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出産育児一時金直接支払制度の実施を延期している施設名の公表に関する質問主意書

参議院 第174回 第116号

提出者
参議院
提出日
2010年6月16日
内閣転送 2010年6月16日
答弁書受領日
2010年6月29日
提出から13日
答弁の項目数
4
質問 1,549字/答弁 1,315字

質問本文

出産育児一時金直接支払制度(以下「直接支払制度」という。)については、産科医療機関及び助産所(以下「産科医療機関等」という。)の経営に対して「医療機関等からの申請から支払までに一定の期間を要することから、医療機関等の資金繰りに一定の影響があるものと認識している」と、政府も私の質問に対する答弁書(内閣参質一七四第三七号、平成二十二年三月九日付)で認めた。

この認識を受けて、政府は、直接支払制度の全面適用を延期するとともに、つなぎ融資の融資条件の緩和、出産育児一時金の月二回払いを導入するなどの対策を発表した(月二回払いの導入のみ未実施)。また、来年四月以降の制度について、社会保障審議会医療保険部会でも議論が行われることとなっている。

しかし、この間、一部で報道された直接支払制度の適用を延期している施設名の公表に関しては問題があり、以下質問する。

一 直接支払制度を実施していない産科医療機関等をホームページ等に掲載して公表すべきという意見もあったものの、この公表については、本年三月十二日の厚生労働省保険局長通知でもふれておらず、現在まで実施されていないが、その理由を示されたい。本年二月に実施した産科医療機関等へのアンケート結果を踏まえ、これを実施しないこととしたとも報道されているが、その通りか。

二 直接支払制度を実施していない産科医療機関等のホームページ等での公表は行われていないものの、国民健康保険・保険者の関係者だけがアクセス出来る国民健康保険中央会(以下「国保中央会」という。)のサイトには直接支払制度の請求実績のある施設名が掲載されていると報道されているが、これは事実か。また、健康保険組合、共済組合など被用者保険の保険者において国保連と同様の取り組みを進めようとしているのか、検討・準備状況などもあわせて明らかにされたい。

三 直接支払制度の請求実績を、直接支払制度にかかる請求をした他の保険者や保険者を通じて請求にかかる被保険者以外の被保険者に知らせることを前提として国保中央会のサイトに実績を掲載している。当該請求情報は直接支払制度にかかる請求をした他の保険者や保険者を通じて請求にかかる被保険者以外の被保険者に知らせることを予定されていない情報であり、かつ開示対象の産科医療機関等に開示されるかどうかの有無について個別に了承を得ていない。また、どのような内容が開示されているかなどについても開示対象の産科医療機関等に知らされていない。このような情報開示のあり方は問題ではないか。また、開示対象の産科医療機関等の個別承諾を得ていない上、開示情報を受け取ることが予定されている者が行政機関に限定されておらず行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律に照らして問題ではないか。

四 直接支払制度の未実施産科医療機関等と実施産科医療機関等が混在する地域では、実施産科医療機関等に妊婦が集中し未実施産科医療機関等の経営体力を弱らせている。

今回の情報開示の取り扱いでは保険者は請求情報の有無を回答するだけで当該産科医療機関等が分娩費の支払猶予など直接支払制度に代わる対応を実施しているか被保険者に知らせることにはなっていない。

ただでさえ直接支払制度によって産科医療機関等の経営は打撃を受けている。今回の情報開示の取り扱いによって更に、直接支払制度の未実施産科医療機関等の経営に追い打ちをかけているに等しく直接支払制度の全面適用延期の効果を帳消しにしかねない。

三で述べたとおり情報開示のあり方にも大きな問題があり、保険者を通じた直接支払制度にかかる請求実績のある産科医療機関等の公表をただちに中止すべきである。政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の直接支払(以下「直接支払」という。)を実施している医療機関等の名称(以下「実施医療機関等名」という。)の公表については、御指摘のアンケート調査の結果等を踏まえ、行わないこととしたものである。

二について

国民健康保険の保険者が被保険者の便宜を図るため、個別の医療機関等における直接支払の実施の有無について問い合わせがあった場合に確認できるよう、各都道府県の国民健康保険団体連合会に対して出産育児一時金代理申請・受取請求書の提出実績のある医療機関等の名称の一覧を、国民健康保険の保険者のみが閲覧できる形で国民健康保険中央会のホームページに掲載しているところである。また、被用者保険の保険者についても、その被保険者等から個別の医療機関等における直接支払の実施の有無について問い合わせがあった場合に確認できるようにするため、必要な措置を講ずる予定である。

三について

御指摘の直接支払制度(以下「直接支払制度」という。)に対応することが困難な医療機関等に対しては、例外的に、直接支払制度の適用を猶予しているところであるが、直接支払を実施しない医療機関等は、その旨を窓口に掲示することにより周知することとしており、個別の医療機関等が直接支払を実施しているかどうかは、既に個別の医療機関等において公表されている情報であると考える。また、実施医療機関等名は、国民健康保険の保険者が被保険者の便宜を図るため、個別の医療機関等における直接支払の実施の有無について問い合わせがあった場合に確認できるようにすることを目的として、国民健康保険の保険者に限定して開示しているものであり、さらに、当該措置については、産科医療機関関係団体等にも事前に説明をしているものであることから、問題はないものと考える。

また、医療機関等の名称については、一般的には、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)に規定する個人情報には該当しないものと考えるが、仮に同法に規定する個人情報に該当する場合であっても、厚生労働省においては、国民健康保険の保険者が被保険者の便宜を図るため、個別の医療機関等における直接支払の実施の有無についての問い合わせがあった場合に確認できるようにすることを目的として、各都道府県の国民健康保険団体連合会から情報を入手し、その目的のために、国民健康保険中央会に対してこれらの情報を提供しているところであり、同法に照らしても問題はないものと考える。

四について

直接支払を実施していない医療機関等においては、そもそも、出産費用が用意できない等の理由により費用の支払が困難な妊婦等に対しては、個別に直接支払制度に対応する等の措置を講ずることとしており、このことについては、被保険者等に対し、広く周知しているところである。このため、一律に、医療保険者において個々の医療機関等がこのような措置を講じているかどうかを確認し、被保険者等に知らせることとする必要はないものと考える。

また、三についてで述べたとおり、実施医療機関等名の公表について問題があるとは考えておらず、これを中止することは考えていない。

参議院の原文

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