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二人分のマイナンバー等とともに個人情報の流出を警告する日本年金機構の法令違反窓口に寄せられたメールに関する質問主意書

衆議院 第204回 第72号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2

提出者
立憲民主党・無所属
提出日
2021年3月10日
内閣転送 2021年3月15日
答弁書受領日
2021年3月19日
提出から9日
答弁の項目数
12
質問 2,323字/答弁 2,734字

質問本文

今後、マイナンバーの重要性はますます高まっていくことは論をまたない。それだけに漏洩した時、または、漏洩が疑われたとき、徹底的な調査を通じて、防止策を日々向上させることが欠かせない。そこでお尋ねする。

一 日本年金機構の法令等違反通報窓口に二〇一七年十二月三十一日十一時三十一分と同日十一時五十四分に何者かによって寄せられた、マイナンバーをはじめとする個人情報が流出したとの記述のあるメール(以下、当該メールという)について、政府が把握しているところをお尋ねする。

1 当該メールの内容についてお示し願いたい。

2 二〇二一年二月まで当該メールの内容を明らかにしなかった理由をお示し願いたい。

3 当該メールには「平成三十年分 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」にある二人分のマイナンバーをはじめ、氏名、生年月日、住所、電話番号、年間所得額などの個人情報の記載があるが、それは真正なものか。

4 当該メールにある「大量の個人情報が中国のネットで入力されている」というのはどのような意味だと考えるのか、分かる範囲でお示し願いたい。

5 この二人分のマイナンバーをはじめとする個人情報は、誰が、どこから、どうやって入手したのか、正確に把握しているのか。「蓋然性が高い」という答弁でなく、正確に把握しているのか否か、お答え願いたい。

6 当該メールには、少なくとも二人分のマイナンバーをはじめとする個人情報が記載されているが、これは何らかの法令違反の疑いはあるのか否か、内閣の見解をお示し願いたい。法令違反の疑いは全くないのか。

7 当該メールにあるとおり、少なくとも二人分のマイナンバーをはじめとする個人情報は漏れている。この件で、刑事訴訟法に規定のある国家公務員の告発義務は生じないのか。

8 当該メールにあるマイナンバーを持つ、お二人には、事情を説明して謝罪などをしたのか。また、何らかの被害がなかったか、聞き取り確認はしたのか。していないのであれば、速やかに実行すべきと考えるが、いかがか。

9 二〇一八年の厚労省と日本年金機構による調査ではマイナンバーは流出しておらず、契約違反の形で中国の事業者に氏名・フリガナのみの入力が再委託された、とのことだが、正確には何件が再委託されたのか。

10 中国の事業者に日本年金機構の職員が立ち入り調査しマニュアルを発見したとのことだが、マニュアルではなく、東京の株式会社SAY企画から送られた、実際の氏名とフリガナのみを切り取った画像データは中国の事業者のオフィスやコンピューターに現実に存在したのか。消えていたのであれば、いわゆるフォレンジック調査をしたのか。

二 厚生労働省社会保障審議会年金事業管理部会の中に、検証作業班が設置され、検証作業班が作成した報告書(以下、当該報告書という)を二〇二〇年十月二日に増田部会長に提出したとある(同部会の二〇二〇年十二月四日第五十二回議事録より)。この議事録には、「四人の合意した報告書を部会長にも提出」とあり、当該報告書は、検証作業班のメンバー全員(四人)が合意したものと、議事録にある。そこでお尋ねする。

1 当該報告書は二〇二一年二月に厚生労働省によって明らかにされたが、そこには以下(1)(2)の記述がある。

(1) 「中国の事業者に氏名・フリガナ以外の情報も開示されていた可能性がある」――。

二〇一八年の厚労省と日本年金機構の調査では、氏名・フリガナ以外は再委託されていない、とされたにもかかわらず、その後に作成された当該報告書には「中国の事業者に氏名・フリガナ以外の情報も開示されていた可能性がある」と調査に真っ向から反する記述がある。政府内部の審議会の作業班からあがった声であるので、当然、政府は再調査をすべきと考えるが、内閣の見解を問う。

(2) 「IBMに調査を依頼したが、その調査依頼項目にはSAY企画から中国の事業者に再委託した個人情報が氏名・フリガナのみだったのか、それ以外の情報も含まれていたのかのデータ確認は含まれていない。氏名・フリガナのみだったとするのは、機構が独自確認したことをIBMに伝えていただけである」――。

日本年金機構はIBMに、中国の事業者にマイナンバーは入力の再委託はされていないことを証明してもらったとしているが、これに真っ向から異を唱える記述である。政府内部の審議会の作業班からあがった声であるので、再調査をすべきと考えるが、内閣の見解を問う。

2 SAY企画以外にも、日本年金機構はどのような仕事をいくらで発注していたのか。また、当該メールにある申告書を見ることができた事業者は、トランスコスモス株式会社であると聞いた。当該メールにあるマイナンバーについてトランスコスモス株式会社に対しては、なぜ、調査しないのか。

3 二〇二一年二月の予算委員会で、再調査要請に対して、田村厚生労働大臣は、「どういう事情なのかは、意見が割れているのはわかりませんから、聞きます」旨を述べた。聞いた結果をお示し願いたい。

4 契約違反が判明した後、二〇一八年一月十五日に日本年金機構はSAY企画に七千万円を振り込んでいる。それをなぜ、三年前の国会質疑で明らかにしなかったのか。そもそも、契約違反が判明したら支払いをストップして、契約を解除するのが常識と考えるが、いかがか。そのような契約を結んでいなかったのか。

5 日本年金機構はSAY企画に二億円の賠償を請求するとのことだが、これまでに、いくら戻ってきたのか。会社は解散していると聞くが、経営陣の個人資産を含めた損害賠償請求や損害賠償請求訴訟はされるか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1から3までについて

日本年金機構(以下「機構」という。)からは、お尋ねの「当該メールの内容」については、機構に設置された「日本年金機構における業務委託のあり方等に関する調査委員会」が取りまとめた「日本年金機構における業務委託のあり方等に関する調査委員会報告書」に記載のとおり、「SAY企画の契約違反行為をうかがわせる内容が記載」されており、また、お尋ねの「当該メール」に記載された個人情報については、令和三年二月二十六日の衆議院予算委員会第五分科会(以下「第五分科会」という。)において機構の水島理事長(以下「水島理事長」という。)が答弁したとおり、扶養親族等申告書の「届出の内容どおり」であり、「マイナンバーは・・・記載された方御本人のものであることを確認」していると聞いている。

また、機構からは、お尋ねの「当該メールの内容を明らかにしなかった理由」については、第五分科会において水島理事長が答弁したとおり、「法令違反窓口に寄せられた情報」であることから、「通報者保護の観点を踏まえまして、内容の公表は控えさせていただいたもの」であると聞いている。

一の4について

機構からは、お尋ねの箇所を含め、御指摘の「当該メール」については、一の1から3までについてでお答えしたとおり、「SAY企画の契約違反行為をうかがわせる内容が記載」されていたものと受け止めていると聞いている。

一の5について

機構からは、第五分科会において水島理事長が答弁したとおり、「受託事業者内でこの情報に触れる機会のあった者が、受託事業者の業務執行の問題点を機構に通報する意図で、・・・個人情報を機構に提供してきた蓋然性が高いものと判断」していると聞いている。

一の6及び7について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、機構からは、御指摘の「当該メール」については、一の5についてでお答えしたとおり、「受託事業者内でこの情報に触れる機会のあった者が、受託事業者の業務執行の問題点を機構に通報する意図で、・・・個人情報を機構に提供してきた蓋然性が高いものと判断」していると聞いており、「当該メール」による通報については、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第四十九条に規定する自己又は第三者の不正な利益を図る目的での提供等とは認められず、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百三十九条第二項に規定する告発義務を負うものではないと考えている。

一の8について

機構からは、一の5についてでお答えしたとおり、「受託事業者内でこの情報に触れる機会のあった者が、受託事業者の業務執行の問題点を機構に通報する意図で、・・・個人情報を機構に提供してきた蓋然性が高いものと判断」していることから、お尋ねの「当該メール」に記載された者に対しては連絡を行っていないと聞いている。

一の9について

機構からは、お尋ねの「再委託された」件数については、約五百一万件であると聞いている。

一の10について

機構からは、平成三十年一月三十一日から同年二月二日までに実施された日本アイ・ビー・エム株式会社による中国の再委託先事業者に対する調査が実施された時点で、株式会社SAY企画(以下「SAY企画」という。)から中国の再委託先事業者に送付されたデータは、中国の再委託先事業者において削除されていたと聞いている。

また、「いわゆるフォレンジック調査をしたのか」とのお尋ねについては、「いわゆるフォレンジック調査」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

二の1について

「再調査をすべき」とのお尋ねについては、第五分科会において田村厚生労働大臣が、「作業班自体も、一部の方はそうやって言われている方はおられますが、中でまとまらず・・・中間報告も案のまままとまっていないというふうに私はお聞きをいたしているんです。・・・再調査をするというつもりは今のところありません」と答弁したとおりである。

二の2について

機構からは、「平成三十年分 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」に関し、その受付、点検及び返戻業務について、株式会社システムシンクと約三億四千四百九十六万円の調達見込総額で、トランス・コスモス株式会社(以下「トランス・コスモス社」という。)と約十三億千八百七十一万円の調達見込総額で業務委託契約を締結していたと聞いている。

また、機構からは、お尋ねの「調査」については、「当該メール」に、当時、SAY企画の内部の者しか知り得ない情報が記載されていたため、トランス・コスモス社に対しては、「当該メール」にあるマイナンバーに係る調査は実施していないと聞いている。

二の3について

令和三年三月十日の衆議院厚生労働委員会において田村厚生労働大臣が、「部会長から状況をお聞きをいたしましたが、今私が申し上げたとおり、中間報告としてまとまっていない、四人の中で意見がまとまっていないので成案にはなっていないということで御報告を受けております」と答弁したとおりである。

二の4について

機構からは、お尋ねのSAY企画に対する「支払い」については、SAY企画との業務委託契約に基づいて行ったものであり、第五分科会で水島理事長が答弁したとおり、「機構のルール、スケジュールに従いまして、一月十五日に支払いを行ったものでございます。・・・中国の関連事業者に再委託をしていることが判明をいたしました。直ちに機構といたしましては契約解除の検討に入りましたが・・・一月になりましてから提出されました扶養親族等申告書の入力処理が必要がありましたこと、また、新規業者に直ちにシフトすることは困難であったことから、二月五日までの作業の委託についてはSAY企画に委託の継続をせざるを得ない状況」であったことから、「十二月二十二日までの既に納品された業務に対する対価といたしまして、また、当面の処理を継続する必要があったために一月十五日の支払いを行った」と聞いている。

二の5について

機構からは、SAY企画に対する「損害賠償請求」については、平成三十年六月のSAY企画の解散公告を受けて、同年七月に機構からSAY企画の元代表取締役である代表清算人に対し、会社法(平成十七年法律第八十六号)第四百九十九条の規定による債権の申出を行い、当該申出に係る債権のうち、約四千万円についてはSAY企画に対する業務委託費と相殺したところであり、SAY企画の清算手続の進捗状況を注視しつつ、損害賠償債権の回収に努力をしていく方針であると聞いている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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