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不当展示に対する著作権者の人格権防護に関する質問主意書

衆議院 第82回 第2号

提出者
衆議院
提出日
1977年10月3日
内閣転送 1977年10月5日
答弁書受領日
1977年10月11日
提出から8日
答弁の項目数
0
質問 931字/答弁 783字

質問本文

衆議院議長 保利 茂 殿

不当展示に対する著作権者の人格権防護に関する質問主意書

昭和五十二年一月四日より小田急デパートで催されました藤田嗣治展は、その後名古屋、広島、福岡、札幌また一部は藤沢でも催され、半年にわたつて各地で盛況だつたと聞いております。

しかし、この展覧会は、著作権者の夫人によると全く著作権者の人格は無視されたものであり、内容には贋作及び公示すべきものでない多くの作品が展示されており、かかる暴力的行為が公然と行われることは著作権者はもとよリエコール・ド・パリの画家として国際的にも藤田を敬愛する者は多く、そうした者達にとつてもはなはだ不愉快なものであり、且つ、委員会などとさも権威あるがごとき名称を用い一般大衆を欺いていることは許し難いものを感じます。

そして、このような不当な藤田展が小田急での展覧会を手本に来年没後十周年を記念して内容にも問題あるものが別に企画されていることも耳にするにつけ、小田急での展覧会がごときものが繰り返されてはならないと存じます。

著作権者の人格権防護について国としてはいかなる対策があるかを質問します。

聞くところによると三島由紀夫夫人が氏の死後第三者の三島由紀夫の名による集会等の禁止を登録したということですが、不正競争防止法(特許庁)なり著作権法(文化庁)なりをもつて第三者による藤田嗣治名の無断使用を防衛出来ないものかどうか。

また、殊に藤田については贋作が多く、しかも鑑定家も信用出来るものが決つていない現状では、展示には著作権者の許可制がとれないものかどうか。

さらに、贋作は勿論著作権者が公示をはばかるものについては、第三者による展示を差し止められないものかどうか。

なお、問題なのは、小田急での展示作品中夫人が何点かの贋作があることを指摘し、展示よりはずすよう主催者に申し入れたところ主催者側は法に訴えて供託金を積んで強制執行により差し止められる以外従えないというのでは、供託金が一億円以上必要でしかも係争に何年かかるかわからぬとなれば夫人の力では告訴も出来ず、こうしたことでは著作権は有名無実としか言えないものになり、文化国家としてはあるまじきことだと存じますがいかがでしようか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

(一) いわゆる贋作には、原作品を無断で、例えば模写等により複製し、その複製物をあたかも原作品のごとく利用する場合と、原作品とは全く別の内容の作品を原作品の画風をまねて創作し、あたかも原作品の著作者が創作したものであるかのようにして利用する場合とがあると考えられる。

前者は、著作権侵害行為に該当し、著作権者は、このような著作権侵害者に対し、著作権法第百十二条の規定による侵害行為の差止の請求や損害賠償の請求等の民事上の措置で対処することができることとされているほか、当該行為に対する罰則の定めが設けられている。

後者は、画風が著作物に当たらないので著作権侵害とはならない。

(二) 著作権者は、著作権法上、美術の著作物をその原作品によつて公に展示する権利を専有する。

したがつて、第三者が著作権者に無断で当該美術の著作物の原作品を公に展示すれば著作権侵害となり、著作権者は著作権侵害者に対し、(一)の場合と同様、侵害行為の差止の請求や損害賠償の請求等の民事上の措置で対処することができることとされているほか、当該行為に対する罰則の定めが設けられている。ただし、美術の著作物の原作品の所有権が譲渡されている場合は、当該原作品の所有者又はその同意を得た者は、当該原作品を公に展示することができるものとされている。

なお、当該原作品が未公表のものである場合は、その所有者等の第三者が、著作者の意に反して当該原作品を公表すれば、著作者人格権(公表権)の侵害となり、また、著作者が存しなくなつた後においても、著作者が存していたとしたならぼその著作者人格権の侵害となるべき行為に対しては、著作者の遺族は、著作権法第百十二条及び第百十五条の規定による当該侵害行為の差止等の措置を請求することができることとされているほか、当該行為に対する罰則の定めが設けられている。

右答弁する。

衆議院の原文

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