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成田空港の航空燃料暫定輸送計画に係る閣議決定等に関する質問主意書
衆議院 第76回 第3号検討してまいりたい ×1
質問本文
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
成田空港の航空燃料暫定輸送計画に係る閣議決定等に関する質問主意書
「成田空港の早期開港を」なるポーズをとり続けてきた運輸省・空港公団は、茨城県知事の提示した二年来の四項目要求に対し、八月二九日、その場限りの意味しかない閣議決定を「別添」とし、玉虫色なのか、色あせた不可解な新東京国際空港閣僚協議会(以下「閣僚協」という)了承を「参考」とする運輸大臣木村睦男名の回答書(以下「回答書」という)を同知事に手渡し、航空燃料暫定輸送計画(以下「暫定計画」という)への協力を要請した。
以下、右回答書及びそれに係る閣議決定(以下「閣議決定」という)と同じく閣僚協了承に関する諸点につき、政府の見解を質したい。
なお質問事項は特に調査・研究は必要とせず、政府にとつて、既知のことばかりであるから、国会法の規定にある一週間で答弁書が送付されるものと期待する。
一 昭和四八年九月一七日に茨城県知事から内閣総理大臣に対し、要望のあつた件とは何か。そのすべてを項目別に明らかにされたい。
二 暫定計画は成田開港を昭和四八年三月とすべく始められたにもかかわらず、同計画の前提となる右の件につき、政府が回答を二年間も放置した理由は何か。
三 本年七月一五日に茨城県知事から運輸大臣に対し要望のあつた件とは何か。そのすべてを項目別に明らかにされたい。
四 二年来放置し続けた茨城県知事に対する運輸大臣の回答に、閣議決定や閣僚協了承を必要とした理由は何か。
五 右につきかんがみるに、暫定計画の実施につき、運輸大臣木村睦男には当事者能力がないのか。あるとすれば、その法律上の根拠は何か。
六 暫定輸送期間を三年とする点についてのみ閣議決定で言及されている理由は何か。
七 閣議決定と閣僚協了承とでは、形態(意志決定の様式)が異なるが、この違いにどの様な意味があるのか。
八 日本国憲法第七三条は、内閣の職務の一つとして、法律を誠実に執行することをあげ、また内閣法第一条は、これを内閣の職権の一つとしている。また、三木内閣も、田中内閣と同様、「公共事業であつても、法手続きを無視してよいとする理由はなく、現行法令の定める手続きに従つて行われるべきものであることは当然である」としているが、
(1) 閣議決定の法律上の根拠は何か。関係するすべての法律名と条文名を明らかにされたい。
(2) 閣議決定は、今後の内閣による行政行為をいかなる法律の規定に基づき、いつまでどのような形で、どの程度拘束するのか。
(3) 閣議については内閣法第四条に定められているが、閣僚協の存立の法律上の根拠は何か。関係するすべての法律名及び条文名を明らかにされたい。
(4) 閣僚協では決定という形ではなく、なぜ了承という形をとつたのか。
(5) 閣僚協了承は、今後の内閣による行政行為をいかなる法律の規定に基づき、いつまでどの様な形で、どの程度拘束するのか。
九 閣議決定は、必要にして十分正確な表現をとつていると思われる。ところで同決定では「成田空港への航空燃料輸送は、暫定的に鉄道輸送によるものとし」とあり、鉄道輸送以外による成田空港への暫定的な燃料輸送を否定しているが、現在成田空港へは、国鉄線は乗り入れていない。一体どのような鉄道によるのか。京成電鉄を用いるのか。それとも別に引込線を成田空港まで建設するのか。
十 閣議決定は、その標題からも明らかなように成田空港への航空燃料の暫定輸送についてなされたものであるが、当該輸送開始後三年以内とするという暫定輸送期間については、鹿島港を経由するものについてしか言及していない。閣議決定が不完全・不備であることを認めるか。
十一 右について鹿島港を経由するものに限らず、暫定輸送期間を三年以内とするとはできない理由は何か。
十二 回答書には、「千葉港頭よりのパイプラインは、暫定輸送開始後三年以内に供用できるよう建設を進めるものとし」とあるが、この「三年」という期間の算定根拠を具体的に明らかにされたい。単なるドンブリ勘定にすぎないものなのか。
十三 同じく「当該パイプラインが期間内に完成できない場合においても、鹿島港を経由する暫定輸送を中止するものとする」とあるが、当該パイプラインが期間内に完成せず、かつ、鹿島港を経由する暫定輸送を中止してもなお必要な量の航空燃料が成田空港へ到達する方途があるのなら、なぜわざわざ鹿島港を経由する暫定輸送を行うのか。
十四 鹿島港を経由しない暫定輸送とは何か。その計画の具体的な内容を明らかにされたい。
十五 同じく「鹿島港を経由する航空燃料は、ジェットA1に限るものとする」とあるが羽田空港の給油実績では、ジェットA1とジェットBとがほぼ半々であると聞く。成田空港では、ジェットBを暫定輸送ではどのようにして確保するのか。
十六 右において、ジェットBが供給されなくても、成田空港の機能に影響がないのなら、なぜ、千葉港頭からのパイプラインでは、ジェットBを供給するとするのか。
十七 同じく「首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律に違背することとならないよう計画を進めるものとする」とあるが、同法第二四条の規定に従い、同法第二条五項で定義される「製造工場等」を鹿島石油に建設し、暫定輸送の用に供するのか。また、暫定輸送の用に供する「製造工場等」とは何か。具体的にその内容を明らかにされたい。
十八 右にいう「製造工場等」とは、石油業法第二条三項で定義される「特定設備」に該当するのか。
十九 鹿島石油が受けた石油業法第四条の規定による通商産業大臣の許可に係る石油精製業では、ジェット燃料油を生産することになつているか。また年間生産量はどれ程か。
二十 回答書では、安全対策や住民対策にも言及しているが、成田空港設置にあたり、空港のもたらす被害を軽減するためとして、環境対策や住民対策について、千葉県知事の要請に協力するとのことから「新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律」が制定された。暫定輸送の安全対策及び住民対策について茨城県知事の要請に協力するのであるから、そのために必要な財政支出を適法に行うため別途法律を制定する必要があるとしてよいのか。必要ないとするなら法律上の根拠を添えその理由を明らかにされたい。
二十一 回答書では、「適切な騒音対策を実施する」とあるが、騒音対策が適切であるか否かはだれの判断によるのか。
二十二 千葉県知事の要請は受け入れたのにもかかわらず、茨城県上空の飛行コースの設定については、なぜ茨城県知事の要請に協力するとは回答できなかつたのか。
右質問する。
政府答弁書
一及び三について
新東京国際空港(以下「新空港」という。)に関し、昭和四十八年九月十七日に茨城県知事から内閣総理大臣に対し要望のあつた事項及び昭和五十年七月十五日に茨城県知事から運輸大臣に対し要望のあつた事項の概要は、次のとおりである。
(1) 鹿島港を経由する航空燃料の種類、輸送期間、輸送量及び輸送方法を明示すること。
(2) 首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律(以下「首都圏法」という。)に違背することとならないよう暫定輸送に関する計画を進めること。
(3) 暫定輸送に関して安全対策を実施するとともに、鉄道沿線の各町について環境整備を行うこと。
(4) 飛行コース下に当たる地域について適切な騒音対策を実施するとともに、鹿島臨海工業地帯付近の飛行コースについては、茨城県知事の意向を尊重して決定すること。
二について
政府は、暫定輸送実施のための諸準備の進ちよく状況を勘案しつつ、適切な回答を行うべく検討していたのであつて、回答を放置したのではない。
四から六まで
事案の内容に応じ、それぞれ閣議決定又は臨時新東京国際空港閣僚協議会(以下「閣僚協議会」という。)の了承を適当と考えたからである。
七及び八の(4)について
閣議決定は、行政機関たる内閣の意思決定であり、閣僚協議会の了承は、主管大臣の行う意思決定について関係各大臣が了承する行為である。
八について
(1) 内閣法第四条
(2) 内閣が今回の閣議決定を前提として行動することは、当然である。
(3)及び(5) 閣僚協議会は、閣議決定に基づいて設けられている。閣僚協議会の了承を得たことは、法的に内閣を拘束するものではないが、関係各大臣の了承を得たという事実は、尊重されることとなる。
九について
御指摘の閣議決定において「暫定的に鉄道輸送による」とは、新空港への輸送経路上の主たる輸送機関を示したものである。
なお、成田市土屋から新空港までの間の輸送は、暫定のパイプラインによることとしている。
十及び十一について
御指摘の閣議決定は、必要な事項について言及したものであつて、不完全でも不備でもない。
十二について
千葉港頭からのパイプラインについては、航空燃料の暫定輸送開始後三年以内に供用できるよう関係各省が一致協力してその建設に当たることとしたものである。
十三及び十四について
現時点では、鹿島港を経由しないで新空港に航空燃料の必要量のすべてを輸送することは難しいと考えられるので、暫定輸送終了後は、千葉港頭からのパイプラインによつて輸送することとし、このため暫定輸送開始後三年以内に同パイプラインを供用できるよう最大限の努力をしたいと考えている。
十五及び十六について
暫定輸送期間中は、特に航空会社等の協力を得て、新空港においては、ジェットA1のみを供給することとしている。
十七について
暫定輸送に際し鹿島港頭の施設をどのように利用するかについては、目下検討中である。
十八について
首都圏法第二条第五項の製造工場等に当たる石油精製工場の設備の中でも、石油業法第二条第三項の特定設備に該当するものと該当しないものの双方がある。
十九について
石油業法第四条の許可においては、精製される石油製品の種類についての限定はない。
二十について
暫定輸送に係る安全対策及び住民対策の実施のための新たな法律の制定又は既存法律の改正については、現在考えていないが、最終的には、対策の具体的内容が決定した段階で判断されることとなる。
二十一について
客観的に適切と考えられる騒音対策を実施することとしている。
二十二について
新空港に係る飛行コースについては、千葉、茨城両県知事の意向を尊重し、かつ、航行の安全等を併せ考え、適切なものとすることとしている。
右答弁する。
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