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いわゆる「送電線空き容量ゼロ」問題に関する質問主意書

衆議院 第196回 第99号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

提出者
希望の党・無所属クラブ
提出日
2018年2月26日
内閣転送 2018年2月28日
答弁書受領日
2018年3月6日
提出から8日
答弁の項目数
10
質問 2,826字/答弁 2,344字

質問本文

送電線の空き容量があるにもかかわらず、「空き容量ゼロ」であるとして再生可能エネルギー事業者などの新規接続を拒否したり、新規接続のための送電線増強費用に相当するとされる多額の金額を「特定負担」として再生可能エネルギー事業者に転嫁する運用が行われていると指摘されている。このため既設電源と新規電源との間でイコールフッティングが実現しておらず、再生可能エネルギーの導入量拡大の妨げになっているとの批判が高まっている。わが国の再生可能エネルギーの導入率は先進諸国と比べていまだ低位で、世界的な導入量拡大の加速度的なスピードに遅れをとっているとの指摘も多く、上記のような再生可能エネルギー導入の妨げを放置するのは看過できない。そこで以下、質問する。

一 1 電力広域的運営推進機関は、送電線への接続を原則として認めた上で系統運用において調節する、欧米では一般的となりつつある「コネクト&マネージ」の原則にならった「日本版コネクト&マネージ」の系統運用手法の採用を検討中と承知している。その中で、送電線の「想定潮流の合理化」が検討されているが、この合理化の計算の中で、稼働していない原発については、既設分としてリザーブされる電源設備容量にカウントするのかカウントしないのか。

2 具体的には、未稼働の東京電力東通原発一号機、および着工前の電源開発大間原発一号機の容量についてはどのように計算されているか。

3 稼働停止中の原発の定格出力分を「空き容量」として数年間の長きにわたって空けておく、これまでの運用方法について、政府はどのように考えているのか。新規の再生可能エネルギー事業者等の接続の妨げになっているとは考えていないのか。

4 そもそも世界的には送電線の利用についてはその時その時の実潮流ベースで計算し、系統運用を行う手法が一般的になりつつある。実潮流を正確に把握して制御する技術も確立しているところであるが、わが国において、実潮流ベースでの系統運用を採用できない理由は何か。系統運用における技術水準でわが国が先進諸国に比べて遅れているのか。

二 1 送電系統の運用手法について、資源エネルギー庁は、自らのホームページのスペシャルコンテンツ「送電線「空き容量ゼロ」は本当に「ゼロ」なのか?」において、送電線の二回線のうち一回線が故障した場合でも運用に支障のないようにする、いわゆるN−一基準について説明し、「原則的には一回線分の容量である「五十%」という利用率が、平常時に電気を流すことができる最大の容量となるのです」としている。

ところが、実際には、全国の送電線において、二回線あわせて五十%を超える容量の電力を送電している事例が少なからず存在している。「五十%が平常時に電気を流すことができる最大の容量」は日本全国の全ての送電線(一般送配電事業者・送電事業者が保有および運用するもの)においてあてはまるのか。

2 最大容量が五十%以上流せる送電線は全体の何割あるのか。

3 全ての送電線に対して各電力会社は厳密な潮流計算を行っているのか。計算結果を経済産業省は把握しているか。

4 全国の主要幹線送電系統において、「五十%超え」を記録した事例が過去一年間にあるものはどれだけか。「五十%超え」を過去一年で一度でも記録したのは主要送電系統の中の何割にあたるか。

三 1 電力広域的運営推進機関は、送電線への新規接続にあたり必要とされる送電線の増強費用について、電力会社が電力消費者からの電気料金で薄く広く回収できる「一般負担」の上限額を定めている。上限額を超える費用については、いわゆる「原因者負担」として、新規接続事業者が負担する「特定負担」により回収される。太陽光、風力に対して設定された「一般負担」の上限額は、他の電源種別と比べて低くなっており、結果として、太陽光や風力の新規事業者に多額の「特定負担」が請求される事態となっている。

この「一般負担」の上限額を廃止し、全ての「特定負担」を「一般負担」に切り替えた場合、送電線の託送料金の上昇はkWhあたり何円になる計算か。

2 欧州では、二千三十年までに二百件の送電線の新増設が計画されているが、全費用を「一般負担」で回収した場合でも託送料金の上昇はkWhあたり〇・二〜〇・三円程度にしかならないと試算されている。そのような送電線増強とそれに伴う電気料金への影響のシミュレーションを政府で行ったことがあるか。

3 電力広域的運営推進機関は、「電源の設備利用率ごとに「一般負担」の上限額を設定する」としているが、それが妥当と考える理論的根拠は何か。太陽光や風力といった変動型の再生可能エネルギー(VRE)を可能な限り導入していく考え方や実潮流ベースの運用など、世界の主流となりつつある考え方に反しており、経済産業省が導入を検討している「コネクト&マネージ」の基本的考え方にも反しているのではないか。

四 1 電力広域的運営推進機関は、「想定潮流の合理化等の取組の方向性」として、「想定潮流が空容量の範囲内となるよう新規電源連系量を管理」としているが(第二十三回広域系統整備委員会配布資料)、既設電源の連系量の管理の可能性については書かれていない。送電系統への連系量の管理において既設電源と新規電源を区別するのはイコールフッティングを欠いており、電力広域的運営推進機関が自ら掲げている「中立・公平な業務運営」の理念に反するのではないか。

2 上記の既設電源と新規電源の区別について、電力・ガス取引監視等委員会、公正取引委員会はどのように考えるか。

3 この場合の「既設電源」には、いまだ稼働を見るに至っていない東京電力東通原発一号機、ならびに着工すら前である電源開発大間原発一号機は、カウントされるのかカウントされないのか。

五 EUにおいては、再生可能エネルギーの導入量の拡大をはかる目的で、再生可能エネルギーの優先給電を義務的に要求するEU指令が加盟国に対して発出されている(再生可能エネルギー指令=RES指令)。このため、出力抑制が必要な場合は、優先給電の再生可能エネルギーに先がけて、石炭火力や原発といった他の電源の出力抑制を行うべきものとされている。

その上で、ドイツにおいては、再生可能エネルギーの出力抑制をやむをえず行った場合、それにともない生じた事業者の損失は補償され、FIT賦課金とともに電力ユーザーに転嫁される仕組みが用意されている。

しかるに、わが国においては、平成二十九年施行の改正FIT法において、再生可能エネルギーの優先接続・優先給電どころか、むしろ電力会社の接続義務の規定が削除され、むしろ後退が見られる。EU指令と同等の、再生可能エネルギーの優先接続・優先給電を電力会社に義務付ける規定が必要ではないか。経済産業省及び環境省はこのことについてどう考えるか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1から3までについて

御指摘の「想定潮流の合理化」においては、電源の種類にかかわらず、電力系統への接続に関する契約(以下「接続契約」という。)を締結した電源については、これが送電線を利用することを前提として、電力系統への接続を可能とする容量が計算される。この取扱いは、接続契約を締結した発電事業者の予見可能性を確保するためのものであり、後から接続契約の申込み(以下「接続申込」という。)をした発電事業者を優先的に接続することは適切でないと考えている。

なお、事業者間の個々の接続契約の内容については、電源の種類にかかわらず、一般送配電事業者は公表していないものと認識しており、お答えすることは差し控えたい。

一の4について

御指摘の「実潮流ベースでの系統運用」の意味するところが必ずしも明らかでないため、お答えすることは困難である。

なお、既存の電力系統を最大限活用するため、電力系統に接続された電源の発電電力量が当該系統の容量を上回ることが見込まれる場合には電源の出力を制御する等の一定の条件を付した上で、電力系統への接続を認める等の運用の仕組みの検討を行っているところである。

二の1について

全国の送電線においては三回線以上のものが存在しており、三回線以上の送電線等については、「「五十%」という利用率が、平常時に電気を流すことができる最大の容量」とはならない。

二の2及び4について

お尋ねの割合等については、把握していない。

二の3について

御指摘の「厳密な潮流計算」の意味するところが必ずしも明らかでないが、主要な送電線への接続を可能とする容量については、各一般送配電事業者において公表しているものと承知している。

三の1及び2について

送電線の増強に係る工事に必要な費用について、全ての特定負担を一般負担に切り替えた場合における電気料金等への影響について、政府がシミュレーションを行ったことはない。

三の3について

電力の需要家が発電設備から得る受益は、当該発電設備の設備利用率に応じるため、設備利用率に応じて一般負担の上限を定めることは適切と考えている。また、電力系統へ接続するための費用の一部を発電事業者が負担することは、欧州の多くの国においても採用されている考え方であると承知している。御指摘の「コネクト&マネージ」は、電力系統への接続を可能とする容量の計算方法を合理的なものとする等、既存の電力系統を最大限活用する考え方であり、電力系統の増強に係る工事に必要な費用の負担に関する考え方である一般負担の上限額とは性質が異なるものと認識している。

四の1及び2について

御指摘の「送電系統への連系量の管理」、「既設電源」及び「新規電源」の意味するところが必ずしも明らかではないが、接続契約を締結した電源を既設電源と、接続契約が締結されていない電源を新規電源とするならば、電力系統への接続を可能とする容量の計算における既設電源と新規電源の取扱いについては、電力広域的運営推進機関において適切に行われていると考えている。

なお、政府としては、送電線の効率的な利用、電源間の負担の公平性、発電事業者の予見可能性の確保等を考慮し、既設電源を含め、電力系統への接続を可能とする容量の計算の前提とする系統に流れる電気の量の想定を、過去の実績等を評価し合理的なものとするなど、現在の運用の改善に向けた検討を行っているところである。

四の3について

事業者間の個々の既設電源に関する接続契約の内容については、電源の種類にかかわらず、一般送配電事業者は公表していないものと認識しており、お答えすることは差し控えたい。

五について

優先接続については、先に接続申込をした発電事業者の予見可能性を確保するため、後に接続申込をした再生可能エネルギー発電設備を優先的に接続することは適切でないと考えている。

優先給電については、電気の供給量が需要量を上回ることが見込まれる場合には、一般送配電事業者は、電力広域的運営推進機関が策定した電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二十八条の四十第三号に規定する送配電等業務指針に基づき、再生可能エネルギー発電設備の出力の抑制の要請を行う前に、火力発電設備の出力の抑制の要請や地域間連系線を活用した他地域への電気の供給等の措置を講ずることとしている。

なお、平成二十九年四月に施行された電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律(平成二十八年法律第五十九号。以下「再エネ特措法改正法」という。)による改正前の電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成二十三年法律第百八号。以下「旧再エネ特措法」という。)第五条は、旧再エネ特措法第六条第一項の規定による経済産業大臣の認定を受けた再生可能エネルギー発電設備について電力系統への接続を求められた場合に、旧再エネ特措法第二条第一項に規定する電気事業者に当該接続を義務付けることを規定したものであり、再生可能エネルギー発電設備を他の電源よりも優先的に接続することを義務付ける規定ではない。その上で、平成二十八年四月に施行された電気事業法等の一部を改正する法律(平成二十六年法律第七十二号)による改正後の電気事業法第十七条第四項において、一般送配電事業者は、電源の種類にかかわらず電力系統への接続を求められた場合は、正当な理由がなければ、当該接続を拒んではならない旨が規定されたため、これを受けて再エネ特措法改正法において旧再エネ特措法第五条が削除されたものであり、再生可能エネルギー発電設備の接続に関する法律上の取扱いに、何ら変更はない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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