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暗号資産に対する基本的な認識に関する質問主意書
衆議院 第219回 第8号趣旨が明らかではない ×3
質問本文
暗号資産の取引市場は拡大を続けており、全世界での時価総額は四百兆円、日本での取引額は五兆円を突破した。暗号資産の機能は発明当初に期待された決済機能だけではなく、暗号資産ETFや暗号資産を財務戦略の一環として蓄積するトレジャリー企業の出現、国家として準備金の対象となるなど、投資商品としての機能も備えるようになった。またその種類についてもビットコインだけではなく、後発で値動きが激しいアルトコインや逆に米ドルなどの法定通貨と連動させることで値動きを抑えたステーブルコインなどが出現している。これらの状況を踏まえ、現在の暗号資産に対する政府の姿勢を以下のとおり質問する。
一 暗号資産はそのものが流出し詐取される対象となる事案が頻発していることや、ランサムウェア攻撃と身代金としての暗号資産が分かち難く結びついている点など、伝統的金融に比して負の側面が定量的にも定性的にも大きいと考えるが、政府の認識如何。
二 暗号資産はオルタナティブ投資とされつつあるが、資金調達・事業活用型でない暗号資産については投資資金が何らかの設備投資等を惹起するものではない。これらの投資が社会に対してどういった効用を与えると考えるか政府の認識如何。
三 暗号資産ETFの出現により、暗号資産交換所ではない伝統的な金融市場も暗号資産の影響を受けることになった。伝統的金融と暗号資産は、その表章するものの有無から根本的な性質を異にするため、伝統的金融と暗号資産、また法定通貨を担保とするステーブルコインとそれ以外の暗号資産をコミングルさせない措置が必要と思料するが政府の認識如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「伝統的金融」及び「負の側面」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、過去に暗号資産(資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二条第十四項に規定する暗号資産をいう。以下同じ。)が詐取される事案や、サイバー攻撃において、当該攻撃から生じた有害な状況を解消することと引換えに暗号資産が要求される事案が発生したと承知しているものの、これらの事実のみをもって、他の金融資産と比較して暗号資産の社会的な弊害が大きいとは必ずしも言えないと考えられる。
二について
お尋ねの「社会に対してどういった効用を与えると考えるか」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、令和七年四月十日に金融庁が整理した「暗号資産に関連する制度のあり方等の検証」において、「例えばビットコインは株式等の伝統的資産との相関が低いとされ、インフレ耐性があるため分散投資の対象となり得ること等が指摘されている」としており、暗号資産は、そのリスクを十分に理解し、リスクを許容できる範囲で投資を行うことが肝要であるものの、例えば、資産の運用対象の多様化の手段の一つとしての効用はあり得るものと考えられる。
三について
お尋ねの「伝統的金融」及び「コミングルさせない措置」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、暗号資産については、国内外の投資家において投資対象と位置付けられる状況が生じていることを踏まえ、令和七年六月二十五日に暗号資産をめぐる制度の在り方について内閣府特命担当大臣(金融)から金融審議会に諮問し、同審議会に設置された暗号資産制度に関するワーキング・グループにおいて、暗号資産が株式等の有価証券や電子決済手段(資金決済に関する法律第二条第五項に規定する電子決済手段をいう。)とは異なる性質を有すること等を踏まえて議論が行われているところであり、今後、金融庁においては、同ワーキング・グループにおける審議の結果を踏まえ、必要な対応を行ってまいりたい。