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中小企業向け官公需の確保に関する質問主意書

衆議院 第67回 第1号検討してまいりたい ×1

提出者
衆議院
提出日
1971年11月4日
内閣転送 1971年11月6日
答弁書受領日
1971年11月12日
提出から8日
答弁の項目数
0
質問 1,601字/答弁 1,610字

質問本文

衆議院議長 ※(注)田 中 殿

中小企業向け官公需の確保に関する質問主意書

一 昭和四十一年六月「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」が制定された。

本法は

(1) 国等が物件の買入れ等の契約をなすに当たつて、中小企業者の受注機会の増大を図るよう積極的に努力すべき旨を定め、

(2) 政府は毎年方針を定め要旨を公表し、

(3) 各省は毎年実績を通商産業大臣に通知し、

(4) 通商産業大臣は各省庁等に対し必要な措置を講ずるよう要望できること、

(5) また、地方公共団体もこれに準じた施策を講ずるよう定めたものである。

二 しかるに、本法制定後の実績をみるに中小企業の契約実績は別紙のとおり法律制定以前の比率よりも年々逆に低下し、なんら法律制定の目的は達せられていないことはまことに遺憾千万である。通商産業大臣をはじめ各省庁が本法を尊重しないどころか本法についてなんらの考慮を払つていない証拠である。特に昭和四十五年を例にとれば九千四百億円の計画目標をかかげながらわずか七千六百五十億円の実績にしかすぎない。

三 右について昭和四十三年予算委員会において私が追求したところ内閣総理大臣はこの事実をみとめ主旨にそつて善処する旨率直に答えたがその後の結果も依然として受注率は低下の一方である。このことは内閣総理大臣の言明はなんら政府内部で実行されないことを意味し予算委員会の権威をも失墜せしめるものである。

四 他方ドルショック等により全日本の中小企業の危機はなはだしいものがある今日、政府は公共事業等を中心に官公需を昭和四十六年度繰上げ発注し昭和四十七年度は著しい増大により景気振興を図ると公表し、特に中小企業救済に万全を期するといつているが、右の実績の示すように政府の言明は容易には信頼することはできない。一体どのように中小企業の業務量の増大を図るのか具体的な行政措置をするのか明らかにすべきである。

五 この際次の点について政府の具体的対策を明らかにすることを求める。

(1) 米国の輸入課徴金の実施や円の変動相場制移行に従つて国内の不況が深刻化しつつあり、中小企業の受注減が大きな問題となつている。折りしも、政府においては昭和四十六年度中小企業者に関する国等の契約の方針(八月二十四日閣議)とその目標一兆四百億円を決定し、補正予算や財投の追加など一連の財政支出拡大措置を講じているところであるが、以上の経過からみてその実行は信頼できない。この際これら官公需に付する中小企業の受注機会の増大を図るべく現行施策の再検討を含め、思い切つた対策を実行すべきではないか。

(2) 事業協同組合等の活用については、法律に特段の配慮をするよう規定されており、この趣旨にそつて、昭和四十二年度より適格証明制度が実施されているところである。しかしながら本制度も必ずしも十分な実績をあげていないと聞いているが証明を発給した組合数およびこれら組合の官公需受注実績の概要を示されたい。

(3) 要するに、毎年の閣議決定が空文に終わり各省庁および末端の担当者になんら徹底していないことに原因があると思われるが、政府はこの際強力な行政指導措置をとる必要があると思うがどうか。

六 本法は政府の不熱意もあるが、実施の経過にかんがみ法自体にその運用主体、権限、念査の方式について根本的に欠けるところがあると痛感される。従つて、この際次の点を含む本法の改正を図るべきだと考えるがどうか。

(1) 各省庁の複雑かつ多元的な調達業務を一元化するとともに中小企業の官公需受注機会を増大させるため「調達管理庁」を設置すること。

(2) 特定の物品や工事を限定して、これらの全部または一部を中小企業のみに契約させる「中小企業官公需留保計画」を策定すること。

(3) その他、法の抜本的な強化を図ること。

右質問する。

(別紙)

衆議院の原文・経過

政府答弁書

中小企業者の官公需受注の確保については、政府としては、かねてより「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」にのつとり、毎年度「中小企業者に関する国等の契約の方針」を閣議決定し、逐年施策の充実に努力してきたところである。

具体的には、たとえば、各省庁ごとに中小企業官公需担当官を置くなどの体制の整備、中小企業者に対する発注情報の提供、事業協同組合等の活用の強化、分割発注の推進、銘柄指定の廃止など各般にわたる施策を推進してきている。しかしながら、これら施策にもかかわらず、中小企業者の官公需受注の実績が必ずしも当初の目標を達成していないので、この際、施策の一層の充実とともに、各省庁等を通じ、政府をあげて、この問題に取り組むことが肝要と考えられる。このような見地から、貴質問主意書に指摘された諸点には今後とも十分留意しつつ、施策の推進を図つていくことが必要と考えるが、この際、本答弁書をもつて貴質問に対する政府の見解を明らかにしておきたい。

一 今般の米国輸入課徴金の実施等に伴う国内不況による中小企業者の受注減対策としては、すでに諸般の措置が講じられており、また、特別の立法措置を国会に提案しているところであるが、官公需の受注確保対策も、これらの受注減対策の一環として、その強力な推進を図ることが必要であることはご指摘のとおりである。

このような見地から、すでに、十月一日本問題の主管官庁たる中小企業庁の長官から各省庁等にその一層の推進を強く要請したところであるが、ご指摘の趣旨に沿つて、今後、さらに中小企業官公需確保対策推進協議会(各省庁等の中小企業官公需担当官(官房長クラス)で構成)の活用などを通じ、対策の実効を期してまいりたい。また、とくに今年度からは、閣議決定された方針のなかで、各省庁等から、それぞれの施策の実施状況等につき中小企業庁長官あて必要な通知をさせることとし、各省庁等の一層の努力が確保されるよう配慮したほか、官公需に対する関心と気運が高められるよう、本年十一月より中小企業庁および各通商産業局に定期的に「中小企業官公需相談日」を開設することとしている。

二 事業協同組合等の活用については、昭和四十二年度より適格組合証明制度を実施することにより、その一層の活用を推進してきており、次に示すような実績をあげてきているが、今後さらにご指摘の趣旨に沿つて、一層努力してまいりたい。

三 各省庁等の実施体制については、官公需確保の趣旨が広く下部にまで徹底し、各省庁等をあげて、この問題に取り組む体制が整備される必要があることは、まさに、ご指摘のとおりであり政府としても、すでに、昭和四十一年度の閣議決定に基づき、各省庁等ごとにそれぞれ関係事務を統括する中小企業官公需担当官を置いているほか、昭和四十四年度以降各省庁等の責任体制を明確にするため、それぞれの事務分掌規程等を改正するなど本法の実施体制の整備を図ることとしている。

とくに、本年度の閣議決定においては、前述のごとく各省庁等ごとの実施状況などを中小企業庁長官あて通知させることとしているが、これらを通じ、ご指摘の趣旨が一層徹底されるようとくに配慮してまいりたい。

四 貴質問主意書において提言されている「調達管理庁」の構想は、ひとつのご意見ではあろうかと考えられるが、各省庁等がそれぞれの行政目的を満たすため物品の調達を行なうに当たつては、それぞれの省庁等の特性や事情に十分配慮することが必要であり、また、各省庁等の独自の専門的な知識や経験を要する場合が少なくないという点も考慮しなければならない等の理由により、現在、そのような機構の設置は考えていない。また、中小企業官公需留保計画については、競争条件を確保し、予算の適正な執行を図るという観点からは、にわかに賛成しがたいが、ご提言でもあるので今後、検討してまいりたい。

右答弁する。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×1

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