ことばで探す › 衆議院 第199回
F35A墜落事故の原因及び同戦闘機の諸欠陥に関する質問主意書
衆議院 第199回 第3号
質問本文
防衛省は六月十日、「F−35A戦闘機墜落事故の要因と再発防止策について」を発表し、この中で「操縦者が『空間識失調』(平衡感覚を失った状態)に陥っており、そのことを本人が意識していなかった可能性が高いと推定」する一方、「可能性が極めて低いが完全には否定できない、G−LOCによる意識喪失や機体のエンジン制御、操縦及び電気系統の不具合」を指摘している。
これらの点について、以下、質問する。
一 六月十日に防衛省が発表した「F−35A戦闘機墜落事故の要因と再発防止策について」の「2 これまでに判明した事項」について、発表後から今日に至るまで、新たに判明した事実はあるか、具体的かつ詳細に説明されたい。
二 防衛省発表の同文書「4 対策」において、「機体のエンジン制御、操縦及び電気系統の不具合」を事故の要因として、「可能性が極めて低いが完全には否定できない」としている。「可能性が極めて低いが完全には否定できない」とした理由は何か。具体的かつ詳細に説明されたい。また、「機体のエンジン制御、操縦及び電気系統の不具合」の項目数、不具合の具体的事象を詳細に説明されたい。
三 防衛省が発表した「F−35A戦闘機墜落事故の要因と再発防止策について」は、肝心の事故原因が特定できていないと私は考える。飛行再開はあってはならない。防衛省の認識を明らかにされたい。
四 岩屋防衛大臣は、本年二月十五日の衆議院予算委員会における私の質問に対して、「我が国が導入するF35Aの機体につきましては、運用能力や飛行の安全性等に影響を及ぼすような課題はないということが判明をしております」と答弁した。今もこの答弁を維持するのか。
私は同予算委員会で、米国政府監査院(GAO)の報告書等に基づいて、F35のカテゴリー1に分類される重大欠陥等を追及した。政府はその後も、米国からカテゴリー1に分類されるF35の重大欠陥等の説明を受けていないのか。また本年四月九日のF35A墜落事故後も、米国側に説明を求めていないのか。明確にされたい。
五 六月十二日、米国サイト「ディフェンス・ニュース」は、F35戦闘機の安全性や任務の有効性に影響を与える十三項目の重大欠陥の詳細や国防総省の改善計画を記した文書(以下、「文書」と呼ぶ)を入手し、「F35の隠されたトラブル」として、詳細に報じている。報道によれば、米国防総省当局は、「文書」の存在を前提に「ディフェンス・ニュース」とのインタビューに応じている。
防衛省は、「文書」並びに米国防総省当局と「ディフェンス・ニュース」とのやりとりの内容を把握しているか、明らかにされたい。
「文書」によれば、「平均以下のレベルの星空で夜間飛行する際、パイロットには、暗視ディスプレイ内にすごい水平方向の線や条線が現れ、地平線を覆い隠す」という欠陥が記されている。防衛省が保有するF35Aも、このような欠陥を確認しているのか、明らかにされたい。
また、防衛省によるF35A墜落事故の要因の推定にあたり、機体の不具合又は欠陥等により、パイロットが水平線を誤認する、あるいは誤表示等で機体の飛行高度や姿勢等を誤認識した可能性について、いかなる検討がなされているか、詳細かつ具体的に説明されたい。
六 「文書」によると、「F35B及びCは、空中戦やミサイル退避などで、機体が二十度の迎角を超える角度で操縦している場合、制御が困難になる」と記されている。
F35Aの操縦に際して、自衛隊パイロットから何らかの制御の困難が報告されたことは、これまでにあるのか。仮にあるならば、具体的かつ詳細に明らかにされたい。
七 F35Aについて、米軍がカテゴリー1に分類した欠陥は、二千十七年、二千十八年、二千十九年にそれぞれ何件あるかを明らかにされたい。その内、新たに確認された件数も明示されたい。また、欠陥の内容も具体的かつ詳細に説明されたい。
八 F35Bについて「文書」によると、特定の姿勢での制御困難以外にも、「F35B及びCは、マッハ一・二を上回る超音速で飛行すると、ステルスのコーティングが損傷もしくは水ぶくれを起こす」、「F35Bは気温三十二度以上の場合には、機体を空中に保つ推力が生み出せず、激しい着陸となる」等、カテゴリー1に相当する欠陥を記している。
政府は、こうしたF35Bの諸欠陥を把握しているかを明らかにされたい。
F35にどういう欠陥があるかも判らないまま、百五機も爆買いするのは止めるべきである。
右質問する。
政府答弁書
一について
航空幕僚監部においては、本年四月九日に発生したF三五A戦闘機の墜落事故(以下「本件事故」という。)に係る調査の結果を取りまとめた上で、同年八月九日に「空自F―三五A戦闘機墜落事故の調査結果について」として公表したところであるが、同幕僚監部が同年六月十日に「F―三五A戦闘機墜落事故の要因と再発防止策について」(以下「六月公表文書」という。)を公表した後に新たに判明した事項としては、例えば、本件事故で墜落したF三五A戦闘機の機体(以下「本件機体」という。)からその操縦者に対して、上空約二万フィート付近において一定の速度の超過を伝える発報が、上空約一万フィートから約六千フィートまでの間において衝突の回避を指示する発報が、それぞれなされていたと推定されること等が挙げられるところである。
二について
六月公表文書においては、本件機体が墜落したと推定される時間の約十五秒前まで、本件機体の操縦者が地上管制と交信を継続していたものの、その交信中に当該操縦者からエンジン制御、操縦、電気系統等の不具合を示唆するような通報はなかったこと等から、これらの不具合について「可能性は極めて低い」としたものである。
他方で、これまでの本件事故に係る捜索・揚収活動において、本件機体のフライト・データ・レコーダーが発見されておらず、墜落時に本件機体のエンジン制御、操縦、電気系統等が正常に作動していたことを示す記録を確認することまではできていないことから、これらの不具合について「完全には否定できない」としたものである。
三について
航空幕僚監部においては、六月公表文書にも記載しているとおり、本件機体の操縦者は操縦中に「空間識失調」、すなわち平衡感覚を失う状態に陥ったと推定され、このことが本件事故の要因であると判断したところであり、本件事故の再発防止策として、全てのF三五A戦闘機の操縦者に対して「空間識失調」に関する教育及び訓練を実施したほか、念のため、併せて重力に起因する意識喪失に関する教育も実施するとともに、本件機体以外のF三五A戦闘機の機体について、その内部も含めた入念な点検を実施し、飛行の安全に影響する問題がないことを確認したところである。
防衛省としては、これらにより、F三五A戦闘機について飛行の安全を確保することが可能であると判断し、本年八月一日から飛行を再開することとしたところである。
四について
お尋ねについては、本年六月七日の参議院本会議において、岩屋防衛大臣が、「米国会計検査院のF三五に関する指摘については、その内容を米国政府に確認しており、特に飛行の安全や任務の遂行に重大な影響を与え得る事項として区分された課題につきましては、米国政府から既にリストを入手し、我が国が導入しているF三五Aについて飛行の安全に影響する問題はないということを確認をしております」と答弁しているとおりである。
五、六及び八について
個々の報道を前提としたお尋ねについて、政府としてお答えすることは差し控えたい。
なお、F三五A戦闘機の機体について飛行の安全に影響する問題がないことについては、三について及び四についてで述べたとおりであり、航空自衛隊からも、これまで、同機の機体について飛行の安全に影響する問題がある旨の報告は受けていない。また、本件事故の要因については、三についてで述べたとおりである。
七について
お尋ねについては、F三五A戦闘機の性能等が明らかになることにつながることから、政府としてお答えすることは差し控えたい。
なお、同機の機体について飛行の安全に影響する問題がないことについては、三について及び四についてで述べたとおりである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。