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植物新品種の保護に関する質問主意書

衆議院 第84回 第12号検討してまいりたい ×1

提出者
衆議院
提出日
1978年2月18日
内閣転送 1978年2月22日
答弁書受領日
1978年3月24日
提出から34日
答弁の項目数
5
質問 1,741字/答弁 810字

質問本文

衆議院議長 保利 茂 殿

植物新品種の保護に関する質問主意書

農林省は今国会に、新しい品種の植物を作りだした人に独占権を与える制度(以下この独占権を「育成者権」という。)を盛り込んだ農産種苗法改正案(以下「改正案」という。)を提出する予定と伝えられる。

事は私権の創設に関することであるが故に極めて重要な問題であり、単に関係行政庁の合意だけでよしとされるものではなく、広く国民各層の意見を反映させることはもち論、当該権利の法的性格やその付与手続き及び競合制度、法(特許法、商標法、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律等)あるいは権利付与官庁の所管上の問題等について、一点の疑義をも残すことは絶対に許されないものと思料する。

従つて、次の事項について政府の所見を質すものである。

1 農林省が現在立法準備中の育成者権は、独占権であり、知的所有権(無体財産権)のカテゴリーに属する権利の創設であると考えられる。このように解してよいか。

2 もし、右1の通りであるとすれば、現行特許法に基づく特許権と比較して権利の主体、客体、効力、権利発生に至る手続きに関する主要な異同について答弁されたい。

3 農産種苗法は、本来そ菜、果樹及び花きの種苗の取引秩序と品質保証の確保を目的とする法律と解され、植物新品種の育成者の創造権を保護するいわゆる知的所有権(無体財産権)に関する法律とは法的性格も適用領域も異なるものと考えられるが、それにもかかわらず育成者権の創設を農産種苗法の一部改正の形で行う理由を明らかにされたい。

4(1) 農林省は、植物新品種保護権の創設のための植物新品種保護法(案)(以下「旧法案」という。)の立法準備過程において、審議会等で検討を行つたか。もし行つたとすれば、その経過及び結果(例えば答申等)並びにこの結果と旧法案との主な相違点を明らかにされたい。

(2) また、改正案の立法準備過程における審議会等の審議結果についても説明されたい。

5 農林省は、旧法案を改正案に変更したが、その経緯と理由を明らかにされたい。また、旧法案における新品種保護権と現在検討中の育成者権の主な異同を、権利の主体、客体、効力、権利発生に至る手続きに関して答弁されたい。

6(1) 改正案の目的は、一般農家を防衛する目的で自前の“植物特許制度”を発足させることにしたものであるか。

(2) そうだとすれば、特許制度の適用がそのままの形では一般の農家の利益を侵害することに帰着するが、右侵害となる根拠・理由及びその根拠条文、さらにそれに代わるべき新制度の満たすべき主要な要件を、特許制度と対比して答弁されたい。

7 改正案は、当然「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(以下「独禁法」という。)、特にその第6章との関連が生じるものと考えられるが、その点についての検討結果を明らかにされたい。さらにこれに関連して、右旧法案の立法準備過程における独禁法との関連性に関する検討結果を答弁されたい。

8 工業所有権はその性格からみて、知的創作物の私権的保護の観点から対象業種の行政的所管をこえて横断的に特許庁において所管しているものと考えられる。

しかるに、育成者権の創設は、このような原則を変更して植物の新品種を特許法の対象から除外するものであるが、現行特許法においてこのように特許を受けることができない発明とされている対象物のすべてについて、その所管官庁、右対象物を除外する政策的根拠並びに右対象物について特許法に代わる創作者の権利保護のための根拠法規があれば、それもすべて明らかにされたい。

9 関係省庁間の所管に関して

(1) 国家行政組織法第二条は「国家行政組織は、内閣の統轄の下に、明確な範囲の所掌事務と権限を有する行政機関の全体によつて、系統的に構成されなければならない。」旨規定している。関係省庁が、改正案とその関連諸法についてどのような範囲の所掌事務と権限の配分を考慮しているか明らかにされたい。

(2) 右(1)の配分をなすに当たつて考慮すべき関係省庁の所掌事務と権限の特殊性とその調整に適用される組織原理の基本点について政府の見解はいかがなものか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

1、2、6及び8について

農林省では、植物の育種の振興を図るため植物の新品種を育成した者を保護する制度を整備することとしているところであるが、現在のところ植物新品種の育成者の地位については、知的所有権に属しないようなものとして構成する方向で検討中である。

3について

農産種苗法は、種苗の流通の適正化を図るとともに、育種の振興のため優秀な新品種の種苗の育成者を保護する制度として、昭和二十二年に制定されたものであるが、その後における植物新品種の育成者の保護に関する国際的動向、種苗の流通事情の変化等により、植物の育種の振興のためにはこの制度が必ずしも十分なものではなくなつてきていること、また、かねてより関係者からも制度の整備が強く望まれていたこと等の事情から、植物新品種の種苗の育成者の保護をその内容の一部としている現行農産種苗法を改正し、育成者の保護を拡充強化しようとするものである。

4及び5について

農林省においては、植物新品種の育成者を保護する制度を整備するため、昭和四十七年度から昭和四十九年度まで及び昭和五十一年度に、それぞれ学識経験者をメンバーとする新品種保護制度研究会及び植物新品種保護制度検討会を開催し、検討を重ねてきたところである。その検討の過程では、制度の仕組みについて種々の考え方があつたが、いずれにしても速やかに植物新品種保護制度を整備すべきであるとの結論が示されたので、これらの検討結果等を踏まえて、現在、法案立案の作業を進めているところである。

7について

植物新品種の育成者を保護する制度の整備に当たつては、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律との関連については、特段問題のないよう取り進める考えである。

9について

現在、その整備を検討している植物の新品種の育成者を保護する制度の所管官庁については、国家行政組織法の規定にも十分配慮しつつ対処していく考えである。

右答弁する。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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