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憲法第7条をもって衆議院議員たる公務員を罷免することに関する質問

参議院 第104回 第45号

提出者
参議院
提出日
1986年5月7日
内閣転送 1986年5月10日
答弁書受領日
1986年5月16日
提出から9日
答弁の項目数
2
質問 729字/答弁 524字

質問本文

憲法第七条をもつて衆議院議員たる公務員を罷免することに関する質問主意書

昭和六十年十二月二十日付の質問主意書に対し、昭和六十年十二月二十七日付の内閣の答弁書(内閣参質一〇三第二二号)は、「衆議院の解散は、憲法第七条において天皇の国事に関する行為として規定されており、この場合、実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するのは、天皇の国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣である」と述べるにとどまり、私がお尋ねしたことに対し、適切に答えていないので、次の点について、更に質問する。

一 衆議院の解散により、衆議院議員の全員を任期前に罷免することになる。かような公選公務員の罷免権について、憲法第十五条は、国民固有の権利としている。

ところで、内閣の主張するところは、内閣は実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するというが、それでは、衆議院議員の実質的罷免を決定する権限を有するのは内閣であるということになるが、内閣の見解はそのようであると解してよろしいか質問する。

二 内閣が実質的に衆議院の解散を決定する権限を憲法第七条を根拠に有するというが、同条は、衆議院解散にあたり天皇が行う国事に関する行為について内閣の助言と承認が必要である旨を規定しているにとどまり、同条が国政に関することについての規定ではないことは、条文に明らかである。それ故、同条を根拠に内閣が国政行為にあたる衆議院解散の実質的決定権を有するとするのは、独断をもつて憲法を改めるものであるとの批判が生ずるゆえんである。このことについて、従来内閣の答弁書が繰り返し述べてきたところは、本議員を納得させる合理的理由がでない。よつて納得しうる理由を示して説明されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

衆議院の解散は、衆議院議員の全体についてその任期を終了させる効果を有するものであることは、憲法第四十五条ただし書に規定するところであるが、憲法第七条は、このような効果を有する衆議院の解散について、天皇が内閣の助言と承認によりこれを行う旨明文をもつて定めているのであるから、同条の規定により内閣が実質的に衆議院の解散を決定することが、憲法第十五条との関係で問題を生ずるとは考えない。

二について

内閣が実質的に衆議院の解散を決定する権限を有することについては、内閣参質一〇四第二八号(昭和六十一年四月八日)の答弁書において述べたとおりである。

すなわち、憲法第七条は、天皇は、内閣の助言と承認により、同条各号に掲げる国事に関する行為を行う旨を定めている。同条の国事に関する行為には、例えば「認証すること」、「儀式を行うこと」のように形式的・儀礼的なものもあるが、衆議院の解散のように国政に関するものが含まれており、このような行為も天皇が内閣の助言と承認によつて行うことは明文の示すところであり、天皇は、実質的に決定する権限を有しないのであるから、このような行為についての内閣の助言と承認は、内閣が実質的に決定することを意味すると解される。

参議院の原文

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