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会社更生法適用に伴い発生する社会的不公正の是正措置に関する質問主意書

衆議院 第76回 第2号

提出者
衆議院
提出日
1975年10月27日
内閣転送 1975年10月29日
答弁書受領日
1975年11月4日
提出から8日
答弁の項目数
3
質問 935字/答弁 606字

質問本文

衆議院議長 前尾繁三郎 殿

会社更生法適用に伴い発生する社会的不公正の是正措置に関する質問主意書

近時、企業の経営破たん対策として会社更生法が多用される傾向にあるが、更生会社をめぐつて次のような社会的不公正の事例が見られるので、これが是正措置に関し、政府の見解を承りたい。

一 更生会社は、一定期間、債務がたな上げになり、金利も税金も払わなくてもすむので、金利負担や税金負担の重圧に苦しむ同業他社に比べて、競争上極めて有利な地位に立つことができる。

したがつて、更生会社は、この競争上の有利な地位を利用して、製品の低価販売を行うことにより、同業他社の経営を著しく圧迫している事例が見られる。

会社更生法の目的は企業の維持更生を図ることにあるが、このような社会的不公正の発生を是認する趣旨のものとは考えられないので、低価販売が市場価格に比べ不当とならないよう、何らかの是正措置を講ずべきではないか。

二 更生会社の財産の価額は、一般に企業継続価値により評定されるが、例えば積極財産が消極財産より多いような場合、固定資産特に土地の値上がりに伴い、更生会社が更生後に焼け太りになるような事例が見られる。

このような社会的不公正は許すべきではないと考えられるので、土地の値上がりによる売却益については、これを被害を受けた旧債権者に対し出世払いができるよう、更生計画に記載させる等の是正措置を講ずべきではないか。

三 更生計画においては、更生担保権者及び更生債権者が更生会社の損失を分担してその権利を縮減されるため、これに応じて株主に対しても九〇パーセント以上の減資が行われるのが通例である。

したがつて、この減資によつて株価は低落するはずであるが、更生後の営業実績が割合といいということになれば、更生後の値上がり益を期待できるので、この株式が投機買いの一つの対象になることがある。そこで一部の者がこの株式を買い集めて、後日巨額の売却益を掌中に収めている事例が見られる。

このような社会的不公正は放置しがたいと考えられるので、例えばこのような株式の買取機関を設けて、その株式の売却益を被害を受けた旧債権者に対し出世払いができるよう、何らかの措置を講ずべきではないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

更生会社は、債務を弁済するため、できる限り利益を上げることを要するので、更生会社がその製品を市場価額より著しく低廉な価額で販売するということは、当該企業の再建を目的とする会社更生法の建前にも反するし、また、更生債権者等の不利益にもなるので、管財人がそのような業務執行を行うことはないものと考える。

仮に御指摘のような事例があり、それが更生計画の遂行に支障を来すものとすれば、それは、裁判所による管財人に対する監督権の行使により是正され得るものであると考える。

二について

更生計画においては、その作成時点で予想される不動産の売却益を基準として弁済条項が定められるが、更生計画作成時において予想された額を超える収益金が生じたときは、原則として、繰上弁済又は追加弁済等の方法により、その超過収益金の分配がなされるべきものである。

ちなみに、裁判所の実務も更生計画において、あらかじめ超過収益についての繰上弁済条項等が定められるのが通例であると聞いている。

三について

更生会社の株式については、減資率が九〇パーセント以上になるのが通例であり、過大の売却益を得ることは一般には期待できず、御指摘のような投機買いは通常は考えられないところであるから、仮に投機買いがあるとしても、その弊害を是正する措置として、御指摘のような更生会社の株式のみを買い取る特殊な機関を設けることは適当でないと考える。

右答弁する。

衆議院の原文

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