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GIGAスクール構想の推進に関する質問主意書
衆議院 第212回 第70号
質問本文
政府が令和元年度より推進している「GIGAスクール構想」は、義務教育段階の一人一台端末と高速大容量の通信ネットワーク等を一体的に整備するものである。GIGAスクール構想については、当時の萩生田文部科学大臣から「多様な子供たちを誰一人取り残すことのない公正に個別最適化された学びや創造性を育む学びにも寄与するものであり、特別な支援が必要な子供たちの可能性も大きく広げるもの」であり、「これまでの我が国の百五十年に及ぶ教育実践の蓄積の上に、最先端のICT教育を取り入れ、これまでの実践とICTとのベストミックスを図っていくことにより、これからの学校教育は劇的に変わる」と力強いメッセージが出されている。
しかし、現実のGIGAスクール構想の推進においては、整備した教育ICT環境をいかに活用し、いかに目標を達成するのかというビジョンが見えない。令和四年度末時点で、ほぼ全ての児童生徒への一人一台端末の整備が完了しているものと承知している。子供たち一人ひとりは端末を手にしたことを喜び、政府もそれを喧伝しているが、先のメッセージの中において自ら「ICT環境の整備は手段であり目的ではない」としていたにもかかわらず、一人一台端末と高速ネットワーク等の整備が自己目的化しているように思われる。民主党政権時代に、私が示した「原口ビジョン」により提唱したフューチャースクールでは、子供たちが互いに教え合い学び合う「協働教育」の推進や子供たちの情報活用能力の向上という大きな目標を示していた。GIGAスクール構想の推進においてもその精神を受け継ぐことが必要だと考える。
これを踏まえ、次のとおり質問する。
一 GIGAスクール構想の推進によって、子供たちのどのような資質・能力を育成しようと考えているのか、政府の見解を伺う。
二 整備された教育ICT環境によって、子供たちの学びや資質・能力はどのように変化したのか、GIGAスクール構想の効果について、政府の見解を伺う。
三 整備された教育ICT環境を利用して、フューチャースクールで掲げられた「協働教育」の推進や子供たちの情報活用能力の向上を図るべきと考えるが、政府の見解を伺う。
右質問する。
政府答弁書
一について
小学校学習指導要領(平成二十九年文部科学省告示第六十三号)及び中学校学習指導要領(平成二十九年文部科学省告示第六十四号)において、各教科等の指導を通して育成を目指す資質及び能力として、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」及び「学びに向かう力、人間性等」を三つの柱として掲げるとともに、学習の基盤となる資質及び能力として、「言語能力、情報活用能力(情報モラルを含む。)、問題発見・解決能力等」を掲げており、御指摘の「GIGAスクール構想の推進」により、これらの資質及び能力の育成を目指しているところである。
二について
お尋ねについては、令和五年十一月十四日の衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会において、安江文部科学大臣政務官が「教師が一人一人の反応や考えを即時に把握し、きめ細やかな指導を行ったり、クラウド環境やデジタル教材を活用して一人一人に応じた課題を提供したり、児童生徒が相互の意見を参照しながら協働して学習に取り組んだりすることが格段に容易になっております。」と答弁したとおりである。
三について
お尋ねの「「協働教育」の推進」については、令和五年十一月八日の衆議院文部科学委員会において、矢野文部科学省初等中等教育局長が「現在、文部科学省では、公教育の必須ツールである一人一台端末を活用し、全ての子供たちの可能性を最大限に引き出す、令和の日本型学校教育の実現に取り組んでいるところでございます。これには、子供たち同士が互いのよい点や可能性を生かしながら一緒に学ぶ協働的な学びに加え、多様な子供たちの、一人一人の特性や学習の進度等に応じた個別最適な学びが不可欠というふうに考えております。」と答弁したとおりである。
お尋ねの「情報活用能力の向上」については、一についてでお答えしたとおり、小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領において、学習の基盤となる資質及び能力として「情報活用能力」等を掲げており、御指摘の「整備された教育ICT環境」の活用により、その育成を目指しているところである。