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市町村の合併に伴う市街化区域と市街化調整区域との区分に関する質問主意書

参議院 第169回 第130号

提出者
参議院
提出日
2008年5月21日
内閣転送 2008年5月26日
答弁書受領日
2008年5月30日
提出から9日
答弁の項目数
2
質問 1,867字/答弁 690字

質問本文

近年、静岡市、浜松市、新潟市など、市街地が中心の市町村と中山間地域を含む市町村との合併の結果政令指定都市(以下「政令市」という。)となった市が生まれてきている。都市計画法第七条によれば、政令市の区域の全部又は一部を含む都市計画区域においては、市街化区域と市街化調整区域との区分(通称「線引き」)を定める「ものとする」とされていることから、政令市においては、合併前の中山間地域を含む市町村の区域においても線引きする「ものとする」こととなる。

しかしながら、合併前に線引きが行われていない中山間地域の市町村において新たに線引きを行うと、政令市になったからといって急速に市街化が進むとは限らないにもかかわらず、市街化区域になる地域においては、都市計画税が新たに課されるほか固定資産税が急激な増税となる場合があり、市街化調整区域となる地域においては一定以上の開発が制限され、相続税支払いが難しくなるといった、政令市になる以前には予想できなかった不利益を蒙る可能性がある。

相模原市は、既に平成十九年三月までに旧津久井郡四町と合併が終了しており、平成二十二年四月の政令市施行を目指していると聞いているが、旧津久井郡のうち旧相模湖町及び旧藤野町(二町併せて一区域)、旧津久井町においてはそれぞれ都市計画区域が定められており、全て線引きは行われていない。また、これら旧三町の多くの地域は中山間地域にあり、政令市になったとしても急速に都市化が進むとは考えにくいと思われ、このような中で地元住民の意思に反して線引きを行うことは多くの住民にとって酷と考えられる。

そこで、市町村の合併に伴う線引きについて、以下質問する。

一 成田市のように、「近郊整備地帯」を含む市町村とそれ以外の市町村が合併した場合は、合併前の複数の都市計画区域をそのまま残すことにより、前述のような問題が発生しないようにしている場合がある。この場合のように、都市計画法は一市町村内に複数の都市計画区域が定められることを排除していないが、市町村内の各地域ごとの事情の違いを踏まえ、一市町村内の複数の都市計画区域ごとに、線引きをする区域としない区域が発生することが認められる場合があると考えてよいか、見解を示されたい。

二 都市計画法第七条の制定当時、広大な中山間地域を含む政令市が生まれ、これらの都市計画区域で線引きする「ものとする」こととなることを想定していたか、見解を示されたい。

三 質問二において、「想定していた」場合、「既成市街地」や「近郊整備地帯」と、中山間地の両方を含む政令市の場合に、「市町村内の各地域ごとの事情の違いを踏まえ、一市町村内の複数の都市計画区域ごとに、線引きをする区域としない区域が発生すること」を禁止する合理的理由は何か、見解を示されたい。

四 1 現行の都市計画法の制定当時、政令指定都市が広域の中山間地域を含むようになることを想定していなかった可能性があるならば、合併により政令市になった場合であって、旧市町村の都市計画区域が「既成市街地」、「近郊整備地帯」のいずれにも含まれない場合には、線引きをしなくてもよいよう法令を改正すべきではないか。なお、その場合、都市計画法第七条に直接規定するのが本来であるが、都市計画法施行令第三条を改め、このような場合については「大都市に係る都市計画区域」に含まないことができるとの但し書きを新たに追加するのも一案と考えるが、見解を示されたい。

2 仮に、前記1の想定をしていなかった可能性があるにもかかわらず、法令改正をすべきでないとするならば、その合理的理由は何か、見解を示されたい。

五 1 仮に四のような法令改正が困難な場合は、線引きを回避できるよう少なくとも法令解釈によって対応すべきではないか。具体的には、都市計画法第七条は、政令指定都市の全部又は一部を含む都市計画区域において、「区域区分を定めるものとする」とされているが、「定めなければならない」とはされていない。市町村合併後に政令市となった場合、「既成市街地」、「近郊整備地帯」のいずれにも含まれない都市計画区域については、線引きを行わなくとも必ずしも法令に違背するものではないと考えてよいか、見解を示されたい。

2 仮に、四の想定をしていなかった可能性があり、法令も改正せず、前記1の法令解釈による対応もしないとするならば、時代の変遷を踏まえた法令施行がなされていないと言わざるを得ないが、その合理的理由は何か、見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘のとおり、一の市町村の区域内に複数の都市計画区域が指定されている場合において、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項に規定する区域区分(以下単に「区域区分」という。)を定める区域と定めない区域が併存することがある。

二から五までについて

都市計画法第七条第一項ただし書の「区域区分を定めるものとする」との規定は、同項各号に掲げる都市計画区域について区域区分を定める義務を課すものであり、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下単に「指定都市」という。)の区域の全部又は一部を含む都市計画区域についても区域区分を定める必要がある。これは、指定都市においては、人口や都市機能が集積しているため市街化の圧力が強く、又は人口や都市機能が集積していくことにより市街化の圧力が強まる蓋然性が高く、一体的かつ計画的に市街化を図る必要性があるためであり、お尋ねの「広大な中山間地域を含む政令市が生まれ」た場合、「合併により政令市になった場合であって、旧市町村の都市計画区域が「既成市街地」、「近郊整備地帯」のいずれにも含まれない場合」等においても同様である。この考え方は、区域区分を定めることが義務付けられる都市計画区域を指定都市の区域の全部又は一部を含む都市計画区域等と定めた、平成十二年の都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律(平成十二年法律第七十三号)等による改正当時から変わるものではない。したがって、お尋ねのように「法令解釈によって対応」することはできず、また、現時点において改正が必要であるとは考えていない。

参議院の原文

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