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学級運営が難しくなった教室に防犯カメラを設置することに関する質問主意書
衆議院 第211回 第64号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×5承知していない ×1個別の事案 ×1
質問本文
令和五年三月三十日、共同通信は、「東京都内の公立小が学級運営が難しい状況になった一部の教室に児童の言動を記録するカメラを設置していた」と報道した。関係者によると、着替えなどの時間を除く始業から終業までを録画し、データは児童に問題行動などがあった際に学校や教育委員会が確認するためと使途を限定しているが、場合によっては警察にも提供するという。また教育委員会は、児童の問題行動があり安全を確保するために実施したと説明しており、教室に入ることを嫌がる児童には別室での授業やオンラインでの授業を受けられるようにしているということである。
これに対して生徒指導に詳しい専門家からは、「カメラでずっと撮られているとストレスが大きい。プライバシーを含めた個人の権利を考えれば、保護者の同意だけでは不十分で、子どもの意向が尊重されていないと不信感を招く」との懸念が示されている。
問題行動を起こす児童のために、他の多くの児童が授業を受けられないという状況は改善しなければならない。また、一部の児童によって暴力やいじめなどが発生しているのであれば、目を離すことで発生リスクが高まることから、記録も必要と考えられる。カメラを設置することで事故を未然に防ぎ、問題行動の改善につながる可能性もある。
しかし一方で、問題行動を起こす児童にも授業を受ける権利はあり、一定の個人を監視や排除するような運営は好ましいとは言えない。
このような事案は全国で発生しており、多くの学校・教職員・保護者・児童生徒は苦労していると思われるが、今回の学校の対応は異例であるということから、以下、政府の見解を質問する。
一 教室内に、児童・生徒を観察するためのカメラを設置することについて、政府は法的な規制や運用ガイドラインなど、教室内にカメラを設置する際の何らかのルール設定を行っているのか伺う。
二 第二〇八回国会の質問主意書第一一五号の答弁書において、文部科学省は「令和二年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」を発出し、「暴力行為等の問題行動を繰り返す児童生徒に対しては、出席停止制度の措置をとることをためらわずに検討し、犯罪行為の可能性がある場合には、学校だけで抱え込むことなく、直ちに警察に通報するなど、毅然とした対応をとること」等を示し、都道府県教育委員会等に対して周知すると述べている。今回の公立小学校が教室にカメラを設置したという対応は、出席停止制度の措置よりは柔軟な対応とも考えられるが、政府としては適切と考えているか不適切と考えているか伺う。
三 児童・生徒によるいじめや暴力、破壊行為等に対し、これまでは「言った・言わない」「やった・やっていない」といった本人や当事者の証言を中心に教員は判断をしていたと思われるが、これで十分に公平で適切なジャッジができていたのか。多くの場合は教員による判断と指導で解決できるものだとは考えられるが、問題の重要度に応じて、他の教員や管理職による判断、第三者による聞き取りと判断、録音・録画等による証拠の積み重ねなど、当事者が納得できる仕組みを作ることの必要性について、政府の見解を求める。
四 一部の児童・生徒によって学級運営が難しい状況になった場合、その他の多くの児童・生徒は、学習する機会や満足な学校生活を送る機会を奪われることになる。こうした被害を補償するために、どのような対応を学校に指示しているのか。加害児童を別教室で個別指導をするなど、多くの子どもを守るためにどのような取り組みを行っていくのか、政府の見解を求める。
五 学級運営を難しい状況にしている当事者である児童・生徒においても、教育を受ける権利は保障しなければならない。しかし、当事者である児童・生徒を更生させる取り組みと教育の連携が取れていない。文部科学省による教育部門での専門家(スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等)の派遣などとともに、児童相談所・警察・民生児童委員・保護司など各部門が協力し、早い段階で更生に向けた取り組みを行う体制を築くべきと考えるが、更生への取り組みについて政府の見解を求める。
六 学級運営を難しい状況にしている当事者である児童・生徒だけが問題ではなく、教員や学校側の対応の不備で事態が悪化している場合も考えられる。設置者である自治体や教育委員会は、当事者から見れば学校寄りで、必ずしも中立とは言い切れない。当事者と学校が信頼関係を築けずに対立するような状況になった場合、客観的・中立的な立場から、学校が果たすべき役割を指導するとともに、当事者に寄り添いつつ改善を進めるような専門機関が必要と考えるが、政府の見解を求める。
七 教育の一義的な責任は保護者にある。しかし、迷惑行為をする児童・生徒の保護者は、学校や制度、相手方などに責任を転嫁することも多く、威圧的な保護者もいる。また子どもの行為に無関心な保護者もいる。こうした保護者の責任について、政府はどのように考えているか。当事者である児童・生徒への指導だけでなく、保護者への指導や罰則などを法的に担保して厳格に対応することができるか、政府の見解を求める。
八 対教師暴力を受けた教員に対するフォローや、対暴力の研修制度について、第二〇八回国会の質問主意書第一一五号の答弁書において政府は、「各学校の実情等に応じて、各学校及びその設置者の判断において行われるべきものである」と述べている。暴力行為等の問題行動を繰り返す児童生徒に対しては措置をためらわずに検討するとしながら、教員が被害を受けた時は学校の判断でフォローせよというのは、統一性に欠けていると考える。教員の安全と精神衛生を鑑み、対教師暴力に対しては学校が責任をもって加害者に毅然とした対応をとると示すべきと考えるが、政府の見解を求める。
右質問する。
政府答弁書
一について
政府においては、お尋ねの「教室内にカメラを設置する際の何らかのルール設定」は行っていない。
二について
御指摘の「公立小学校が教室にカメラを設置したという対応」の適否については、個々の事案に応じて各学校及びその設置者が適切に判断すべきものであると考えている。
三について
前段のお尋ねについては、御指摘の「いじめや暴力、破壊行為等」及びお尋ねの「十分に公平で適切なジャッジ」の具体的内容が必ずしも明らかではなく、また、個々の事例を網羅的に把握していないため、お答えすることは困難である。
また、後段のお尋ねについては、御指摘の「当事者が納得できる仕組み」の具体的内容が必ずしも明らかではないが、いじめ防止対策推進法(平成二十五年法律第七十一号。以下「法」という。)第二十八条第一項に規定する調査(以下「調査」という。)については、同項において「学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行う」と規定していることを踏まえ、「いじめの防止等のための基本的な方針」(平成二十五年十月十一日文部科学大臣決定(最終改定 平成二十九年三月十四日))において、調査を行うための組織について、「弁護士や精神科医、学識経験者、心理や福祉の専門家であるスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー等の専門的知識及び経験を有する者であって、当該いじめ事案の関係者と直接の人間関係又は特別の利害関係を有しない者(第三者)について、職能団体や大学、学会からの推薦等により参加を図ることにより、当該調査の公平性・中立性を確保するよう努めることが求められる」と示しており、調査においては、公平性及び中立性が確保された組織において適切な事実認定を行うことが必要であると考えている。
四について
御指摘の「学級運営が難しい状況」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、法第二十三条第四項において「学校は、・・・いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする」と規定していること、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第十一条において「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、・・・児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる」と規定していること及び同法第三十五条第一項において「市町村の教育委員会は、・・・性行不良であつて他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、その保護者に対して、児童の出席停止を命ずることができる」と規定していることを踏まえ、引き続き、各学校において、全ての児童生徒が安心して学べる環境が確保されるよう、都道府県教育委員会等を通じて指導してまいりたい。
五について
御指摘の「学級運営を難しい状況にしている」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、文部科学省が作成し、都道府県教育委員会等を通じて各学校等に周知した「生徒指導提要」(平成二十二年三月文部科学省作成、令和四年十二月改訂)において、「暴力行為に及んだ児童生徒への指導においても、関係機関等との連携が重要です。暴力行為は許されない行為ですが、それに及んだ児童生徒が学校教育や社会から排除されてはなりません。排除されて孤独・孤立に陥れば、その児童生徒は立ち直るきっかけをつかめず、更なる暴力行為に及んでしまう可能性もあり、関係機関等と連携してネットワーク型の支援チームを組織し、学校内外の知恵を集め、力を合わせて指導・援助することが有効」であると示しており、各学校においては、教育委員会、警察、児童相談所等の関係機関と連携して、暴力行為に及んだ児童生徒の立ち直りを支援するための体制を構築しているものと承知している。
六について
御指摘の「学級運営を難しい状況にしている」及び「客観的・中立的な立場から、学校が果たすべき役割を指導するとともに、当事者に寄り添いつつ改善を進めるような専門機関」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「教員や学校側の対応の不備で事態が悪化している場合」及び「当事者と学校が信頼関係を築けずに対立するような状況になった場合」には、各学校及びその設置者において、必要に応じて、外部の専門家等からなる組織による調査や外部の専門家等からの意見聴取が行われているものと承知している。
七について
前段のお尋ねについては、御指摘の「こうした保護者の責任」の具体的内容が明らかではないため、お答えすることは困難であるが、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)第十条第一項では、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする」と規定され、法第九条第三項では、「保護者は、国、地方公共団体、学校の設置者及びその設置する学校が講ずるいじめの防止等のための措置に協力するよう努めるものとする」と規定されている。
また、後段のお尋ねについては、お尋ねの「保護者への指導や罰則などを法的に担保して厳格に対応する」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
八について
お尋ねについては、「令和三年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」(令和四年十月二十七日付け四初児生第二十一号文部科学省初等中等教育局児童生徒課長通知)において、都道府県教育委員会等に対し、御指摘の「対教師暴力」を含め、「暴力行為等の問題行動を繰り返す児童生徒に対しては、出席停止制度の措置をとることをためらわずに検討し、犯罪行為の可能性がある場合には、学校だけで抱え込むことなく、直ちに警察に通報するなど、毅然とした対応をとること」と示しているところである。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×5承知していない ×1個別の事案 ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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