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生物多様性条約第九回締約国会議における日本政府代表団の対応に関する質問主意書

参議院 第169回 第147号趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2008年6月9日
内閣転送 2008年6月11日
答弁書受領日
2008年6月17日
提出から8日
答弁の項目数
12
質問 3,017字/答弁 1,850字

質問本文

平成二十年五月十二日から三十日にかけて、ドイツのボンにおいて生物多様性条約第九回締約国会議(COP9)およびカルタヘナ議定書に関する会合(MOP4)が開催され、最終日には、次回の締約国会議(COP10)を日本の名古屋で開催することが正式決定された。このCOP10は、現在の生物多様性条約が定めている「二〇一〇年目標」に代わる次の目標を定める上で非常に重要な会議であり、日本は会議をとりまとめる議長国として重責を担うことになった。

ところが、COP9においては、日本が議長国となることに対して、特に非政府組織からの批判的な意見や不安が表明されている。これはCOP9およびMOP4における日本政府の発言や態度に起因しているが、このような事態は、COP10の成功にとって悪影響を及ぼすものであると同時に、今国会で成立した生物多様性基本法第二十六条の趣旨にも反するものである。

今日の国際会議においては、非政府組織にも出席と発言の権利は認められており、会議の成功にとっても、生物多様性の維持のためにも非政府組織は無視し得ない存在である。日本がCOP10の議長国としての責任を果たし、国際的に重要な課題となっている環境問題の解決に対して貢献するためには、非政府組織の出席と発言の権利を尊重すると同時に、今回のような非政府組織による批判的な意見を丹念に検討し、真摯に対応することが求められている。このことは、生物多様性基本法第二十一条第二項にも通ずるものであり、COP10に向けて、非政府組織との対話はより積極的に推し進められるべきである。

生物多様性を通じて世界的な環境問題の解決を目指すと同時に、COP10を機会に日本の外交上のリーダーシップを今以上に向上させるために、政府の責任ある発言や態度、非政府組織の意見の尊重などは、不可欠なものである。

よって、以下質問する。

一 五月十三日、COP9に先だって行われたMOP4において、複数の非政府組織が連名で、カルタヘナ議定書に対する日本政府の対応に対して声明を発表した(会場で発行された「ECO」という非政府組織のフリーペーパーに掲載)。続いて十五日には、「敵対的なホスト国」、「名古屋以外ならどこでもよい」というチラシが会場内で配布された。これは十三日の声明が無視されたために、その批判として配布されたものである。

これら一連の動きは、非政府組織が日本政府代表団の発言と態度をカルタヘナ議定書に対する合意を阻害する行為であると見なしていることを示している。さらには、COP10における議長国としての資質についても疑問を呈している。非政府組織は声明の中で、日本政府に対して地球全体の大局的な視点、合理的に説明が可能な発言、合意のための対話と調整を行うことを求めている。これらはCOP10の成功のために、日本政府として解決すべき問題であり、議長国として信頼回復を行うことは急務であると考えられる。

1 MOP4において、日本政府代表団が、いかなる発言を行ったのかを明らかにされたい。

2 MOP4及びその後のCOP9において、日本政府代表団は、次期議長国として、大局的な視点に立ち、合理的な説明が可能な発言や、合意のための対話や調整に努めたのかどうか、明らかにされたい。

3 あわせて、非政府組織に対して、積極的な対話と説明を行ったのかどうかについても明らかにされたい。そして、それらの努力を行っている場合は、その具体的内容を示されたい。

二 生物多様性条約では、現在「二〇一〇年目標」の達成を目指している。COP9開催国のドイツ政府は、目標達成のために「ライフウェブ・イニシアティブ」を提案し、二〇〇八年から二〇一二年の間に五億ユーロ、二〇一三年以降は毎年五億ユーロの拠出を表明している。これに対して、COP10の議長国である日本については、「二〇一〇年目標」達成に向けての明確な態度や具体的提案を示さず、六十八ヵ国に対して保護地域の支援増加を求める保護地域勧告十三条の削除を要求しているとして、非政府組織は批判している。

1 日本政府は、COP9において、「二〇一〇年目標」の実現についていかなる態度表明を行ったのかを示されたい。

2 保護地域勧告十三条の削除を要求したのは事実であるか明らかにされたい。事実である場合は、その理由を説明されたい。

三 ドイツ政府関係者は、COP9の財務会合において、唯一日本のみが、生物多様性条約の予算増に反対していると述べている。そのドイツ政府関係者は、日本政府は生物多様性条約の予算の約二割を拠出し、COP10開催国として各国から期待されているだけに、議長国としてのリーダーシップに疑念を抱いている。COP10の成功のためには、このような疑念は払拭すべきである。

1 日本政府は、生物多様性条約にどの程度の予算を拠出しているのか。主要な条約加盟国の拠出額と、総拠出額に占める各国の拠出額の割合を併せて示されたい。

2 COP9の財務会合において日本政府が予算増額に反対したことは事実であるのか。発言内容を明らかにされたい。また、反対したことが事実である場合、その理由を説明されたい。

四 五月二十八日から三十日には、COP9の閣僚級会合が行われたが、同時期に日本ではアフリカ開発会議(TICADⅣ)が開催された。このため、アフリカ諸国の環境大臣の一部は、COP9ではなく、TICADⅣに参加した。

これについて、ドイツ政府とともにMOP4およびCOP9を運営するドイツの非政府組織は、このことに大きな失望と、日本政府がCOP9を妨害する意図を持っているのではないかという疑念を示した。このことはCOP10の成功にとって大きな障害である。

1 TICADに参加した各国の環境大臣の人数を明らかにされたい。

2 COP9と閣僚級会合とTICADの日程が重なっていることを認識していたのか、明らかにされたい。また、重複を避けるための日程調整や、COP9議長国であるドイツ政府との協議は行われたのかについても明らかにされたい。

3 今回の日程の重複という事態をどのように考えているのか、説明されたい。

五 非政府組織の会議への参加や発言については、国際連合が承認したものであり、また会議に対して一定の影響力を持つ無視し得ない存在となっている。COP10における非政府組織の参加をどのように認識しているのか、政府の基本的な考え方を明らかにされたい。

六 COP9においては、ドイツの非政府組織がドイツ政府に協力し、非政府組織の受入、意見調整等を行った。開催国において、政府が受入を担う非政府組織と連携をとることは、生物多様性条約の締約国会議や気候変動枠組条約の締約国会議などでは、重要な課題である。

1 現在、日本政府としてCOP10の受入を行う非政府組織と定期的に連絡や調整を行っている事実はあるのか、明らかにされたい。また、そのような連絡や調整は政府の側から積極的に働きかけて実現したものであるのか、あるいは非政府組織の呼びかけに対応したものであるのか、明らかにされたい。さらに、それら連絡や調整等を行っている場合には時期や内容を示されたい。

2 COP9において、日本の非政府組織との現地での連携を積極的に試みたのか、内容を含めて示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

平成二十年五月にボンで開催された生物の多様性に関する条約(平成五年条約第九号。以下「条約」という。)のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書(平成十五年条約第七号)第四回締約国会議(以下「MOP4」という。)において、我が国は、現代のバイオテクノロジーにより改変された生物の国境を越える移動から生じる損害についての責任と救済の問題について、生物の多様性の保全及び持続可能な利用への影響に加え、研究、開発の振興、貿易への影響等についても考慮する必要があり、そのためにバランスのとれた制度を構築することが重要であるとの趣旨の発言を行った。

一の2について

MOP4及び条約第九回締約国会議(以下「COP9」という。)において、我が国は、各国の立場の違いを克服し、バランスのとれた、実効的ですべての関係国にとって有益となるような成果を目指して、関係国との調整に積極的に努めた。

一の3について

MOP4の開催期間中に、複数の非政府組織との間で、MOP4の主要議題についての議論の経過等について意見交換を行った。

二の1について

政府としては、条約第六回締約国会議において採択された、二千十年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させるという目標(以下「二千十年目標」という。)の実現に向けて、各国がさらなる努力を行うことが必要であると認識しており、COP9においても、平成二十年五月二十四日から同月二十六日にかけて神戸市で開催された先進8か国環境大臣会合の成果として、二千十年目標の達成とそのフォローアップ等に関し各国にさらなる行動を呼びかける「神戸・生物多様性のための行動の呼びかけ」や、それを受けた我が国の取組等について、鴨下一郎環境大臣より紹介した。

二の2について

保護地域に関するCOP9の決定案の御指摘の項目については、当初G8各国に対し、次回サミットにおいて生物多様性保全のための資金イニシアティブに着手するよう検討することを要請する内容が含まれていたが、要請対象をG8諸国のみに限定することは適当ではないことから、立場を同じくする国々とともに削除するよう求めた。

三の1について

我が国は、条約に関して、平成十九年には約百七十九万五千米ドル、平成二十年には約百八十七万五千米ドルを拠出した。右は条約全体の運営予算額の二十二パーセントに相当する。他の主要な条約加盟国の平成十九年及び平成二十年の拠出額並びに総拠出額に占める各国の拠出額の割合は、ドイツが約九十一万三千米ドル及び約九十五万三千米ドルで約十一・二パーセント、イギリスが約六十四万六千米ドル及び約六十七万四千米ドルで約七・九パーセント、フランスが約六十三万五千米ドル及び約六十六万四千米ドルで約七・八パーセント並びにイタリアが約五十一万五千米ドル及び約五十三万八千米ドルで約六・三パーセントである。

三の2について

我が国としては、条約に基づく活動の効率的な運営を促すとともに、我が国の厳しい財政事情を勘案し、当初条約事務局が提示した予算案に対し、立場を同じくする国々とともに反対の立場をとった。

四の1について

お尋ねの第四回アフリカ開発会議(以下「TICADⅣ」という。)に参加した各国の環境大臣の人数は七名である。

四の2及び3について

COP9及びTICADⅣの開催日程については、他の国内外の主要行事の日程及び各行事の関係国等の意向等を踏まえ、調整の上、決定されたものであると認識している。

五について

御指摘の非政府組織の会議への参加及び発言については、それらの団体が有する知見が締約国間の議論の深化に資する面があると認識しており、政府としては、条約第十回締約国会議(以下「COP10」という。)においても、非政府組織の積極的な参加及び発言を呼びかけたいと考えている。

六の1について

政府としては、COP10に関心を有する我が国の非政府組織との情報交換や連絡調整に努めてきている。なお、御指摘の「COP10の受入を行う非政府組織」の意味するところが必ずしも明らかではないが、COP10への参加を希望する非政府組織を一元的に支援する非政府組織があるとは承知していない。

六の2について

COP9においては、COP9の主要議題に関する我が国の考え方等について、平成二十年五月二十四日及び同月二十七日に複数の非政府組織に対する説明を行ったほか、同会議の開催期間中に、随時非政府組織との間で意見交換を行った。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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