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戦没者遺骨DNA鑑定に関する質問主意書
衆議院 第221回 第33号お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×1
質問本文
厚生労働省は、戦没者遺骨の身元特定のためのDNA鑑定申請の受付(以下、「この事業」とする)を令和三年十月一日からはじめています。この事業に関し、質問します。
一 なぜ、この事業をはじめたのか。その理由と目的をお示し下さい。
二 この事業について、受付開始以降、何件のDNA鑑定申請がありましたか。年度別に申請件数及び鑑定件数をお示し下さい。あわせて、DNA鑑定に要した費用の総額を年度別にお示し下さい。
三 外務省北東アジア課が平成二十八年十月に作成している「北朝鮮における日本人遺骨問題」(概要)と題する文書には、北朝鮮地域における戦没者概数は三万四千六百名、遺骨送還概数一万三千柱、残存遺骨概数二万千六百柱とあります。北朝鮮地域には二万千六百柱の残存遺骨概数があることを外務省が公表しているのに、なぜ厚生労働省のホームページにある戦没地の一覧表の中に「北朝鮮」が入っていないのか、その理由をお示し下さい。
四 平成二十四年五月二十九日のストックホルム合意において、日本政府は北朝鮮側に対し、一九四五年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨・墓地に関する調査を要請しています。この事業に関連するか否かを問わず、政府は北朝鮮側に対し、政府が保有する一九四五年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨・墓地に該当する名簿及び関係資料を手渡していますか。
五 平成二十四年五月二十九日のストックホルム合意以降、政府は、一九四五年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨・墓地に関係するご遺族に対しどのような施策を講じてきたのですか。時系列に施策名を列挙し、その成果と課題について具体的にお示し下さい。
六 この事業に関し、一九四五年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨・墓地に関係するご遺族から相談及びDNA鑑定申請はありましたか。年度別に相談及びDNA鑑定申請件数をお示し下さい。
右質問する。
政府答弁書
一について
厚生労働省では、平成十五年度から、戦没者の遺骨の身元を特定して遺族のもとへ遺骨を返還することを目的とし、収集した遺骨からDNA鑑定に必要な検体が採取でき、かつ、遺族から適切な検体が提供された場合に、DNA鑑定を実施してきている。当初は、遺留品や死亡者名簿等の記録資料から戦没者及び遺族が推定できる場合にのみ、当該遺族にDNA鑑定に関する「お知らせ」を送付し、申請を受けてDNA鑑定を実施していたが、遺族が高齢化していることを踏まえ、遺骨の返還をできる限り進めるため、平成二十九年度から順次、試行的に、沖縄や硫黄島など一部の地域において、遺留品や死亡者名簿等の記録資料がない戦没者の遺骨についても、公募により、遺族から申請を受けてDNA鑑定を実施したところ、四柱の遺骨の身元が特定され、遺骨の返還ができたことから、令和三年十月からは、この取組について、同省において検体が採取できたその他の地域にも対象を拡大し、実施しているところである。
二について
お尋ねの「申請件数」については、令和三年度が千百四十八件、令和四年度が八百六十三件、令和五年度が六百五件、令和六年度が五百四十七件、令和七年度が九百七十六件である。お尋ねの「鑑定件数」については、DNA鑑定の「申請」に基づき戦没者と遺族との血縁関係の存否を判定した件数と解すれば、令和三年度が三百八件、令和四年度が八百五十三件、令和五年度が九百九十三件、令和六年度が七百六十六件、令和七年度が九百二件である。また、お尋ねの「DNA鑑定に要した費用」については、その具体的な範囲が必ずしも明らかではないが、「行政事業レビューの実施等について」(平成二十五年四月五日閣議決定)に基づき作成している行政事業レビューシートにおいて、「遺留品調査等を実施」するとともに、「遺留品等の手掛かり情報」の有無を問わず「戦没者遺骨のDNA鑑定」を実施する等の「遺骨伝達等事業」の「執行額」を示しており、令和三年度が約三億九千万円、令和四年度が約五億四千万円、令和五年度が約四億七千万円、令和六年度が約四億五千万円であり、令和七年度は精査中のため示していないが、いずれにせよ、当該額から、令和三年十月一日からの「遺留品等の手掛かり情報」がない場合の「戦没者遺骨のDNA鑑定」の実施に要した費用のみを抽出することは困難である。
三について
御指摘の「厚生労働省のホームページにある戦没地」が、厚生労働省ホームページの「遺留品等の手掛かり情報がない戦没者遺骨の身元特定のためのDNA鑑定にかかる対象地域拡大と申請手続について(令和三年十月一日から受付を開始しました)」の「一・DNA鑑定の目的」において、「DNA鑑定は戦没者遺骨の一部を検体として採取した下記の地域で実施します」と示している地域を指すのであれば、当該DNA鑑定は、同省において検体が採取できた地域を対象にしており、現時点において、北朝鮮については、検体が採取できていないため、当該DNA鑑定の対象地域とはしていない。
四について
お尋ねについては、日朝間の協議の内容に関わる事柄であり、これを明らかにすることにより、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。
五について
御指摘の「一九四五年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨・墓地に関係するご遺族」の範囲が明確ではなく、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、北朝鮮における戦没者の遺骨収集については、令和五年七月二十八日に閣議決定した「戦没者の遺骨収集の推進に関する基本的な計画」及び令和八年三月に厚生労働省が策定した「令和八年度における戦没者の遺骨収集事業実施計画」において、「国交がない地域における戦没者の遺骨収集」として、関係省庁が連携を図りつつ、当該地域との協議の状況等を踏まえて対応することとしているところである。
六について
御指摘の「一九四五年前後に北朝鮮域内で死亡した日本人の遺骨・墓地に関係するご遺族」の範囲が明確ではなく、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、「北朝鮮域内」での戦没者に関しては、お尋ねの「相談」は、厚生労働省にあったところではあるが、その内容は様々であることから、記録は作成しておらず、その「件数」をお答えすることは困難であり、また、お尋ねの「DNA鑑定申請」は、同省にあったところ、その「件数」は、令和三年度が零件、令和四年度が一件、令和五年度が零件、令和六年度が零件、令和七年度が二件である。なお、三についてで述べたとおり、現時点において、北朝鮮については、「遺留品等の手掛かり情報がない戦没者遺骨の身元特定のためのDNA鑑定」の対象地域とはしていないことから、当該申請のあった遺族にはその旨を通知している。