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無痛分娩事故の陣痛促進剤の関与に関する再質問主意書

衆議院 第197回 第103号お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×7承知していない ×3

提出者
立憲民主党・市民クラブ
提出日
2018年12月4日
内閣転送 2018年12月10日
答弁書受領日
2018年12月14日
提出から10日
答弁の項目数
10
質問 2,080字/答弁 2,284字

質問本文

我が国の無痛分娩のほとんどは、子宮収縮剤(陣痛促進剤)が使用される計画分娩であるが、無痛分娩事故多発を受けて発足した「無痛分娩の実態把握及び安全管理体制の構築についての研究」(研究代表者:海野信也教授)及び提言には陣痛促進剤に関する内容が全く盛り込まれていない。これは非常に不可解な研究と言わざるを得ない。

当該研究班について平成三十年四月十一日第六十一回社会保障審議会医療部会に提出された資料によれば、「現状の実態把握と分析を行い安心・安全な管理体制を構築することが緊急に必要である」という認識の下、基本方針として、「特に検討のプロセスの公開・透明化に配慮して研究を進める」、「日本社会に生じている無痛分娩の安全性に関する懸念を、診療内容の透明化、公開、共有を通じて払拭していくための方策を立案、共有する」とされている。

このことに関連して以下質問する。

一 当該研究には無痛分娩時の陣痛促進剤に関する内容が全く盛り込まれておらず、研究・調査の目的である「診療内容の透明化、現状の実態把握と分析を行い安心・安全な管理体制を構築すること」が達成されているとはいいがたい。当該研究はなぜ陣痛促進剤の使用実態を対象としていないのか。

二 当該研究班で対象とされた十四例の死亡事例は、二〇一〇年から二〇一六年までの間に、日本産婦人科医会に会員から報告され、「妊産婦死亡症例検討評価委員会」で分析された妊産婦死亡数とされている。この報告様式がわかる報告書(元票)を直ちに公開すべきと考えるが政府の見解を示されたい。

三 無痛分娩死亡事例十四例中十三例について陣痛促進剤を使用していたとされる。ではこの十三例について、陣痛促進剤の使用について事前に文書で同意を得ているのは何例か。

四 十三例の無痛分娩管理の経時記録について、血圧等のバイタルサイン、胎児心拍、子宮収縮の値・状況と観察方法を直ちに公開すべきと考えるが政府の見解を明らかにされたい。

五 十三例の陣痛促進剤の薬剤名、開始時投与量、維持量、最大投与量、増量間隔等について直ちに公開すべきと考えるが政府の見解を明らかにされたい。

六 十三例の分娩経過中の分娩監視装置の連続使用状況、監視の有無について、合理的根拠を示して明らかにされたい。ちなみに「産婦人科診療ガイドライン 産科編二〇一七」に「分娩監視装置を連続装着して、胎児心拍数陣痛図として記録する」との記載があるが、産科医療補償制度の「再発防止に関する報告書」においてもガイドライン違反は多々報告されていることは周知の事実である。

七 無痛分娩を行った妊産婦死亡事例十四例中、死亡原因が麻酔:一例、羊水塞栓症:十例、子宮破裂:一例、産道裂傷:一例、感染症:一例であり、麻酔以外の十三例は「無痛分娩を行っていなくても起こりうる」とされている。

ではこれらがどういうプロセスで発生し、なぜ死亡を回避できなかったのかについて検証はされたのか。していないとしたらなぜか。

八 報告書の様式は原因分析に資するため、薬剤や医療機器の使用状況を詳細に記入させるものでなければならない。現在の報告様式はその要件を満たしているか、報告書の元票の記載項目を示して明らかにされたい。

九 現在の医薬品安全性情報報告書や医療機器安全性情報報告書の様式について、上記の理由から全面改訂が必要と考えるがどうか。

十 当該研究班の調査・研究の根拠となっている日本産婦人科医会「分娩に関する調査」の回答施設数及び回収率は、分娩取扱い施設二千三百九十一施設(病院千四十四施設、診療所千三百四十七施設)のうち、千四百二十三施設(回収率五十九.五%、病院五百九十施設、診療所八百三十三施設)であり、全ての分娩施設の管理状況、診療実態を把握できているわけではない。愛媛県・丹産婦人科のように、未回答施設に重大事故事例が存在する可能性が否定できないことについて、見解を示されたい。

十一 この十四例の死亡事例は全例、医療法に基づく医療事故調査制度の対象となるべき事例であるが、この制度に基づく院内調査を経て医療事故調査・支援センターに報告されたのか。また、その後の経緯は承知しているか。明らかにされたい。

十二 この十四例の死亡事例は全例、医療法施行規則に基づく「医療事故情報収集等事業」に報告されたのか。また、その結果どのように「分析その他事故等事案に関する科学的な調査研究が実施され」たのか、明らかにされたい。

十三 分娩は自由診療であるため施設基準がなく、診療内容や管理体制なども可視化されにくい。しかしそれは、女性と子どもの命に直結し死亡事例も発生している診療行為に何ら規制がなく、質の管理向上や標準化を図る仕組みがないことを意味する。

厚労省としてすべての分娩事故の死亡事例、事故事例の全容を詳細に把握すべきである。そのためにも分娩に特化した事故事例報告制度などの安全管理対策を強化し、可視化による原因分析と再発防止の仕組みを構築すべきと考えるがどうか。見解を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の「当該研究には無痛分娩時の陣痛促進剤に関する内容が全く盛り込まれておらず」及び「陣痛促進剤の使用実態」の意味するところが必ずしも明らかではないが、先の答弁書(平成三十年十一月十三日内閣衆質一九七第二八号。以下「前回答弁書」という。)一の(一)についてでお答えしたとおり、御指摘の「当該研究」の総括・分担研究報告書(以下「報告書」という。)には、「無痛分娩を行っていた妊産婦死亡十四例は全例で分娩監視装置が装着されていたことが示された。そのうち子宮収縮薬を使用していた十三例であった」と記載されていると承知している。

また、御指摘の「当該研究」の平成三十年三月二十九日付け「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」には、「無痛分娩取扱施設は、最新の「産婦人科診療ガイドライン産科編」を踏まえた上で、個々の妊産婦の状況に応じた適切な対応をとること」等が記載されていると承知している。

二及び八について

お尋ねの「報告様式がわかる報告書(元票)」、「その要件」及び「報告書の元票」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。なお、公益社団法人日本産婦人科医会(以下「日本産婦人科医会」という。)が実施する妊産婦死亡報告事業において用いられる「妊産婦死亡調査票」は、日本産婦人科医会のウェブサイトで公表されていると承知しており、当該調査票には、薬剤、医療機器等の使用状況等を記載する項目が存在すると承知している。

三について

お尋ねの「陣痛促進剤の使用」の意味するところが必ずしも明らかではないが、報告書に「子宮収縮薬を使用していた十三例」と記載された妊産婦死亡事例(以下「十三事例」という。)における子宮収縮薬の使用に係る文書による同意の有無については、厚生労働省としては把握していない。

四及び五について

お尋ねの「経時記録」及び「陣痛促進剤の・・・増量間隔等」の意味するところが必ずしも明らかではないが、十三事例の個々の事例の詳細な記録については、日本産婦人科医会が保有していると承知していることから、当該記録の公開の必要性について政府としてお答えすることは差し控えたい。なお、産婦人科医等により構成される「妊産婦死亡症例検討評価委員会」(以下「検討評価委員会」という。)及び日本産婦人科医会から、妊産婦死亡事例の分析を踏まえた「母体安全への提言二〇一六」等が公表されていると承知している。

六について

十三事例についてのお尋ねの「分娩経過中の分娩監視装置の連続使用状況、監視の有無」については、厚生労働省としては把握していない。

七について

お尋ねの「どういうプロセスで発生し、なぜ死亡を回避できなかったのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、十三事例については、日本産婦人科医会から検討評価委員会にその内容が提供され、検討評価委員会において死因及び医療行為上の問題点等の分析を含む事例検討が行われていると承知している。

九について

お尋ねの「上記の理由から」の意味するところが必ずしも明らかではないが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第六十八条の十第二項の規定に基づいて医師等の医薬関係者が医薬品の副作用等について報告する際の様式については、前回答弁書二の(三)についてでお答えしたとおり、改訂する必要性はないと考えている。また、医師等の医薬関係者が医療機器の不具合等によるものと疑われる疾病等について同項の規定に基づき報告する際の様式については、「医療機関等からの医薬品、医療機器又は再生医療等製品についての副作用、感染症及び不具合報告の実施要領の改訂について」(平成二十八年三月二十五日付け薬生発〇三二五第四号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)において定められており、その所定の欄に医療機器の不具合、健康被害の発生経緯等を記載させることとしていることから、当該様式を改訂する必要性はないと考えている。

十について

お尋ねの「愛媛県・丹産婦人科のように、未回答施設に重大事故事例が存在する可能性が否定できない」の意味するところが明らかではなく、また、御指摘の「分娩に関する調査」は日本産婦人科医会が行ったものであり、その詳細については、厚生労働省としては把握していないことから、お尋ねについてお答えすることは困難である。

十一及び十二について

厚生労働省においては、御指摘の「十四例の死亡事例」(以下「十四事例」という。)の個々の事例の詳細な記録を保有しておらず、また、御指摘の「院内調査を経て医療事故調査・支援センター」に報告されている事例及び御指摘の「医療事故情報収集等事業」において病院等から報告されている事例については患者の氏名等の情報が除かれたものが報告されていること等から、個々の十四事例がこれらの報告されている事例のいずれかに該当するかを明確に特定することは困難であるため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

十三について

お尋ねの「分娩事故の死亡事例、事故事例の全容」、「分娩に特化した事故事例報告制度」及び「可視化による原因分析と再発防止の仕組み」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)の規定に基づき実施されている医療事故調査制度等の取組を通じて、医療事故(同法第六条の十第一項に規定する医療事故をいう。)に係る原因究明及び再発防止を図ってまいりたいと考えている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×7承知していない ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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