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無年金障害者の所得保障の確立等に関する質問

参議院 第142回 第3号お答えすることは困難 ×2承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
1998年3月9日
内閣転送 1998年3月11日
答弁書受領日
1998年3月17日
提出から8日
答弁の項目数
5
質問 2,039字/答弁 1,990字

質問本文

無年金障害者の所得保障の確立等に関する質問主意書

重度の障害者にとって、障害年金は所得保障として不可欠のものである。しかし、制度上の条件、行政窓口の不徹底のため、全国に多数の無年金障害者が未だに存在している。

無年金障害者となったケースは、

(1) サラリーマンの妻は、昭和六十一年四月以前は国民年金に任意加入とされていたことから、加入していなかった期間中に障害者となった場合

(2) 学生は、平成三年四月以前は国民年金に任意加入とされていたことから、加入していなかった期間中に障害者となった場合

(3) 海外在住の日本人は、昭和六十一年四月以前は適用除外とされていたことから、それ以前に海外で障害者となった場合

(4) 日本在住の外国人は、昭和五十七年一月以前は国籍要件が設けられていたことから適用除外とされていた。このため、昭和五十七年以前に障害の初診日がある場合

(5) 保険料を一定期間以上滞納していたことにより支給要件を満たさない場合

等があり、年金は支給されない。

このうち、(1)から(4)は明らかに制度上の不備であり、特に(3)及び(4)については、加入したくても加入できないまま、制度の谷間に取り残されたケースである。

この無年金障害者の救済問題は、昭和四十年代から提起されているが、厚生省は社会保険方式の根幹を揺るがすので障害年金は支給できないと繰り返すのみで、何ら救済策を示していない。

皆年金制を採るわが国において、無年金障害者に対する所得保障の体制が確立されていないことは座視できない問題である。よって、以下質問する。

一 無年金障害者の実態について

1 救済措置を講ずるためには実態の把握が不可欠であるが、把握しているか。現在、無年金障害者はどの程度いるのか。前記のケース別に沿って明らかにされたい。

2 把握していない場合には、早急に調査を行うべきではないか。行わないとすれば、なぜ調査を行わないかの理由を示されたい。

二 地方公共団体の救済措置の実施状況について

1 地方公共団体で独自に救済措置を講じているところが数多くあるようであるが、その実施状況を把握しているか。把握していれば、その地方公共団体数、救済内容・給付人数を明らかにされたい。

2 この地方公共団体の独自の救済措置について、政府はどのように評価しているか。

三 所得保障策の検討状況について

1 すでに指摘したとおり、この問題については昭和四十年代から提起されている。政府は昭和四十年代以降、どのような検討を行ってきたのか。これまでの検討経過を明らかにされたい。

2 平成六年に「国民年金法等の一部を改正する法律案」が審議された際に、衆参両院の厚生委員会において、それぞれ、「無年金障害者の所得保障については、福祉的措置による対応を含め速やかに検討すること。」との附帯決議が付されている。また、平成七年十二月に障害者対策推進本部が策定した『障害者プラン』(ノーマライゼーション七か年戦略)においても、「障害無年金の問題について、年金制度の在り方全体をにらみながら、年金制度の中で対応するか福祉的措置で対応するかを含めて、幅広い観点から検討する。」と所得保障を検討課題として挙げている。附帯決議及び障害者プランに基づき、これまで具体的にどのような検討を行ってきたのか。また、今後どのような機関で、どのような検討を進める考えか。

3 また、平成九年十二月に厚生省が年金審議会に提出した「次期年金制度改正についての論点整理」においても、この問題は検討項目として挙げられている。さらに、同年同月の身体障害者福祉審議会・中央児童福祉審議会障害福祉部会・公衆衛生審議会精神保健福祉部会の合同企画分科会による「今後の障害保健福祉施策の在り方について(中間報告)」においても「障害年金の問題については、幅広い観点から検討すべきである。」としている。年金審議会及び三審議会合同企画分科会において、この問題について今後どのようなスケジュールで、どのような検討を行う考えか。また、同審議会・分科会間の連絡調整をどのように進める考えか。

4 無年金障害者の所得保障措置についての検討をいつまでに終了させる予定か。

四 無年金障害者の救済策について

1 障害基礎年金は国民年金に加入していない二十歳未満で障害者となった場合にも支給されている。これは、国民年金が社会保険であると同時に福祉的側面を持っていることの証左ではないか。これを更に拡大・発展させ、無年金障害者、なかんずく制度の谷間に置かれた前記の(3)及び(4)の者にも障害基礎年金を支給すべきではないか。

2 無年金障害者に対する救済措置が大きな問題となっている今日、無年金障害者に対する何らかの福祉的措置を可及的速やかに行うべきではないか。特に昭和六十一年四月以前に支給されていた福祉手当と同様・同等の手当を創設すべきではないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

障害者であって、障害基礎年金等の障害を支給事由とする公的年金(以下「障害年金」という。)の支給要件である障害の程度にあるにもかかわらず、障害年金の受給権を有しないもの(以下「無年金障害者」という。)の実態については、障害年金を受給していない障害者のそれぞれの障害の程度が公的年金制度で定める障害年金の支給要件である障害の程度にあるか否かを把握することが困難であること等から、その人数及び個々の無年金障害者が御指摘の五つの類型のどの理由によるかを把握することは困難である。

なお、厚生省においては、無年金障害者の人数について、一定の前提の下に、十万人強程度と推計している。

二について

御指摘の地方公共団体の独自の救済措置に関しては、無年金障害者等を対象として手当金等の支給を行っている地方公共団体があると承知しているが、その地方公共団体数、支給内容及び給付人数は把握していない。また、これらの措置は、当該地方公共団体の独自の判断で実施されているものと考えている。

三の1について

国民年金制度においては、厚生年金保険等の被用者年金の被保険者等の被扶養配偶者(以下「被扶養配偶者」という。)及び学生は、当初、国民年金に任意加入することとされていたため、これらの者が障害の原因となった傷病の初診日において国民年金に加入していなかった場合は、障害年金が支給されなかったところである。この点については、従来の制度改正においても検討を加え、逐次改善が図られてきたところであり、被扶養配偶者については昭和六十一年度から、学生については平成三年度から、国民年金に強制的に加入することとされたことにより、保険料を滞納した場合を除き、障害の状態となった場合には障害基礎年金が支給されることとなったところである。また、平成六年においては、保険料を納付したにもかかわらず、被用者年金と国民年金の障害年金の支給要件の違い等のためにいずれの制度からも障害年金が支給されなかった者について、新たに障害基礎年金を支給するよう改正が行われたところである。

三の2、3及び4について

国民年金制度等の次期財政再計算は平成十一年に予定されており、年金審議会においては、昨年五月から年金制度全般にわたる抜本的な見直しに向けた検討を行っている。無年金障害者の問題については、御指摘の附帯決議及び障害者プランを踏まえ、現在、年金審議会並びに身体障害者福祉審議会、中央児童福祉審議会障害福祉部会及び公衆衛生審議会精神保健福祉部会の合同企画分科会(以下「合同企画分科会」という。)において審議を行っているところである。年金審議会では本年九月ごろに意見書の取りまとめを予定しており、合同企画分科会では本年秋ごろまでに検討結果を取りまとめることを予定しているが、それまでの間に両者の検討の連携を図ってまいりたい。

四について

無年金障害者の問題については、年金制度の在り方全体をにらみながら、年金制度の中で対応するか福祉的措置で対応するかを含め、幅広い観点からの検討が必要であるが、現在、次のような問題があると認識している。

1 年金制度において対応することについては、

(一) 年金制度は、制度に加入し、かつ、保険料の納付について一定の要件を満たしている者に対して障害等の保険事故が発生した場合に給付を行ういわゆる社会保険方式を採っており、保険料を納付しなかったために無年金障害者となった者に対し、保険料を納付した者と同様に給付を行うこととした場合には、保険料を納付した者との間の公平を阻害するとともに、加入者の保険料納付意欲を損ない、年金制度の存立基盤を危うくするおそれがあること

(二) 保険料を納付しなかったために公的年金の受給権を有しない者は、高齢者や遺族についても存在することから、これらの者との均衡を考慮した解決策を実施する必要があること

2 御指摘の福祉手当と同様・同等の手当の創設を含め福祉的措置において対応することについては、

(一) すべての無年金障害者を救済するため新たな手当を創設する場合には、年金制度において保険料を納付する意欲を阻害することとなること

(二) 巨額の財源確保が必要となること

なお、障害の原因となった傷病の初診日が二十歳前にある者については、初診日において、国民年金に加入すべき年齢に達していないことから保険料を納付していないがその者が二十歳になれば国民年金に当然加入することが予定されている者であることから、二十歳になった時点で保険事故が発生したものとみなして障害基礎年金を支給することとしているものである。四の1において御指摘の者については、傷病の初診日において、将来当然に国民年金に加入することが予定されている者であるとはいえないことから、事情が異なると考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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