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会社更生法の適用等に関する質問主意書

衆議院 第48回 第7号

提出者
衆議院
提出日
1965年3月11日
内閣転送 1965年3月13日
答弁書受領日
1965年3月19日
提出から8日
答弁の項目数
0
質問 1,173字/答弁 1,273字

質問本文

衆議院議長 ※(注)田 中 殿

会社更生法の適用等に関する質問主意書

今回突如として行なわれた山陽特殊製鋼の更生手続開始の申立ては、関係業界に直接重大な影響を与えたが、特に関連中小企業が受けた打撃はきわめて深刻で、その帰すういかんによつては、これら関連中小企業の連鎖倒産を続出するおそれがある。

ついては、これら関連中小企業の救済は焦眉の急務と認めるので、次の諸点に関し、政府の見解を明らかにせられたい。

一 政府は、直ちに民間金融機関と政府関係金融機関を動員し、山陽特殊製鋼の関連中小企業に対し、緊急融資を行なわしめ、これら関連中小企業の資金繰りと操業維持に遺憾なからしめるよう善処すべきものと考えるがどうか。なお、本件に関し政府がすでにとつた措置並びに今後講ずべき措置について、具体的に説明せられたい。また、昨年秋以来、山陽特殊製鋼は下請代金の支払を遅延しているが、これに対し公正取引委員会は、下請代金支払遅延等防止法に基づき、いかなる措置をとつたか。

二 会社更生法の法意は、更生会社のみについて、その事業の維持再建が図られれば、よつて起こるべき関連中小企業の連鎖倒産のごときはあえて意に介しないというような趣旨のものではないと考えるがどうか。

したがつて更生計画案の作成に当たつては、関連中小企業の連鎖倒産を防止するため、特に十分配慮善処すべきものと考えるがどうか。

三 更生計画作成の基準としては、公正、衡平な差等を設くべきことと平等なことが要求されているが、「更生債権者及び更生担保権者については、その債権の少額なものにつき別段の定をし、その他これらの者の間に差等を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない」とされているので(会社更生法第二百二十九条但し書)、関連中小企業の少額債権については、中小企業保護という社会政策的考慮に基づいて、全額一時払等の優先的取扱いが認められるものと解するのが、社会通念に合致すると考えるがどうか。なお、この場合、債権が少額であるかどうかの程度については、中小企業の保護に欠けないよう、相対的、弾力的に判定すべきものと考えるがどうか。

四 立法論としては、会社更生法中に関連中小企業保護の規定を欠いているのは法律の不備と認められるので、同法を改正して、関連中小企業の一定期間内の債権を共益債権として認めるとともに、共益債権とならない部分の債権については更生計画で優先的取扱いができるようにして、関連中小企業が自己の責任に基づかない不測の事由により破たんをきたすことのないようにすべきものと考えるがどうか。さらに、更生手続開始の申立てがあつた場合には、政府は、関連中小企業に対し、金融機関をして緊急融資をなさしめるよう、金融措置に関する規定を会社更生法中に設くべきものと考えるがどうか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一、政府は、山陽特殊製鋼の倒産に伴い、健全な経営を行なつている関連中小企業が連鎖的に倒産することを極力防止するため、関係金融機関の協力を強く要請し、金融機関もこれに応ずる態勢をとつている。これを具体的に述べると次のとおりである。

1 財務局および通産局においては、金融懇談会等を開催し、全金融機関に対し、関連倒産防止のための金融につき、協力を要請した。各金融機関は、この要請にこたえ、山陽特殊製鋼振出手形で期限の到来したものにつき、買戻し延期等の措置をとるほか、当面の運転資金の融通にも充分配意している。

2 財務局および通産局は、その職員を姫路に駐在させ、関連中小企業の実態把握および取引金融機関との連絡に当らせている。

3 政府関係金融機関においては、関連中小企業の倒産防止につき特別の配慮を行なうこととし、必要に応じ資金の融通、既往貸付の条件緩和等、積極的な態度で臨んでいる。

4 兵庫県信用保証協会の債務保証を円滑に行なわせるため、県においては、公庫のてんぽ率をこえる分について、損失保証することを検討している。

また、公正取引委員会は、山陽特殊製鋼株式会社本社工場に対し立入検査を行ない、下請代金の支払遅延の事実が認められたので、昭和三十九年八月下旬に同社に対しその改善を促すよう指導した。

二、会社更生法は、窮境にあるが再建の見込のある株式会社について、事業の維持更生を図ることを目的とするものであるが、その際債権者、株主その他の利害関係人の利害の調節を図るべきものとされているので、更生計画案の作成に当つては、関連中小企業者も更生会社に対する債権者として、その利益について配慮されることとなつている。

三、更生計画の条件は、同じ性質の権利の間では原則として平等でなければならないが、少額債権等については、別段の定をし、その他差等を設けることも、衡平を害しない限り、許される。したがつて、更生計画において、関連中小企業者の少額債権につき、全額一時払等他の更生債権者より有利な条件を定めることも、衡平を害しない限り、可能である。なお、このような有利な条件を更生計画において定め得るか否かは、債権額のほか、債権発生の態様、時期、弁済期等も考慮して衡平の見地から決められるべきものと考える。

四、中小企業の利益を保護すべきことはいうまでもないが、更生手続においては、すべての利害関係人の衡平を図ることが必要とされているから、関連中小企業者の債権についてのみ一定期間内のものを共益債権とし、その他のものを更生計画において有利に取り扱うことについては、他の債権者との衡平上慎重に研究を要する問題であると考える。

また、関連中小企業者に対する緊急融資を法律上義務づけることは、民間金融機関については、その性格上、適当とはいえない。また、政府金融機関についても個別の融資についての判断は、それぞれの金融機関に委ねることを原則とすべきである。なお、実際上は、金融機関は政府の要請を受け、これを尊重して、関連中小企業者の救済に当つている。

右答弁する。

衆議院の原文

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