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大気中の発ガン性物質対策並びに炭酸ガスの増加による気象変化に関する質問主意書

衆議院 第100回 第16号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×1

提出者
衆議院
提出日
1983年11月8日
内閣転送 1983年11月9日
答弁書受領日
1983年11月22日
提出から14日
答弁の項目数
3
質問 1,878字/答弁 1,584字

質問本文

衆議院議長 福田 一 殿

大気中の発ガン性物質対策並びに炭酸ガスの増加による気象変化に関する質問主意書

最近、様々な化学物質等による大気汚染とそれによる健康及び気象への影響に関する研究報告が相次いで発表され、大きな注目と反響を与えている。

一つは、一昨年のニトロピレンに引き続き、ディーゼル自動車の排ガス中に含まれる有機化学物質ジニトロピレンに強力な発ガン性があることが証明されたこと。二つには、米国環境保護局(EPA)が、化石燃料等の消費に伴う炭酸ガスによる温室効果が一般の予測より早く一九九〇年、即ち七年後から現れるであろうとの研究報告をまとめたこと。この二つの研究報告は、国民の健康と我が国を含む地球全体の将来に対して重要な警告を与え、しかるべき対応を迫るものである。

この二点について、政府の考え方及び対応について質問する。

一 大気汚染と肺ガンの相関関係について

1 近年、肺ガン及びその死亡者の増加が問題とされている。(昭和五十五年の肺ガン死亡者二万千二百九十一人で昭和二十五年の約八倍 ―― 厚生省の人口動態統計)肺ガンの原因については、喫煙という有力な要因が指摘されてはいるが、大気汚染との関係を指摘する者も少なくない。政府として、大気汚染と肺ガンの相関関係、又は困果関係についてどのような認識を持つているのか。

2 政府として、大気汚染と肺ガンの相関関係、又は因果関係の究明について、現在、どのような調査研究を行つているのか。また、将来の計画はどうか。

二 大気中の発ガン性物質対策について

1 現在まで政府関係研究機関やその他の研究者などによつて確認されている大気中の発ガン性物質としてどのようなものがあるか。また、その大気濃度はどの程度か(ニトロ化合物、アスベスト及びホルムアルデヒドも含めて)。

2 1において確認されている発ガン性物質の発生源としてどのようなものがあるのか。

3 今後、発ガン性物質汚染防止対策として自動車排ガス対策の強化が重要となるが、黒煙、窒素酸化物、炭化水素等の規制強化をどのように実施していく考えか。

4 我が国において、ニトロピレンやジニトロピレンなど発ガン性の高い化学物質を排出するディーゼル自動車が、その燃料経済性の高さから近年、次第に増加しつつあるが(現在、約四百七十五万台)、このような危険な化学物質を排出する自動車の増加は、国民の健康と環境の上から問題がある。政府として、ディーゼル車排ガス規制の強化のほかにどのような措置を講ずる考えか。

5 窒素酸化物と黒煙は、窒素酸化物を抑えれば黒煙が増加するという二律背反の関係にあり、その同時除去は困難であるとされているが、我が国の自動車メーカーの技術力をもつてすれば、その困難を解決することが可能であると考える。政府として課題解決への技術開発をどのように進め、かつ進めさせていくのか。その場合、新たな規制基準を設定し、その規制基準達成車への税制上の優遇措置を考えていくべきと思うが如何。

6 今後、国民の健康を確保する上において、大気中の発ガン性物質についての環境基準が必要になると思うがどうか。

三 炭酸ガスによる温室効果について

新聞報道によれば、米国の環境保護局は、かねてから指摘されている炭酸ガスによる温室効果が、一般に予想されている二一世紀半ばよりも早く、一九九〇年から二〇〇〇年の間に現れ、気象変化をもたらす、との研究報告をまとめたとされている。

我が国においても、田中正之東北大学教授が「二〇〇〇年になると大気中の炭酸ガスは四〇〇PPMにまでなり、そろそろ温室効果がはつきり出てくるといえよう。炭酸ガスの濃度が倍になると、全地球の平均気温は約二度上昇する。そうすると、赤道から中緯度地方までは、一・五度程度の上昇に対し、極地方では一〇度も上がつてしまう。もし南北両極の氷が全部解け出すと、最高八メートルも海面が上がるから世界に及ぼす影響は計り知れない……。」(昭和五十八年十月十九日付サンケイ)と警告している。そこで、

1 政府として、米国環境保護局の研究報告をどのように受けとめているか。

2 同様の問題を追究するために、政府としてどのような調査研究を行つているか。また、その研究内容はどのようなものか。

3 炭酸ガス濃度の増加を防ぐために、政府としてどのような方策を講じているのか、また、この問題の国際性に鑑み、政府としてしかるべき国際関係機関においてどのような役割を果たしているのか、また、今後、果たしていく考えか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

1 大気汚染と肺がんの相関関係又は因果関係は、いまだ解明されておらず、それらの有無は明らかでないと考えている。

2 御指摘のような調査研究は、現在のところ行つていないが、発がん性の疑いがある物質の実態把握に関連する研究等を行つているところである。

今後の対応については、このような研究の成果を踏まえ、慎重に検討してまいりたい。

二について

1 御指摘のアスベスト、ホルムアルデヒドのほかベンゾ〔a〕ピレン等については、発がん性を有することが指摘されているが、これらの物質による大気汚染が発がんの原因となつていることはいまだ確認されていない。なお、アスベスト、ホルムアルデヒド及びベンゾ〔a〕ピレンについては、大気中の濃度を現在調査しているところである。

また、御指摘のニトロ化合物のうちニトロピレンについては、発がん性を有するとの指摘がなされたことがあり、現在、測定方法の検討を行つているところである。

2 アスベストはそれを原材料とする製品の製造、使用、廃棄等に伴い発生し、ホルムアルデヒドはそれを原材料とする製品の製造、使用等に伴い発生し、ベンゾ〔a〕ピレンは物の燃焼に伴い発生する。また、ニトロピレンの発生源については必ずしも明らかではないが、ディーゼルエンジンの排出ガスに含まれているという指摘がある。

ただし、1において述べたとおり、これらの物質による大気汚染が発がんの原因となつていることはいまだ確認されていない。

3 従来から、環境基準の維持達成を図るとともに道路沿道における生活環境の保全を図るため、自動車排出ガス規制を行つてきており、今後の自動車排出ガス対策としては、現在、ディーゼル自動車から排出される黒煙の低減技術の開発状況の調査を実施しているほか、ディーゼル乗用車から排出される窒素酸化物、炭化水素及び一酸化炭素については、規制を強化するため目標値を設定し、技術評価を行つているところである。

4 ディーゼル自動車の排出ガスによる道路沿道の大気汚染の状況及び生体への影響を明らかにするため、現在、調査研究を行つているところである。

5 御指摘のように、窒素酸化物の排出量の低減と黒煙の発生量の低減は二律背反の関係にあるため、燃焼状態の調整によつて同時に両者の低減を図ることは、極めて困難であるとされている。このため、黒煙の発生量の低減については排出ガスから黒煙を捕集して処理する方法が考えられているが、いまだ実用化の目途は立つていない現状にあり、基礎研究を進めているところである。

新たな規制基準を設定し、その規制基準達成車への税制上の優遇措置を考えていくべきかどうかについては、以上のような技術的問題が残されていることもあり、将来、技術的な見通しが立つた段階で改めて判断すべき問題であると考える。

6 1において掲げたアスベスト等の物質による大気汚染と発がんとの関係はいまだ明らかでないので、現時点において、御指摘のような環境基準を設定することは考えていない。

三について

1 二酸化炭素の増加による温室効果が気候に与える影響については、昭和五十四年に世界気象機関等が主催した世界気候会議においても指摘されており、今回の米国環境保護庁の研究報告も、この指摘とほぼ同様に、二酸化炭素の増加が気候に与える影響について指摘した報告書と思われる。

2 御指摘の問題については、二酸化炭素の循環等の測定手法、二酸化炭素の増加の気候に及ぼす影響の評価等に関する調査研究を行つている。

3 国連環境計画及び世界気象機関による世界モニタリングシステムの一環として、大気中の二酸化炭素の測定・監視が行われているところであり、我が国としても、従来から、これら機関の活動に対し協力してきており、今後とも、引き続き協力してまいる所存である。

右答弁する。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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