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東京電力株式会社への金融機関融資をめぐる政府の対応等に関する質問主意書

参議院 第177回 第172号仮定の質問 ×3

提出者
参議院
提出日
2011年5月31日
内閣転送 2011年6月6日
答弁書受領日
2011年6月10日
提出から10日
答弁の項目数
7
質問 1,265字/答弁 1,325字

質問本文

東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の原子力発電所事故に伴う損害賠償等の問題に関連して、五月二十九日付日本経済新聞に「薄氷の東電公的管理」と題する検証記事(以下「本検証記事」という。)が掲載されている。これを踏まえ、東京電力への金融機関融資をめぐる政府の対応等について、以下質問する。

一 本検証記事によると、三月十八日に東京電力からなされた緊急融資の要請について、「金融庁は金融機関に融資を実行するか確認した」「『…政府からの事実上の要請だと受け止めた』と大手銀行首脳は明かす」とされているが、事実関係について明らかにされたい。

また、本検証記事では、東京電力のメインバンクである三井住友銀行の頭取が三月二十五日に経済産業事務次官と話し合ったとされているが、経済産業省から融資の要請若しくはそれを示唆する発言を行ったのかを含め、事実関係を明らかにされたい。

二 政府は、今回の東日本大震災が原子力損害賠償法第三条の「異常に巨大な天災」に当たらないと国会答弁しているが、その判断に変更はないか。

変更がないとすれば、金額が確定していないにしても、東京電力には原子力損害賠償法上の賠償責任があり、融資の返済が困難となり得る。何故、そうした状況下で金融機関に融資を要請したのか。

三 大手都市銀行の東京電力への融資額は、各行の自己資本等の状況から見て、各行を債務超過に陥れる規模ではないが、政府は、仮に東京電力への融資について全額あるいは大半が損失となる場合には、信用秩序を毀損し、あるいはシステミックリスクを惹起することになると判断しているのか。

四 東京電力の社債は一般担保付社債であり、約五兆円の残高がある。政府は、仮に東京電力が会社更生法や民事再生法の適用を受けた場合には、この全額を一括弁済する法的義務を東京電力が負うものと考えているのか。また、実際に全額の弁済が可能であると見ているのか、それとも一部支払不能となる部分があると見ているのか。

五 一般担保付社債、被災者からの補償請求、銀行からの借入について、東京電力が優先して弁済を行うべき順位は現行法上どのようになると政府として考えているのか。

六 政府は、東京電力の社債のような一般担保付社債の一銘柄がデフォルトとなった場合、社債市場に風評以外のどのような影響を及ぼすと考えているのか。影響があるのであれば、五月十三日に発表した賠償支援策の根拠として説明されていない理由は何か。

七 電力事業の譲渡先を法律上の手当ても含めてあらかじめ決定した上で、東京電力が会社更生法や民事再生法の適用を受けるのであれば、必ずしも電力供給に支障があるとは言えないと考えるが、政府の見解はいかがか。

また、監督官庁として、電力供給への不安を理由に、電力会社の破綻や事業譲渡を認めないのであれば、それはあらかじめ電力会社に関する何らかの法制度で手当てしておくべきではないか。そのような法制度なしには、電力供給の確保を会社の存続と同等に見ることはできないのではないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

金融庁としては、一般に、金融機関の健全性等の監督の観点から、必要に応じ、金融機関の融資状況等についての情報収集等を実施しているが、融資の要請又はそれを示唆する発言を行ったという事実はない。

また、平成二十三年三月二十五日に、株式会社三井住友銀行頭取が経済産業省を訪問した際に、経済産業事務次官から、今回の東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の事故(以下「福島原子力発電所事故」という。)に係る原子力損害の賠償についての経済産業省の考え方について話をしたが、融資の要請又はそれを示唆する発言を行ったという事実はない。

二について

政府としては、福島原子力発電所事故に係る原子力損害については、原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)第三条第一項ただし書ではなく、原子力事業者がその賠償責任を負うとする同項本文が適用されることを前提に対応を進めているところである。

なお、政府としては、金融機関に対して、融資の要請又はそれを示唆する発言を行ったという事実はない。

三について

政府としては、金融機関による個別企業に対する融資に関する仮定の御質問について、お答えすることは差し控えたい。

四について

一般電気事業者の社債には電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第三十七条の規定により一般の先取特権に次ぐ先取特権が付与されており、また、東京電力におけるこのような社債の募集要項においては、「当会社が破産手続開始の決定もしくは会社更生手続の開始決定を受け、または解散(合併の場合を除く。)をしたとき」には期限の利益を喪失する旨の特約が含まれているものと認識している。

なお、政府としては、東京電力が会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)や民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)の適用を受けた場合の弁済の見通しに関する仮定の御質問について、お答えすることは差し控えたい。

五について

一般電気事業者の社債には電気事業法第三十七条の規定により一般の先取特権に次ぐ先取特権が付与されているため、当該社債を有する債権者は、このような優先権のない損害賠償請求権や貸付債権を有する債権者と比べて優先的な取扱いを受けるものと考えている。

この点は、会社更生法や民事再生法の適用を受けた場合においても同様である。

六について

政府としては、社債市場への影響に関する仮定の御質問について、お答えすることは差し控えたい。いずれにしても、引き続き市場の動向等について注視してまいりたい。

七について

電気事業の全部の譲渡し及び譲受けについては、電気事業法第十条第一項の規定により、経済産業大臣の認可が必要であり、同大臣は、同条第三項において準用する同法第五条各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、認可をしてはならないとされている。また、電気事業者の事業の休止若しくは廃止又は法人の解散については、同法第十四条の規定により、経済産業大臣の許可又は認可が必要であり、同大臣は、公共の利益が阻害されるおそれがないと認めるときでなければ、許可又は認可をしてはならないとされている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

仮定の質問 ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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