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オゾン層を破壊する化学畳床の製造とそのJIS規格化に関する質問主意書

衆議院 第113回 第20号承知していない ×1検討してまいりたい ×1

提出者
衆議院
提出日
1988年10月18日
内閣転送 1988年10月22日
答弁書受領日
1988年11月8日
提出から21日
答弁の項目数
8
質問 1,922字/答弁 1,939字

質問本文

衆議院議長 原 健三郎 殿

オゾン層を破壊する化学畳床の製造とそのJIS規格化に関する質問主意書

最近、フロンガスによるオゾン層の破壊が予想外に進んでいることが、各種の調査によつて指摘されている。米航空宇宙局(NASA)の「オゾン変動検討委員会」メンバーであるマック・マクファーランド博士は、本年七月八日、環境庁を訪れ最新データを使つた同委員会の将来予測を述べている。それは、人体に有害な紫外線をさえぎるオゾン層を守るには、国際合意(モントリオール議定書)で決めたフロンガスの生産の半減では不十分で、さらに削減を続け、最終的には九五%減らさないと地球のピンチを救うことはできないというフロン削減率拡大の重要性を強く訴えたものと聞く。

世界のフロンガス生産量は年間約百十万トンといわれるが、我が国の生産量は、昭和六十二年で約二十万九千トン(昭和六十三年九月三十日付の政府答弁書内閣衆質一一三第一四号による。)もあり、日本の負うべき責任は極めて大きい。かかる状況の中で通産省は、フロンガスを使用して製造する畳床に新たなJIS規格を適用しようとしている。この問題については、先に質問主意書(質問第一四号)を提出したが、その答弁では納得できない。よつて国民の健康と暮らしを守るため、さらに次の質問をする。

一 去る六月のトロント・サミットでは、経済宣言の中に環境問題についての提言が行われている。最近、竹下首相は、フロンガスによるオゾン層の破壊、炭酸ガスによる地球の温暖化など、地球的規模の環境問題についての国際会議を日本で開催したいとの意向を提唱されたというが、それは事実なのか。総理の見解を明らかにされたい。

二 米環境保護庁(EPA)は、このほどオゾン層破壊を食い止めるためにフロンガス・ハロンガス使用の即時全面停止、産業用有機溶剤として広く利用されているメチルクロロホルム(トリクロロエタン)の使用量凍結を各国に呼び掛ける方針を決めたと報じているが、環境庁はどのように把握しているのか。また、フロンガス・ハロンガスの生産制限を厳しくしたとしてもEPAの指摘のごとく使用制限に踏み切らないと、オゾン層破壊を食い止めることはできないのではないか、環境庁の見解を求める。

三 先の答弁書(内閣衆質一一三第一四号)で政府は、いわゆる化学畳床に用いるポリスチレンフォームの生産にフロンガスが用いられることがあることを認めた。また、この畳床の工業標準の案(JIS)を審議している専門委員会においても、法を踏まえた審議が行われているものと承知していると答弁しているが、同委員会では、フロンガス使用の畳床製造について環境破壊の及ぼす影響についてどのような議論が行われたか、その審議内容を具体的に明らかにされたい。

四 通産省が、オゾン層を破壊するフロンガスを使用して生産されるポリスチレンフォームを素材とする畳床のJIS規格適用を何故急ぐのか、理解ができない。畳の品質管理を目的にJIS化を急ぐという意見があるが、それは、結果としてフロンガス使用を増加させることにつながるものである。現在、住宅都市整備公団及び東京都住宅供給公社は、フロンガスを使用して生産されるポリスチレンフォームを畳床とする化学畳床を使用しているが、今後とも採用をするのか、当局の見解を問う。

五 住宅都市整備公団及び東京都住宅供給公社は、化学畳の廃棄処理をどのように行つているのか明らかにされたい。また、これから累増し発生してくる化学畳の廃棄処理をどのように行つていくのか併せて明らかにされたい。

六 化学畳の廃棄処理をメーカーの責任で回収すれば経営がなり立たないという現状を先の質問書(質問第一四号)で指摘した。政府はこの質問に対して、事業者自らの責任において産業廃棄物処理業者に委託するなど適正な処理を行うべきものであるとの主旨の答弁(内閣衆質一一三第一四号)をしたが、ここにいう事業者とはポリスチレンフォーム製造メーカーなのか、畳業者なのか、それとも住居の「家主」なのか、明らかにされたい。また、これが住宅都市整備公団及び東京都住宅供給公社の住宅の場合はどうなるのか、併せて明らかにされたい。

七 ポリスチレンフォームの処理について許可を受けている産業廃棄物処理業者の各県別業者数を明らかにされたい。

八 国民の健康と暮らしを守るためには、環境保全に役立つ商品を政策的に推奨することが必要になつてきたと考える。消費生活上、環境保全意識の高揚を図るため、エコロジーマークの実施が急がれるべきと考える。エコロジーマークの実施についての現状と展望をこの際、明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

オゾン層の破壊、地球温暖化、開発途上国における環境問題等の地球環境問題は、世界が共同して取り組んでいくべき課題であり、我が国としても、その解決に向けて、国際社会における地位にふさわしい貢献をしていく必要があると考える。

現在、政府としては、地球環境問題に関する国際会議を我が国において開催すべく、その内容につき検討中である。

二について

特定のフロン等の生産量等の削減の強化等に係る米国の方針については、国際会議等の公式の場においてはいまだその旨主張されたとは承知していない。

オゾン層保護のための特定のフロン等の生産量等の規制の強化の必要性については、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書締約国会議において、当該議定書に定める規制措置の見直しの検討が昭和六十五年以降に行われることから、環境庁としては今後ともオゾン層保護に関する最新の科学的知見の収集に努め、適切に対応してまいりたい。

三について

日本工業標準調査会建築部会ポリスチレンフォーム畳床専門委員会においては、化学畳床の素材となるポリスチレンフォームの発泡剤の一つであるフロンガスの製造等が、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(昭和六十三年法律第五十三号)により規制されていることを前提として、製品たる畳床の性能等畳床の工業標準の制定に必要な事項に関して審議が行われているものであり、フロンガスの環境への影響の評価については、本専門委員会で審議していない。

四について

住宅・都市整備公団においては、今後とも日本工業規格に定められている畳床を採用していくこととしていると聞いている。

東京都住宅供給公社においては、ダニ対策等の観点から、現状では現在採用している畳床を変更する予定はないと聞いている。

五について

住宅・都市整備公団においては、現在、わら畳床のほか、一部の住宅についてポリスチレンフォームサンドウィッチ畳床を採用しているが、これまでにポリスチレンフォームサンドウィッチ畳床について取替え等をしたことはないと聞いている。

東京都住宅供給公社においては、畳の取替え等を請け負つた者が化学畳床を廃棄処理していると聞いている。

住宅・都市整備公団及び東京都住宅供給公社が畳の取替え等を行う場合の廃棄物の処理については、当該廃棄物を排出することとなる畳の取替え等を請け負つた者が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)の定めるところにより、その責任において、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する等により適正な処理を行うべきものである。

六について

畳の製造又は販売に携わる事業者が化学畳に含まれるポリスチレンフォームを廃棄する場合には、産業廃棄物に該当することから、その処理については、当該ポリスチレンフォームを廃棄物として排出しようとするところの畳の製造又は販売に携わる事業者が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の定めるところにより、自らの責任において、許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託する等により適正な処理を行うべきものである。このことは、「家主」が住宅・都市整備公団又は東京都住宅供給公社である場合も同様である。

七について

事業者が排出するポリスチレンフォームは、廃プラスチック類たる産業廃棄物に当たるが、その処理についての各都道府県別許可(収集・運搬のみの許可を除く。)件数は、昭和六十三年十月現在で次のとおりである。

北海道

九十九

青  森

三十一

岩  手

四十三

宮  城

三十六

秋  田

二十七

山  形

三十一

福  島

五十

茨  城

四十

栃  木

三十八

群  馬

二十九

埼  玉

四十七

千  葉

六十八

東  京

六十一

神奈川

百六

新  潟

八十七

富  山

三十三

石  川

二十四

福  井

三十八

山  梨

十

長  野

六十七

岐  阜

三十九

静  岡

二百六

愛  知

百四十七

三  重

五十一

滋  賀

二十一

京  都

十三

大  阪

四十二

兵  庫

八十二

奈  良

九

和歌山

十九

鳥  取

八

島  根

十九

岡  山

五十六

広  島

百四

山  口

六十一

徳  島

二十五

香  川

三十一

愛  媛

九十

高  知

十二

福  岡

百三十一

佐  賀

三十一

長  崎

十七

熊  本

三十

大  分

七十

宮  崎

十九

鹿児島

十九

沖  縄

十一

八について

「エコロジー・マーク」については、現在、財団法人日本環境協会において、広く国民各方面の意見、提案等を踏まえて対象品目の選定、実施の具体的方法の決定等に向けて準備作業が進められていると承知している。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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