ことばで探す › 衆議院 第196回
わが国の排他的経済水域である小笠原諸島・南鳥島沖に存在する莫大なレアアース(ジスプロシウム、テルビウム、イットリウム、ユウロビウム等を含む希土類)の発見に関連し、日本国が新時代の海洋大国として発展を遂げるための国家戦略に関する質問主意書
衆議院 第196回 第485号
質問本文
本年四月、英科学誌『サイエンティフィック・リポーツ』(電子版)に、早稲田大学・東京大学・千葉工業大学・海洋研究開発機構などで構成される研究チームの論文「The tremendous potential of deep-sea mud as a source of rare-earth elements」が発表された。同論文によれば、わが国の排他的経済水域である小笠原諸島・南鳥島から二百五十キロメートル南下した海域の海底に、二千五百平方キロメートルに渡り千六百万トン超のレアアースが存在するとされている。歴史的に、わが国は資源小国であると自覚し、その経済政策を策定してきたが、同論文にて発表された内容によれば、そのレアアースの埋蔵量のポテンシャルは、ハイブリッド自動車のモーターに使用されるジスプロシウムやテルビウム、レーザー技術に使用されるイットリウム、液晶ディスプレイに使われるユウロビウム等において、世界需要の数百年分にも上ると推定されている。これは、わが国が将来の世界経済において大きなプレゼンスを持つために、十分すぎるほど莫大な資源量である。他方、現在はこれらの資源の開発にかかわる技術には未発達な部分も多いとされる。これらの固有資源の存在に対する確固たる認識を持ち、その開発に関する技術の発展を力強く促す政策を実行する必要がある。そして、新たな時代において、わが国が、天然資源と技術力を併せ持った世界に誇る海洋大国『日本』としての地位を築くため、新たな国家戦略を早期に策定するべきである。以上の観点から、以下質問する。
一 南鳥島沖のレアアースの存在への認識について
1 前述の論文「The tremendous potential of deep-sea mud as a source of rare-earth elements」について、政府としてその存在を認識しているか。
2 南鳥島より二百五十キロメートル南の海域に、豊富なレアアースが存在しているという知見または認識を、論文発表前の時点で持っていたか。持っていた場合、この海域のレアアースに関して、これまでどのような調査、研究を実施し、どのようなレアアースがどの程度の量、存在すると考えているか。
3 わが国の領海及び排他的経済水域に既述のレアアースを含む未開発の膨大な天然資源が存在し、今後その開発を進めることにより、わが国の経済発展に対し大きな貢献をする可能性があることを認識しているか。
二 わが国の固有資源としてのレアアースの活用について
1 海底深くに存在するレアアースの効率的な採取は現時点で技術的に未発達である。政府としてこうした技術の研究開発に対して、人材育成や資金助成などの形で取り組んでいるか。取り組んでいる場合、具体的にどのような助成や活動を行っているか。
2 わが国の将来的発展に向けた貴重な資源として、海底深くに存在するレアアースの開発を、国家戦略として進めることが必要と考えるが、海底深くに存在するレアアースの採取に関する技術や研究に対し、今後新たな投資や助成を行っていく方針を持っているか。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
御指摘の論文(以下「論文」という。)については承知している。
一の2について
論文が調査対象とした海域の位置とは異なるものの、論文発表前である平成二十五年度から平成二十七年度にかけて経済産業省及び独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構が実施したレアアース堆積物に関する概略資源量・賦存状況調査の結果として、南鳥島の周辺海域にレアアースが含まれる堆積物(以下「レアアース泥」という。)が賦存することを確認していた。
同調査では、試料採取、試料分析及び音響データの解析等により、南鳥島の周辺海域におけるレアアース泥の概略資源量の試算等を行い、調査段階で算出可能なレアアース概略資源量(総レアアース酸化物量)を約七十七万トンと試算した。
一の3について
我が国の領海等には、メタンハイドレート、海底熱水鉱床、レアアース泥等の海洋由来のエネルギー・鉱物資源の賦存が確認されている。これらの国産資源の開発が進めば、地政学リスクに左右されず安定的なエネルギー・鉱物資源の供給が可能となると認識している。
二について
「海洋基本計画」(平成三十年五月十五日閣議決定)において、「世界有数の広大な管轄海域を活かし、海洋資源の開発・・・等豊かな海の恵みの活用を進めるべきであり、このため、我が国自身の力で国力の源泉となる資源やエネルギーの確保、産業の振興、それらを可能にする研究及び技術開発を着実に図る」こととしており、具体的には、南鳥島の周辺海域に賦存が確認されているレアアース泥については、将来の開発・生産を念頭に、まずは、各府省連携の推進体制の下で、戦略的イノベーション創造プログラム「革新的深海資源調査技術」において、本年度から、賦存量の調査・分析を行うとともに、広く海洋鉱物資源に活用可能な水深二千メートル以深の海洋資源調査技術、生産技術等の開発・実証の中で取組を進める方針である。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。