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日出生台演習場における民間人による一五五ミリりゅう弾砲発射事件に関する質問主意書

参議院 第151回 第7号承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2001年2月15日
内閣転送 2001年2月19日
答弁書受領日
2001年3月6日
提出から19日
答弁の項目数
8
質問 1,655字/答弁 2,132字

質問本文

沖縄では米海兵隊による県道一〇四号線を封鎖しての実弾砲撃訓練が長年行われていた。この県道越えの実弾砲撃訓練は、一〇五ミリ、一五五ミリりゅう弾砲を使用するもので極めて危険なものであり、山火事、水源地の汚染、流弾による人身事故や器物損壊、自然破壊や教育環境の破壊など様々な犠牲や被害を県民に強いるものであった。

米軍のキャンプ・ハンセン演習場内で実施されていた海兵隊の一〇五ミリ、一五五ミリりゅう弾砲の実弾砲撃訓練は、今では大分県の日出生台演習場など五か所の演習場に移転された。沖縄県民が望んでいたのは、海兵隊による実弾砲撃訓練の移転ではなく廃止であった。実弾砲撃訓練による被害の苦しみを知っているがゆえに、「痛み」を拡散することを諒としなかったのである。

一五五ミリりゅう弾砲は「原子砲」と呼ばれる核・非核両用の兵器である。ベトナム戦争のとき、ダナンへ上陸した海兵隊が持参した武器でもある。私は、一五五ミリりゅう弾砲の実弾砲撃訓練の絶対安全な条件を満たす演習場は、沖縄にも本土にもあり得ない、と考える。

よって、本土の五か所の演習場で実施されている米海兵隊による一五五ミリりゅう弾砲の実弾砲撃訓練を直ちにやめるよう日米両政府に強く要求する。

ところで、二〇〇一年二月九日に日出生台演習場で実施された米海兵隊による実弾砲撃訓練で、公開訓練に立ち会った民間人に一五五ミリりゅう弾砲を発射させるという事件が発生した。これは、単なる「不適切な出来事」ではなく、犯罪行為が惹起されたものと考えるべきである。同時に、米軍や防衛施設庁が安全性を無視し、安易に米軍の実弾砲撃訓練に民間人を参加させたものであり、厳しく糾弾されなければならない。

演習場を提供してまで米軍の実弾砲撃訓練を容認してきた日本政府の責任は重大である。

よって、以下の点について質問する。

一、日出生台米軍実弾砲撃訓練に際し、日本政府が負担した訓練移転費の額を明らかにされたい。なお、精算前であればその概算額を明らかにされたい。

二、日出生台米軍実弾砲撃訓練に際し設置された福岡防衛施設局現地対策本部の設置目的、本部委員の人数、任務役割、演習期間中の具体的な作業を明らかにされたい。

三、二〇〇一年二月九日の日出生台演習場における公開実弾砲撃訓練(以下「公開訓練」という。)に参加した米海兵隊員の兵員数、指揮官の氏名及び階級、使用した兵器、訓練に使用した車両等の数を明らかにされたい。

四、公開訓練には何名の民間人が参加したのか、その人数、所属肩書き、公開訓練参加に当たっての人選手続と選ばれた理由を明らかにされたい。また、公開訓練の目的を明らかにされたい。

五、公開訓練に立ち会った福岡防衛施設局職員の人数、肩書き及び当日果たした具体的な職務役割を明らかにされたい。

六、公開訓練の際、一五五ミリりゅう弾砲の「拉縄」と呼ばれる引き金を引いて発砲した者は、大分県玖珠町議会議員二名と民間人一名とマスコミで報道されている。発砲した三名の氏名、職業を明らかにされたい。また、なぜその三人が発砲したのか、その理由を明らかにされたい。

七、銃砲刀剣類所持取締法(昭和三十三年法律第六号)に定める「銃砲」の「所持」や「発射」を許された者以外の者が、自衛隊の演習場内で米軍の訓練用りゅう弾砲を「所持」し、「発射」することは同法並びに火薬類取締法(昭和二十五年法律第一四九号)違反ではないか。合法であるとするならその理由を明らかにされたい。また、自衛隊演習場内において米軍演習中に発生した日本人による犯罪行為について、日本政府の警察権は行使されるか明らかにされたい。

八、日本政府は、公開訓練の際に発生した民間人による一五五ミリりゅう弾砲発射事件について、いかなる調査をなし、どのような結果を得たか明らかにされたい。また、民間人による同発射事件の際、現場に居合わせ黙認した福岡防衛施設局職員の責任と防衛施設庁の監督責任についての調査結果を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

沖縄県に駐留するアメリカ合衆国海兵隊(以下「在沖米海兵隊」という。)が沖縄県道一〇四号線越え実弾射撃訓練を本土に移転して行う訓練(以下「実弾射撃移転訓練」という。)を日出生台演習場において実施したことに伴い、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(平成七年条約第二十四号)第三条に基づき、平成十二年度において我が国政府が負担する経費については、現在確定作業中であることから、その概算額を含め、現時点ではお答えすることができない。

なお、平成十一年度における右の経費は、約一億六千五百万円であった。

二について

福岡防衛施設局米海兵隊実弾射撃訓練実施現地対策本部(以下「現地対策本部」という。)の設置目的等については、別表第一のとおりである。

三について

平成十三年二月九日、日出生台演習場において、関係地方公共団体の関係者等を対象として、実弾射撃移転訓練の一部が公開されたが、この訓練(以下「本件訓練」という。)に参加した在沖米海兵隊の隊員(以下「海兵隊員」という。)の数は約二百十名であり、その指揮官はジョーン・H・オーヘイ海兵隊中佐であり、本件訓練に使用した兵器の数は百五十五ミリりゅう弾砲四門であり、本件訓練に使用した車両の数は約四十台である。

四について

本件訓練を見学した者(以下「見学者」という。)の人数等は、別表第二のとおりである。

見学者の入選はそれぞれの地方公共団体等が行ったことから、その手続等については、承知していない。

本件訓練の公開の目的は、大分県を始めとする関係地方公共団体の実弾射撃移転訓練に対する理解を深めるためであったと承知している。

五について

本件訓練の公開に立ち会った福岡防衛施設局(以下「福岡局」という。)の職員(防衛施設庁本庁からの支援職員を含む。以下同じ。)の人数等は、別表第三のとおりである。

六について

本件訓練の公開の際に百五十五ミリりゅう弾砲の拉縄を引いた三名の見学者の氏名及び職業を明らかにすることは、個人の権利利益を害するおそれ等があるため、答弁を差し控えたい。

在沖米海兵隊によれば、日出生台演習場における実弾射撃移転訓練が安全に実施されていることについて理解を深めるため、安全を確認した上で、見学者に拉縄を引かせたとのことである。

七について

お尋ねの行為が銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)第三条第一項並びに火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)第二十一条及び第二十五条に違反するかどうかは、具体的な事実関係のいかんによる。

自衛隊の演習場は、銃砲刀剣類所持等取締法施行規則(昭和三十三年総理府令第十六号)第三条の三第二号に該当する施設であるので、同演習場においてけん銃等を発射することは銃砲刀剣類所持等取締法第三条の十三に違反しないことから、お尋ねの行為は同条に違反しない。

日本人による犯罪行為については、我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊(以下「在日米軍」という。)が自衛隊の演習場内において演習中に発生したものであるか否かを問わず、我が国の法令に基づいて、我が国の捜査機関が捜査することができる。

八について

現地対策本部において、本件訓練に立ち会った福岡局の職員及び見学者からの聞き取り調査を行ったほか、在日米軍の司令部を通じるなどして海兵隊員からの情報を得た上で、これらを総合的に判断した結果、御指摘の事案は、海兵隊員が、射撃のため射角の設定、砲弾の装てん、所定の装薬の選定及び挿入等の一連の手順を終え、安全を確認した後、見学者のうち三名が、海兵隊員の呼び掛けに応じて、海兵隊員の指示に従って、各人が一回ずつ拉縄を引いたというものであったことが判明した。なお、現地対策本部においては、平成十三年二月十六日、「日出生台演習場での米海兵隊射撃訓練公開時に見学者が発射のためのヒモを引いたことに関する調査結果について」と題する報告書を取りまとめ、関係地方公共団体に説明するとともに、報道関係機関にも公表した。

御指摘の事案が発生した際、福岡局の職員二名が見学者の一部の者が拉縄を引くのを目撃したものの、砲から比較的離れた場所にいたことからこれを制止できず、本件訓練終了後直ちに現地対策本部の本部長である福岡局施設部長にこれを報告した。この報告を受けた同部長は、当日、本件訓練の指揮官に対し、部隊の練度維持を図るという実弾射撃移転訓練の目的、趣旨にかんがみれば、このような行為は適切ではないと考えている旨を伝え、今後このようなことが生じないよう申し入れたところ、同指揮官から、今後このようなことはしない旨の回答を得たところである。

防衛施設庁においては、今後二度とこのようなことが起こらないよう万全を期するため、防衛施設庁長官から、福岡防衛施設局長を始めとする関係防衛施設局長に対し、注意を喚起するとともに、在沖米海兵隊との間で十分調整するよう指導したところである。

別表第一

別表第二

別表第三

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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