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福岡県知事公舎問題に関する質問主意書
衆議院 第96回 第14号
質問本文
衆議院議長 福田 一 殿
福岡県知事公舎問題に関する質問主意書
福岡県当局が、総工費五億九千万円に達する豪華な知事公舎を建設し、私邸部分の調度品に至るまで県費で調達していた事実は、亀井知事の政治姿勢を示すものとして、マスコミで全国に報道され、地元では監査を請求する運動が始まつている。
我が党の調査によれば、県当局ははじめからこのように豪華な公舎を建設する予定でいながら、昭和五十四年十二月議会に設計委託料千三百八十五万円を計上、次いで五十五年二月議会に五十五年度分として一億九千百八十九万円、五十六年度分として九千五百九十万円の建設費を計上した。県当局は、これにより公舎の総工費は二億八千万円程度という印象を県民の間に広げた。ところが、その一方では、県有施設緑化推進事業費の中に九百七十万円の公舎植栽事業を潜り込ませていた。さらに五十六年二月議会に「総合庁舎等建設費」の名目で、行橋・福岡東地区などの総合庁舎建設費を計上した中に公舎建設費の追加分三億四千九百九十六万円を盛り込んでいながら、関係委員会での予算説明では一切触れず、公舎建設事業の全体計画が六億円近い巨額になることをどの時期にも示さなかつた。このような県民を欺くやり方について、知事本人に政治的、道義的に大きな責任があることは明らかである。
そこで、以下、次の諸点について質問する。
一 福岡県が全国有数の大県であるとしても、類似県と比べてさえあまりに公舎が豪華であることは、ほぼ同時に建設された北海道知事公舎一億二千五百万円と比較しただけでも否定できない。これに対し、県民生活は不況の長期化などで一層苦しくなつている。戦前に建てられた県立養護施設も老朽化したままに放置されている。このような状況の下での豪華な公舎建設は、地方自治法第二条第十三項「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」、地方財政法第四条「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない。」などに反しており、違法な支出ではないのか。
二 現在、政府は国の財政危機を打開するため、地方に対しても節減を指示していることは、昭和五十六年一月五日付、各都道府県知事あて自治事務次官通達「地方公共団体における行政改革の推進について」などで明らかである。
我が党は、政府の「行政改革」のやり方には厳しい批判を持つているが、国・地方とも財政的に困難な状況にあることはよく認識している。このような時期に、国の指導を無視して豪華な公舎を建設することは、地方財政法第二条「地方公共団体は、その財政の健全な運営に努め、いやしくも国の政策に反し……てはならない。」に違反しているのではないか。
三 この建設費の中には、電気洗たく機、こたつ、食卓など私邸部分の住居備品費九百二十六万円が含まれている。これは県民から公私混同として、特に厳しい批判を受けている。国家公務員宿舎法第十一条によれば、「公邸には、いす、テーブル等公邸に必要とする備品(もつぱら居住者の私用に供するものを除く。)を備え付け、無料で貸与する。」ことになつており、首相官邸などであつても、私生活に使用するものまで国費で無料提供することを禁止している。県知事公舎についても当然これに準じて措置されるべきではないか。
四 以上述べたように、本問題は県民の厳しい批判を免れ得ない違法・不当な支出であることは明白である。
地方自治法第二百四十六条の二(事務の違法不当処理に対する内閣総理大臣の監督権)では、「不当に経費を支出し、……著しく事務の適正な執行を欠き、且つ、明らかに公益を害しているものがあると認めるときは、……違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる。」と定めている。前項で指摘した私邸部分の住居備品等は明らかに本条に違反しているものであり、是正のため本条に定める監督権限を行使すべきものと考えるが、内閣総理大臣の見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
地方自治法第二条第十三項は、地方公共団体が事務処理に当たつて指針とすべき地方自治運営の効率化の原則を規定し、地方財政法第四条第一項は、この原則を予算執行の立場から規定しているものであつて、地方公共団体の執行機関及び議会は、この原則にのつとり常に事務事業の見直しを行い、能率的、合理的な処理に努めるべきものである。
施設の建設が、この原則に適合してなされているか否かを判断する場合には、当該施設の設置の目的、効果、利用の形態、更には当該施設水準の将来見通し等をも勘案して行う必要があることから、基本的には当該地方公共団体の判断に待つべきものであつて、国の立場から一概に判断することは適当でないと考える。
二について
地方公共団体における行政改革は、基本的には各地方公共団体が地方自治の本旨に基づき自主的に進めるべきものである。したがつて、個々の経費の支出が行政改革の趣旨に沿うものであるか否かについての判断も当該地方公共団体が自ら行うべきものであり、国の立場から一概に判断することは適当でないと考える。
三について
国家公務員宿舎法は、国が国家公務員に貸与する宿舎の設置並びに維持及び管理に関する事項を定めているのであつて、直ちに知事公舎に適用されるものではない。また、知事公舎の維持、管理については、国家公務員宿舎法を参考として措置することが適当な場合もあると考えるが、知事公舎で使用する備品購入の適否については、当該知事公舎の使用実態との関連において当該地方公共団体が判断すべきものと考える。
四について
以上述べたような見地から、地方自治法第二百四十六条の二の規定に基づく措置をとる考えはない。
右答弁する。
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