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「グリーン産業革命」を目指した電気自動車等のエコカーの加速的普及策の確立等に関する質問主意書
参議院 第173回 第35号検討してまいりたい ×3
質問本文
鳩山総理は、去る九月二十四日の国連総会において我が国の温室効果ガスの一九九〇年比二五%削減を世界に明言した。
その実現のためには、我が国の経済構造や社会構造を根本的に変える「緑の経済と社会の変革」(日本版グリーン・ニューディール)への本格的な転換こそが必要であり、それは世界に向けての我が国の果たすべき使命でもある。
そこで、公明党は本年一月二十三日、『日本版ニューディール「グリーン産業革命」への提言』と『地球温暖化対策の国際交渉等に関する申し入れ』と題して麻生前総理に要望したところであるが、世界的な経済の低迷に直面する今こそ、環境と経済が両立する新たなビジネスモデルの構築、すなわち「グリーン産業革命」により、今後五年間で市場規模一〇〇兆円、二〇〇万人超の雇用確保を目指すときであると考える。
そこで、以下質問する。
一 電気自動車などの次世代自動車の普及目標について
オバマ政権をはじめ欧米各国のグリーン化は急加速的に進みつつあり、我が国においても自動車産業などの外需依存からの脱却と内需拡大を含めたバランスある経済復興、雇用創出は喫緊の重要課題であると考える。
温室効果ガス二五%削減を実現するための中期目標の見直しに当たっては、太陽光発電、次世代自動車、住宅・建築物等の従来の普及目標に限定せず、各分野の今後の普及目標を総合的に検討すべきであり、その経済効果や雇用創出効果などについても検討すべきである。また、五年後程度の中間目標も設定すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
さらに、いつまでに中期目標の見直しを行うのか時期も示されたい。
二 エコカーに対する補助制度や減税措置の延長について
CO2排出削減に大きく寄与する電気自動車等の加速的な普及促進を図るため、補助金や減税措置などの更なる延長と自動車ローン金利ゼロなどの優遇措置の拡充について、政府の見解を示されたい。
三 「低電圧充電設備」や「急速充電設備」等のインフラ整備について
安価な余剰夜間電力を活用することもできる電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(pHV)等の普及加速化は、電動化社会への変革を促進し、自動車産業を含む多くの産業の再興を図るものである。また、CO2削減に向けての中長期的対策及び大気汚染対策や騒音対策にも有効である。
そこで、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車の普及を促進するため、家庭における「低電圧充電設備」や、スタンド等の公共施設における「急速充電設備等」のインフラ整備の加速化と助成措置の新設・拡充を推進すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
四 レアメタルの確保と再生利用システムの整備について
電気自動車には、多くのレアメタルが欠かせない。電気自動車の「心臓部」であるリチウムイオン電池にはリチウムだけでなく、ニッケル、コバルト、マンガンが不可欠である。レアメタルの一種であるレアアース(希土類)のネオジムとディスプロシウムがなければ、モーターの磁石の磁性や耐熱性を高めることができないと言われている。レアメタルはロシアや中国、南米、アフリカなどに偏在しており、日本にとって将来の安定的な資源獲得には不安がある。
また国富流出のことを考える必要がある。昨年二〇〇八年の日本は、世界的に急激な原油高の中で我が国民が汗水を流して働いて稼いだ国富が、数十兆円もの規模で国外に流出したと言われている。レアメタル資源が希少・皆無である我が国は、資源国の資源価格攻勢に翻弄され易く、いくら労働しても国民生活が不安定になりかねない。そこで中国、南アメリカなどとの資源外交についても中長期的戦略が必要である。と同時に、周りを海洋に囲まれている日本は、海水に含まれている鉱物資源を取り出す「海洋資源抽出工学」を発展させ、安定性を確保する技術開発を行うこと、これに関しては国連海洋法条約にかかる部分もあり、イニシャティブの発揮が必要であること、また都市鉱山と同様に電気自動車の廃棄電池の国内循環資源として効率的な再生利用システムの整備を図るべきであること、などが考えられるが、以上の諸項目に関する政府の見解を示されたい。
五 革新的電池技術の開発・研究の加速化について
電気自動車の低価格化や再生可能エネルギーの蓄電による電力安定化(スマートグリッド)を促進するためには、「低価格高性能電池」の開発が肝要である。リチウムに代わる安価な原料による革新的電池技術の開発は我が国にとって喫緊の課題であり、国際競争力の上で確固たる地位を占めるためには、その開発・研究を加速化すること、すなわち、「選択と集中」による助成措置の重点化と大幅な拡充を図るべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
我が国は、二千十三年以降の地球温暖化対策について、地球温暖化を止めるために科学の要請する水準に基づくものとして、千九百九十年比で言えば二千二十年までに二十五パーセントの温室効果ガスの排出削減を目指すとの目標を表明している。この目標は、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築及び意欲的な目標の合意を、前提とするものである。
御指摘の「中期目標」及び「普及目標」は、二十五パーセントの削減目標の達成に向けた各分野における技術の導入見通し、経済効果、雇用に与える影響等のことを指すものと考えられるが、これらについては、地球温暖化問題に関する閣僚委員会副大臣級検討チームの下に設置したタスクフォースにおけるモデル分析等も踏まえ、地球温暖化問題に関する閣僚委員会等の場において、議論していくこととしている。
御指摘の「中間目標」の設定の必要性及び御指摘の「中期目標」の見直しの時期については、二千十三年以降の地球温暖化対策についての国際交渉の動向も見極めた上で、今後判断すべきものと考えている。
二について
政府としては、環境対策及び景気対策を効果的に実現する観点から、環境性能に優れた車の購入を促進するため、いわゆるエコカー減税やエコカー補助金といった支援措置を講じている。
いわゆるエコカー減税は、平成二十一年度から三年間の時限措置として講じているものであるが、今後の取扱いについては、税制調査会における議論を踏まえ、適切に対応してまいりたい。また、いわゆるエコカー補助金は、平成二十一年度第一次補正予算により講じている措置であるが、今後の取扱いについては、経済情勢や財政面での制約なども踏まえつつ検討してまいりたい。
なお、御指摘の自動車ローンに係る優遇措置については、販売を拡大する観点から、民間事業者が自らの負担により実施しているものと認識している。
三及び五について
電気自動車等については、本年度から国内自動車製造事業者による本格的な市場投入が開始されており、我が国の二酸化炭素排出量の削減や産業競争力の強化の観点から、今後の普及が期待されるところである。
一方、電気自動車等の普及に当たっては、ガソリン自動車等と比して高価格であるというコスト面の課題や、走行距離が短い等の性能面の課題が存在している。これらの課題を解決するためには、その基盤技術となる蓄電池の低価格化及び高性能化を実現することが必要であると考えている。
このため、政府としては、現在電気自動車等で主に使用されているリチウムイオン電池の更なる低価格化及び高性能化に向けた技術開発や、リチウムイオン電池に代わる次世代の革新的な蓄電池の研究開発に対し、支援を実施している。諸外国においても、電気自動車等の世界的な市場拡大を見込んで積極的な政策支援が行われていることを踏まえつつ、今後とも蓄電池技術の開発に対する適切な支援措置について検討してまいりたい。
また、電気自動車等の普及に当たっては、御指摘の充電設備の整備も重要な課題と認識している。このため、政府としては、急速充電設備の設置に対する助成や、大規模駐車場における充電設備の最適化システム及びガソリンスタンド等における充電サービスに関する開発及び実証等を実施しており、今後とも適切な支援措置について検討してまいりたい。
四について
政府としては、「新経済成長戦略のフォローアップと改訂」(平成二十年九月十九日閣議決定)に基づき策定された「レアメタル確保戦略」(平成二十一年七月二十八日経済産業省公表)に基づき、海外資源確保、リサイクル、代替材料開発及び備蓄の四つを柱として、総合的かつ戦略的にレアメタルの確保に取り組むこととしている。
御指摘の資源外交への戦略的取組については、関係省庁、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構等の独立行政法人及び民間企業が連携し、資源探査や環境保全等に関する我が国の強みを活かして資源国の多様なニーズに応えることにより、資源国との戦略的互恵関係を構築してきている。
御指摘の海水からの鉱物資源の抽出については、例えば、独立行政法人産業技術総合研究所が、海水からのリチウム抽出技術の確立に向けた研究を実施している。
御指摘の電気自動車の廃棄電池等に関する再生利用システムの整備については、既に自動車製造事業者を中心に廃棄電池等の自主的な回収体制が構築されているが、今後、これらの廃棄電池等からリチウムを含むレアメタルの回収を進める必要があることから、政府としては、廃棄電池等からレアメタルを回収するための技術開発に対し、支援を実施している。
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