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太陽紫外線と健康に関する質問

参議院 第145回 第31号お答えすることは困難 ×2

提出者
参議院
提出日
1999年8月12日
内閣転送 1999年8月13日
答弁書受領日
1999年9月14日
提出から33日
答弁の項目数
25
質問 4,824字/答弁 5,095字

質問本文

太陽紫外線と健康に関する質問主意書

一、オゾン層の破壊について

今世紀後半における衝撃的な事実のひとつに、オゾン層の破壊がある。オゾン層は私達が生活する対流圏の上に位置している成層圏に存在し、地表から二十五キロメートル付近に最大濃度があるが、極めて希薄な層である。オゾン層は、古細菌などが高温の中でも光合成をして酸素を吐き出し、約三十億年かけてつくられてきた。このオゾン層は有害な太陽紫外線(UVB)を吸収してくれるために、われわれの祖先の生命体が、海から陸に上がっても焼き殺されないで生存が可能になったのである。

ところが、一九八五年英国南極観測隊が、このオゾン層が特に春先になると、異常に減少している傾向が続いていると発表して、世界に大衝撃を与えた。その後人工衛星(ニンバス七号)による南半球全域のオゾン分布観測でも、オゾン量の減少が確認され、オゾンホールと呼ばれるようになった。

このオゾン層の破壊の影響が、オーストラリアに特に顕著に表れ、三人に二人が皮膚ガンになるというショッキングなニュースが伝えられている。この南極のオゾンホールに引き続き、北半球でもオゾン層の減少傾向が確認されているが、本来北半球にこそオゾンホールが現れ、紫外線の照射を浴びる率が高いはずである。

なぜなら、CFC(クロロフルオロカーボン。すなわち特定フロンのことである。)などのオゾン破壊物質の生産が格段に多いと思われるからである。にもかかわらず、北半球が南半球よりオゾン層の破壊が比較的少ないのはなぜなのか、政府の認識を示されたい。

また、オゾンホールはどうして極地に現れるのか。将来、極地以外の所にもできる可能性はあるのか、政府の認識を示されたい。

さらに、直射日光は緯度が低いところほど強いのになぜ緯度の高い地域ほど紫外線の照射量が多いのか、政府の認識を示されたい。

二、南極のオゾンホールについて

南極域上空において、一九八〇年代以降、毎年九月から十一月頃、いわゆる南極の春から夏にかけて、オゾンホールが出現しているが、昨年(一九九八年)の南極域上空のオゾンホールは、過去最大であったと言われている。以下の項目について、政府の認識を示されたい。

1 オゾンホールというのは、オゾンのどういう状態を指すのか。

2 今年も後わずかで南極の春を迎えるが、果たして今年のオゾンホールはどの位の面積になると予想しているか。

3 また、南極の現時点のオゾン状況は、例年と比較してどういう状態なのか。

4 オゾンホールの出現の将来予測はされているのか。

5 オゾンホールの出現時における紫外線の照射量は一体どのくらいで、そのときの照射を直接浴びた場合、生物体は一体どういうことになるのか。また、その他の影響の全貌を明らかにされたい。

6 オゾンホールは修復されるようだが、そのメカニズムについて示されたい。

三、日本の上空におけるオゾン層と紫外線について

1 環境庁はオゾン層の現況と今後の見通しについて、オゾン全量の長期的傾向については、低緯度を除いた地域で減少傾向にあり、高緯度ほどその傾向が強く、我が国上空でも札幌で統計的に有為な減少が確認されているとしている。

また、晴天時等同一条件下では、オゾン全量が減少すれば有害紫外線の地上照射量が増加する関係にあることは確認されているが、地上照射量の明らかな増加傾向は見られていないと断言している。それは従来通り、野外での作業や運動においては、紫外線の心配はないということを強調しているのか明らかにされたい。

2 一九九七年の気象庁のオゾン層観測報告によると、オゾン量が一%減少すると、有害紫外線の地上照射量が一・五%増加することが判明したとしている。

この年は、北極域で過去最大のオゾン層破壊があり、NASAの衛星センサーTOMSの観測データでは、一九八〇年と一九九七年の北極域のオゾン全量を比較したとき、五〇〇ドブソンから二五〇ドブソンに半減していることが明らかになったとしている(ドブソンとは、地上から上空上端までのオゾンを圧縮して一気圧にしたときの厚さをいう。百分の一ミリメートルを単位としている。)。

この時、日本でのオゾン量も、各地で平年より減少しているという結果が出ている。当然有害紫外線は、右記の割合が正しいのであればその割合に応じて増えていることと考える。

それでは、この時の有害紫外線量の照射を浴びた場合、人身にどういう影響があったのか調査したのかどうか明確に示されたい。

3 有害紫外線が本当に降り注いでいるのかどうか、どれだけの量が降り注いでいるのか、それが私達にとってどう影響するのか、いわゆる顔や肌にシミやシワが増え、あるいは皮膚ガンにかかるのかどうかというような情報が全く流されていない。

各地域で、逐一、気象情報と一緒に情報提供すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

四、途上国のオゾン層破壊物質の生産規制の強化について

1 一九七四年、カリフォルニア大学のローランド教授とモリナ博士が論文を発表して、フロンによってオゾン層が破壊され、地球上の生物に大きな影響を及ぼすと警告して以来、オゾン層保護のため、国連環境計画が中心になって、CFCなどオゾン層破壊物質の生産及び消費を規制する国際的な取決めがなされるようになり、ウイーン条約が一九八五年に、モントリオール議定書が一九八七年に採択され、さらに状況の悪化の進行に伴い、次第に規制が強化され、先進国では一九九五年末をもって主要なオゾン層破壊物質の生産は全廃となった。

しかし、途上国ではその全廃は十年後(二〇〇九年)となっており、これではせっかくの先進国の規制が無駄になってしまうのでないかと危惧している。

(1) 二〇〇九年を全廃の年とした理由について、政府はどのように把握しているか示されたい。

(2) また、一九九二年に取り決められた、オゾン層破壊物質の生産規制等のスケジュールの見直しを提唱し、規制強化し、全廃する年限をもっと早く設定することを宣言すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

2 途上国のCFC等オゾン層破壊物質の生産・消費量の現況について、政府はどのように把握しているのか明らかにされたい。

3 また、オゾン層破壊物質は質量が空気より重いため、オゾン層破壊までの時間についての説はさまざまであるが、実際どれだけの時間がかかるのか示されたい。

4 オゾン層破壊物質が空中飛散して、オゾン層破壊までのプロセスの時間が長いと、破壊が急に来ないというプラス面がある反面、回復までの時間が長くかかるというマイナス面もある。

過去に飛散した先進国のCFCなどの量と、今後生産・消費し空中飛散するであろう途上国のCFCなどの量が加算され、オゾン層の破壊がますます進行し、一九八〇年時点のオゾン量までの回復には、約五十年もかかり、またオゾンホールの面積が拡大するなど破壊のピーク時が約二十年も続くと言われているが、日本上空では、オゾン量の推移をどのように予想しているのか政府の認識を示されたい。

5 オゾン層の破壊原因は、破壊物質だけでなく、地球温暖化との相関関係にあるとも言われているが、オゾン層破壊の原因について現時点で考えられている説について、政府はどのように把握しているのか示されたい。

五、CFCの我が国の生産量と廃棄量について

我が国のCFCの生産量は、一九八七年から八九年の三年間がピークで平均十四万トンであったが、その後急激に減少して、一九九五年の二万トン強を最後に生産が全廃されている。

また、廃棄量は、一九九八年、一九九九年の年間廃棄量は、五千五百トンとピークを迎え、以降急速に廃棄量が減り、二〇〇七年で千トンを割って、二〇一五年でゼロと予想されている。

1 この廃棄量というのは、過去に生産され、家庭冷蔵庫やカーエアコン等の機器に充填された形で存在している、CFCなどの回収や破壊あるいは再利用された量を指すが、毎年約二万トン生産されていた断熱発砲剤は、廃棄量の対象になっていないようだがなぜか、政府の見解を示されたい。

2 また、ピーク時を例にすると、生産量十四万トンに対して、廃棄量五千五百トンはわずか四%に過ぎない。CFC等の回収・破壊にさらなる努力が傾注されるべきと思うが政府の見解を示されたい。

3 CFC等の再利用というのは、どういうことをいうのか示されたい。

4 CFC等の回収・破壊に関する環境庁から自治体への委託事業に、「フロン回収等システム構築モデル事業」と「フロン破壊モデル事業」があるが、どのような成果があがっているのか示されたい。

六、子供と紫外線について

1 神戸大学医学部市橋正光教授の研究によると、オーストラリアの白人のガン発生率は、十歳までにオーストラリアに在住していた人の方が、その後に住み着いた人より三倍高いということである。すなわち十歳までに強い日差しにあたったかどうかということが、大きく影響していると考えられる。

さらに市橋教授によると、金沢での夏真昼の一時間のデータでは、人間の細胞一個には五万~十五万個の遺伝子(DNA)が納まっているが、皮膚の外側の細胞に紫外線B波があたると、細胞一つにつき百万個以上の傷ができるということである。

また、特に子供のころ、どのくらい遺伝子に傷を付けたかが、将来のガン発病に大きく関わっているということである。

このように、紫外線の照射による皮膚ガンや白内障の発生、また免疫機能抑制、さらに光老化などの有害化が伝えられているが、それらのメカニズムについて、厚生省の見解を示されたい。

2 オーストラリアでは、紫外線除けのために、様々のグッズが用意されているばかりでなく、紫外線教育も徹底していると言われている。紫外線の有害性対策として、たとえばプールサイドの日除けテントの設置や屋外運動場での運動時間制限など、あるいは通学時の帽子の着用、特に首筋の日除けなどにも配慮し、あるいは日差しの強い日にはサングラスの着用やサンスクリーン剤を使用するなど、徹底して紫外線の遮光に注意している様子が伝えられている。

我が国においても、オーストラリアの例に見習って、特に十歳未満の子供が通う保育園・幼稚園・小学校において、しっかりした対応を行うべきでないかと思うが、厚生省、文部省の見解を示されたい。

3 厚生省はこの紫外線と健康については、見るべき対策がないと言われている。実際あまりにも対応が遅く無責任であると考える。

また、知識普及を行う機関もない。当然これらの点についての予算も全くないようだが、果たしてそれでいいのか。

適切に研究もし、対策も講じていくべきでないのか、厚生省の見解を示されたい。

七、生態系と紫外線について

私達人間は、地球の生態系の一側面を形成しており、仮に生態系の一部が損傷した場合、その循環機能は麻痺し人類の生存は危機に直面する。

その生態系の基底部と目されているプランクトンが、この紫外線により損傷を受けているとも言われているが、この紫外線の生態系に対する影響とその対応について、政府の見解を明らかにされたい。

八、フロン代替物質と地球温暖化の相乗作用について

代替フロンとして登場した化合物の中には、二酸化炭素の数千倍の温室効果があり、しかも安定性が高く寿命が長いため、地球温暖化に与える影響が大きいとされているものもあるが、もしそれが事実であれば、今日のように温暖化により、世界各地の気象変動が起こり、災害が増えていることを考える時、更なる研究を重ね、地球に優しい代替物質の発見が期待されるところである。

その点につき、政府は現在どのように対応しているのか明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

大気は風等により絶え間なくかくはんされている。このため、一般に水に溶解しにくく、安定した物質であるオゾン層破壊物質は、どこで放出されたとしても、数年のうちに大気全体に広がる。そして、オゾン層破壊物質が成層圏で分解されて発生する塩素原子又は臭素原子が、オゾン分子を分解させる触媒としての作用を果たしてオゾン層を破壊する。南極域上空では、冬期において低温域が安定的に存在するため、塩素又は臭素が化学的に活性化された状態となるが、これらが春先において太陽紫外線により塩素原子又は臭素原子に分解される結果、大規模なオゾン層破壊が起こり、オゾンホールが出現するものと認識している。

北半球では、南半球に比べて海陸や大規模山岳の分布が東西方向に不均一であり、南極域上空のように低温域が安定的に存在しないため、南半球に比べてオゾン層破壊が少ない。

極地以外の地域においても、南極域におけるオゾンホールほどではないが、局地的にオゾン量が減少する現象が見られるとの報告がある。

人体等に有害とされるB領域太陽紫外線の地上到達量(以下「UV-B量」という。)は、太陽高度角、雲の状態、オゾン全量、大気混濁度等により変化する。一般に、日中の太陽高度角が高く、オゾン全量の少ない低緯度の地域ほどUV-B量が多くなる傾向にあると認識している。

二の1について

千九百九十八年(平成十年)に世界気象機関及び国連環境計画が発表した「オゾン層破壊の科学アセスメント」(以下「科学アセスメント」という。)によれば、オゾンホールとは、毎年南半球の春の約三か月(九月から十一月)の間、南極域上空でオゾン全量が急激に減少した状態になることをいい、オゾンホールの大きさは、オゾン全量が二百二十ミリアトムセンチメートル未満の領域として定義されている。

なお、オゾン全量は、大気の上端から下端までに存在するオゾンをすべて摂氏零度及び一気圧の状態にしたときの厚さとして、ミリアトムセンチメートル単位で表わされる。

二の2について

気象庁においては、本年のオゾンホールの規模は、大規模に発達した過去七年間と同程度になると予測している。

二の3について

気象庁の観測及び解析では、本年八月までの南極域上空のオゾン量及びその破壊の経過は、過去数年とほぼ同様に推移している。

二の4について

科学アセスメントによれば、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書(昭和六十三年条約第九号。以下「議定書」という。)並びにその改正及び調整が完全に履行されれば、南極域のオゾン全量は、今後数十年のうちに、オゾンホールが出現した以前の水準に向かって漸次回復に向かうと考えられている。

二の5について

オゾン全量と太陽紫外線の照射量については、いくつかの南極の観測基地において同時測定が行われており、例えば、南緯六十四度のパルマー基地で測定されたオゾンホールが現れた期間におけるUV-B量は、北緯三十二度の米国カリフォルニア州サンディエゴで測定されたUV-B量の夏の最大値にほとんど近いか、時によってはこれを超えているとの報告がある。

また、千九百九十八年(平成十年)に国連環境計画が発表した「オゾン層減少に伴う環境影響アセスメント」(以下「環境影響アセスメント」という。)によれば、オゾン層破壊によるUV-B量の増加が大きい極域においては、魚その他の水生生物の短期的な生産性の減少が予測されているが、水生生態系に対する長期的影響についてはいまだ明らかではない。

二の6について

オゾンホールは、下部成層圏における低温域が解消し、オゾンの少なくなった空気が周囲のオゾンの多い空気と混合されることによって、消滅すると考えられている。

三の1について

日本国内四か所におけるUV-B量の観測値は、平成三年の観測開始以来著しく大きな変化は見られないが、UV-B量の長期的な変化の傾向を把握するためには、なおデータの蓄積が必要な状況にあると考えている。

三の2について

御指摘のような調査は実施していない。

三の3について

気象庁においては、国内四か所及び南極昭和基地におけるUV-B量の観測を実施し、その結果を毎月の「オゾン層観測速報」、毎年三月の「オゾン層観測報告」等により定期的に公表している。

また、厚生省においては、六の3についてで述べるとおり、過剰な紫外線の暴露による皮膚がんの発生を予防するための普及啓発活動を行っている。

今後とも、紫外線に関する正確な情報の提供及び知識の普及に努めてまいりたい。

四の1の(1)について

開発途上国におけるクロロフルオロカーボン(以下「CFC」という。)等のオゾン層破壊物質の全廃時期について、議定書第五条8の二は、千九百九十年(平成二年)に採択された規制措置(先進国におけるCFC等の全廃時期を千九百九十九年(平成十一年)末とするもの)の実施を十年遅らせることができる旨規定している。これは、締約国間において、オゾン層の保護のような地球規模の環境問題に対処するためには、開発途上国を含むすべての国の協力が必要であり、開発途上国の特別な事情にも配慮しつつ、これら諸国も参加し得るような全世界的な規制の枠組みを作ることが重要であるとの考え方で一致した結果設けられた規定であると認識している。

四の1の(2)について

議定書におけるオゾン層破壊物質の規制措置については、議定書第六条の規定に従い、科学、環境、技術及び経済の分野の入手し得る情報に基づいて評価が行われている。我が国としては、この評価過程の中で他の締約国と協力しつつ、個々の規制措置の見直しの必要性を検討し、オゾン層保護のための適切な措置を一層推進してまいりたい。

四の2について

議定書の締約国は、議定書第七条3の規定に従い、毎年オゾン層破壊物質の自国における年間生産量等に関する統計資料を事務局(国連環境計画)に提出することとされており、同事務局は議定書第十二条の規定に従い、締約国から受領する情報に基づいて定期的に報告書を作成し、締約国に配布している。この報告書によれば、千九百九十六年(平成八年)における開発途上国におけるオゾン層破壊物質の生産量の算定値(議定書第三条に規定する算定値をいう。以下同じ。)は、先進国における算定値をやや上回る程度であり、また、その消費量の算定値は先進国の約三倍となっている。

四の3について

科学アセスメントによれば、放出されたオゾン層破壊物質が成層圏に到達し、混合されるには三年から六年かかるとされており、オゾン層の破壊はこれより前に始まっていると考えられる。

四の4について

科学アセスメントによれば、議定書並びにその改正及び調整が完全に履行されれば、日本上空を含め、全地球のオゾン層は、今後五十年かけて漸次回復すると予想されている。

四の5について

科学アセスメントによれば、成層圏は地球温暖化に伴う気候変化に対応して冷却する可能性が高くなるが、特に極域の下部成層圏では長期にわたり低温域が存在するようになるため、塩素等が活性化し、オゾン層の破壊を促進すると考えられている。

五の1について

断熱発泡剤として使用されるCFCについては、断熱材の使用用途が多様かつ広範囲であること、断熱材の使用時における大気中への漏えい量等不明な点があること並びに断熱材からのCFCの回収及び処理が技術的に困難であることから、御指摘の廃棄量の推計対象には含めていない。

五の2について

CFCの回収及び破壊を進めるためには、カーエアコン、家庭用冷蔵庫等の廃棄の実態を踏まえた回収経路の設定、回収に必要な機器、設備等の整備及び費用分担システムの構築を関係者の協力を得て行うことが必要であるため、政府としては、産業界の自主計画による取組並びに地方自治体によるシステムの構築及び推進を促しつつ、このような取組の実施状況を点検することとしている。

なお、御指摘のCFCの生産量は特定年の冷媒、エアゾール、発泡剤、洗浄剤等を合計した量であるのに対し、御指摘のCFCの廃棄量は当該特定年とは異なる特定年の冷媒を対象とした量であり、CFCの使用が開始された時点から廃棄される時点までの期間は用途ごと又は個別機器ごとに一律でないこと等を勘案すれば、両者は単純な比較にはなじまないものと考える。

五の3について

現在行われているCFC等の再利用は、CFC等が用いられている機器の修理、点検等に際して、簡易な浄化装置等を用いて再度利用すること又は専用設備を用い、蒸留、化学的処理等を経て新品のものと同等程度の品質にして再度利用することであると承知している。

五の4について

「フロン回収等システム構築モデル事業」は、CFC等の回収から破壊に至る過程について、効率的かつ信頼性のあるシステムを構築するために行っているものであり、都道府県及び政令指定都市における地域の関係事業者、市町村の担当者、消費者等で構成するフロン回収等推進協議会の設置、回収協力店制度の普及等に寄与している。

「フロン破壊モデル事業」は、安全かつ確実なフロンの破壊処理技術を確立するために行っているものであり、地方自治体におけるCFC破壊処理技術の検証等を行うことにより、CFC破壊処理ガイドラインの策定、CFC破壊処理体制の整備等に寄与している。

六の1について

紫外線に過剰にさらされることにより、皮膚等の細胞の遺伝子に異常が起きることがあり、皮膚がん等が誘発されることもあるとの研究結果があることは承知している。しかし、紫外線と皮膚がん等の発生との因果関係については未解明の部分も多く、御指摘のメカニズムに関する厚生省の見解をお示しすることは困難である。

六の2について

厚生省及び文部省においては、保育所で子どもが外に出るときは、日照、気温等に注意して、帽子や服装に配慮し、子どもの体調に合わせて無理をしないようにする等の指導を行うとともに、幼稚園及び小学校についても、同様の指導又は普及啓発を行っている。

なお、子どもに対する紫外線の有害性に関する対策については、今後とも科学的知見の動向等を踏まえ、適切に対応してまいりたい。

六の3について

紫外線が健康に与える影響に関しては、厚生省において、紫外線が遺伝子にどのような障害を生じさせるか等に関する研究を推進するとともに、保健所等を通じて、過剰な紫外線の暴露による皮膚がんの発生を予防するための普及啓発活動を行っており、今後とも適切に対応するよう努めてまいりたい。

七について

環境影響アセスメントは、陸生生態系においては、植物や微生物を含む陸生生物はUV-B量の増加により損傷を被っているが、多くの場合これらの生物は防御や修復の機能も併せ持っていること、水生生態系においては、紫外線が植物プランクトンの成長、光合成、蛋白質及び色素の含有量並びに再生産に悪影響を及ぼし、その結果、食物連鎖に影響を与えていること等を指摘している。

政府としては、議定書を遵守するための対策、オゾン層破壊物質の排出の抑制及び使用の合理化に関する対策、CFC等の回収及び破壊を促進するための対策等を講じることにより、紫外線増加の要因であるオゾン層の破壊の防止に努めていく考えである。

八について

代替フロンのうち二酸化炭素と比べて温室効果が大きいハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)については、議定書に基づき、先進国においては千九百九十六年(平成八年)から段階的に消費量が規制され、一部の用途を除き二千二十年(平成三十二年)以降消費量の算定値が零を超えないものとされている。

その他の代替フロンについては、千九百九十七年(平成九年)の「気候変動に関する国際連合枠組条約第三回締約国会議」で採択された「京都議定書」において、温室効果が大きいハイドロフルオロカーボン(以下「HFC」という。)が温室効果ガスの一つとして位置付けられ、温室効果ガスの排出の抑制及び削減に関する数量化された約束が定められたところである。政府としては、平成十年六月に決定した「地球温暖化対策推進大綱」及び本年四月に閣議決定した「地球温暖化対策に関する基本方針」に基づき、新規代替物質の開発のほか、産業界によるHFCの排出抑制のための計画的な取組の推進並びに使用されたHFCの回収、再利用及び破壊のためのシステムの整備を進めているところである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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