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国立大学構内におけるテロ・暴力追放に関する質問主意書
衆議院 第84回 第1号
質問本文
衆議院議長 保利 茂 殿
国立大学構内におけるテロ・暴力追放に関する質問主意書
京都大学構内における暴力学生による大学施設の不法占拠場所は、理学部無所属系学生控室外十箇所、昭和五十二年五月二十四日以後二十一件の授業破壊が行われ、昭和五十二年五月十一日以後十七件の大学施設、器物の破壊が行われ、昭和五十二年三月十九日以後四十九件の教官及び学生に対するテロ・暴行が行われている。
京都大学の自治・学問の自由が暴力によつて踏みにじられようとしているし、少数の暴力学生によつて一万人程の京都大学の学生、教官及び関係者は、暴力におびえている状態である。
京都大学構内における暴力追放の対策は緊急を要すると考える。従つて次の事項について質問する。
一 政府は京都大学内での暴力事件の摘発のためにどのような方策を講じているか。
二 京都大学管理者が、不法占拠場所からの退去命令を出さないのはなぜか。
三 二の場合において政府として、京都大学管理者をして不法占拠場所からの退去命令を出させる方法はないのか。
四 京都大学教官が暴力学生から暴行や授業妨害を受けても、全く被害届を出さないし、また、警察の捜査にも協力をしないと言われているが、被害届や捜査に対する協力の実情はどうか。
五 四において、被害届を出さなかつたり、捜査に協力をしないのはどういう理由なのか。
六 被害届を出したり、捜査に協力をすることによつて、被害者に更に報復が加えられる恐れがある等の理由があるとすれば、その恐れを除去する方法は、政府、大学管理者にはないか。
七 被害届を出さなかつたり、捜査に協力をしないことによつて暴力学生を野放しにしておくことは、善良な学生、研究者に対し著しく迷惑を及ぼすことになる。被害届を出さず、捜査に協力をしない公務員は、公務員として必要な勇気、正義感、順法精神が欠けることになるのではないか。公務員としての自覚を促させる方法はないか。
八 昭和五十二年一月以後京都大学における授業、会議が、暴力学生を恐れて学外で開かれたものの件数及び中止された件数
九 昭和五十二年一月以後京都大学の施設、器具が暴力学生によつて不法占拠され、又は破壊されたことによる損害額はいくらか。
十 京都大学学内における暴力追放の運動をする学生等が暴力学生によつて危害を加えられたときは、政府なり大学が営造物の管理責任を十分に果たしていなかつたことも大きな原因なので、国が責任を負担すべきであると思うがいかがか。
十一 十において京都大学構内で、大学管理責任を十分に果たしていないことによつて善良な者が危害を受けたり、授業や研究を妨げられたことによる政府及び大学管理者の法的責任はどうなるのか。
十二 いつになれば、京都大学構内で暴力におびえず安心して授業、研究を行うことができるか。
右質問する。
政府答弁書
一について
学内の暴力事案に対しては、その都度、大学当局からの要請・通報のみならず被害者からの届出、一般人からの通報等に基づき、所要の警察部隊を学内に出動させて事案の早期鎮圧と被疑者の逮捕を行うとともに、捜索、検証等所要の捜査を推進するなど、警察において、必要な措置を講じているところである。
二及び三について
京都大学の施設の不法占拠の事態について、大学当局は、教育的な観点から、退去するよう説得や警告を続け、事態の完全な解決に導くべく努力してきた。
大学当局は、今後とも全学的な不法占拠排除について、諸般の事情を考え合わせ検討するなど、強い決意で事態の正常化を図るべく努力することとしており、政府としても、このような大学の努力を助け、速やかな解決に導くよう一層の努力をしてまいりたいと考えている。
四及び五について
教官が学生から暴行や授業妨害を受けたことについての被害届は出されていない。これは、当該教官が教育者として学生への説得に努め、当該学生の反省を得ることの方が根本的な解決につながるという判断によるものと聞いている。
警察当局から捜査のため、任意出頭の依頼があつた場合は、これに応じ、事情聴取等に協力している。
六について
学生による暴力行為に対し、大学当局において対応し得ない場合には、警察当局の協力を得て学園の秩序維持を図るべきであり、かねてそのように大学当局を指導している。
七について
大学当局は、現在学内における暴力追放について強い姿勢で臨んでおり、その考え方について広報等を通じ教職員、学生に対し周知徹底を図つているところである。
八について
昭和五十二年一月以降、一部学生による妨害のおそれがあることにより、授業又は会議が学外で開かれた件数及びこれらが中止された件数は、次のとおりである。
授業が学外で開かれたもの
二百二十一件
授業が中止されたもの
百三十九件
会議が学外で開かれたもの
百二十六件
九について
昭和五十二年一月以後、京都大学において、暴力行為等によつて生じた国有財産及び物品の損害額は、昭和五十二年十二月二十一日現在において約六十万円と見込まれる。
十及び十一について
大学における教育研究の正常な運営の確保については、大学自治の観点から、まずは大学自身が責任を負うべきところであり、京都大学の事態についても、政府としては、大学当局の紛争解決への自主的な努力を期待し、適時適切な方法により、指導と助言を行つてきたところである。
なお、大学構内において、学生その他第三者が危害を受けた場合の設置者の法的責任等の問題については、個々、具体の事案に応じて検討されるべき事柄と考える。
十二について
京都大学における授業の状況は、十月中旬以降、正常化が進み、現在では、一部の学部における若干の事例を除き、おおむね正常に実施されている。
大学当局は、強い決意をもつて事態の早期正常化のために努力中であり、平穏かつ自由な学園環境が可及的速やかに実現することを期待している。
右答弁する。
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