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衆議院解散権の帰属に関する質問
参議院 第103回 第22号
質問本文
衆議院解散権の帰属に関する質問主意書
衆議院解散権の帰属に関し、次の諸点について政府の見解を伺いたい。
一 主権者たる国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動するものであることは、憲法前文に明記されている。
このことは、主権者たる日本国民の意志決定、権限行為は、国会によりなされることを示すのではないか。
二 憲法第七条は、国家の重大事項を十項目掲げ、これについては、日本国民統合の象徴である天皇が行うものとしているが、その実体的決定については、日本国民の代表である国会を通じて行うのが、国民主権制の根本原則であり、このことは、憲法の前文に明らかであるが、政府はどう考えているか。
要するに、主権者たる日本国民に帰属する政治的重大事項は、主権者の代表である国会が決定し、主権者の象徴である天皇がこれを認証もしくは宣言、公布することとしたのが、憲法の根本法理であり、憲法に明記するところであると理解すべきではないか。
三 憲法第十五条は、公務員の選定、罷免は国民固有の権利であるとし、公務員の選定方法として選挙を規定している。
選挙によらない選定方法については、憲法又は法律に基づいて行うべきものとしている。
罷免についても、憲法の明文又は明記する法理に基づいて行うべきものである。
国会議員の罷免は、憲法の明文の規定により又は主権者たる国民の代表である国会の議決によるべきものではないか。
四 衆議院の解散は、衆議院の組織を消滅させ、衆議院の組織者である衆議院議員全員を罷免することに該当する。
衆議院議員は公務員であるから、その罷免が主権者たる国民の固有の権利であることは、憲法第十五条第一項の明記するところである。
従つて、衆議院議員の罷免となる衆議院の解散は、主権者たる国民の代表者で組織する国会の議決を要することではないか。
五 憲法第七条の規定する「衆議院を解散すること」は、象徴天皇が主権者国民のために行う国事行為であるから、国会において衆議院解散の議決があつた後に、内閣の助言に基づいて行うものであることは、憲法第十五条および憲法の前文に明記するところからの法的帰結であるというべきであるが、政府の見解はどうか。
六 憲法第六十九条を曲解して、内閣に総辞職か衆議院の解散かの選択権があるという説をなすものがあるが、この条項は条文の文言からみて、そのような選択権について規定したものではないことは、憲法学者の指摘するところである。
これについての政府の見解を問う。
七 憲法第七条にいう内閣の助言とは、国事行為についての助言であり、そのことから衆議院解散という重大な国政行為の決定を主権者の直接の代表である国会をさしおいて、内閣に付与したものと解することは法理論上も、憲法の前文からも、誤つた飛躍論法であつて違憲の疑いが濃いものである。
かかる説を信奉して衆議院解散決定権が内閣にあるとすることは、権限逸脱も甚だしいものと思われるがどうか。
八 衆議院解散は内閣総理大臣の専管事項であるという憲法無視の俗説が、マスコミその他政治家の口から強弁せられており、ある政治家の中には、慣習法として成立していると思い違いをしている向きもある。
憲法の根本原則に違反することは、憲法違反そのものであり、憲法第九十八条第一項により無効である。
この点政府はどう解しているか。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の憲法前文の規定においては、国会の権能が定められているとは考えていない。
二について
憲法第七条各号に掲げられている国事に関する行為について実質的に決定を行う権限を有するのは、天皇の行う国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣であると解している。
三から五までについて
衆議院の解散は、憲法第七条において天皇の国事に関する行為として規定されており、この場合、実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するのは、天皇の国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣である。
六について
憲法第六十九条は、同条に規定する場合には、内閣は、「衆議院が解散されない限り」、総辞職をしなければならないことを規定するにとどまり、内閣が実質的に衆議院の解散を決定する権限を有することの法的根拠は、憲法第七条の規定である。
七及び八について
憲法第七条の規定により、内閣は実質的に衆議院の解散を決定する権限を有しており、このことが内閣の権限の逸脱あるいは憲法違反という問題になることはないと考える。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。