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裁判員裁判の裁判員選任において許容される質問等に関する質問主意書
参議院 第171回 第143号個別の事案 ×1
質問本文
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(以下、「裁判員法」という。)第三十四条は、裁判長が裁判員候補者に対して「不公平な裁判をするおそれがないかどうかの判断をするため、必要な質問をすることができる。」と規定している。これは公正かつ公平な裁判員を確保するために重要な規定である。しかし、実際上の質問においては、ともすれば裁判員候補者のプライバシーに及ぶおそれも考えられ、その調整が必要である。
また、裁判員法では弁護人及び検察官が直接、裁判員候補者に対して質問をすることが許されず、あくまで裁判長に質問してもらう仕組みとなっている。しかし、どの程度の質問がどのようにできるか等、裁判員の選任の際の質問方法は必ずしも明確ではない。
そこで、以下のとおり質問をする。
一 裁判員裁判は重罪を対象にしているので、裁判員は事件によっては死刑の可否の判断も求められることになるから、裁判員候補者の死刑制度に対する考え方を確認することは選任に当たって重要な点である。
そこで、裁判長が裁判員候補者に対して、死刑制度に対する賛否の考えを確認する質問をすることは許されるか。仮に許されるとすれば、思想良心の自由を定めた憲法との整合性はどのように考えているか。
二 裁判員候補者が予断を持っていないかどうかを確認するため、裁判員候補者が参加する予定事件の詳細を報じた新聞、雑誌等を閲読したか否か、どのような印象を持ったか等の質問は許されるか。また、裁判員候補者が参加する予定事件と同種犯罪の被害者になったことがあるか否か、被害を受けてどう思ったか、裁判員候補者の親族に同種犯罪の被害者になった人がいるか否か等の質問は許されるか。許されるとすれば、裁判員候補者のプライバシー保護に関して何らかの配慮はなされるか。
三 裁判員候補者が参加する予定事件と同種犯罪に関与したことがあるか否か、どのような関与をしたか等の質問は許されるか。また、これまで警察や検察で取調べを受けた経験があるか否か、どのような印象を持ったか等の質問は許されるか。許されるとすれば、裁判員候補者のプライバシー保護に関して何らかの配慮はなされるか。
四 裁判員法第三十六条は、検察官及び弁護人は裁判員候補者についてそれぞれ原則として四人まで理由を示さずに不選任決定の請求をすることができると規定している。これは検察官及び弁護人に対して、可能な限り公平な裁判を確保する観点から与えられた権利であると考えるがそのとおりか。
五 弁護人または検察官が、裁判員候補者に対して第一項ないし第三項にかかる趣旨の質問をするよう裁判長に求めた場合、裁判長がこうした質問をするか否かは裁判長の自由な裁量に委ねられていると解されるか。弁護人または検察官が、裁判員法第三十六条の判断を行うに際して必要な質問を裁判長にするよう求めても裁判長がこれを拒否した場合には、これを理由として刑事訴訟法第二十一条の忌避申立をすることは許されるか。
六 弁護人または検察官は裁判長の許可を得て、直接、裁判員候補者に対して質問をすることが許されるか。それとも一切許されず、あくまで裁判長に必要な質問をするよう求めることしかできないと解すべきか。
右質問する。
政府答弁書
一から三までについて
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成十六年法律第六十三号。以下「裁判員法」という。)第三十四条第一項の規定により、裁判員等選任手続において、裁判長は、裁判員候補者が、職務従事予定期間において、裁判員法第十三条に規定する者に該当するかどうか、裁判員法第十四条の規定により裁判員となることができない者でないかどうか、裁判員法第十五条第一項各号若しくは同条第二項各号若しくは裁判員法第十七条各号に掲げる者に該当しないかどうか若しくは裁判員法第十六条の規定により裁判員となることについて辞退の申立てがある場合において同条各号に掲げる者に該当するかどうか又は不公平な裁判をするおそれがないかどうかの判断をするため、必要な質問をすることができることとされている。具体的な質問内容については、各裁判所において、個々の事案における具体的事情に応じて適切に判断されるものと考えているが、裁判員法第三十四条第一項の規定による質問は、そのような判断に必要な範囲でなされるものであり、裁判員候補者に対する質問が思想・良心の自由を侵すこととなるとは考えていない。
また、裁判員法第三十三条の規定により、裁判員等選任手続は、公開しないこととされているほか、裁判員候補者の心情に十分配慮して、これを行わなければならないこととされている。
四について
裁判員法第三十六条の規定により、検察官及び被告人は、一定の員数の裁判員候補者について、理由を示さずに不選任の決定の請求をすることができることとされている。これは、当事者が、裁判長による質問等を通じ、不公平な裁判をするおそれがあると感じたとしても、具体的な根拠に基づいてこれを明らかにすることには困難を伴うことも多いと考えられ、他方で、不公平な裁判をするおそれのある者が選任された場合、裁判結果に大きな影響を与える可能性があることから、裁判の公正を確保し、当事者からも信頼される合議体を構成できるようにするために設けられた制度であると考えている。
五について
裁判員法第三十四条第二項の規定により、陪席の裁判官、検察官、被告人又は弁護人は、裁判長に対し、同条第一項の判断をするために必要と思料する質問を裁判長が裁判員候補者に対してすることを求めることができ、この場合において、裁判長は、相当と認めるときは、裁判員候補者に対して、当該求めに係る質問をするものとすることとされている。裁判長がそのような求めに係る質問を相当と認めなかったことが刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二十一条の裁判官の忌避事由に当たるか否かについては、個別の具体的事案に即して、裁判所が判断すべき事項であると考えている。
六について
五についてでお答えしたとおり、裁判員法上、裁判員等選任手続における裁判員候補者に対する質問は、裁判長がすることとされており、検察官又は弁護人が、裁判員候補者に対し、質問をすることは許されていない。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。