三千八百万円、平成三十年度が四十八億九千万円である。
また、昭和五十四年度の事業着手以降の決算額はそれぞれ、昭和五十四年度が約一億三千三百万円、昭和五十五年度が約二億九千五百万円、昭和五十六年度が約二億八千七百万円、昭和五十七年度が約三億四千二百万円、昭和五十八年度が約四億三千四百万円、昭和五十九年度が約四億三千三百万円、昭和六十年度が約九億八千九百万円、昭和六十一年度が約十六億五千六百万円、昭和六十二年度が約十七億百万円、昭和六十三年度が約二十一億四千三百万円、平成元年度が約十七億九千百万円、平成二年度が約十六億三千九百万円、平成三年度が約十六億六千万円、平成四年度が約十九億三千百万円、平成五年度が約二十五億六千二百万円、平成六年度が約十五億九千三百万円、平成七年度が約三十四億四千五百万円、平成八年度が約八億四千二百万円、平成九年度が約八億二千二百万円、平成十年度が約二十三億三千百万円、平成十一年度が約二十三億七千四百万円、平成十二年度が約二十億九千六百万円、平成十三年度が約十二億九千百万円、平成十四年度が約二十六億二千六百万円、平成十五年度が約十億千九百万円、平成十六年度が約九億五千六百万円、平成十七年度が約九億六千七百万円、平成十八年度が約八億六千六百万円、平成十九年度が約七億八千九百万円、平成二十年度が約七億三千七百万円、平成二十一年度が約六億四千八百万円、平成二十二年度が約三億五千五百万円、平成二十三年度が約三億七千万円、平成二十四年度が約七億三千万円、平成二十五年度が約二十七億二千三百万円、平成二十六年度が約三十四億四千四百万円、平成二十七年度が約三十二億九千九百万円、平成二十八年度が約四十六億三百万円である。
お尋ねの「年度ごと」の「工事ごとの額」並びに国及び熊本県のそれぞれの「年度ごと」の負担額については、調査に膨大な時間を要するため、また、お尋ねの「現時点まで費やした費用」については、お尋ねの「これらの再建、修復等」の意味するところが明らかではないため、これらについてお答えすることは困難である。
「総事業費は見直すことになるのではないか」とのお尋ねについては、定期的に、総事業費も含め、平成三十年三月三十日に改定された「国土交通省所管公共事業の再評価実施要領」に基づく再評価を行うこととしているが、現時点で総事業費を見直す予定はない。
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