ことばで探す › 参議院 第180回
地球深部探査船「ちきゅう」号を用いたメタンハイドレート採掘試験に関する質問主意書
参議院 第180回 第154号趣旨が明らかではない ×1
質問本文
我が国において、天然ガスは基幹エネルギーの一つであり、その長期的な安定供給の確保の重要性が高まっている。その中で、メタンハイドレートは、エネルギー資源に乏しい我が国にとって、エネルギー安全保障の観点からも、新エネルギー源として大きな可能性を秘めている。
平成二十年三月に策定された「海洋基本計画」において、「いまだ商業化されていないメタンハイドレート及び海底熱水鉱床については、今後十年程度を目途に商業化を実現する」ことが目標として定められている。日本周辺海域のメタンハイドレート資源分布は、排他的経済水域内にあり、商業生産が実現すれば、エネルギーの長期的な安定供給の確保だけでなく、我が国が資源大国になることにより資源外交上優位な立場となる可能性がある。故に、メタンハイドレートの商業生産の実現に向けては、複数回の海洋掘削及び産出試験を集中的に実施して、産業界、大学、関係機関の英知を結集して課題の把握と克服を行える国家戦略上の本格的な体制強化が重要である。
私は、昨年五月二十三日の決算委員会で、メタンハイドレートや沖縄近郊の熱水鉱床を発見した世界に誇る「ちきゅう」号を、優先的に国内の資源開発に活用すべきと質問し、文部科学大臣から「資源開発、まさに科学の発展のために寄与するために大変重要なものと思っています」との答弁があった。また、昨年七月七日の予算委員会で経済産業大臣は、「委員御指摘の沖縄海域の伊是名海穴等、これが重要な地点として選定をいたしまして、新たに来年の二月になりますと最新鋭の海洋調査船「白嶺」が就航いたしますので、この船を十全に活用してしっかり対応していきたい」との答弁もあった。そして、今回、「ちきゅう」号が愛知県知多半島の南方沖で海底掘削を実施したが、生産技術の研究実証を踏まえた技術整備を図る観点から、以下質問する。
一 次世代のエネルギー源の一つとして期待されるメタンハイドレートの海底掘削を本格的に実施するに当たって、平成二十年にカナダ陸上で行った産出試験で連続生産に成功したとされる減圧法を採用して実施すると聞いているが、水深八百メートルから千メートル下での減圧法による採掘の有用性を、現時点でどのように評価しているのか、政府の見解を示されたい。
二 平成二十年三月に策定された「海洋基本計画」において、「いまだ商業化されていないメタンハイドレート及び海底熱水鉱床については、今後十年程度を目途に商業化を実現する」ことが目標として定められている。その目標を達成するために万全の体制で取り組むべきと考えるが、そのために、今回の海底採掘試験で実施される減圧法以外の方法で採掘することについて、政府の見解を示されたい。
三 海底下のメタンハイドレート層を採掘してメタンをガス化して回収する技術として、①メタンハイドレート層を土砂とともに溶解し、②分離したメタンガスを土砂から分離してメタンガスのみを地上に回収し、③採掘先端を海底下で移動しつつ、①、②のサイクルを海底下で広範囲に渡って繰り返し行うことにより、現在、試行されている減圧法を進化させることを可能とする提案があると聞いている。減圧法以外のこのような方法を加味していくことは有用であり、検討の必要が出てくるのではないか、政府の見解を示されたい。
四 メタンハイドレートの商業生産の実現について、平成三十年度を目標にしているが、複数回の海洋掘削及び産出試験を集中的に実施して、産業界、大学、関係機関の英知を結集して課題の把握と克服を行える体制を早急に強化し、海底資源の確保へ向けた開発を国家戦略として本格的に推進することにより早期実現を目指すことが復興の観点からも重要と考えるが、政府の見解を示されたい。
五 平成二十四年四月二十七日に、政府は、国連の大陸棚限界委員会において、日本の大陸棚を新たに約三十一万平方キロメートル認められたことを発表した。このことにより、太平洋沖の広大な海底が、新たに日本の大陸棚と認定されたので、この機会に海底資源の開発をより一層本格化させることが必要である。そのためには、資源量評価や詳細な分布を把握することが不可欠である。しかしながら、現在の体制では不十分なため、海底下のサンプリングをする地球深部探査船「ちきゅう」号をもう一隻建造することを既に昨年五月の決算委員会で提案しているところであるが、改めて政府の見解を示されたい。
さらに、船上のセンサー等による概略調査、AUVによる精密調査、ROVによるサンプリング等、海洋資源調査の一連の流れ全体を一隻で実施できる機能を備えた海洋資源調査研究船の建造について、平成二十四年度概算要求段階では日本再生重点化措置に盛り込まれていた。しかしながら、平成二十四年度予算には反映されていなかったが、その理由について政府の見解を示されたい。
六 日本周辺海域のメタンハイドレート資源分布は、排他的経済水域内にあり、商業生産が実現すれば、エネルギーの長期的な安定供給の確保だけでなく、我が国が資源大国になることにより資源外交上優位な立場となる可能性があると考えるが、今後、我が国は資源大国を目指していくのか、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
メタンハイドレートからメタンガスを効率的に分離して回収する方法については、これまでの陸上における産出試験の結果等から、いわゆる減圧法が有効であると考えているが、減圧法が海洋においても有効かどうかを確認するため、平成二十四年度にいわゆる東部南海トラフ海域において減圧法による産出試験を行うこととしているところであり、当該産出試験においては、減圧法以外の方法を用いることは想定していない。
三について
御提案の技術が有効であるか否かは不明であるが、メタンハイドレートからメタンガスを効率的に分離して回収するためには、減圧法と減圧法以外の方法を組み合わせる必要があると考えており、メタンハイドレートに二酸化炭素を圧入し、二酸化炭素とメタンガスを置換する技術等についても研究開発を進めている。
四について
メタンハイドレートの商業化を実現するためには、産学官の連携の下、技術的な課題を一つ一つ解決していくことが必要であると考えており、「海洋基本計画」(平成二十年三月十八日閣議決定)及びこれに基づき経済産業省が平成二十一年三月二十四日に策定した海洋エネルギー・鉱物資源開発計画に基づき、引き続き、産学官の連携の下、平成三十年度をめどにメタンハイドレートの商業化の実現に向けた技術を整備することを目指して研究開発を進めてまいりたい。
五について
現在のところ、お尋ねの地球深部探査船を新たに建造する予定はない。また、御指摘の「日本再生重点化措置」による予算配分の重点化等の検討を行う予算編成に関する政府・与党会議において、「海洋探査船舶は、効率的な事業実施の観点から、既存船舶を改造」すべきとの評価が示されたところであり、これを踏まえ、平成二十四年度予算においては、お尋ねの海洋資源調査研究船の建造費を計上していない。
六について
お尋ねの「資源大国」の意味するところが必ずしも明らかではないが、メタンハイドレートについては、我が国周辺海域において相当の量が賦存していることが見込まれており、その商業化は、国際情勢に影響されない安定したエネルギー供給源として、エネルギー自給率の向上に寄与することから、我が国のエネルギーの安定供給にとって重要であるとともに、産油国等に対する我が国の交渉力の向上に資すると考えている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。