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港湾岸壁施設用地裏埋工事資材に関する質問主意書
参議院 第156回 第21号
質問本文
昨今、公共工事の在り方が厳しく問われている。特に、当該公共工事の必要性、費用対効果、入札の在り方、使用資材の品質規格、工事施工過程における安全性の確保等が適正に執行されているかどうかが、常に納税者の立場で検証されなければならないと考える。
一方、公共工事の発注者たる公共団体と受注業者の関係、受注業者に資材を提供する関連業者との関係も、より透明性を高めることが求められている。とりわけ、使用する資材の選定に当たっては、国の指導する品質基準を守って施行することが強く求められている。港湾岸壁工事は、その安全性が極めて重要であり、そのことを踏まえるならば、使用される資材の品質や規格についても特段の考慮をすべきである。
よって、以下質問する。
一 政府は、港湾施設の技術上の基準を定めているか。基準を定めているのであれば、その内容を明らかにされたい。
二 政府は、港湾施設の技術上の基準について、県や市町村に対し、通達若しくは指導要綱等をもって指導しているか、明らかにされたい。
三 政府は港湾施設の裏込め材の設計基準値についてどのように定めているか、明らかにされたい。
四 港湾施設の裏込め材としての海砂は、内部摩擦角度が大きく比重の小さいものが良いか、それとも内部摩擦角度が小さく比重の大きいものが良いのか、明らかにされたい。
五 港湾施設埋立工事における構造物(ケイソン)の埋込め海砂は、単位体積重量が重いのが良いか、政府の見解を明らかにされたい。
六 裏込め材の設計基準値における単位体積残留水位上、単位体積残留水位下とは、それぞれいかなる学説上の意味であるか明らかにされたい。
七 政府が定める、港湾施設の裏込め材の設計基準値において、空中単位体積重量なる概念があるか。あるならば、その学説上の意味を明らかにされたい。
八 政府の発注する港湾工事において、裏込め材、裏埋め資材に関し、飽和状態単位体積重量二・〇トン/立方メートル、内部摩擦角度三十度、空中単位体積重量一・八トン/立方メートルの土質定数を規格とするという定めがあるか、明らかにされたい。
九 飽和状態単位体積重量二・〇トン/立方メートルに満たない材料は、内部摩擦角度三十度以下の内部摩擦角度の低い材料であるという相関関係が存在するのか、明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
港湾の施設の技術上の基準については、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第五十六条の二の二に基づき、港湾の施設の技術上の基準を定める省令(昭和四十九年運輸省令第三十号。以下「省令」という。)及び港湾の施設の技術上の基準の細目を定める告示(平成十一年運輸省告示第百八十一号。以下「告示」という。)を定めている。
二について
港湾の施設の技術上の基準については、一についてで述べたとおり、官報を通して省令及び告示により周知を行っており、御指摘のような通達又は指導要綱による指導は行っていない。なお、運輸省港湾局技術課長から関係者に対し、省令及び告示の内容を分かりやすく解説するものとして、運輸省港湾局が監修し、社団法人日本港湾協会が出版している「港湾の施設の技術上の基準・同解説」(以下「基準・同解説」という。)を参照するよう連絡している。
三について
お尋ねの裏込め材とは港湾構造物において護岸や岸壁等を構築する壁体の背面に充填される材料のことを指すものと考えられるところ、省令及び告示において、裏込め材の設計基準値は設けられていない。ただし、一般に裏込め材として用いられる砂利及び割ぐり石に関し、告示において、港湾の施設の自重の算出に用いる単位体積重量として、別表に掲げる数値を標準として示している。なお、ここでは事前調査等によって単位体積重量が特定できる場合にあってはこの限りでないこととしている。
また、基準・同解説においては、裏込め材は内部摩擦角及び単位体積重量等の材料特性を考慮して選定することとし、一般に裏込め材には割石、切込砂利、玉石、鉄鋼スラグ等が用いられること及び一般に用いられている裏込め材の設計値の使用例が解説及び参考として記載されている。
四について
一般的に裏込め材につき構造物の安定性を検討する上では、内部摩擦角が大きく、比重が小さい材料を用いた方が力学的に有利に働くと考えられるが、この他にも粒径や品質及び実際に調達する際のコスト等を総合的に勘案して良否を判断すべきであると考えている。なお、港湾施設の裏込め材としては、海砂はほとんど用いられていない。
五について
お尋ねの「港湾施設埋立工事における構造物(ケイソン)の埋込め海砂」とは、ケーソン(港湾構造物において護岸や岸壁を構築するために設置される鉄筋コンクリート等で製作された函型の躯体をいう。以下同じ。)の中詰め砂のことを指すものと考えられるところ、中詰め砂の単位体積重量が重い方がケーソンの横滑りに対する抵抗力は増加することとなるが、ケーソンを支持する基礎マウンド及び地盤に対してより大きな負荷がかかるため、沈下等を引き起こす可能性があり、御指摘のように単位体積重量が重い方が良いとは一概には言えない。
六について
三についてで述べたとおり、省令及び告示において裏込め材の設計基準値は設けられていない。
お尋ねの単位体積残留水位上及び単位体積残留水位下とは、基準・同解説の第三編表-参五・三・一の残留水位上単位体積重量及び残留水位下単位体積重量のことを指すものと考えられるところ、残留水位上単位体積重量とは、残留水位(一般的に、海域からケーソン等によって区切られた背後の埋立土中における水位をいう。以下同じ。)より上面で湿潤状態の裏込め材の単位体積重量を指し、残留水位下単位体積重量とは、残留水位より下面で飽和状態の裏込め材の単位体積重量から海水の単位体積重量を差し引いたものを指している。
七について
三についてで述べたとおり、省令及び告示において裏込め材の設計基準値は設けられていない。なお、基準・同解説において空中単位体積重量という用語は、水の浮力が作用しない大気中において計測される単位体積重量を意味し、水中において浮力が作用する状態で計測される単位体積重量と区別して呼ぶ際に用いている。
八について
政府の発注する港湾工事に係る共通仕様書等において、御指摘のような裏込め材、裏埋め資材に関し、飽和状態単位体積重量一立方メートル当たり二・〇トン、内部摩擦角三十度、空中単位体積重量一立方メートル当たり一・八トンの土質定数を規格とする定めは無い。
九について
港湾構造物に用いられる砂、石等の材料全般について御指摘のような飽和状態単位体積重量が一立方メートル当たり二・〇トンに満たない材料は、常に内部摩擦角が三十度以下の材料であるという関係にあるわけではない。ただし、例えば同じ砂を用いた場合においては、締め固められた砂に比べて緩い状態、すなわち飽和状態単位体積重量が小さな状態にあるほど一般的には内部摩擦角は小さくなる傾向がみられる。
別表 材料の単位体積重量
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