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中小河川の浸水想定区域未指定の問題に関する質問主意書

衆議院 第203回 第71号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2

提出者
立憲民主党・社民・無所属
提出日
2020年12月1日
内閣転送 2020年12月4日
答弁書受領日
2020年12月11日
提出から10日
答弁の項目数
5
質問 1,561字/答弁 2,516字

質問本文

令和二年十月十日の読売新聞朝刊では、「昨年十月の台風十九号で決壊や氾濫が相次いだ中小河川について、浸水が想定される区域の指定が進んでいない」「さらに四千三百六十七地域の浸水想定区域指定が必要」と報じている。

近年、気候変動の影響により自然災害は激甚化、頻発化し、その影響も深刻化するケースが少なくない。水災害対策として水防法第十四条第一項では、都道府県知事は流域面積が広い河川など同法で指定した河川について洪水予報河川及び水位周知河川として「想定最大規模降雨により当該河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域を洪水浸水想定区域として指定する」ことが義務付けられている。また残る約一万九千のその他河川(以下、「その他河川」という)については浸水想定区域の指定が必要かどうかを都道府県が判断することとなっている。ただ令和元年東日本台風における決壊河川七十一河川のうち、四十三河川が指定対象となっていない河川であり、実際に洪水予報河川や水位周知河川以外の河川の氾濫による浸水被害が発生している。

浸水想定区域の指定により市町村地域防災計画に洪水予報等の伝達方法、避難場所、避難経路等が定められ、ハザードマップにより、当該事項が住民等に周知される。逆に水害の危険があるにもかかわらず浸水想定区域に指定されない場合、ハザードマップにも記載されないため、危険性があるにもかかわらず安全な地域として避難対象と認識されるおそれがあるなど、住民に誤った情報を伝えることになりかねず緊急の対応が必要だと考える。

そこで以下質問する。

一 「四千三百六十七地域の浸水想定区域指定が必要」でありながら進んでいないとの新聞報道について、政府として現状をどう認識しているか伺う。また、�@「その他河川」のうち指定されているのは何地域か、�A指定の必要があるにもかかわらず未指定地域が何地域残っているのか、政府の把握されている数値を明らかにされたい。

二 水防法第十四条第一項に基づく都道府県の浸水想定区域指定の必要がある地域について(指定済みか未指定かは別にして)都道府県が把握しているか政府は認識しているか。また都道府県の「その他河川」について浸水想定区域指定の指定がどこまで進んでいるか政府として進捗を認識しているか。進捗を認識している場合、指定区域及び未指定区域の数、進捗率を明らかにされたい。

三 浸水想定区域指定を都道府県が判断する中小河川の浸水想定区域未指定の問題をどう認識しているか。指定にあたっては、測量、被害の予測、分析に係る予算や人員の確保が課題となる。政府として補助金交付金予算の増額などの予算措置を行い支援する必要があると考えられるが対応を進める計画があるか。対応を進める場合、いつまでに、どの程度の達成率を目指すか、などの目標あるいは指標を設定しているか、見解を示されたい。

四 国土交通省作成の令和二年九月発行「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」では、「流域治水」への転換を円滑に進めるため、「河川関連法制の見直しなど必要な施策を速やかに措置」するとの記載がある。この「法制の見直し」により、中小河川の浸水想定区域指定を進める可能性はあるか。また「法制の見直し」の時期は、「速やかに措置」という記述からすれば一年以内と解釈してよいか。

五 新型コロナウイルス対策関連で緊急性が高い施策として、感染症指定医療機関の浸水リスクの軽減が考えられるが、具体的な対策を講じる考えがあるかについて伺う。

六 令和二年十一月二十一日の毎日新聞は、「全国の特別養護老人ホームの三割が浸水の危険があるエリアに建つ」と報じているが、政府として事実関係をどう認識しているか。何らかの具体的な対策を講じる考えがあるかについて伺う。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の令和二年十月十日付け読売新聞に掲載された内容については、個別の報道の内容に関するものであり、政府としてコメントすることは差し控えたいが、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第九条第二項に規定する指定区間内の一級河川又は同法第五条第一項に規定する二級河川のうち、水防法(昭和二十四年法律第百九十三号)第十一条第一項又は第十三条第二項の規定により指定された河川以外の河川(以下「その他河川」という。)については、同法第十四条第一項の洪水浸水想定区域(以下「洪水浸水想定区域」という。)の指定の義務はないものの、令和元年東日本台風では、その他河川の氾濫により浸水被害が発生したことを踏まえ、その他河川についても水害リスクを把握し、その公表を促進することが必要と認識している。また、お尋ねの「指定されている」及び「指定の必要があるにもかかわらず未指定」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、その他河川については、令和二年六月に国土交通省が都道府県に対して調査した限りでは、同月時点で、二万四百二十六河川あり、そのうち四千三百三十七河川において、同項に規定する想定最大規模降雨(以下「想定最大規模降雨」という。)により河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域や当該区域の浸水深等の水害リスク情報を把握し、公表していると承知している。

二及び三について

お尋ねの「指定区域」、「未指定区域」及び「浸水想定区域指定を都道府県が判断する中小河川」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、水防法第十四条第一項の規定に基づき都道府県知事が洪水浸水想定区域を指定する必要がある河川については、同法第十一条第一項又は第十三条第二項の規定により都道府県知事自らが当該河川を指定しているため、都道府県において洪水浸水想定区域として指定する必要がある地域を把握すべきものと認識している。また、同法第十四条第一項の規定に基づき都道府県知事が洪水浸水想定区域を指定する必要がある河川については、令和二年一月時点で、千六百四十四河川あり、そのうち千六百十八河川において洪水浸水想定区域を指定しており、当該指定については、令和二年度末までにおおむね完了する見込みであると承知している。その他河川については、一についてで述べたとおり、同年六月時点で、二万四百二十六河川あり、そのうち四千三百三十七河川において、想定最大規模降雨により河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域や当該区域の浸水深等の水害リスク情報を把握し、公表していると承知している。さらに、その他河川については、御指摘の「目標」や「指標」を定めていないが、国土交通省においては、その他河川についても、水害リスクを把握し、その公表を促進することは必要と認識しており、河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域や当該区域の浸水深等を都道府県が推定する場合、防災・安全交付金による支援を行っており、引き続き、同交付金による支援を行ってまいりたい。

四について

その他河川の水害リスク情報の公表については、具体的な手法について現在検討中であり、お尋ねの法制の見直しの可能性についてお答えすることは困難である。

五について

厚生労働省においては、「災害時における医療体制の充実強化について」(平成二十四年三月二十一日付け医政発第〇三二一第二号厚生労働省医政局長通知)において、都道府県等に対し、お尋ねの「感染症指定医療機関」を含む医療機関に、「自ら被災することを想定して災害対策マニュアルを作成するとともに業務継続計画の作成に努め」るよう依頼する等の取組を求めるとともに、「病院におけるBCPの考え方に基づいた災害対策マニュアルについて」(平成二十五年九月四日付け医政指発〇九〇四第二号厚生労働省医政局指導課長通知)において、都道府県の衛生担当部局に対し、災害対策マニュアルの作成に当たっての手引を示しているところである。

また、国土交通省においては、「感染症指定医療機関に対する災害リスク情報の提供・支援について(依頼)」(令和二年五月二十二日付け国水環防第七号国土交通省水管理・国土保全局河川環境課水防企画室長通知)において、都道府県等の水防担当部局に対し、令和二年出水期における当面の措置として、管内の洪水浸水想定区域内に「感染症指定医療機関」が存する場合には、当該洪水浸水想定区域に係る河川の大規模氾濫減災協議会等(水防法第十五条の九に規定する大規模氾濫減災協議会及び同法第十五条の十に規定する都道府県大規模氾濫減災協議会をいう。)を活用し、水害リスク情報を当該機関管理者に共有するとともに、当該機関の所在地情報を水防管理者等にも共有し、水害時の体制を検討するよう依頼したところである。

これらの取組により、お尋ねの「感染症指定医療機関の浸水リスク」に係る「対策」を含めた医療機関の災害対策の取組を促しているところであり、引き続き、こうした取組を進めてまいりたい。

六について

御指摘の令和二年十一月二十一日付け毎日新聞に掲載された内容については、個別の報道の内容に関するものであり、政府としてコメントすることは差し控えたいが、特別養護老人ホームの一部は、洪水浸水想定区域に所在しているものと承知しており、現在、その施設数について調査を行っているところである。

お尋ねの「具体的な対策」については、介護施設等の水害対策の強化として、同年七月から、介護施設等における水害対策を地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金による支援対象に追加したところである。また、厚生労働省及び国土交通省が同年十月七日から共同で開催している「令和二年七月豪雨災害を踏まえた高齢者福祉施設の避難確保に関する検討会」において、介護施設等における利用者の避難の実効性を確保するための方策を令和二年度内に取りまとめることとしており、この取りまとめを踏まえて、必要な対策を検討していく考えである。引き続き、こうした取組を進め、都道府県等とも連携しつつ、介護施設等における水害対策を進めてまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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