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福祉部門への投入に伴う経済効果等と建設効果に関する質問
参議院 第142回 第30号お答えすることは困難 ×3承知していない ×2
質問本文
福祉部門への投入に伴う経済効果等と建設効果に関する質問主意書
福祉投入の経済効果に関する議論がおこっているが、福祉部門については、従来の経済学の場で語られていた常識から離れるべきである。今日までの経済学は、福祉部門に経済資源がより多く配分されれば、社会全体の生産効率は低下し、さらに経済活力や経済成長力にはマイナスの影響がでると言われてきた。一方、公共事業をはじめとする建設投資は、経済効率を高め、経済効果も大きく経済の活性化に大きな役割を果たすとされてきた。しかし現在はかつての「重厚長大」の時代ではなく、「サービス経済化」の時代であり、成熟した段階である。かかる時代においても従来から言われてきたことが本当に妥当といえるのかどうか。これらに対する政府の認識によって福祉政策のあり方が大きく左右されると考えるので、以上の点について以下質問する。
一、従来型公共投資について
1、経済効果について
(1) 公共事業の建設効果と供用(利用)効果について
従来から施設の建設に伴う建設効果、物財体系における動きを強調することが多いが、作られた施設が如何に使用されているかの供用(利用)効果こそが重要であり、後者のパフォーマンス(成果)、活動量を重視すべきである。
サービス経済化の進展などから、建設効果については、乗数が小さくなっているとの指摘を待つまでもなく、相対的に小さくなってきている。
(イ) 従来型公共投資との関連の中でサービス経済化の時代をどの様に認識し、評価しているのか。
(ロ) 先頃「二十一世紀環境委員会」は、緊急に中止・廃止すべき無駄な公共事業マップを公開したが、従来からも会計検査院、総務庁行政監察局が指摘してきている。これらの指摘された事業などは一過性としての建設効果はあったが利用効果がほとんど生じない典型的なケースである。次から次へと無駄が指摘される現状についてどの様に認識しているのか。
(2) 公共投資の無駄、無駄に基づく施設の維持・運営費の増加について
(イ) 緊急に中止・廃止すべき無駄な公共事業マップで指摘された公共投資を見ると、無駄と指摘された施設の維持・運営費がカットされるのではなく、依然として計上が避けられない状況にある。いつまでも同様な繰り返しが生じないように行政監視委員会に報告する、また「時のアセスメント」の適用など行政監察のシステムを改革することが重要である。見解を示されたい。
(ロ) 道路・鉄道や港湾、ダム、下水道、住宅などの国民生活や経済活動に不可欠なものを整備していく事業が公共事業であり、国・地方自治体、公団などを合わせて年間約四十兆円の公共事業が行われている(一九九八年度当初予算ベース)。公共事業の中には、どうしてこの事業に巨額の税金をつぎ込むのか国民から見て理解できないものがたくさんある。例えば、数十億円かけても週一回、小型飛行機が飛ぶかどうかという農道空港、数百億円かけたが大型船がめったに入港せず、多くの釣人が押し寄せる港などがある。使われない空港、港湾をいくらつくっても、生産や社会に寄与しないことは自明である。つまり利用効果がゼロに等しい。ケインズが「穴を掘って、埋めなおしても効果がある」と述べてはいるが、限界効用として、より高いものを目指すことを考えるとおかしな話である。またこれは機会費用を考えると意味が小さい問題でもある。そこには「国民のための事業」という視点が忘れられている。加えて日本の公共事業の単価(コスト)は、国際比較で三割、国内の民間事業に比べても二割以上、割高だという調査があり、それほど必要としない工事を割高にやることは、無駄そのものである。現世代のためにも、未来世代のためにもならない。公明は、こうした税金の無駄遣いと思われる公共事業の徹底した見直しやコストの引き下げで、年間七兆円程度、節約できると試算を行っているが、この種の公共部門の無駄の試算があれば示すとともに、これについての政府の見解を明らかにされたい。
(ハ) もう一つ、大きな無駄遣いがある。特に必要でないさまざまな規制をつくって、その維持のために多くの特殊法人などに巨額な出資金や補助金が出ている。先日の石油開発公団の約一兆円の不良債権はいかに放漫経営をやってきたかを示しており、無駄につながるものである。こうした行政の無駄をなくす行政改革や規制緩和で年間三兆円は削減できると試算を行っているが、これについても試算があれば示すとともに、これについての政府の見解を示されたい。
(ニ) 以上、多くの無駄を避けることによって年間十兆円程度の財源の確保が試算されている。ところで政府においても行政改革等に伴う明確な削減効果と具体的な削減プログラムを示すべきである。これについての見解を示されたい。
二、経済循環における福祉投入の意義について
1、福祉投入の経済効果について
(1) 社会保障制度と経済の非活性化にかかる誤謬について
社会保障による分配面への政府の介入の影響を調べた論文によると、社会保障に力を入れているスイス、ルクセンブルク、スウェーデン、フィンランド、日本、デンマーク、ノルウェー、西ドイツ、アメリカ、カナダは、一人当たりの国民所得が最近十年間以上にわたり、ほぼ十位以内を保っている。「企業の自主努力」により企業の活性化を進ませながら同時に社会保障を積極的に整備してきた経済では、国民は先行きの不安感を持たずに生産・労働に参加でき、これは、経済活力を保ち続けることができる大きな要因である。従来から言われているイギリスの斜陽についての巷間の説は、「社会保障制度を整備した国の代表はイギリスである。イギリスの経済力は著しく弱体化した。ゆえに、社会保障は経済活力を低下させる」式の論法であるが、厚い社会保障政策が経済にマイナス要因になるとの考えは成立しない、というのが最近の研究成果であり、私の考えである。イギリスの経済活力の低下と社会保障制度との関係についての見解を示されたい。
(2) 新社会資本の概念について
(イ) 新社会資本は、一九九二年春・夏に続く経済対策の中で建設国債の対象を広げる議論の中から現れた。九三年四月の総合経済対策として、従来からの道路、港湾、空港などを中心とした公共施設・基盤に対し、光ファイバー等の次世代情報通信網、公共セクター情報化、教育・研究施設、医療・福祉施設などに関連した分野が「社会資本整備の新たな展開」という形で整備対象に盛り込まれている。しかしその概念や範囲は明確に規定されているわけでない。新社会資本の位置づけを明確にすべきであると考えるが見解を示されたい。
(ロ) 新社会資本として福祉、情報化、環境ビジネス、新エネルギーなどを考え、これに係る新規産業の強化をめざして予算の重点化、傾斜配分を行うべきである。とりわけ、福祉に関するサービスについて積極的に対応すべきであると考えるがどうか。
2、公明提言の「スーパーゴールドプラン」について
公明は結党以来、福祉制度の拡充を常に主張してきており、福祉の党を自負してきた。この度、介護保険事業が円滑に推進されるように新たな介護基盤整備計画を「スーパーゴールドプラン」と命名し、「介護保険制度の安定運営に関する提言」(一九九八年六月)を発表した。
現行の新ゴールドプランは事業の前倒しで完全実施を目指し、基盤整備の地域差を勘案の上、二〇〇〇年からの介護保険事業計画が円滑に推進されるよう新たな介護基盤整備計画(スーパーゴールドプラン)を早急に策定することが重要である。
スーパーゴールドプランでは、二〇一〇年の要介護者等が推計三九〇万人と見込まれることから、特別養護老人ホームなどの拠点施設を全市町村に整備するのをはじめ、ホームヘルパー一六〇万人、住宅介護支援センター三万カ所とするなど、介護需要に十分見合うだけの整備目標を設定し、先行き不安の現在、国民に社会保障等の整備について最大限努力をしていく、との明快なる安心のシグナルを示すべきである。本質問主意書の論旨全体を踏まえて公明の「介護保険制度の安定運営に関する提言」に対する政府の率直な見解を示されたい。
三、福祉投入と建設投資(公共事業)の経済効果の比較分析
日本の総人口に占める六十五才以上人口は平成七年に十四・五%(約七人に一人)に達した。高齢化社会の日本経済に与える影響は、労働力人口の減少や、生産年齢の上昇といったマイナス面が強調されがちであるが、少子・高齢化社会においては、「福祉は経済のお荷物」的な発想を転換して、福祉の本来的充実が経済成長にも十分貢献し得るかどうかについての比較分析について質問する。
1、各種計量経済モデルによる福祉・建設部門等の比較分析について
(1) 「平成二年全国産業連関表」による産業連関分析について福祉部門に最終需要額一兆円を、一方同様に建設部門にも最終需要額一兆円を投資した結果、以下の数値計算結果が導き出されている。
表-1 全国への生産波及効果(各々一兆円投入の場合)
表-2 全国で創出される雇用効果(各々に一兆円の投入の場合)
生産波及効果については福祉部門が一千億円ほど公共部門より少ない程度であり、従来の常識とは異なる結果である。また、雇用創出効果については、その差が八万三〇七〇人で福祉部門の方が非常に大きい効果がある。
以上の分析について政府の見解を明快に示されたい。
(2) 「平成二年大阪府産業連関表」による産業連関分析について
「平成二年大阪府産業連関表」の福祉部門(=社会保障部門)、医療・保健部門、そして建設部門との三部門の経済効果をそれぞれ千億円づつ投入して比較分析すると、三者の中で社会保障部門の経
済効果が最も大きく、建設部門の効果が最も小さい結果になっている。
表-3 各々千億円の投資効果の比較(大阪府)
生産波及効果については、明らかに従来からいわれている経済学の常識とは異なるといってもよい経済効果である。また、雇用創出効果については、社会福祉が大変大きい。地域に対しての雇用機会を与えることになる。福祉部門は人を介助するサービスが伴う特色を持つため、地方の人々にもサービスを与える人が必要となる。その結果中央に投入が集中しないことから、地方にも雇用効果が発生することにもなる。この効果が期待できることは、地方の時代にふさわしい、と言うことができる。
以上の分析結果について政府の見解を明快に示されたい。
(3) 「新ゴールドプラン」の目標計画値の投入による産業連関分析について
「平成二年全国産業連関表」による「新ゴールドプラン」と従来の公共事業(建設部門)の経済効果との比較分析を評価してみる。
表-4 新ゴールドプランと公共事業の経済効果比較
生産波及効果については、一次的効果、最終的効果について公共事業の方が優位な経済効果を示している。しかし、問題は粗付加価値の大きさである。GDPを構成することに匹敵する実質的な効果である粗付加価値誘発額については、一次的効果、最終的効果にいたるまで新ゴールドプランによる効果の方が上回っている。
以上の分析結果について政府の見解を明快に示されたい。
2、「新ゴールドプラン」の目標計画値の投入によるマクロ計量経済モデル分析について
(1) 新ゴールドプランがGDPを押し上げる効果は、生産関数に、就業者数および民間資本ストックを代入することで得られる。その結果、二〇〇〇年時点では、公的介護が全く無い場合のGDPは五一三・五兆円となるのに対し、新ゴールドプランが達成されると五一四・七兆円となり、額にして一・二兆円、率にして〇・二四%のGDPの差が生じる。一九九六年から一九九九年までについても同様に推計をして、合計すれば、新ゴールドプランの五年間にGDPを約五兆円増やすことになる。これが、供給サイドから見た新ゴールドプランの投資効果である、との報告がある。「新ゴールドプラン」による相当量の労働力創出は明確になり、生産力の増強、労働供給増によるGDPの増加にもつながっている。ここには福祉の投入による大きな経済効果が示されているのである。
以上のように「平成二年全国産業連関表」(総務庁発行)に基づく研究成果は高齢化社会に向けて福祉投入の経済的効果の視点から極めて重要な結論を費用対効果として具体的な数量関係に基づいて示すことができている。明らかに従来の経済学で言われてきた「常識」を崩す一つの結果である。以上の定量的結果と評価によると、従来から公明が福祉政策を大きな柱にして「福祉の達人」といわれることにもなった政策展開と数多くの実績は、経済的検証、しかも以上のような定量的な論拠の一つをあげることによりその根拠が明確になったと考えられる。更に今後の超高齢化社会への移行がハイスピードであることを考えると、公明が進めてきた政策の取り組みは、極めて先駆的であったともいえる。
(イ) これらの分析は、これまで非能率とされてきた福祉に経済システムの側からアプローチする必要性を指摘しており成熟社会の経済分析のあり方に一石を投じていると考えられるが、政府の見解を示されたい。
(ロ) 福祉部門を経済社会の産業循環のなかにどの様に位置づけて考えているのか、また福祉部門の役割をどの様に評価しているのか。
(ハ) 今後の福祉部門の強化、とりわけ福祉サービスに関する積極的な政策展開に向けた明快な見解を示されたい。
(2) 景気対策としての福祉政策財政の景気調整機能を考える際によく乗数効果が問題となる。対象として福祉投入と公共事業の二つを取り上げた場合、景気調整についてはこれまで公共事業が主として使われてきたが、これまで述べたように、両者の支出規模が同等である時に、公共投資の方が効果が高いと判断することは疑問である。従来、公共事業は社会資本の整備を通じて産業基盤を整え、産業の生産性を高めるという判断があったが、福祉政策も生産性向上と言う面からみても社会の生産性の向上に貢献している。老人介護がほとんど家族によって行われていることを考えると、新ゴールドプランが予定通り実施されたとしたならば家庭内労働を解放し産業社会に労働力を供給することが可能となる。この新規の労働力は経済の成長に寄与するポテンシャルを高めることができる。従って福祉も十分景気に対して対策の一つになると考えることができるが、見解を示されたい。
(3) 地方の役割分担と地方の時代福祉サービス等には、地方分権、地方定住と雇用機会の創出効果につながるポテンシャルがある。これは地方において一定の労働力を必要とするものであると同時に、人口定住につながることを示していると考えられるが見解を示されたい。またそれに即応する供給を考えると、地域住民の欲求充足をめざしての整備が必要と考えるがどうか。
また労働力の需要の発生、地方定住が必要となるが、種々の効果的な行政需要の発生、対応を考えると、地方の役割分担の拡充が前提になると考えるが見解を示されたい。
3、右記に関連した従来の政府答弁について
(1) 国民生活・経済調査会における見解について国民生活・経済調査会(一九九八年五月十一日)において、「私どもの認識と致しまして、これらの論文につきましては、社会保障の規模の増大に伴い社会保障が以前にも増して多くの局面で経済に影響を及ぼしている中で、福祉の充実が必ずしも経済にとって阻害要因となるわけではなく、積極的に貢献する面があるという立場から分析を行っている。」(厚生省)、「全国表と同様様々な前提条件を設定して使用されておりますので、前提条件の置き方が異なれば異なった生産波及の効果等が算出される、こういうことでございます。いろいろな推計あるいは分析につきましてはさまざまな前提条件を設定して試算されておりますので、その前提条件の置き方が異なれば異なった結果になると、こういうことでございます。条件としましては、例えば生産能力に限界がないというようなことあるいは過剰在庫がないとか、こんなことでございます」(総務庁)との答弁があった。
(イ) 「(論文は)積極的に貢献する面があるという立場から分析を行っている」という点をことさら強調する答弁になっているが、種々の論文の分析結果により、福祉の充実が経済に積極的に貢献することは明らかだと考えるが見解を示されたい。
(ロ) 政府は、どのような前提条件を設定し、分析の結果どのような判断に至っているのか。分析を行っていない場合には、種々の論文における前提条件等を問題にする前に、早急に政府としての判断を明らかにすべきと考えるがどうか。
(ハ) 「前提条件の置き方が異なれば異なった結果になる」と答弁しているが、前提条件と建設投資と比較して、部門別の経済効果が逆転するようなケースがあるのか、またいかなる前提条件を想定して、ことさら条件にこだわって答弁しているのか。前提条件の詳細を示されたい。
(ニ) 従来の経済の「常識」を崩す結論が出ているように考えられるが、このような結論についてはどの様に評価しているのか。
(2) 橋本総理、小泉厚生大臣の本会議における見解について
橋本総理は一九九八年五月十三日の本会議において、「福祉等の社会保障制度は、国民への購買力の付与や新たな産業、労働需要の創出を通じて、経済の発展に積極的な役割を果たす面もあると考えておりますが、一方では、少子・高齢化の進展に伴い社会保障に係わる費用の増大が見込まれる中で、経済と調和した社会保障制度を構築していくため、制度の効率化などに取り組んでいく必要があると考えております。」と答弁し、小泉厚生大臣は「福祉の経済効果、投資であるというお話ですが、私は両面あるんじゃないか。福祉の財政支出は雇用創出効果もあると思います、確かに。一方では、社会保障給付費の増大が国民負担の増大となって、経済の活力を失わせる面もある。両面があるのではないか。いずれにおいても、制度の効率化、合理化を図っていく必要があると思います。」と答弁している。
これらは特定の研究成果に基づいた質疑に対しての政府答弁である。従来からの政府答弁からは多少踏み込んだ内容であると思われるが、橋本総理、小泉厚生大臣の答弁の文脈を精査すると必ずしも福祉投入に関して新しい位置づけに基づく明快なものではない。
(イ) 「経済の発展に積極的な役割を果たす面もある」との答弁における「積極的な役割を果たす面もある」について、両者を比較して具体的な見解を示されたい。
(ロ) 「経済と調和した社会保障制度を構築していくため、制度の効率化などに取り組んでいく必要がある」としているが、具体的な効率化のスケール、手続、スケジュールを明確に示されたい。
(ハ) 「社会保障給付費の増大が国民負担の増大となって、経済の活力を失わせる面もある」との答弁において、経済活力を失わせる増大の程度をいかなる尺度にもとづいて、いかなる具体的な数値を想定しているのか、具体的数値を示して定量的な見解を示されたい。
(ニ) 「いずれにおいても、制度の効率化、合理化を図っていく必要がある」としているが、「制度の効率化、合理化」についていかなる尺度に基づいて費用対効果等を考え、いかなる状況をもって効率化、合理化と考えるのか、見解を示されたい。
四、行政効果を明確に表現できるツール(用具)の研究・開発・導入
先に成立した「中央省庁等改革基本法」の第四十六条に費用効果分析の文言があり、今後の導入が明記されている。
右記に述べたように(特殊法人も含めた)行政効果の定義、過去のPPBS等の研究成果を今こそ適用すべきではないか。行政の裁量性の回避のためにも、行政のアカウンタビリティーの確立を目指していくことが時代の要請である。
1、費用対効果など行政効果を客観的に評価する指標の作成について
従来から多くの研究が政府研究機関においてもされているところであり、いよいよ具体的に導入すべき時代である。行政事業との関係に基づく社会指標体系、福祉指標体系、施策プログラム、アクティビティに対応して行政のモニタリングや行政のアカウンタビリティーの観点から左記のような客観的な指標を作成して、行政監視委員会などに自主的に報告すべきであるがどうか。
<パフォーマンス指標、社会指標(例)>
・交通事故発生(件数/年)、火災発生(件数/年)、犯罪検挙率(%)、不法投棄発生数(検挙数/年)
・インターネット利用人口(人/年)、普及率(世帯%/年)、光ケーブル延長距離(km)、
・低公害車普及率、新エネルギー利用率(太陽光発電導入数・世帯率)、鉄道など大量輸送機関利用率
・政府関係事業所などのISO14000シリーズの取得数(普及率)、省エネルギー効果、総エネルギー収支の削減効果(削減量万KW時/年・地域ブロック、削減量%/年)など
2、政策数値目標の設定とパフォーマンスの評価体系の構築及び未達成の場合の事由公表
(1) 政策ごとに目標値(右記の例示指標等)を示し、パフォーマンスの評価体系の構築を図り、できないときにはその事由を国民に分かりやすく明確に公表することが必要であると考えるが、政府の見解を示されたい。
(2) 社会指標群の統合化と地域ブロック別行政効果評価システムの構築
行政効果にかかる社会指標群を総合的に扱い社会の状況を平易に示すことが重要である。そこで地域ブロック(北海道、東北など)別に行政効果を評価するシステムを研究・開発し、実施すべきであると考えるがどうか。
3、福祉・医療分析志向型産業連関表の作成と分析産業連関分析には、連関表が基本的に持つ種々の前提条件があるが、福祉・医療についての経済効果を、今以上に精緻に分析する必要性を考えると、産業連関表を作成する際に、データ収集の段階からこの分野の経済効果等の解析をめざしたアクティビティを正確に意識してひろいあげるべきと考えるがどうか。
先に成立した「中央省庁等改革基本法」の第四十六条に費用効果分析の文言と今後の導入が明記されていることや、福祉投入は国家の一大政策であることを考え合わせると、福祉投入について費用対効果をより客観的に示すことができるツールの整備も重要であると考えるがどうか。
五、公共事業投資である道路投資の評価について
わが国の道路投資額は年間二兆七千億円に及び巨額であるが、投資に際しての評価方法は必ずしも明確ではないように思われる。
1、我が国における道路投資評価方法の現況について示されたい。
2、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ等における評価方法についてどの様に認識しているのか。
3、我が国においても、現在具体的な道路投資評価方法を導入して道路建設を行っているのか。行っていない場合、何故そのような方法を採用しないのか。また、今後採用することを検討しているならば、何年度から導入する予定で、いかなる方法を検討しているのか。レポート等があればその題名、提出年月日、作成部局名等を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1の(1)の(イ)について
総務庁の「家計調査報告」における家計の消費支出をみると、家計支出における食料品等の非耐久財の割合が低下し、自動車等の耐久財の割合が横ばいで推移する一方、教育、医療、通信等のサービスの割合が高まっている。このことは、御指摘の経済のサービス化が進んでいることを示しているものと考える。
御指摘の公共事業による社会資本整備の経済効果には、総需要に与える効果と社会資本の提供がもたらす事業効果がある。このうち、総需要に与える効果は、いわゆるバブル経済の後遺症の影響等によって低下している可能性もあるが、経済企画庁において世界経済モデルにより計測した公共投資乗数によると、経済のサービス化が進展する中においても大きな変化はないことから、公共事業による社会資本整備は経済の安定化を図る上で、依然として一つの有効な手段であると考えている。
社会資本には、生産能力や効率を高めるためのインフラを提供する機能や、安全を確保する機能、生活の質を高める機能が存在する。社会資本整備に本来期待される効果はこのような機能から生じる事業効果であることから、公共事業による社会資本整備については、御指摘の経済のサービス化等の経済社会の変化に対応し、二十一世紀を見据えて、豊かで活力のある経済社会の構築に向けて、真に必要となる分野への重点的な配分が重要であると考える。
一の1の(1)の(ロ)及び(2)の(ロ)について
政府においては、公共事業について、事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図るとともに、事業の重点化を図ることが重要であると考えている。
このため、これまでも、事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図る観点から、
1 関係省庁の事務次官による「公共事業の実施に関する連絡会議」の開催等省庁間の連携を密にすることにより事業間の調整を図ること
2 平成九年四月に、全閣僚により構成する「公共工事コスト縮減対策関係閣僚会議」において決定した「公共工事コスト縮減対策に関する行動指針」等に基づき、平成九年度から平成十一年度までの三年間の取組により少なくとも十パーセント以上のコスト縮減を目指すこと
3 「財政構造改革の推進について」(平成九年六月三日閣議決定)等に基づき、事業の採択に当たり、公共事業の実施によって生じる効果を定量的に評価する費用対効果分析手法を活用すること
4 平成十年三月二十七日に公共事業に関係する六省庁の閣僚が内閣総理大臣に報告したとおり、事業実施段階において、事業採択から五年間経過後で未着工の事業、十年間経過後で継続中の事業等を対象に再評価を行い、必要に応じその見直し等を行う公共事業の再評価システムを導入すること等の取組を行っているところであり、今後ともこれらの取組を一層進めてまいりたい。
また、平成十年度予算においては、事業の重点化を図る観点から、物流効率化による経済構造改革を推進するための特別枠等を設定するとともに、事業の徹底した見直しを行い、過去に例のない規模で事業の中止、休止等を行っているところである。
お尋ねの公共部門の無駄の試算については、政府としてはそのような試算を行っていない。
なお、「日本の公共事業の単価(コスト)は、国際比較で三割」割高という御指摘については、建設省が平成六年に実施した調査によると、平成五年における我が国の公共土木工事の建設コストは、為替レートを平成五年の平均である一米ドル約百十一円として計算すると、アメリカに比べ三割程度高くなるが、これは、我が国の物価水準が、同年の東京都区部とニューヨーク市の一般の物価を比較した経済企画庁の
調査によれば平均四割程度高いこと等に起因したものであると考えられる。また、「国内の民間事業に比べても二割以上、割高」という御指摘については、公共建築物には、単価の安い倉庫や木造建築物等が少ないこと、耐震性能の確保や高齢者、障害者等への特段の対応を要する施設が多いこと等から、民間建築物に比べ単価が高くなる傾向があり、このような単価の民間事業との比較のみをもって、公共工事が割高であるかどうかを判断することは適当でないと考えられる。
一の1の(2)の(イ)について
政府としては、公共事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図ることが重要と考えている。
このため、公共事業全体に新たな再評価システムを導入することとし、昨年十二月の「物流効率化による経済構造改革特別枠」に関する関係閣僚会合における内閣総理大臣の指示を受けて、北海道開発庁、沖縄開発庁、国土庁、農林水産省、運輸省及び建設省の六省庁において検討を行い、各省庁において公共事業の再評価実施要領を策定し、平成十年度から導入することとしたところである。
この再評価システムでは、事業実施段階において、事業採択から五年間経過後で未着工の事業、十年間経過後で継続中の事業等を対象に再評価を行い、その結果に基づき必要な見直しを行うほか、継続が適当と認められない場合は休止又は中止とすることとしている。
また、事業採択段階においても、基本的に全事業において費用対効果分析を活用することとしたところである。
この公共事業の再評価に当たっては、事業者である行政機関等が、地域の意見や学識経験者等の第三者の意見を聴取した上で評価することが基本である。御指摘の参議院行政監視委員会等への報告については、求めがあれば評価結果の報告を行うことになる。また、御指摘の行政監察のシステムの改革については、この再評価システムはいわゆる「時のアセスメント」に相当するものと考える。
一の1の(2)の(ハ)について
御指摘の行政改革によって年間三兆円の歳出を削減できるとの試算については承知していない。政府としては、累次の閣議決定等に基づき、特殊法人等の整理合理化や規制緩和を始めとする行政改革を着実に実施しているところであり、これにより財政的な面でも一定の効果が出てくるものと考えられるが、この歳出削減効果を全体として定量的に示すことは困難である。
なお、特殊法人等に対する出資金や補助金の交付は、その特殊法人等が政策的役割を果たすために実施する事業の遂行に必要な場合に行うものであり、御指摘のように様々な規制の維持のために行うものではないが、今後とも、交付の対象となる事業等の見直しを行うことにより、削減、合理化を図ることとしている。
一の1の(2)の(ニ)について
御指摘の多くの行政の無駄を避けることによって年間十兆円程度の財源が確保されるとの試算については承知していない。行政改革の取組事項は広範多岐にわたり、国家公務員の定員削減、補助金等の整理合理化等歳出削減にも資する事項がある一方、規制緩和、地方分権、行政情報公開等直接には歳出削減と結び付かないものもあるため、行政改革の結果としての歳出削減効果を示すことは困難である。なお、行政改革と密接に関連する財政構造改革においては、平成十七年度までに、一会計年度における国及び地方公共団体の財政赤字の対国内総生産比を三パーセント以下とすること等を当面の目標としている。
二の1の(1)について
御指摘のイギリスの経済活力の低下については、千九百七十年代において、同国が高水準のインフレーションと失業が併存して生産性が伸び悩むスタグフレーションに陥ったことを指すと考えるが、この原因については、昭和五十六年度の年次世界経済報告において、社会保障給付の拡大等による財政赤字の拡大だけではなく、石油危機による価格体系の変化や労働供給の増大等による供給面での構造変化があったこと、このような状況の中で雇用、賃金の調整が進まなかったこと等により、政府部門及び民間部門が適切に対応できなかったこと等を指摘したところである。
二の1の(2)の(イ)について
公的部門により社会資本整備を行うに際しては、社会経済情勢に照らして真に必要な分野に限定して投資を行うことが必要であり、御指摘のように、特定の分野を「新社会資本」と定義付けて、社会資本整備において一定の位置付けを与えることは適当ではないと考える。
二の1の(2)の(ロ)について
御指摘の予算の重点化等については、今回の総合経済対策(平成十年四月二十四日経済対策閣僚会議決定)においては、二十一世紀を見据えて、豊かで活力のある経済社会の構築に向けて、真に必要となる社会資本を整備するとの考え方に立って、将来世代が整備してくれて良かったと感謝してもらえるような分野に重点を置いている。具体的には、(イ)環境・新エネルギー、(ロ)情報通信高度化・科学技術振興、(ハ)福祉・医療・教育、(ニ)物流効率化、(ホ)緊急防災、(ヘ)中心市街地活性化等民間投資誘発の分野について重点的に事業を実施することとしているところである。
二の2について
平成十二年度から実施される介護保険制度の運営が健全かつ円滑に行われるようにするためには、介護サービスの供給体制の整備を進めることが重要である。
平成六年十二月に大蔵大臣、厚生大臣及び自治大臣の合意により策定された新・高齢者保健福祉推進十か年戦略(新ゴールドプラン)は、全国の地方公共団体が老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)及び老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)の規定に基づいて作成した老人保健福祉計画を集大成したものであり、政府としては、この新ゴールドプランについて、平成十一年度末における目標の達成を目指しており、平成十年度補正予算に事業の前倒しを盛り込む等所要の措置を講じている。
また、御指摘の平成十二年度以降の介護サービスの供給体制の整備に関しては、全国の市町村及び都道府県が、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定に基づき、地域における将来の介護サービスの必要量を見込んだ上で、市町村介護保険事業計画及び都道府県介護保険事業支援計画を作成することとされており、政府としては、市町村及び都道府県の取組に対し、所要の支援措置を講じていきたいと考えている。
三の1について
政府においては、御指摘の福祉部門への投入の経済効果について試算はしていないが、一般に、福祉等の社会保障制度の充実は、国民の購買力の向上、新たな産業や労働需要の創出、新たな付加価値の創出等経済の発展に積極的な役割を果たす面もあると認識している。しかしながら、投資の経済効果について御指摘の生産波及効果及び粗付加価値誘発額によって比較すること、並びに御指摘の社会保障への投入が中央に集中しないという性質を持つとすることが妥当であるかどうかについては、一概には答弁できない。
三の2の(1)の(イ)について
福祉等の社会保障制度の役割が増大している現在、その社会に与える影響や経済効果等を十分に研究していくことは重要であると考えており、御指摘の産業連関表を利用した経済分析を用いた手法もそのための一つの方法であると認識している。
三の2の(1)の(ロ)について
福祉等の社会保障制度の充実の経済的な側面における効果としては、国民の購買力の向上、新たな産業や労働需要の創出等経済の発展に積極的な役割を果たす面もあると認識している。
三の2の(1)の(ハ)について
御指摘の福祉制度の充実等については、少子高齢化が進行する中、高齢者介護や子育て支援等国民の新たな需要に適切にこたえていく一方、経済の発展や社会の活力を損なわないよう、給付と負担の均衡を図るとともに、制度の効率化や合理化を進めていくことが必要であると考えている。
三の2の(2)について
公共投資(国民経済計算上の公的固定資本形成をいう。)は、それ自体が需要となるとともに波及効果を通じて経済に好影響を与えるものである。一方、社会保障のための政府支出は、安定した購買力を国民に付与したり、新たな産業や労働需要を創出することにより、経済の発展に寄与し、景気に対して一定の効果を持つという積極的な役割を果たす面もあると認識している。また、介護サービスの供給体制を整備することにより、労働力供給を増加させる可能性もあると認識している。
三の2の(3)について
福祉等の社会保障制度の充実は、新たな産業や労働需要を創出する面もあるが、どの程度地方への定住につながるかは一概には明らかでないと考えている。また、御指摘の地域住民の欲求充足、地方の役割分担の拡充等については、政府としては、保健、福祉サービス等の行政サービスの提供について、地域の実情に応じて地方公共団体が自主的に実施できるよう、国庫補助負担金を整理合理化し、地方一般財源の充実、確保を行う等地方分権を積極的に推進していくこととしている。
三の3の(1)について
政府においては、御指摘の福祉部門への投入の経済効果について試算はしていないが、福祉等の社会保障制度の充実は、国民の購買力の向上、新たな産業や労働需要の創出等経済の発展に積極的な役割を果たす面もあると認識している。しかしながら、少子高齢化の進行に伴い、経済の発展や社会の活力を損なわないよう給付と負担の均衡を図るとともに、制度の効率化や合理化を進めていくことが必要であると考えている。産業連関表を利用した経済分析では、一定の需要に対する生産誘発の大きさが計測されるが、「二次波及」以降の分析方法は分析者ごとにまちまちであるため、例えば次のような前提条件の置き方によって結果が異なってくるものであり、御指摘の結論が妥当であるかどうかについては、一概には答弁できない。
1 前段階の波及によってもたらされた雇用者所得のうち、消費に向ける割合(消費性向)をどうとらえるか。
2 道路、橋等の社会資本の整備によって新たに誘発される経済効果をどうとらえるか。
三の3の(2)の(イ)について
御指摘の答弁における社会保障制度が経済成長に寄与する面としては、公的年金等の持続的な所得保障による消費支出の安定、医療及び福祉分野での雇用の創出、介護や育児支援による就業阻害要因の除去等が挙げられる。他方で、社会保障給付費の増大に伴う社会保障に係る国民の負担の増大による労働意欲の減退、国際競争力の低下、貯蓄率の低下等により経済の発展や社会の活力を損ないかねない面もあると認識している。
三の3の(2)の(ロ)について
社会保障制度については、少子高齢化の進行に伴う負担の増大が見込まれる中、高齢者介護や子育て支援等国民の新たな需要に適切にこたえていく一方、経済の発展や社会の活力を損なわないよう、給付と負担の均衡を図るとともに、利用者の選択範囲の拡大や民間事業者によるサービス提供の促進等を含めて、制度の効率化や合理化を進めていくことが必要である。
御指摘の制度の効率化の手続等については、次のように社会保障の各分野において取組を進めているところである。すなわち、年金制度においては、平成十一年の次期財政再計算において給付と負担の効率化等制度全般にわたる見直しを行うこととしており、現在、年金審議会で審議を行っているところである。医療保険制度においては、診療報酬体系や薬価基準制度等の見直しについて平成十二年度を目途として可能な限り速やかに実施できるよう、医療保険福祉審議会において議論を進めているところである。高齢者介護制度においては、平成九年の介護保険法の成立を受け、平成十二年度から円滑に制度を実施できるよう、介護サービス基盤の整備等に取り組んでいるところである。
三の3の(2)の(ハ)について
御指摘の答弁においては、御指摘の国民負担の増大の程度について、国民所得の額に対する租税、社会保障負担並びに国及び地方公共団体の財政赤字の額の割合が、五十パーセントを上回ることを想定しているところである。
三の3の(2)の(ニ)について
御指摘の福祉部門への投入の効果は、御指摘の雇用創出効果、粗付加価値効果等に限られておらず多様であり、その費用対効果を客観的な尺度により示すことは難しいが、社会保障制度の効率化及び合理化については、社会保障に対する需要への適切な対応と制度間の重複の排除という観点に立ち、制度横断的な再編成等による全体の効率化及び合理化を進めているところである。
四の1及び2について
政府においては、中央省庁等改革基本法(平成十年法律第百三号)第二十九条等を踏まえ、今後、政策評価機能の充実強化を図るための措置を講ずることとしている。この措置を講ずるに当たっては、評価の客観性を確保するため、評価指標の体系化や評価の数値化、計量化等合理的な評価手法を開発していくことが重要であると考える。このため、中央省庁等改革推進本部を中心に総務庁を始めとした各省庁において、評価指標の作成及び政策数値目標の設定並びに評価に関する情報の公開等について、御指摘の点も含め、検討を進めていく考えである。
四の3について
政府が産業連関表を作成するに当たっては、総務庁長官が公示する日本標準産業分類を基礎として設定した各部門について、既存の各種統計調査、決算報告等を用いて各部門の生産額を推計している。これらの各部門の他部門との関係については、既存の調査の結果及び一定の業種について実施する調査の結果に基づいて推計しているところである。また、五年ごとの産業連関表の作成に当たっては、その都度産業構造の動向等を勘案して部門の設定及び各部門に属する業種について見直しを行っており、今後とも所要の見直しを図ってまいりたい。
御指摘の福祉部門への投入の費用対効果の分析方法の整備については、福祉部門への投入の効果が御指摘の雇用創出効果、粗付加価値効果等に限られておらず多様であり、その費用対効果を客観的な尺度により示すことは難しいことから困難であると考えるが、社会保障が社会に与える影響や経済効果を十分に研究していくことは重要であると認識している。
五の1及び2について
御指摘の道路投資評価について、現在、建設省においては、費用便益分析の結果等の指標を用いる方法により行っている。このうち、費用便益分析では、事業の効果を、事業実施によって影響を受ける消費行動に関して消費者の受ける便益を推定することによって算定する消費者余剰計測法を用いており、事業に必要な費用と、道路整備による走行時間短縮等の道路利用者の受ける便益の比較を行っている。
また、御指摘のアメリカ、フランス、イギリス及びドイツにおいても、同様に費用便益分析を活用した方法により、道路投資評価を行っていると認識している。
五の3について
道路事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図るため、平成九年度から、新規事業の採択において、費用便益分析の結果等の指標を用いる評価方法を導入したところである。平成十年度からは、平成十年三月に建設省が所管する公共事業全般を対象として策定した「建設省所管公共事業の再評価実施要領及び新規事業採択時評価実施要領」に基づき、引き続き新規事業の採択に当たって評価を行うとともに、事業採択から五年間経過後で未着工の事業、十年間経過後で継続中の事業等の再評価を行うこととしている。
また、これらの道路投資評価の具体的な方法として、建設省道路局及び同省都市局において、平成八年十二月に、道路事業における評価指標及び費用便益分析マニュアルを策定しており、継続的に見直しを行っているところである。
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