ことばで探す › 衆議院 第198回
グレーゾーン解消制度における「患者サポートプログラム」についての厚生労働省の回答に関する質問主意書
衆議院 第198回 第149号趣旨が明らかではない ×3承知していない ×1
質問本文
企業の提案に基づき「規制改革」を行うために創設された「グレーゾーン解消制度」において、看護師が電話等により症状や治療法、服薬状況の確認、医薬品の有効性と安全性、医薬品の情報、投薬スケジュールの管理に資する情報等を、特定の医療用医薬品を処方されている患者や家族に対して積極的に提供するというビジネスモデルを検討している企業(以下「当該企業」という。)が行った確認の求めに対し、厚生労働省医政局医事課が二〇一九年二月二十六日に行った回答内容(以下「回答」という。)に関して、医療情報の共有、副作用情報の収集、製薬企業による患者への情報提供、サービスを提供する者の専門性、そして服用期間中のフォローや継続的な薬学的管理が求められている調剤薬局との競合あるいは共存の可能性の観点から、以下質問する。
一 確認を求められた事業「患者サポートプログラム」(以下「当該事業」という。)では、看護師免許保持者が、電話等により服薬状況の確認、医薬品の有効性と安全性、医薬品の情報、投薬スケジュールの管理に資する情報等を「医師の合意」の下で実施するとされている。これに対する回答は、確認を求められた当該事業における行為はいずれも医師法上の医行為に該当せず、医師でない者がこれを業として行ったとしても医師法第十七条に違反しないとのことであった。当該事業における行為が「医行為」に該当しないということであれば、その行為の実施者はそもそも看護師免許を保有する必要もないということになるが政府の見解をあきらかにされたい。
二 併せて問うが、「医行為に該当せず」という判断は、当該事業における行為の前提である「医師の合意」があろうとなかろうと、当該事業が列挙している行為を実施することは何ら問題がないという理解でよいのか、政府の見解をあきらかにされたい。
三 回答中、なお書きにある「患者の個別的な状態に応じた医学的判断」とは何を意味するのか具体的にあきらかにされたい。
四 また「服薬状況の確認」は、それに伴って個別の患者の服薬状況が改善する効果が当然に見込まれるものであり、これは個別具体的な状態に応じた助言であっても、「患者の個別的な状態に応じた『医学的判断』」には該当しないという理解でよいのか、政府の見解をあきらかにされたい。
五 当該事業においては、医薬品の有効性と安全性、服薬状況の確認、疾患の発症メカニズム、症状、治療法などに関する情報などを提供することが想定されている。これらの情報は、「患者の個別的な状態」に応じて、適切に情報提供を行う必要があり、また、「患者の個別的な状態」を理解した上で、適切な情報を提供することが求められるのではないか。
六 少なくとも患者等に対して医薬品にかかる情報を提供するのであれば、薬学全般について専門性を有していることが必要と考えられ、また疾病にかかる情報を提供するのであれば、医学的知見も一定程度必要であると考えられる。他方、回答は当該事業の提供する一連の行為について「医行為」でないという判断はしているものの、その提供するサービス水準についての判断はどこにも示されていない。患者等に情報を提供するサービスの水準や質、あるいは専門性について政府はどのように考えているのか明らかにされたい。
七 当該事業は、医薬品製造販売事業者からの資金提供を受けて、当該企業が患者に情報提供を行うスキームである。当該医薬品製造販売事業者の製造する医薬品を使用している患者が、当該医薬品製造販売事業者に都合のよい偏った情報のみを受け取ることを、どのように防げるのか。
八 当該企業が医薬品製造販売事業者ではないという理由で、当該企業は第三者にあたり、情報提供の公平性、中立性は担保されていると、厚生労働省が強弁しているというのは事実か。
九 当該事業において、当該企業と医薬品製造販売事業者の関係は、民間企業同士の通常の商取引関係であり、営利企業である当該企業を第三者と呼ぶのは不適切ではないか。
十 回答作成にあたり厚生労働省は、患者等への情報提供の公平性・中立性という観点から検討したのかどうか、あきらかにされたい。
十一 このサービスに同意した患者に処方された特定の医薬品について、そもそもその医薬品を調剤し、服用期間中のフォローや、継続的な薬学的管理を行っている薬局と、当該企業の業務のすみわけは、どのようになると考えているのか、政府の承知しているところをあきらかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第十七条は医師でない者が医業をなすことを禁止しているが、ここにいう「医業」とは、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある「医行為」を反復継続する意思をもって行うことであると解している。お尋ねの「何ら問題がない」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「患者サポートプログラム」(以下「本件事業」という。)については、厚生労働省のホームページにおいて本件事業についての「確認の求めに対する回答の内容」が公表されているところ、その「4.確認の求めの内容」の�@から�Bまでに記載されている行為については、いずれも「医行為」に該当せず、「医師の合意」の有無にかかわらず、医師又は看護師により行われなければならないものには当たらないと考えている。
三及び四について
お尋ねの「患者の個別的な状態に応じた医学的判断」とは、例えば、患者の症状に応じて服薬の量を変更する判断等を想定している。また、お尋ねの「服薬状況の確認」については、一般に、患者が服薬したか否かという事実を確認する行為であると思われるところ、当該行為は、「患者の個別的な状態に応じた『医学的判断』」を伴うものに該当しないと考えている。
五、六及び十について
産業競争力強化法(平成二十五年法律第九十八号)第七条第一項の規定に基づくグレーゾーン解消制度は、照会者から確認の求めがあった法令の規定について、照会者から提示された事実のみを前提にして、主務大臣が、当該規定を所管する立場から、当該規定の解釈及び照会者が実施しようとする事業活動等に対する当該規定の適用の有無を示すものであり、これらのこと以外のものを示すことまで求めているものではない。御指摘の「回答」は、本件事業について当該確認の求めのあった疾患又は医薬品に関する学術書等に基づく当該医薬品の適応症である疾患についての情報及び当該医薬品に関する情報を提供すること等が、医師法第十七条に規定する医業に該当するか否かに限って検討し、厚生労働大臣が回答したものである。なお、患者等に対する医薬品に関する情報提供は重要であることから、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第一条の五において、看護師を含めた医師、薬剤師等の医薬関係者は、患者等に対し、医薬品の適正な使用に関する事項に関する正確かつ適切な情報の提供に努めなければならないとされている。
七について
お尋ねの「当該医薬品製造販売事業者に都合のよい偏った情報」の意味するところが必ずしも明らかではないが、本件事業については、医薬品の適正使用を促進することを目的として、御指摘の「当該企業」(以下「当該企業」という。)が主治医等と連携しながら患者ごとの「プログラム」を設計し、その「プログラム」に沿って、看護師から当該患者に対して医薬品の有効性、安全性等に関する情報提供が行われるものであると承知しており、その限りにおいて、当該企業によって恣意的に選択された情報が提供されるものではないと考えている。
八及び九について
厚生労働省として、同省がお尋ねのように「強弁している」という事実は把握していない。
十一について
お尋ねの「薬局と、当該企業の業務のすみわけ」の意味するところが必ずしも明らかではないが、本件事業の実施の有無にかかわらず、薬局開設者に対しては、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第九条の三第一項において、医師等から交付された処方箋により調剤された薬剤の適正な使用のため、当該薬剤を販売し、又は授与する場合には、その薬局において薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師に、必要な情報を提供させ、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わせることが義務付けられている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。