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保育士配置基準の見直し、公定価格の引上げ及び障害児保育に関する質問主意書
衆議院 第217回 第283号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2検討してまいりたい ×2
質問本文
こども家庭庁が二〇二四年十二月二十日に公表した、保育政策の新たな方向性には、持続可能で質の高い保育を通じたこどもまんなか社会の実現へという副題が付いている。保育現場の実態を踏まえると、「持続可能で質の高い保育を通じたこどもまんなか社会の実現」のために解決すべき課題が山積していると考えるところ、次の事項について質問する。
一 保育政策の新たな方向性において、四・五歳児、三歳児の職員配置基準の改善を進めるとともに、一歳児の職員配置基準の改善についても早期に進めることが求められるとしている。二〇二四年十二月二十七日付で受領した答弁書(内閣衆質二一六第八五号)においては、一歳児の職員配置基準の改善が実現する具体的な時期について、「具体的な改善方法について、令和七年度予算編成過程において検討し、現在、最終的な調整を行っているところであり、予断をもってお答えすることは差し控えたい」との答弁が得られたところである。令和七年度予算において一歳児配置改善加算が措置されたが、加速化プラン期間中の早期に改善を進めるとされている一歳児の職員配置基準の改善の具体的な実施時期については、今もなお明らかにされていないと承知している。
1 現時点における一歳児の職員配置基準の改善に係る政府の検討状況及び実施される具体的な時期についてそれぞれ示されたい。
2 〇歳児、二歳児、三歳児及び四・五歳児の職員配置基準の改善についても、「従前の基準により運営することも妨げない」としている三歳児及び四・五歳児の配置改善に係る経過措置の取扱いも含め、政府の検討状況及び実施される具体的な時期についてそれぞれ示されたい。
二 子どもの命を預かるという職責の重大性や、保育士に必要とされる専門性に鑑みれば、現状の保育士の処遇は十分とは言い難い。また、慢性的な保育士不足の解消や保育の質の改善を図る観点からも、保育士の処遇改善は急務であると考える。
1 「令和六年度における私立保育所の運営に要する費用について」によると、二〇二四年度保育所職員の本俸基準額及び特殊業務手当基準額の格付は、所長が一般職の職員の給与に関する法律に定める福祉職俸給表二級三十三号俸、主任保育士が福祉職俸給表二級十七号俸、保育士が福祉職俸給表一級二十九号俸とされている。このような格付としている理由をそれぞれ示された上で、所長、主任保育士及び保育士の職責に鑑みて、これらの格付を大幅に格上げする必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
2 保育所における保育時間は一日につき八時間を原則としている一方で、保育標準時間認定の子どもを受け入れる施設については十一時間開所が想定されていることから、いわゆる早番・遅番等のシフト制により対応している保育施設が一般的である。しかし、保育士の人手不足により、時間外労働が前提となっている施設もある。政府としても、保育士の休憩時間を確保する観点や長時間開所に対応する観点から、配置基準上の人数を超えて常勤保育士を一人加配する等の対応をしていると承知しているが、これは、あくまで園児との直接処遇時間に対する手当に過ぎず、準備、計画、記録等の事務に要する時間についての手当は不十分であり、多くの保育士が時間外労働を強いられているのが現状である。このような現状を踏まえて、保育士の実際の勤務実態を考慮した形で公定価格上の措置を講ずるべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
三 政府は、社会福祉施設職員等退職手当共済制度に関して、保育所等に対する公費助成を一旦継続しつつ、その在り方については、他の経営主体とのいわゆるイコールフッティングの観点及びこども未来戦略(こども・子育て支援加速化プラン)に基づく保育人材確保の状況等を踏まえて、さらに検討を加え、二〇二六年度までに改めて結論を得ることとしている。保育人材確保は大変重要な課題であるとの認識に立つのであれば、今後も公費助成の廃止という結論に至ることはないと考えるが、政府の見解を示されたい。
四 三歳以上児の副食費について、幼児教育・保育の無償化に当たり、公定価格から外して実費徴収をする方針となり、今に至るものと承知している。適切な給食の実施が保育の充実には不可欠であり、保育と給食は不可分の関係にあることから、副食費については、実費徴収をやめ、公定価格に含めて保障すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
五 保育所における障害児保育に要する経費については、地方交付税として措置されている。
1 障害児を受け入れる特定地域型保育事業所(居宅訪問型保育を行う事業所を除く。)においては、障害児保育加算として、障害児二人につき、保育士一人を配置するために必要な経費を負担するものとされているが、保育所を始めとする特定教育・保育施設は加算対象外となっている。特定教育・保育施設において障害児を受け入れる場合には、地方交付税措置により対応することとしている理由を示されたい。
2 地方交付税は地方公共団体の固有の財源とされていることから、地方交付税措置で対応した場合には、財政支援が保育の現場まで届くとは限らない。障害児保育に要する経費については、各保育施設が確実に支援を受けられるよう、地方交付税以外で措置をすべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
御指摘の「一歳児の職員配置基準」については、令和七年三月十日の参議院予算委員会において、三原内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画)が「一歳児の配置基準、配置改善は、・・・三歳児や四、五歳児の配置改善より、より多くの人材が必要となるため、まずは、基準の見直しではなく、保育の質の向上、職場環境、処遇改善、この三つの観点から一定の要件を満たす事業所への加算措置による対応等を進めているものでございます。(中略)まずはこの形で令和七年度から一歳児の配置改善加算を着実に実施して、そして保育現場における職員配置の改善、進めてまいりたいと思います。」と答弁しているとおりであり、お尋ねについては、現時点でお答えする段階にない。
一の2について
お尋ねの「〇歳児、二歳児、三歳児及び四・五歳児の職員配置基準の改善」に係る「政府の検討状況」については、令和七年二月二十七日の衆議院予算委員会第五分科会において、政府参考人が「国会での御審議あるいは国の審議会の方でも、真に必要な職員配置基準はどうあるべきなのか、科学的な検証をすべきだとか、あと、子供を取り巻く状況が変わっていく中で今の職員配置で十分なのか、エビデンスに基づいて確認すべきだ、こういった御意見をいただいているところでございます。現時点では、そのような配置基準に関する科学的検証の手法や必要となるエビデンスに関する知見が明確でないことから、まずはその点について情報を整理しようということで、調査研究を今年度から実施しているところでございます。そのような調査研究による情報の整理を行いながら、・・・まず保育士がそもそも足下でも確保が非常に課題がある、あるいは、もちろん必要となる財源の確保の課題もございます。こういった課題も踏まえながら、どのようなことができるのか、引き続き検討してまいりたいというふうに思っております。」と答弁しているとおりであり、お尋ねの「実施される具体的な時期」については、現時点でお答えする段階にない。また、お尋ねの「三歳児及び四・五歳児の配置改善に係る経過措置の取扱い」については、令和六年十二月十八日の衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会において、三原内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画)が「保育士の配置基準、四歳、五歳児につきましては三十対一、三歳児につきましては二十対一の最低基準とされていたところを、配置を改善した保育所等に対して公定価格上の加算を設けた上で、令和六年度からそれぞれ最低基準を二十五対一、十五対一に改正いたしました。その上で、保育の人材不足の状況に鑑みて、当分の間、従前の基準によって運営することも妨げないとする経過措置、・・・これを設けております。この経過措置の終了期間につきましては、加算の取得等による配置改善の状況を踏まえつつ、現場に混乱が生じないように配慮しながら検討してまいりたいと思っております。」と答弁しているとおりであり、お尋ねの「政府の検討状況及び実施される具体的な時期」については、現時点でお答えする段階にない。
二の1について
お尋ねのような「格付としている理由」については、いずれも、平成二十八年三月三十一日の参議院内閣委員会において、加藤内閣府特命担当大臣(少子化対策)(当時)が「公定価格における常勤職員の人件費の額については、国家公務員の給与体系の中で、その職務内容や勤続年数などの観点から準拠するにふさわしいと考えられる職種や級号俸を特定して算出している」と答弁しているとおりであり、また、お尋ねの「これらの格付を大幅に格上げ」することは困難であると考えているが、いずれにせよ、政府としては、令和七年四月三日の衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会において、三原内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画)が「子供に一番身近な存在である保育士等の皆様の処遇改善、これは保育の質の向上につながるものでもあり、・・・進めていくべき大切な取組だと考えております。(中略)こども未来戦略に基づき、更なる処遇改善・・・を進めてまいりたいと思います。」と答弁しているとおり、引き続き、保育士等の処遇改善に取り組んでまいりたい。
二の2について
御指摘の「保育士の実際の勤務実態を考慮した形で公定価格上の措置を講ずる」の意味するところが必ずしも明らかではないが、仮に御指摘の「準備、計画、記録等の事務に要する時間についての手当」について「公定価格上の措置を講ずるべき」とのお尋ねであれば、当該時間について一律に算出することは困難であると考えられるところ、令和七年四月八日の衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会において、三原内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画)が「公定価格の算出方法につきましては、・・・現場の実際の配置人数ではなくて、園児の人数に対する保育士の人数を定めた法令上の基準である配置基準や公定価格上評価することとしている加算分を基に算出しておりまして、これは保育の質の担保とともに公費による適切な給付を行う観点からも一定の合理性があるものと考えております。」と答弁しているとおりであり、当該時間についての御指摘のような「手当」について「公定価格上の措置を講ずるべき」とは考えていない。
三について
お尋ねの「公費助成」については、令和七年三月四日に開催された第九回子ども・子育て支援等分科会の資料八「社会福祉施設職員等退職手当共済制度における保育所等に対する公費助成の継続について」において、「対応方針」として「公費助成の在り方について、他の経営主体とのイコールフッティングの観点及びこども未来戦略(こども・子育て支援加速化プラン)に基づく保育人材確保の状況等を踏まえて、更に検討を加え、令和八年度までに改めて結論を得ることとする」と示しているとおりであり、この対応方針に基づき、必要な検討を行ってまいりたい。
四について
御指摘の「三歳以上児の副食費について、幼児教育・保育の無償化に当たり、公定価格から外して実費徴収をする方針」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「副食費」の取扱いについては、平成三十年十二月二十八日の幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた関係閣僚会合で合意した「幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針」において、「保護者から実費で徴収する費用(・・・食材料費・・・など)については、無償化の対象とはならないものとする。食材料費の取扱いについては、これまでも基本的に、実費徴収又は保育料の一部として保護者が負担してきたことから、幼児教育の無償化に当たっても、この考え方を維持する。具体的には、幼稚園・保育所等の三歳から五歳までの子供たちの食材料費については、主食費・副食費ともに、施設による実費徴収を基本とする。生活保護世帯やひとり親世帯等について、新制度の対象となる施設においては、公定価格内で副食費の免除を継続するとともに、免除対象者の拡充(年収三百六十万円未満相当の世帯)を図る」とし、これに基づき、「食材料費の取扱い」を定めているものであり、御指摘のように「実費徴収をやめ、公定価格に含めて保障すべきである」とは考えていない。
五について
お尋ねの「地方交付税措置により対応することとしている理由」については、平成十五年三月三十一日の参議院決算委員会において、坂口厚生労働大臣(当時)が「障害児の問題につきましては、・・・熱心におやりいただくところの数が今まで少なかったものですから、いわゆる補助金の形で奨励をしてきたと申しますか、多くの市町村にできる限り障害者の問題を取り上げてほしいということを要請をしてきたところでございます。しかし、かなりなもう年月がここに経過をいたしましたし、そして今回は、もう障害者の問題をどの市町村とも差別なく取り上げていただく、どの市町村とも今後はおやりをいただくということになったわけでございまして、そういう中で一般財源化がここにされたところでございます。」と答弁しているとおり、一般財源化に伴い御指摘のように「地方交付税措置により対応すること」とされたものであり、このような経緯等を踏まえると、現時点において、御指摘のように「地方交付税以外で措置をすべきである」とは考えていないが、いずれにしても、政府としては、「保育所等における障害児保育の推進について」(令和四年六月二十四日付け内閣府子ども・子育て本部参事官(子ども・子育て支援担当)及び厚生労働省子ども家庭局保育課連名事務連絡)において、地方公共団体に対して、「概ね障害児二名に対し保育士一名の配置を標準としつつ、障害のある子どもの状況等に応じて適切に職員を配置し、・・・その費用について地方交付税措置等」を講じていることを周知するとともに、「障害のある子どもの状況等に応じて適切に職員を配置し、引き続き障害児保育を推進していただくよう」要請しているところであり、引き続きこうした取組を進めてまいりたい。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2検討してまいりたい ×2
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。