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石綿(アスベスト)ばく露による健康被害への対策に関する質問主意書

参議院 第156回 第17号お答えすることは困難 ×3検討してまいりたい ×1

提出者
参議院
提出日
2003年3月24日
内閣転送 2003年3月26日
答弁書受領日
2003年5月23日
提出から60日
答弁の項目数
14
質問 5,119字/答弁 4,750字

質問本文

石綿(アスベスト)は粉塵の中でも発がん性が強く、吸入することにより、肺がん、胸膜等のがんの一種である中皮腫、石綿肺等の重大な健康障害が発生する。こうした危険性が早くから指摘されながら、日本では、一九七五年に石綿吹き付け作業の原則禁止措置が採られて以降も石綿輸入量は減少せず、多くの労働者が石綿ばく露の危険にさらされてきた。

一九九五年ようやく、発がん性が特に強いとされる茶石綿(アモサイト)と青石綿(クロシドライト)の製造・輸入・使用等が禁止され、同時に高濃度の石綿にさらされるおそれがある作業について呼吸用保護具及び作業衣・保護衣の着用が義務付けられた。しかし、白石綿(クリソタイル)の使用は禁止されず、また、茶石綿・青石綿を使用した建築材・断熱材等の製品回収は行われなかった。

石綿は全体量の九割以上が建材及び建築資材に使用されている。建築基準法では「不燃材料」として国土交通大臣(旧建設大臣)が建材を指定しており、この一つとして「石綿スレート」が指定されている。「石綿スレート」は安価で耐火性に優れていたことから大量に使用されてきた。建築物に防火・耐火性が求められることは当然だが、代替製品の開発をメーカー任せにし、石綿建材の大規模な普及を野放しにしてきた政府の責任は重大である。

現在、建設関係の労働者・事業者の多くが、建築物の解体・改修等の作業時に石綿ばく露の危険の下に置かれている。石綿建材の使用が分かっていても、石綿を飛散させない防護策には多大な経費が必要となるため、「公的施設以外は、石綿建材でも非石綿として扱っている」と指摘されるほど、石綿ばく露対策は遅れている。

建材以外の製品では、石綿全体量の一割足らずではあるが、広範囲に使用されているため、有害性を知らないままに、石綿ばく露の危険にさらされている労働者が多数存在する。

石綿は吸入から疾病の発症まで潜伏期間が長く、今後、重篤な疾病に見舞われる危険性は相当数の労働者、退職者にあると言わざるを得ない。昨年の日本産業衛生学会での研究発表(「わが国におけるアスベスト被害の将来予測」)では、今後四十年間で石綿を要因とする中皮腫による死亡者は十万人を超えると指摘されている。

不幸にして肺がん・中皮腫を発症し筆舌に尽くし難い苦しみの中で絶命した被害者、その遺族は、石綿ばく露防止策、危険性の周知徹底、医療機関への情報提供等々が余りに立ち遅れていることを痛切に訴え、被害を事実上放置してきた政府の責任を厳しく追及している。

危険性を認識しながら、その使用を長期にわたって認めてきた政府は、石綿ばく露による健康被害の実態を究明し、早急に対策を講じる責務があると考え、以下質問する。

一、石綿使用の全面禁止措置について

これまで政府は、石綿使用建材等は「石綿が飛散しないから安全」「代替が困難」等を理由として、事実上石綿使用製品の普及を野放しにしてきた。しかし、製品が劣化した場合、解体した場合に石綿が飛散する危険性は容易に推測されるものであり、国民を健康被害から守る立場に立つならば、「全面禁止」の方針を明らかにし、積極的に危険性の周知等を行うべきであったと考える。

昨年十二月、厚生労働省は「石綿の代替化等検討委員会」を設置し、石綿の製造・使用等の全面禁止について検討を開始している。公表されている資料によれば、現在、石綿使用量の九割以上を占める建材は、メーカー側からほとんどすべてにわたり「代替可能」との回答が寄せられており、無石綿建材の製造も進んでいることが分かる。

1 建材を始め代替可能な製品については、石綿使用全面禁止措置を即刻講ずるべきではないか。

2 その際、全面禁止の施行猶予期間を置かないこと、また、石綿使用製品のこれ以上の普及を抑えるため既製品の流通を規制すべきと考えるがいかがか。

3 建材以外の製品についても、「全面禁止」の方針を明らかにした上で、期限を区切って代替品への移行を促進すべきと考えるがいかがか。

4 石綿使用製品の普及は非常に広範囲にわたる。建設関係等、労働者が扱うだけではなく、接着剤など家庭用製品にも使用されている。中には石綿使用かどうかが表示上は分からないものもあると指摘されている。政府の責任で、石綿使用製品の情報を一元化し製品名から石綿使用の有無が分かる措置を講ずるとともに、国民に石綿の有害性と取扱い上の注意点等を周知徹底すべきと考えるがいかがか。

二、今後の石綿ばく露防止施策について

現行法制上は、労働安全衛生法や特定化学物質等障害予防規則(以下「特化則」という。)により、建築物の解体作業を行う場合に石綿使用の状況の調査・記録、また石綿含有率一%以上の製品が使用されている場合には、労働者の石綿ばく露を防止する十分な措置を講ずることが、事業主に義務付けられている。

しかし、建築関係者等からは、事業主への周知徹底の不十分さ、石綿飛散防止策に必要な経費の問題などから、飛散防止策が採られていない場合が多々あると指摘されている。特に建築物について、改修・解体等を行う際に石綿飛散防止措置を講ずることは急務である。

1 そのために、少なくとも公共施設については、石綿含有率一%以上の建材の使用状況について全国的な調査を行うべきではないか。

2 一般建築物の改修・解体について、石綿飛散防止策に必要な経費への補助制度を設けるなど、石綿飛散防止施策を早急に検討すべきではないか。

3 建築物の解体作業に従事する建設労働者、一人親方に、石綿の有害性と飛散防止策を周知する研修、石綿建材取扱いマニュアルの普及、飛散防止策の技能講習等を行うべきと考えるがいかがか。

三、業務上の石綿ばく露に関する労災認定の現状について

業務上の石綿ばく露の実態を究明する上で、石綿を要因とする労災認定の現状を広く国民に知らせ、注意を喚起することが必要と考える。

1 過去五年間において、肺がん、中皮腫、石綿肺の疾病ごとの認定件数を明らかにされたい。

2 1について、労働者が従事していた業種ごとの件数を詳細に明らかにされたい。

四、疾病の早期発見のための健康診断について

特化則では、石綿を製造若しくは取り扱う業務に従事する労働者に対して、①六か月以内ごとに一回の健康診断(特殊健診)を行うこと、②労働基準監督署に健康診断結果報告書を提出すること、を事業主に義務付けている。これは、石綿ばく露の危険性がある業務全体を対象とするものである。

疾病の早期発見はもとより、石綿ばく露の危険性を周知徹底し十分な防護策を採る上でも、特化則に基づく健康診断の実施は重要である。過去に石綿に起因する労災認定がなされた事業所については、特化則に基づく健康診断が行われているかどうか、労働基準監督署が主体的に調査を行うことも必要と考える。

厚生労働省によれば、二〇〇一年に労働基準監督署に特殊健診実施の報告があった事業場数は二一五五か所、受診労働者数は二万一一八四人となっている。これは、広範囲にわたる石綿使用状況から見て、実態を反映した数とは思えないものであるが、政府の認識と今後の対策の必要性について見解を示されたい。

五、健康管理手帳の交付について

石綿は吸入から発症までの潜伏期間が長く、健康管理への特別な対策が求められる。一九七八年に示された労働省労働基準監督局(当時)「基発第五八四号」石綿に係る労災認定基準では、中皮腫症の潜伏期間は「概ね二十年ないし三十年のものが多い」、肺ガンの潜伏期間は「概ね十年ないし二十年のものが多い」とし、「退職後に発生することも少なくないので十分留意すること」としている。

退職者への対策として、一九九八年より、石綿を扱う作業に従事した労働者で、肺に胸膜肥厚や石綿による不整形陰影が認められる場合、本人が都道府県労働局長に申請することにより健康管理手帳が交付され、六か月に一回無償で健康診断を受けることができることとなった。

1 都道府県別に、健康管理手帳の交付状況、手帳保持者の健康診断受診率を明らかにされたい。

2 労働者が石綿ばく露による疾病として労災認定された事業所であっても、同時期に作業に従事していた退職者に対して、健康管理手帳に関する周知徹底がなされていない現状がある。健康診断の際に医療機関を通じて健康管理手帳についての情報を提供する等、労働者及び退職者に直接的な周知徹底を図り、必要な対象者にもれなく交付がなされるよう施策を講ずるべきと考えるがいかが。

3 現在、手帳保持者が無償で健康診断を受診できる医療機関は、各都道府県に一~二か所程度とされている。また診断内容の不十分さも指摘されている。受診可能な病院を増やし、また石綿所見を精密に診断できるよう診断内容の改善を図るべきではないか。

六、労災認定の在り方について

業務上の石綿ばく露により不幸にして疾病を発生した場合に、石綿職歴の確認や石綿所見の診断の難しさから労災認定が遅れ、死亡後の病理解剖によって初めて職業上の石綿ばく露と認められる事例が少なくない。肺がん・中皮腫等、病状が急速に進む重篤な病気に罹患した労働者が、十分な治療を受けるためには、速やかな労災認定が求められる。

厚生労働省は、昨年十月「石綿ばく露労働者に発生した疾病の認定基準に関する検討会」(以下「検討会」という。)を設置し、本年六月を目途に報告書をまとめる方向であると承知している。この検討会において、石綿被害者や関係者の意見を十分に反映すべきである。

労災認定にかかわる問題として、以下の点について見解を示されたい。

1 石綿使用の状況と比して、石綿ばく露を理由とする労災認定件数は余りに少ない。その理由の一つとして、医療機関での診断の不十分さ、各労働基準監督署の対応の不十分さを指摘する声もある。政府は、医療機関に対して、石綿ばく露の危険性がある職業の詳細な情報提供、石綿関連所見についての研修及び詳細な情報提供等、適切な診断がなされるよう対策を講ずるべきではないか。同様に労働基準監督署及び労働局の職員に対しても研修等を行うべきと考えるがいかが。

2 業務箇所が多数に及ぶ建設労働者は、石綿ばく露の作業場を特定することが極めて困難である。こうした指摘を踏まえ、建設労働者の石綿ばく露歴の確認の在り方、労災認定の基準について見解を示されたい。

3 建設労働者について、一定期間建設作業に従事したことが確認でき、職業上の石綿所見が認められる場合には、石綿ばく露作業を特定できなくても、肺がん・中皮腫・石綿肺を労災と認定すべきではないか。

4 昨年十二月、石綿対策全国連絡会議が検討会に要請書を提出している。この中で、認定基準の見直しについて詳細な要請がなされている。この文書は、検討会に資料として配布されているが、資料という扱いにとどめず、要請内容の検討を行い、その内容を公開すべきと考えるがいかがか。

5 石綿ばく露による健康被害の実態を究明するために、長期間建設労働に従事した者、石綿ばく露作業に従事した者についての疾病調査等を行い、疾病の種類を含め、労災認定基準の検討を続けるべきと考えるがいかがか。

七、個人経営の建設事業者への救済措置について

建設関係の石綿ばく露は、一人親方などの建設事業主にとっても重大な問題である。

仕事をしなければ収入の道が絶たれる個人事業者は、たとえ石綿の危険性を知っていても、また健康上の問題が発生していても、石綿ばく露が生じ得る解体作業等をしなければ生活できないという立場にある。

石綿建材は、個人事業主に使用・非使用を選択することはできず、先に述べた建築基準法に基づく建材指定の状況から見ても、言わば使用を余儀なくされてきたものであり、公的責任で健康管理、疾病への救済措置が行われるべきと考える。個人事業主の労災認定については、特別加入していれば適用の余地はあるが、救済措置として余りに不十分である。

一人親方などの建設事業主に対して、石綿所見に着眼した健康診断、業務制限が必要と判断された場合の収入保障、病気治療の費用保障等、公的責任で救済措置を講ずるべきと考えるがいかがか。

同じく労災の対象外となる、石綿ばく露作業従事者の家族についても救済措置が求められる。労働者の衣服や身体に付着した石綿が原因で、その家族が中皮腫を発症した事例もある。二次的ばく露による健康被害への救済措置について検討すべきと考えるがいかがか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1から3までについて

御指摘の「石綿の代替化等検討委員会」において、非石綿製品への代替化が困難な石綿製品の範囲の絞り込み等を行ってきたところ、平成十五年三月に取りまとめた報告書において、石綿含有建材である押出成形セメント板、住宅屋根用化粧スレート、繊維強化セメント板、窯業系サイディング及び石綿セメント円筒並びに石綿含有非建材である断熱材用接着剤並びにブレーキ及びクラッチに使用する摩擦材(以下「押出成形セメント板等」という。)については、代替化が可能であると考えられるが、石綿含有非建材である耐熱・電気絶縁板及びジョイントシート・シール材については、代替化が可能なものと困難なものがあると考えられるところ、現時点でそれらを明確に特定することは困難であるとされたところである。

政府においては、当該報告書を踏まえ、押出成形セメント板等の製造、輸入、譲渡、提供及び使用を禁止する方向で、所要の作業を進めているところであり、世界貿易機関事務局に対しても、同年五月に、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(平成六年条約第十五号)附属書一Aの貿易の技術的障害に関する協定に基づき、禁止措置についての他の加盟国に対する通報を依頼したところである。なお、禁止措置の実施時期については、周知等に必要な期間も考慮し、今後検討してまいりたい。

一の4について

石綿はその優れた耐久性等から幅広い製品に使用されているが、石綿含有建材に関しては、石綿がセメント等で固定されており、切断等を行わない限り人体への影響はないと認識している。また、断熱材用接着剤等の石綿含有非建材は、事業者向けの製品であると認識している。

事業者向けの石綿含有製品の情報提供に関しては、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成十一年法律第八十六号)第十四条及び労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第五十七条の二の規定に基づき「製品安全データシート」等による情報提供が行われているとともに、建材に関しては個々の建材に石綿含有建材であることを示す「a」マークが付されている。

このように消費者が石綿そのものに触れる可能性が少ないこと及び石綿含有製品を業務として使用する者に対しては情報提供が行われていることから、石綿含有製品の情報提供に関し、御指摘のような措置を講ずる必要はないと考えている。

二の1について

事業者は、建築物の解体等の作業を行うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、特定化学物質等障害予防規則(昭和四十七年労働省令第三十九号)第三十八条の十の規定に基づき、あらかじめ、当該建築物について、石綿の使用の状況等を調査し、その結果を記録することが義務付けられているため、御指摘のような調査を行うことは考えていない。

二の2及び3について

事業者は、石綿が使用されている建築物の解体等の作業を行う場合には、特定化学物質等障害予防規則の規定により、石綿を湿潤な状態にすること等により石綿による労働者の健康障害を防止すること及び特定化学物質等作業主任者技能講習を修了した者のうちから、特定化学物質等作業主任者を選任し、その者に、作業方法の決定、労働者の指揮等を行わせることが義務付けられている。厚生労働省においては、事業者等に対して建築物の解体又は改修工事における石綿粉じんへのばく露防止のためのマニュアルを配布することにより、その周知を図っているところであり、また、安全衛生情報センターのホームページにおいても石綿の有害性、取扱い上の注意等に関する情報の提供が行われているところである。

また、吹付け石綿が使用されている一定規模以上の建築物を解体し、改造し、又は補修する作業を伴う建設工事を施行する者は、大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)の規定により、大気汚染防止法施行規則(昭和四十六年厚生省・通商産業省令第一号)に定める作業基準を遵守することが義務付けられている。環境省においては、事業者等に対して建築物の解体等に伴う石綿飛散防止対策のための手引き及びパンフレットを配布するとともに、これらを環境省のホームページに掲載することにより、その周知を図っているところである。吹付け石綿以外の石綿含有建材については、大気汚染防止法の規制の対象となっていないが、現在その製造、使用実態等に係る調査を行っており、今後、当該建材に係る大気の汚染の防止対策の必要性を検討することとしている。

以上のような規制の徹底と石綿に関する情報の周知等を行うことにより、石綿の飛散防止を図ってまいりたい。

三について

労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づき、業務上、石綿にばく露したことにより肺がん又は中皮腫を発症したとしてなされた保険給付の請求に対して、平成九年度から平成十三年度までの間に、保険給付の支給を決定した件数は、別表一のとおりである。石綿にばく露したことにより石綿肺を発症したとしてなされた保険給付の請求に対して、この間に、保険給付の支給を決定した件数については、区分して調査し、集計しておらず、また、新たに区分して調査し、集計することは作業が膨大なものとなるため、お答えすることは困難である。

また、平成十一年度から平成十三年度までの間に、保険給付の支給を決定したものについて、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則(昭和四十七年労働省令第八号)別表第一に規定する事業の種類ごとに集計した件数については、業務上疾病に係る補償状況を把握するための資料(以下「基礎資料」という。)を基に集計したところ、別表二のとおりである。平成九年度及び平成十年度の当該件数については、基礎資料を既に廃棄しており、労働基準監督署に保管してある保険給付の支給又は不支給を決定するに当たって調査した資料を、新たに区分して調査し、集計することは作業が膨大なものとなるため、お答えすることは困難である。

四について

特定化学物質等障害予防規則に基づく石綿に係る特殊健康診断の受診対象者は、石綿を製造し、又は取り扱う業務(以下「石綿の製造業務等」という。)に常時従事する労働者であり、石綿成形品のはり付け等石綿の発じんのおそれのない業務に従事する労働者は含まれないこととされている。

また、特殊健康診断の適正な実施を含む特定化学物質等障害予防規則の関係規定の遵守については、従来からその徹底を図ってきたところであるが、今後とも引き続き監督指導等を通じ、特殊健康診断の実施の徹底等による健康障害防止措置の確保を図ってまいりたい。

五の1について

平成十三年における石綿の製造業務等に従事していた者に係る都道府県ごとの健康管理手帳所持者数及び健康管理手帳所持者の健康診断の受診率は、別表三のとおりである。

五の2について

厚生労働省においては、石綿の製造業務等に係る健康管理手帳制度についてのパンフレットを作成し、事業者等を通じて関係労働者及び退職者への周知に努めてきたところである。

また、事業者は、労働安全衛生法の規定により、当該制度等について労働者に周知することが義務付けられていることから、その遵守について、従来から徹底を図ってきたところであるが、今後とも引き続き監督指導等を通じ、その徹底を図ってまいりたい。

五の3について

健康管理手帳所持者が健康診断を受診できる医療機関については、当該健康管理手帳所持者の住所、利用できる交通機関等を考慮し、必要な数を確保しているところである。

また、健康管理手帳所持者に対する健康診断については、エックス線直接撮影装置、エックス線特殊撮影装置等、当該健康診断の実施に必要な設備が整備されており、かつ、専門的知識及び経験を有する医師等が確保されている医療機関のうちから、優れた診断機能を有している医療機関に委託しているところであり、当該医療機関において適切に実施されていると考えている。

六の1について

都道府県労働局の職員及び労働基準監督署の職員に対しては、石綿にばく露したとしてなされた保険給付の請求に対して、「石綿ばく露作業従事労働者に発生した疾病の業務上外の認定について」(昭和五十三年十月二十三日付け基発第五百八十四号労働省労働基準局長通達。以下「認定基準」という。)に基づき、保険給付の支給又は不支給の決定を行うよう指示しているところであり、医療機関に対しては、認定基準の周知を図っているところである。また、心膜中皮腫等、認定基準に認定要件が示されていない疾病であって、業務上、石綿にばく露したことにより発症すると考えられるものについての取扱いを検討するため、御指摘の「石綿ばく露労働者に発生した疾病の認定基準に関する検討会」(以下「検討会」という。)を開催しているところであり、この検討結果を踏まえた認定基準の見直しを行うとともに、その周知を図る予定である。

六の2及び3について

労働者災害補償保険法に基づき、石綿にばく露したとしてなされた保険給付の請求に対しては、当該請求に係る労働者の症状が認定基準に示す医学的所見に合致しているか否かに加えて、従事していた事業場、作業の内容、石綿ばく露の状況、保護具の使用状況、当該労働者の健康状態等を調査することによって、業務上の事由による疾病か否かを判断することが適当であると考えており、複数の作業場で作業に従事したか否かにかかわらず、当該労働者の石綿にばく露する作業の内容及び当該作業に従事した期間を合計した期間等について認定基準で示す要件を満たしているか否かを確認することとなっている。

したがって、複数の作業場において石綿にばく露する作業に従事していた労働者から保険給付の請求がなされた場合には、労働基準監督署において、それぞれの作業の内容、当該作業に従事した期間等を調査しているところである。しかしながら、これらの調査項目のうちの一部を把握することができない場合であっても、調査結果全体から石綿にばく露する作業内容及びその従事していた期間が特定できるときは、認定基準に照らして保険給付の支給又は不支給の決定を行っているところである。

六の4について

平成十四年十二月三日付けで厚生労働省に対して提出された御指摘の要請書に記載されている事項のうち、検討会の検討事項に含まれている事項については、検討を行っているところである。また、検討会の検討結果については、公表することとしている。

六の5について

検討会においては、石綿ばく露による健康障害に係る最新の医学的知見を踏まえ、認定基準の見直しの検討が進められているところであり、現時点において、御指摘の者について、新たに疾病調査を行う必要はないと考えている。

七について

建設の事業を行ういわゆる一人親方は、労働者災害補償保険法第三十五条に基づき一人親方の団体の申請により同法の適用を受けることができ、当該一人親方が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合には、療養補償給付、休業補償給付等の保険給付が行われるなど一定の救済措置がなされており、その周知に努めているところである。

また、石綿により汚染した作業衣等は二次発じんの原因となることから、このような作業衣等はそれ以外の衣服等から隔離して保管し、かつ、作業衣等に付着した石綿の粉じんが発散しないよう洗濯により除去するとともに、事業場からの持ち出しを行わないよう指導しているところである。

したがって、御指摘のように更なる救済措置を講ずることは考えていない。

別表一

別表二

別表三

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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