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企業の倒産処理に関する質問主意書
衆議院 第180回 第346号お答えすることは困難 ×1承知していない ×1
質問本文
企業の倒産処理において、適正な財産評価がなされるべきことは、昨年八月三十日付の答弁書で次のように明らかにしていただいた。
すなわち、「不動産の任意売却においても、評価額の適正が求められるものと認識している。評価額の適正を担保する方法としては、不動産の鑑定評価による方法のほか、公示価格、路線価、固定資産税評価額等から総合的に評価する方法があるものと承知している。」としている。
しかるに、実際には適正な財産評価がなされず、現在係争中の事案も多数あると聞く。
もとより、個別の法律上の争訟に立ち入るつもりは無いが、出口の見えないデフレの中で企業の倒産が絶えない今日、倒産法制の適切な運用と関係者の救済は重要な政治課題であることは自明の理である。
そこで、倒産による被害者救済の観点から、以下の諸点につき質問する。
一 不動産業における棚卸資産(販売用不動産、仕掛不動産、投資用不動産含む)が、一年で簿価の三割程度にまで下落した事例はあるか。把握する事例の件数及び戸数を明らかにされたい。
仮に簿価三千万円のマンションで計算すると下落分七割は二千一百万円となる。耐震偽装問題で建て替えを余儀なくされたマンションのある物件では、一戸当たり二千万円を超える負担で建て替えることを余儀なくされたとの報があったことをかんがみれば、簿価の三割まで建物の価額が下落するのは当該資産価値がゼロになったのに等しいことである。
過去五年間で、耐震偽装で問題となった物件以外に著しく価値の下落した物件の存在を把握されているのであれば、下落件数とその下落理由の概要についても明らかにされたい。
二 報道によると、今年三月二十二日に公示された基準地価で、内陸部の一部地域に移転先を探す被災者が殺到した結果、宮城県石巻市須江付近の住宅地は六十・七%と全国最高の上昇率、逆に津波被害の大きかった気仙沼市南郷は、十八・三%と全国最大の下落率となったとのことである。
また、福島第一原発事故による警戒区域にある地点については調査を休止したというが、これは土地取引自体不可能となったために価格のつけようが無くなったことに起因するものであろう。
そこで、公示地価について、過去十年間における最大の上昇率と最大の下落率、並びにそれぞれがいつ、どこの地点の結果であるかを明らかにされたい。
三 通常、抵当権の設定は、担保物の時価に「掛け目」と言われる比率を乗じて行われるはずであり、預金担保以外で担保物の百%の額の融資はありえないと聞いている。これは根抵当権でも同様と考えられる。
もし、担保物の百%あるいはそれ以上の貸付を受けられるとしたら、成長途上で資産の乏しい企業にとっては大きなメリットがあると考えられる。反面、銀行にとっては不動産の値下がりによる担保割れリスクを負うことであるから、過剰貸付となって適切な金融実務と言えなくなることも危惧される。
そこで、仮に不動産価格の百%の抵当権あるいは根抵当権を設定する貸付は可能か、さらに企業の将来や成長を見込んで二百%の貸付は可能か。金融当局としての考えを明らかにし、ガイドライン等があればお示しいただきたい。
四 親子関係にある会社が破綻した場合においては、複雑な問題が生じる。
例えば、子会社を救済しようとして貸付を行ったが大半が回収不能となった場合、親会社が連鎖して破綻する可能性は高いと見込まれる。その場合、子会社救済の試み自体が、親会社に損害を与える特別背任として断罪されかねない問題をはらむと想定される。また、子会社が無理に返済を行ったとしたら、取引先や一般株主を害して親会社のみを利する財産流出行為として不法行為を構成することになりかねない。
悪質な事例を考えるならば、子会社救済のための貸付債権を偽装すれば、債権者として破綻子会社の残余財産からの分配に与れるのだから、株主として回収できないはずの出資を回収できることは想像に難くない。
こうした複雑な問題が容易に想定しうる以上、親子関係会社の破綻処理については、破綻手続きのより慎重かつ厳正な運用、そして事後的な救済策の充実が必要となってくるのではないかと考える。そして、現在処理中の案件、今後起こりうる案件、そして既に処理された案件における救済のいずれにおいても必要なのが、親子関係にある会社間の金銭のやり取りの経緯と全容の解明であると考える。
そこで、親子関係にある会社間の金銭のやり取りの全容について、損害を受けた者が解明する手段が法的に確保されているか否か、あるとすればその手段の概要を明らかにされたい。
五 親子会社の破綻処理が不適切な場合、被害を受けた債権者や一般株主は民事訴訟による救済をまつほかないと思われるが、信頼に足る証拠が提出されるかどうかについては問題があるように思う。
すなわち、被告となった会社が証拠を隠し、裁判所の釈明や提出命令等に従わなければ、証明責任の関係で原告の訴えが容れられなくなるのではないか。それでは訴訟という原告側の最後の砦が絵に描いた餅になってしまう。
そこで、私は、被告となっている親子会社側が適切な証拠提出を行わないときは証明責任を転換し、被告が反対事実の証明責任を負うべきと考えるが、そのような解釈運用は可能か。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の「不動産業における棚卸資産」を構成する個別の資産ごとの簿価の変動や、個別の物件の価格の変動等については把握しておらず、お尋ねについてお答えすることは困難である。
二について
平成十五年から平成二十四年までの間の地価公示法(昭和四十四年法律第四十九号)第二条の規定による地価の公示において、公示価格の対前年比の上昇率が最も大きかった地点は、平成二十四年地価公示における宮城県石巻市須江字しらさぎ台一丁目三番三の地点で、その率は六十・七パーセントであり、公示価格の対前年比の下落率が最も大きかった地点は、平成十六年地価公示における千葉県成田市下福田字油免五百四十一番の地点で、その率はマイナス三十三・三パーセントである。
三について
銀行の個別取引先に対する与信判断については、あくまでも当該銀行の経営判断で行われるものであり、金融庁が指示・関与するものではなく、同庁としてお尋ねのガイドライン等は作成していない。ただし、一般論として申し上げると、銀行の財務の健全性の観点からは、与信判断に当たり、担保評価や個別取引先の将来キャッシュ・フローの見積りの客観性・合理性が確保されることが必要であると考えられる。
四について
親子関係にある株式会社間の金銭のやり取りについては、会社法(平成十七年法律第八十六号)第四百三十五条第二項に規定する計算書類において、会社計算規則(平成十八年法務省令第十三号)第九十八条第一項の規定等により、親子関係にある株式会社等との取引に関する注記をすることが求められており、株式会社の債権者は、同法第四百四十二条第三項の規定により、当該計算書類の閲覧等の請求をすることができる。
五について
民事訴訟手続においては、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第二百二十三条及び第二百二十四条の規定により、裁判所は、挙証者による文書提出命令の申立てを受けて、訴訟の相手方が所持する文書の提出を命ずることができ、当該相手方がこれに従わないときは、裁判所は、当該文書の記載等に関する挙証者の主張を真実と認めることができる。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。