Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第166回

米印原子力協力に対する日本の政策に関する質問主意書

参議院 第166回 第16号お答えすることは困難 ×1

提出者
参議院
提出日
2007年3月8日
内閣転送 2007年3月12日
答弁書受領日
2007年3月16日
提出から8日
答弁の項目数
4
質問 1,668字/答弁 654字

質問本文

昨年十二月、米国議会は米国とインドの原子力協力(以下「米印原子力協力」という。)の実施に関する法案を可決し、米国によるインドに対する核関連の輸出と協力が開始されようとしている。

インドは一九九八年に核実験を行い、核兵器不拡散条約(以下「NPT」という。)に加盟しないまま「核保有国」宣言を行い、現在でも核兵器開発を続けている。これに対して日本を含む国際社会は、インドを核保有国としては容認せず、NPTへの加盟と国際的核軍縮・不拡散努力への合流を一貫して求めてきた。それにもかかわらずインドは、包括的核実験禁止条約(以下「CTBT」という。)に署名せず、兵器用の核分裂性物質の生産を継続し、核開発を続けている。さらに、日本が毎年提出している国連総会における核兵器廃絶決議には、反対投票を繰り返している。原子力の平和利用は、それを軍事転用しないという誓約及びそれに対する国際的検証措置と引換えに初めて認められるというのが、NPTを始めとする世界的な核不拡散体制の大前提である。インドに対して原子力協力を行うことは、インドの「核保有国」としての地位を容認し、NPTを始めとする世界的な核不拡散体制を揺るがす危険性をはらんでおり、米印原子力協力に対しては、国際的な懸念の声が高まっている。

こうした中、被爆国であり、国際的な核軍縮・不拡散を外交の優先課題の一つとして掲げてきた日本がどのような態度をとるかは、世界的な注目の的となっている。去る十二月十五日のインドのシン首相との会談において安倍内閣総理大臣は、この問題に対する日本の立場は「検討中」と述べるにとどまったが、「政府は米印原子力協力を支持する方向で調整している」、「支持の方針を固めた」といった報道がなされている。仮に日本が支持するとなれば、それはNPT体制を柱としつつCTBT推進や兵器用核分裂性物質生産の国際的禁止を求めてきた日本の核軍縮・不拡散政策に大きく矛盾する可能性が高いと言える。

こうした状況にかんがみ、以下質問する。

一 日本政府の立場について

米印原子力協力に関し、日本政府の立場は「検討中」とのことであるが、その内容を含め、立場を明らかにされたい。

二 米印原子力協力をめぐる主な論争点について

1 米印原子力協力とNPT体制の整合性について、政府の見解を示されたい。

2 インドの核軍備の現状について、政府の認識を示されたい。また、インドは兵器用核分裂性物質の生産を続けていると言われており、インドに対してウラン燃料の供給が行われれば、インドの核軍拡につながる可能性があり、それは、南アジアにおける軍拡競争と地域の不安定化をもたらすとの懸念が指摘されている。この点について、政府の見解を示されたい。

3 米印原子力協力によって、インドに対して課せられる保障措置について、政府の認識を示されたい。また、インドの核施設が保障措置下に置かれるというが、再処理施設などは保障措置外に置かれるため、インドは核兵器開発を継続できるという指摘がある。この点について、政府の認識を示されたい。

三 世界への影響について

インドに「核保有国」としての地位を事実上認めるような措置をとれば、国際条約に従わず核開発を強行したとしてもいずれは核保有国として容認されるのだという誤ったメッセージを他の国々に与えかねない。このことは、北朝鮮に対して核兵器開発を放棄することを求め、イランに対して核兵器能力の断念を求めている日本を始めとする国際社会の努力に矛盾する可能性がある。また、パキスタンと中国の原子力協力の可能性など、南アジアの核問題を更に混乱させる可能性がある。

これらの点を踏まえ、インドに対する原子力協力がNPT体制に与える影響について、政府の見解を明らかにされたい。

四 今後の日程等について

今後、原子力供給国グループ(NSG)で米印原子力協力問題に関する討論が行われることになると思うが、具体的なスケジュール及び日本政府としての対応の方針を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一、二の1及び三について

インドの戦略的重要性は認識しており、また、原子力の活用により、地球温暖化問題に対処しつつ、同国において増大するエネルギー需要を手当てする必要性は理解している。他方、核兵器の不拡散に関する条約(昭和五十一年条約第六号)の非締約国である同国への原子力協力については、国際的な核軍縮・核不拡散体制への影響等を注意深く検討する必要があると考えている。政府としては、以上のような考え方を踏まえ、今後とも国際的な場での議論に積極的に参加してまいりたい。

二の2について

政府としては、インドは、核兵器の製造能力を保有していると認識している。同国の具体的な核軍備の現状については、各種の情報収集活動を行っているが、そのような活動により得られた情報を明らかにすることにより対外的な関係において我が国が不利益を被るおそれがあるため、お答えすることは差し控えたい。

インドへのウラン燃料の供給による御指摘のような影響については、同国への国際社会による原子力協力の具体的な態様が決まっておらず、具体的にお答えすることは困難である。

二の3について

御指摘の保障措置については、現在、インドと国際原子力機関との間で協議が行われていると承知しており、お尋ねについては、現時点でお答えすることはできない。

四について

現時点において、原子力供給国グループにおける米印原子力協力に関する議論の具体的な日程は、決定されていない。政府としては、一、二の1及び三についてで述べたような考え方を踏まえ対応する方針である。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2008年10月20日 高木 義明(民主党・無所属クラブ) 答弁 2008年10月28日
衆議院 第170回 第136号
提出 2008年9月29日 藤末 健三 答弁 2008年10月7日
参議院 第170回 第22号
提出 2016年10月14日 初鹿 明博(民進党・無所属クラブ) 答弁 2016年10月25日
衆議院 第192回 第63号
提出 2010年8月2日 浜田 昌良 答弁 2010年8月10日
参議院 第175回 第11号承知していない ×1
提出 2008年11月10日 岩國 哲人(民主党・無所属クラブ) 答弁 2008年11月18日
衆議院 第170回 第219号
提出 2022年3月10日 米山 隆一(立憲民主党・無所属) 答弁 2022年3月22日
提出 2016年11月1日 逢坂 誠二(民進党・無所属クラブ) 答弁 2016年11月11日
衆議院 第192回 第97号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる