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成年後見制度における後見人の資質向上及び監督体制の強化に関する質問主意書
衆議院 第219回 第164号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×5個別の事案 ×3
質問本文
成年後見制度は、高齢者や障害者の権利保護に不可欠な制度である。しかし、近年、後見人による横領、財産管理の不適切処理、身上配慮義務違反(ネグレクト)と評価される事例が報告されている。第二期後見制度利用促進計画でも、後見人の資質向上と監督機能の強化は重要課題と位置付けられている。
後見制度に対する国民の信頼を確保するため、以下質問する。
一 身上配慮義務違反(ネグレクト)の是正と指導の徹底について
1 民法八百五十八条は、後見人に対して「本人の生活・療養看護に配慮すべき義務」を明記している。しかし、実務において、本人の意思に反して医療・介護サービスを制限したり、家族との交流を不当に遮断したりする例が指摘されている。こうした身上保護の怠慢を「ネグレクト後見」とする学説も存在する。政府は、後見実務における「ネグレクト」の定義やガイドラインを有しているか明らかにされたい。
2 第二期成年後見制度利用促進基本計画は、財産管理よりも本人の意思尊重・生活の質(QOL)を重視する理念を掲げている。政府は、この理念を後見実務に反映させるための具体的指導方針を有しているか明らかにされたい。
3 身上配慮義務に反する重大な行為を行った後見人に対し、米国カリフォルニア州のように、資格剥奪、刑事罰、民事賠償など包括的制裁を課す制度を検討すべきと考える。政府の見解如何。
4 前記の指摘を踏まえ、現行制度により後見人の資質と業務の質が十分に担保されていると考えるか。政府の見解如何。
二 監督体制の強化と後見人の質の担保について
1 専門職後見人に対し、同じ士業(弁護士・司法書士等)が監督人として選任され、その監督費用も被後見人の財産から支出される事例がある。利益相反・中立性の欠如が懸念される。第三者性・中立性を担保するため、公的または準公的な監督機関を設置する制度を検討すべきと考えるが、政府の見解如何。
2 制度利用者による公平な専門職の選択及び、専門職後見人の選択に際する重要な参考情報として、専門職後見人(弁護士、司法書士、社会福祉士等)の家庭裁判所への登録人数、受任件数、および登録しているが未受任の人数に関するデータは極めて重要である。政府として、これらのデータを把握しているか。把握している場合、士業別の各数値を可能な限り明らかにされたい。
3 前項のデータを公開することは、専門職後見人の適切な選択、偏在防止、透明性向上に資すると考える。これらのデータ公開について政府の見解如何。
4 後見人の質の担保について、米国で採用されているような準公的な後見人認定センター(The Center for Guardianship Certification)による試験・認定制度の導入が有効とされる。政府として、後見人の標準的能力を認定する制度の検討状況を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
お尋ねの「後見実務における「ネグレクト」の定義やガイドライン」の具体的に意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難である。
一の2について
御指摘の「第二期成年後見制度利用促進基本計画は、財産管理よりも本人の意思尊重・生活の質(QOL)を重視する理念を掲げている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、成年被後見人の意思決定を支援するため、「成年後見制度利用促進基本計画」(平成二十九年三月二十四日閣議決定)を踏まえ、最高裁判所、厚生労働省、日本弁護士連合会、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート及び公益社団法人日本社会福祉士会により構成される「意思決定支援ワーキング・グループ」において、成年後見人等に就任した者が意思決定支援を踏まえた後見事務等を適切に行うことができるよう、成年後見人等に求められている役割の具体的なイメージを示した「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」(令和二年十月三十日公表)を策定している。また、政府としては、当該ガイドラインについて、周知啓発を行っているほか、当該ガイドラインの内容について、後見の事務に従事する成年後見人等に対して研修を実施しているところである。
一の3について
お尋ねの「身上配慮義務に反する重大な行為」及び「資格剥奪、刑事罰、民事賠償など包括的制裁を課す制度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、成年後見人は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百五十八条に基づき、成年被後見人の意思の尊重及び身上の配慮の義務を負うところ、当該義務の内容は様々であることから、当該義務に違反したことのみを理由として刑罰や行政上の不利益処分等を課す制度を設けることについては、慎重に考える必要があると認識している。
一の4について
御指摘の「前記の指摘」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、個々の事案に応じて、家庭裁判所において適切な者を成年後見人に選任し、また、成年後見人の事務を監督し、その任務に適しない者を解任することにより、後見の事務の適切性は担保されていると考えている。
二の1について
お尋ねの「公的または準公的な監督機関を設置する制度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、成年後見人の事務の監督については、個々の事案に応じて家庭裁判所において選任された後見監督人又は家庭裁判所による監督により、成年後見人に対する適切な監督体制が構築されており、新たな機関の設置については検討していない。
二の2及び3について
お尋ねの「専門職後見人(弁護士、司法書士、社会福祉士等)の家庭裁判所への登録人数、受任件数、および登録しているが未受任の人数」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、お尋ねについて網羅的にお答えすることは困難であるが、御指摘の「(弁護士、司法書士、社会福祉士等)」の「受任件数」が、「(弁護士、司法書士、社会福祉士等)」が成年後見人等に選任された件数を指すのであれば、最高裁判所事務総局家庭局作成の「成年後見関係事件の概況−令和六年一月〜十二月−」において公表されており、令和六年一月から同年十二月までの一年間に、弁護士が成年後見人等に選任された件数は八千七百九十四件、司法書士が成年後見人等に選任された件数は一万千八百七十五件、社会福祉士が成年後見人等に選任された件数は六千八百七十三件であると承知している。
二の4について
お尋ねの「後見人の標準的能力を認定する制度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、成年後見人については、個々の事案に応じて、家庭裁判所において適切な者を選任することとされており、成年後見人の能力等を認定する制度の導入について検討していない。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×5個別の事案 ×3
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。