Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第84回

日本化学工業株式会社のクロム工の疫学調査に関する質問主意書

衆議院 第84回 第56号お答えすることは困難 ×1

提出者
衆議院
提出日
1978年6月15日
内閣転送 1978年6月16日
答弁書受領日
1978年6月27日
提出から12日
答弁の項目数
6
質問 1,176字/答弁 1,364字

質問本文

衆議院議長 保利 茂 殿

日本化学工業株式会社のクロム工の疫学調査に関する質問主意書

労働省が、日本化学工業株式会社(以下「日化工」という。)のクロム工について行つている疫学調査には、クロム被害労働者のみならず職業病、公害のすべての被害者の利害に係わる重大な問題があるので、本年二月二十八日、社会労働委員会で当職が質問したが、当局より明確な答弁がなかつたばかりでなく、重大な事項について虚偽の答弁を行つた疑いがあるので、ここに改めて書面で質問する。

一 クロム疫学調査の目的は何か。

二 クロム障害に関する専門家会議の目的は何か。

三 前回の質問の際、当局は疫学調査は「実質的に専門家会議のやつていることと同じだ」と答弁したが、実際には、調査の方法等について右専門家会議に何の相談もしていない。反対に、別の専門家に調査を委託し、この専門家の氏名すら秘密にされ、専門家会議にも知らされていない。「専門家会議が実質的にやつている」という明白な虚偽の答弁をあえてした理由は何か。秘密の専門家の氏名を明らかにせよ。

四1 疫学調査の対象が、日化工のいわゆる本工のみに限定されているが、日化工小松川工場のクロム酸塩製造の実際と、当時の雇用構造を調査したことがあるのか。

2 本工以外の松渕組等と称するいわゆる「組」の労働者等が、その数においても、その作業内容においてもクロム酸塩製造のかなめであつたことを知つているか。本疫学調査の観察基準時である昭和二十二年九月には、本工以外の者が五割を超える職場があつたことを知つているか。

3 いわゆる「組」の労働者等は、日化工の実質的直用工であり、本工とは、日化工のクロム直用工の一部のグループに過ぎないことを知つているか。とすれば、かかる労働者こそ観察の対象とすべきではないか。

4 右「組」の労働者等本工以外の労働者が生産のかなめであつたため、当然最も汚染のひどいところで働いており、従つてガンによる犠牲者も一番多いということを知つているか。

5 ガンとの関係を明らかにしようとすれば、かかる労働者こそ観察の対象とすべきではないか。

五1 調査の基礎となる労働者名簿その他の原資料の正確さをどのように吟味したのか。

2 現在の調査は原資料を精査することなく、日化工の一方的申告によるものを「基礎データー」としているようであるが、そのようなことでよいのか。

3 企業が資料を人為的に操作するおそれがあるのに、何故かかる安易な方法で資料を取扱うのか。少なくとも被害労働者等に資料の確度を吟味させるべきではないか。

六 クロム酸塩製造を支えてきた本工以外の者を観察の対象に入れ、昨年三月の石田前労相の「被害者等に疑惑のまねかない」公正で、科学的な調査に改める気はないか。

以上、労働省の見解を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

クロム酸塩製造労働者に発生したがんのうち肺及び上気道のがんについては、昭和五十一年一月三十一日付け基発第百二十四号の認定基準通達に基づき労災認定を行つているが、現在、クロム障害に関する専門家会議(以下「専門家会議」という。)において、肺及び上気道以外の部位のがんとクロム酸塩製造工程における業務との因果関係について検討を行つており、その検討資料とするため日本化学工業株式会社のクロム工についての疫学調査を実施しているものである。

二について

専門家会議は、クロム化合物を取り扱う労働者の健康障害と業務との因果関係について検討を行うことを目的としている。

三について

昭和五十三年二月二十八日の衆議院社会労働委員会において、田口委員が、疫学調査は「実質的には専門家会議がやつたことと同じだ、こういう理解になるのですか。」と質問したのに対して、桑原政府委員が、これに同意する趣旨の発言をしたのは、その際にも答弁したとおり、

1 疫学調査の実施自体は、労働省が行つているが、調査の設計について、事前に専門家会議の意見を聴いていること

2 調査結果は専門家会議に提出し、その評価を求める予定であること

を考慮して発言したものである。

なお、労働省においては、疫学調査の実施について専門家の協力を得て行つているところであるが、その専門家の氏名については、調査結果についての専門家会議の評価を受けた後において、その専門家の了承を得られたならば明らかにすることといたしたい。

四について

現在行つている疫学調査は、昭和二十二年九月一日に日本化学工業株式会社に在籍していた労働者のほか同日前に同社を離職した労働者についても対象として行つているが、松淵組のような下請企業の労働者については、同社に吸収されて本工となつた者を除き今回の疫学調査の対象とはしていない。

下請企業の労働者を疫学調査の対象から除外したのは、これらの事業場においては親企業における場合に比して長期間にわたるデータの保存が十分でないため、疫学調査としての母集団のは握及び構成要素の確認が困難であり、これらの不確定の要素を含めることは、疫学調査全体の意味を損なわせることとなるからである。

なお、日本化学工業株式会社の下請企業の過去の実態については、現存する資料も十分でなく、その詳細を知ることは困難である。

五について

一般に、疫学調査を実施するに当たり、必要とされる資料は企業に依存せざるを得ない状況にある。しかしながら、調査項目、データの抽出、労働者の追跡の範囲等は、調査実施者が科学的な分析に十分堪えられるように専門的な立場から指定しており、企業が提出した資料をそのまま疫学調査の資料として用いるものではない。

今回の疫学調査においても、企業が提出した資料を、まず行政庁が点検し、その上で、調査実施者が専門的な立場から当該資料の確度の吟味等の精査を行つている。

六について

クロム酸塩製造工程における業務とがん、特に肺及び上気道以外の部位のがんとの因果関係を解明するためには、調査はできるだけ広範囲の者を対象として行うべきであるとの石田前労働大臣の見解もあり、労働省においては、その趣旨に沿つて、適正かつ科学的な調査を実施しているところである。

右答弁する。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1949年5月6日 大矢省三 答弁 1949年5月16日
衆議院 第5回 第18号
提出 1978年5月31日 栗林三郎 答弁 1978年6月9日
衆議院 第84回 第44号
提出 1950年12月2日 横田甚太郎 答弁 1950年12月9日
衆議院 第9回 第164号
提出 1985年4月30日 松浦利尚 答弁 1985年5月24日
衆議院 第102回 第30号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる